サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

「SHISHAMO5」全曲レビューその13「私の夜明け」

2020-01-29 | SHISHAMO5全曲レビュー
この曲で、最後です。







今日もやっぱり傷ついた
生きることは傷つくこと
誰かの心無い言葉で
毎日ちょっとずつ傷を増やしてゆく






この曲は・・・
何から語ればいいのか。。
兎に角、自分の中で大切にしている曲なので、
生半可な言葉では形容したくないんですけど、
そうですね、
実は昨日の夜、
真夜中に布団の中で泣いてたりしたんですけど、
その時はこれまでにあった色々な理不尽な事を思い出して泣いてたりしたんです
でも、
それって(個人的には)「普通」だと思うんです
いつだってフルパワーで元気はつらつ!みたいな人間の方が少ないと思うし、
要はそれを表に出すか出さないか、ですよね
自分はね、
そういうのを表に出しちゃうと(ある意味)それを免罪符にしちゃいそうだから、
何とか極力、、、そう、極力抑えて「それでも」踏ん張っている姿を他人に見せたいタイプなんです
ま、ちょいちょい零してますけどね!(爆
ただ、そういう気持ちに寄り添ってくれる曲って自分にとっては重要で、
この曲は昨日もずっと聴いてたように、究極的に個人の孤独に寄り添ってくれるタイプの曲だと思うんですね。



「なんで私ばかり」心のどこかでいつも思ってる
それでも人は言う「辛いのはあなただけじゃない」
そんな言葉が聞きたいわけじゃない
分ってるくせにな




この曲は、
ある意味自分そのものだと言える楽曲です
自分が普段思ってる事がオブラートなしでそのまんま歌われている印象で、
だから、先日・・・いや、先月も演奏してくれたんで2回目か、
生で2回聴いたら2回とも泣いてしまうくらい感情移入してしまいましたね
自分がして来た事が理不尽に報われなかったり、
自分が間違ってない。。という気持ちがあったり、
結構・・・
自己否定だけではなく、
その先のモヤモヤもしっかり歌ってくれてると思うんです
ネガティブな感情を吐き出す歌やバンドはいっぱい居たけど、
「私、間違っていないはずなのに」なんて歌詞を歌ってくれたバンドはSHISHAMOが(自分にとって)、
初めてな気がしてそういう意味合いでも最初に聴いて「ハッ」としてしまった曲でもありました
頑張れば頑張るほど「何か」が遠のいていく感覚、
思い遣りの気持ちが不意にされた失望感、
そんな自分を惨めに思う本心。
「みんな辛いんだから」「それでも頑張っていきてる」なんて正論が空々しくなる日だって誰にでもある
そういう時に欲しい言葉って決して正論なんかではなく、ただ気持ちに寄り添って欲しいだけ、なんです
だから、この曲を聴くと、個人的には気持ち泣けるし、浸れるし、感情移入するし、
ライブで聴くとそのまんま泣いちゃう自分もいるし・・・
言葉で説明すればこういう感じなんですけど、
言葉で説明出来ない。
そんな良さも確実にある曲なんで、この曲は出来れば直に(音源で)聴いてみて欲しい楽曲です
自分の中にある葛藤や苦悩、報われない気持ち、根源的な悲しみ、、、に触れてくれて
そういう感情に寄り添ってくれる効能のある大事な大事な一曲
ずっとライブで聴きたい、と思ってたので、
年末年始と2回も生で聴けて本当に嬉しかった・・・!




曲調的には、
シンプルなバラッドです。
弾き語り風に始まって、ちょっとずつバンドサウンドに変化していく
決して派手な曲ではないですが、しっとりと心地良く聴ける気持ち良さがあります
更に、基本鬱屈とした心境を丁寧に描いている類の楽曲なんですが、
最後の最後で、
「歩いていける」って歌詞があるのがまた個人的に聴いててグッと来ます
そういう色々なペーソスを抱えつつ、それでも日々の喜びに興じて、踏ん張って進んでいく。
その終わり方と子供たちの歌声で終わるアウトロが秀逸でそれはそれで聴いてて気持ち泣けるポイントです
十字架を背負いながらも生きる事を選びたい、そういう心情が表れてるのも大好きだと言える楽曲、
その多面的な部分もまた人間らしいな、と思えていとおしいと感じる、
現時点でSHISHAMOの中で1番好きな曲ですね。
(「ほら、笑ってる」「水色の日々」も捨てがたいけど笑)。




誰にも気づいてなんか貰えないから
今日も一人でちょっとだけ泣くんだよ
辛いって言葉、いつから言えなくなったんだろう
いつから言っちゃいけなくなったんだろう



あなたに私の悲しみなんて分からない
だれにも私の苦しみなんて理解出来ない
そんな自分を、ちっぽけで、みじめだと思う。
だから、一人で孤独に涙する。
そういう曲で・・・・・
そういう曲だから、
自分は大好きで、心の底から名曲だと思える楽曲ですね。
人を勇気付けるのは、何も前向きな心情だけじゃない、っていう。
・・・本当に、大切な曲です。
それが、
そう思える事がすべて、ですね。



「SHISHAMO5」全曲レビューその12「水色の日々」

2020-01-21 | SHISHAMO5全曲レビュー
このジャケット、めちゃくちゃ好き。







今日までの当たり前が
もう明日には無いんだって
分かったつもりでいたけれど
やっぱり笑顔だけじゃ終われなくて







この曲は、
初めて買ったSHISHAMOのシングルです
当時NHKのラジオで流れてて「この曲よく出来てるなあ。」と素直に感じたので、
ジャケットが好きだったことも相俟って結構ふっとした流れで購入した気がします
それからはアルバム買ってライブにも行って・・・と今やこのブログでもお馴染みのバンドですよね。

「水色の日々」は、多分カテゴリーとしては卒業の歌になるんだと思いますけど、
ただ自分の中ではそれだけの曲ではなくて、色々な感情が渦巻いてるというか・・・
結構自分って過去に依存するタイプなんで、
過去出来なかったこと
過去にしか会えない人
過去にあった大切な思い出、、、
そういうものに依存しながら生きてるっていうのがかなり大きいんです
だからかなあ、この曲を聴いてると、もう二度あの人には会えないし、もう二度とあの感覚は手に入れる事が出来ない
あの頃「当たり前」だった感情も今の自分にとってはもう有り得ない出来事なんだな・・・と思うと悲しくなる
そういう想いを助長してくれるような・・・「くれる」って言い方はおかしいですけど(笑
そういう過去の“痛み”にそっと触れてくれるような、そういう曲なんですよね。


また、「笑顔だけじゃ終われない」ってフレーズも好きで・・・
やっぱり、過去にやり残したこと、
過去に言えなかったこと
未練がましいかもしれませんが、
今も心の中にずっと居座っている後悔の念がこの曲を聴いてると蘇ってくるんです
あの頃、大切な瞬間って、何も別れや出会いとかだけじゃなく、思い浮かぶのって日常の些細なシーンで、
でももう「それ」も今の自分にとっては二度と手に入ることはない、最後を通過したものだったりするんですよね
あの頃の「当たり前」は、願っても叶う事のない永遠になってしまって、そんな懐かしい痛みに触れてくれる。。
多少(?)ロマンティックな書き方をするならば、自分にとってはそういう愛おしい一曲なんです。

で、そういう個人的な想いを抜きにしても完成度の高い曲だな、って素直に思います
ザクザクと刻むバンドアンサンブルに青春を想起させる爽やかなピアノの音、
洗練された清廉としたアレンジも気持ち良く、
歌詞も物語性があり、
自分に置き換えずとも、
青春のワンシーンを切り取ったような写実性に優れたドラマティックで胸に残る楽曲だと感じますね
正直、この曲がクオリティ高くなかったら何が高い曲なのか?となってしまうくらいの芸術性のある曲だと思う

最終的に何かが解決する訳でもなければ、答えのある曲とかでも全然ないけど、
それが逆に趣があって、素敵に感じられる粋な卒業ソングですね
なんというか、
「あの頃の当たり前」に立ち返って、
懐かしくなって、
もう戻らない日々に涙するような、
そういう後ろ向きだけど確かなエネルギーがあって大好きな一曲です
でも、「笑顔だけじゃ終われない」って言葉がこの曲を熱いものにもしていると思う。
宮崎朝子の作家性がフルに発揮された傑作シングル、好きになったきっかけの曲だけあって、
自分の中では宝物のような楽曲です。初めてライブで聴いた時はずっと好きだった事もあり感動したなあ・・・!


そういえば、割とライブで演奏する率も高い曲ですね。また、今年も聴けたらいいな。




「SHISHAMO5」全曲レビューその11「ロマンチックに恋して」

2019-12-05 | SHISHAMO5全曲レビュー








バカみたいって笑われたって
私気にしないわ
最後に笑うのは きっと私だから









「ロマンチックに恋して」は、
元々シングルのカップリング、それも3曲目に収録されてた曲だけど、
あまりにも出来が良すぎてそのまんまアルバムにも収録された・・・と思われる
(というかシングル「水色の日々」は3曲中3曲がアルバムに収録されている)。
CMソングにも使われてたけど透き通る歌声と疾走感が心地良い出色のポップソングに仕上がっています。
華やかでお洒落なストリングスと恋に焦がれる少女の心境を歌った爽やかさが兎に角素敵で、
正直青春系の映画やアニメの主題歌にも似合いそうなくらい完成度は高いです
この曲を聴いた時、意外と、、、
意外と、という形容も失礼かもしれませんが
自分が大好きな職人気質のバンドなんだな。って実直に感じた思い出があります
ある意味、これがシングル曲でも全然良いんじゃない?というくらいメロディが素晴らしい一曲で
実際ライブでも良く演奏される早くも人気曲に成り得ている・・・そういう楽曲でもあると思う。

でも、
よくよくヘッドフォンでじっくり聴いてみると、
主張の激しいストリングスの裏でギターがジャリジャリ鳴ってたり、
本質は小気味の良い3ピースのロックンロールであることもよく分かったりもするので
そういう意味合いでは新境地でありながら変わらない良さも内包されている名曲とも言えるかも
ライブではアコースティックでよく披露されますが、個人的にはバンド演奏でもいつか聴いてみたい。


歌詞は、
正直素晴らしいです
基本的に、
ただただ無為に恋する未来を信じ切っている少女の気持ちをストレートに歌ってるだけなんですけど
そのシンプルさがまず聴いてて気持ちが良いし、ぶっちゃけ男子に置き換えても十分通じる曲にもなってるので
結構妄想じみている、というか・・・誰だって夢見たり期待するのなんかは自由じゃないですか(笑
だから、
自分だっていつか素敵な恋をする
自分に似合う誰かに出会って、
きっと幸せになる。。
という、
期待と希望を純粋にかつ切実に願っている、という
別に「叶うよ。」と言ってない分、
逆にこれはこれでリアルな歌と言えるんじゃないでしょうか

そういう風に、強く渇望する気持ち、信じる気持ちがいつか夢を叶える原動力になったりするので、
妄想しがち、想像しがちな方にとってはこれ以上ないくらい響く楽曲に仕上がってると思います
基本的にシンプルに朝子さんの歌声と丁寧なメロディが聴いてて心地良い曲だとも感じるので、
そういうシシャモのポップ職人気質に触れるという目的でも聴いて欲しい楽曲
この曲を聴きながら誰かと恋をする自分と誰かを想像するのもオツかと。

また、個人的には、、、
ぶっちゃけてしまうと非生産的な曲に自分を投影するのも良いんですが、
そろそろこういう生産的な楽曲を聴いて何かを期待したい年頃にもなって来ました
それもあって凄くお気に入りの一曲ですね。次のツアーでも演るのかな?





「SHISHAMO5」全曲レビューその10「サボテン」

2019-11-21 | SHISHAMO5全曲レビュー
                               








どうして走るの?って
私が一番聞きたいよ
全てが努力だけじゃ
うまくいかないの分かってるのに







「サボテン」は、元々シングルのカップリングだった曲で、
なおかつある意味表題曲(ほら、笑ってる)よりもシングルっぽい曲調の楽曲だと思う
というか、メロディもアレンジも非常にシンプルなギターロックに仕上がってるので、
割と入り口(ご新規さん)向けというか、
正直ベストに入っててもおかしくないぐらいのクオリティの曲だと思ってるんだけど、
ベストにも入らなければライブでもあんまり演奏されないレア曲っていうちょっと埋もれすぎなくらいの名曲だと思う
「笑顔のおまじない」もシングルのカップリングだった上に表題曲以上にシングルっぽかった訳で、
この時期のシシャモは色々な意味合いで挑戦的なスタンスだったんだなあ、ってのが分かります
今年のシングルは逆に凄く分かりやすくシングルっぽい曲が表題曲になってますが。


この「サボテン」、
とにかく歌詞がかなり自分好みで、
一応毎日自分なりに頑張ってはいるんだけど、
不器用なのか、
やり方が下手なのか、
なんとなく冴えない日々を送っていて・・・っていう
前提の時点で既に俺っぽいね。と感じる素晴らしい楽曲なんですけど(笑

ただ、
この曲には「それでも」という明確な意思があって、
冴えないし上手く行かないし思い通りにもならないけど、
それでも何かを信じて走り続ける気持ちだったり、
他人との比較とかではなく、
自分の、
自分「だけ」の幸福を地に足着けて追い求める姿だったり、
なんというか・・・凄く堅実だし真っ当な精神で歌われてるんですよ
そこが好きというか、
近年の自分のモードにハマるような世界観の楽曲に感じられて。







平凡だと誰かに笑われても
昨日より今日の方が良かったり
悪かったり繰り返して
私だけの幸せを探すんだ








本音を言えば、
近年はこういうフラットで足掻くように豊かさを追い求める歌詞によくハマってて、
それは自分の年齢的にもう四の五の言い訳尽くしてるような年じゃない、のもあるかもしれないけど。
けど、それと同時に、
手前にとっての幸福ぐらい手前自身で自覚しようよ。とか、
自分にとっての幸福ぐらい自分で勝手に感じられる人間で居たい。っていう想いがあるんですよね
その形は、その方法は決して他人と同じではないかもしれない
もし比較とかしたら劣っているかもしれない
けど、
自分でしか味わえない幸福さえあれば、もう何も要らない。
「それ」を自分らしくコツコツ集めていく・・・という詞世界が個人的には大好きなんです
すべては捉え方次第、
自分自身の力で、
この世界は廃墟にも楽園にも変わる。
その“事実”をちゃんと認識出来ている人間で居たい。
そして、この曲の主人公のように、自分だけの幸福を愚直に追い駆けていくような人生で在りたい。
そう素直に思えるこれまた聴きまくった大切な曲で、いつかライブで聴けたら幸せな一曲ですね。







そうそう、
この曲ギターリフも独特でちょっとニューウェイヴっぽいんですよね
それと、基本的に疾走感のあるロックチューンなのに、
何故か6分もあるのも正直面白いなあ、と(笑
バラード曲より長いじゃん、っていう。


「持ってない」事は変えられないけど、自分自身をコツコツ幸福にすることは誰にだって出来る。
それに気付くか気付かないか、だけなんですけど、気付かせてくれるような素敵な曲です。



「SHISHAMO5」全曲レビューその9「ほら、笑ってる」

2019-09-24 | SHISHAMO5全曲レビュー








みじめで 情けなくて
それでもこれが私だから








この曲は元々映画かなんかの主題歌として作られた曲らしい
けど、正直そうとは思えないくらい凄くパーソナルな心境を歌った楽曲に思えるのが不思議
一応シングル曲ですけど、あんまライブでは聴いた事がなくて、でもそれが勿体なく思えるくらいの名曲・・・だと
個人的には思っています
丁寧に紡がれたメロディ、
力強い歌声、
しっとりとした演奏・・・もう一度言いますが、何かの主題歌というよりは、
一個人の心情をそのまんま曲にしました、みたいな潔さと素直さがあってとっても大好きな一曲
自分を変えるのは、何らかによるラッキーではなく、自分自身でしかない。というテーマもまた好みですね。






思ってもないこと言っちゃったり
みんなが出来ること出来なかったり
いつもどこかで間違える
そんな自分が嫌だった




うん、
この曲が個人的に大好きなのは、
やっぱり歌詞の内容が驚くほど内省的・・・というか、
恋愛ネタでもなければ、応援歌とかでもない、ただただ自分のダメさだったり報われなさを嘆く歌詞になっていて
そういうのがシシャモ的には新しくて物凄い大好きで、、、や、もっと言えば、自分の事を歌われてる気持ちになるのかな。
ある意味普遍的というか、あんまり自分良くないな、人生良くないな。と考えてる人ほど響く楽曲になっていると思う。
要領の悪い自分、
当たり前の事が出来ない自分、
長年生きてても報われる気がしない自分・・・
そんな自分を否定してばっかりの人間にとっては沁み入る内容に仕上がっていて、
実直にそんな詞世界に浸っているだけでも楽しい。。や、楽しい、という言い方は語弊があるかもしれないけど、
なんていうのかな。「分かるなあ」という気持ちにさせられるのが凄くいい具合に聴ける曲になっている、と感じますね。



ただ、
この曲は沈んだまんま終わる曲ではなく、
ロックバンドの曲らしく、最後まで足掻く内容になっているのが尚頼もしいんですよね
何やっても上手く行かないくらいみじめで、情けない、でも、それが自分・・・と
今の自分の弱さを認めつつ、
奇跡なんて要らない
自分はそれでも自分だけの小さな幸福を集めて、
泥臭く生きていくんだ・・・というある種何よりも切実な独白のような歌になっていて、
そこも凄く堅実でシビアで大好きだなあ。って思います

なんていうのか、
確かに人間としては小さな存在かもしれない
だけど、そんな自分でも、確かにここに存在していて、今を生きている
そんで、ここまで生きて来た中で、確かにキラキラした何かを持っている、、、っていう
ただネガティブなだけの曲じゃなくて、それを超える「何か」があるような曲にも思えるんです
自分の弱さも、自分の強さも、両方認めて、足元を見つめながら、ただ小さな幸福に邁進していく。
それは今の自分が最も求めるようなテーマの楽曲であり、ある意味ちゃんと大人の視点から描いている曲にも思える
宮崎朝子の作家性とか価値観が何となく伝わってくる、結構重要な楽曲なんじゃないでしょうか
一度もライブで聴いた事がないので、これからのライブで是非聴きたい曲ですね・・・
切実に。
ま、あんまり盛り上がるような曲じゃないんですけど(笑
でもシシャモの中でも凄く大好きな曲ですし、聴いてて沁みますね、自分は。






奇跡なんて起きない
そんなことはもう分かってる
でも 悲しくなんてないよ
小さな幸せ あなたと数える





この曲は自分の中では「私の夜明け」と同じくらい特別な曲で・・・
個人的な歌詞解釈ですけど、映画とかを抜きにして純粋にこの曲を聴いていると、
この曲の「あなた」というのは自分自身に問いかけてるように思うんです
自分にとっての小さな幸せを、
自分の手で集めていく・・・
そう考えると、
何よりも誠実な自分自身のテーマソングにも聴こえるから尚大好きなんです
何よりも、
自分を変えるのも、
自分を豊かにするのも、
全部自分でしかない、というのが持論なので、
その観点でも物凄くロックバンドらしい楽曲にも思えるんですよね
曲調はバラッドですけど、楽曲精神は「手前で手前をなんとかしよう。」という、
そういう雰囲気が感じられるある種指標にもなりそうな名曲、、、ですね、自分の中では。

改めて、自分の手で、ちゃんと頑張って、自分を豊かにしていこう。という気概を感じる、
そんな素敵で地に足の着いた隠れた名曲の一つ、だと思っています。
自分だけの幸福に自覚的になろう、って気分になりますね。







春に行った野音から。
今週は待ちに待った、たまアリライブがあるので楽しみです!!
去年あたりからSHISHAMO好きになったんで、ライブ経験は浅いので、
またロングツアーとかやって欲しいなあ・・・とか思う今日この頃です。




「SHISHAMO5」全曲レビューその8「同窓会」

2019-08-11 | SHISHAMO5全曲レビュー
                              







あの頃みたいに笑えない
変わったのはきっと僕も同じだ








この曲の歌詞に「自分を好きだった君はもういない」というニュアンスの歌詞があるんですが、
そのフレーズを聴いてると・・・こう、相当切なくなるんですよね
結局のところ、
人間関係って難しい。。
一度仲良くなっても軋轢が生まれてさようなら。とか当たり前の話ですし、
時が移ろえば人だって変わってお互い別々の生き物になっていく
それを「そういうもんだ。」と割り切れる人と、
「淋しいな。」って思ってしまう人と2種類居ると思うんですけど、
後者の人間にとってはとても強く響く楽曲に仕上がってると感じます。


この曲もめちゃくちゃ良い曲で、
なおかつ聴いてると逆に落ち込むくらい歌詞のニュアンスが伝わりやすい秀逸な曲に仕上がってるんですけど、
ぶっちゃけて言うと自分が失ったものってやっぱりイノセンス・・・純粋さだったりするんですよね。
あの頃みたいに、
何も考えず無邪気に、
ただただ自由に笑えてた自分はもういない・・・
そう思うと正直聴いてて「クる」ものもあったりするんですけど、
何気に変わったのは自分も同じ。って自己批判に近いエッセンスがあるのもまたイイ、、、というか沁みるんですよね
それで、その言い訳を許さないシビアな感覚もまたロックバンド然としていて素敵です

あの頃みたいに笑えない、という歌詞をもっと掘り下げると、
「あの頃」はまっすぐに信じられる「何か」がきっと誰にでもあって、
でもそういう「何か」が打ち砕かれてただの灰になってしまって
だからこそ、
もう無邪気に笑えない。。っていう、
ちょっと、いや、かなりセンチメンタルな雰囲気に仕上がってると感じるんですが、
でも楽曲自体お洒落だけど、どこか泣きメロでそんなしっとりしたアレンジにも似合ってるんですよね
しっとり、と言いつつ、リフが小気味良い軽快なものにもなってるのでポップでもあるんですけど、
そういう聴きやすく沁みる・・・っていう一粒で二度美味しい、的な楽曲に仕上がってるのが面白いですね
個人的にはしっとりしてお洒落なアレンジの中ガンガンビートを刻むドラミングもツボな一曲です。






最後には、
楽しかった季節に別れを告げるフレーズなんかもあったりして、
それがまた切ない、、、というか最初から最後まで何一つポジ要素のない楽曲になってるんですけど、
でもそれもリアルでいいよなあ、と自分的には素直に思います。

自分も、あの頃みたいに笑えません。もう。





「SHISHAMO5」全曲レビューその7「BYE BYE」

2019-08-06 | SHISHAMO5全曲レビュー








本当はもっと私笑えるし
空を飛んでる姿だって知らないでしょ?
なにも、知らないでしょ?










この曲は思い入れありますね~
アレンジとしてはピアノの音が印象的な大人のロック・ミュージックというテイスト
もっと言えばオルタナティブ・ロックのような雰囲気とサウンドに仕上がっているので、
割とストレートでシンプルなアレンジの多いシシャモにとっては新境地であったであろうナンバーです。
その豊かなバンドサウンドを聴いてるだけで面白い節の強いロックナンバーなんですが、
歌詞がまた印象的・・・かつ聴き手とシンクロ度の高い楽曲に仕上がっていて。


これ、
結構語ると難しいんですが、
個人的な頑張り、個人的な想い、、、というのは
伝わりやすいようでその実全然伝わらなかったりするじゃないですか?
結局、人間というのはあくまで(身内であっても)他人同士、
他人の心の中までは決して覗けないし覗いてもらえないんで、
そういう部分で・・・
どうしてもジレンマというか噛み合わない部分が生まれてくる訳ですよ。

自分では、
自分がどれだけ頑張ってるかだとか、
自分がどれだけ強い想いを抱えてただとか、
そういう細部までちゃんと把握してる訳ですけど
それが他人にしっかり伝わるかどうかなんて正直分からない
人間口ではなんとでも言えるし、
なんとでも捉えられるし、
ぶっちゃけ言葉だけでは伝えられる度合いに限界があるような気がしてならないんですよ。

でもそこで、「分かってよ!」みたいな図々しい言葉なんて絶対に言えないじゃないですか?
だからかなあ、この曲の自分の可能性も想いも何も知らないでしょ?っていうわがままだけど普遍的な気持ち、、、が
個人的にはよく分かって聴く度に感情移入してしまう・・・のが本音だし伝えたかったりもするんですよね
一方的な気持ちの押し付け、みたいな、傲慢だけど抑えられない本音、、、を肯定してくれる一曲
正しい感情だけが正しいことなんかじゃない。という、
そういう意味では物凄く正しいなあ。と思える楽曲でもあります



歌詞全体の方向性としては、何気に今の時期、夏の歌でもあって
なんていうんだろう、ストレートに言うと「今年も自分報われないんだろうか。。」みたいな、
所謂非リアの心情そのまんまみたいな、焦燥感たっぷりの歌詞だったりもするんですけど、
それがまたある意味共感度高いっていうか、
同時に考え過ぎな自分に釘を刺すナンバーにもなってるし、
何より最後はそんなぐじぐじした自分にバイバイするよ。っていう、
ある種前向きさを残して終わる軽快な部分もまたメリハリがあって好みの一曲
それは強がりなのかもしれないけど、そう思う事自体は決して弱いことなんかじゃない。
この曲を聴いてると、宮崎朝子さんの凛とした歌声も相まってそんな風に素直に思います。
空だって飛べる~、というのは、自分はもっと素敵に頑張れた。という想いのメタファーなんでしょう
本当の自分の想いを、本当の自分の良さを、あんた知らないでしょ?っていう、
そういう心境を曲にしてるのはこの曲以外ではあんまり知りません
そういう意味でも個人的には相当重宝している曲の一つ、です。








最近イベントライブが多めで、中々ワンマン少ないんで早く9月にライブが観たい今日この頃です(笑




「SHISHAMO5」全曲レビューその6「あの娘の城」

2019-07-17 | SHISHAMO5全曲レビュー








この部屋に一人でいると
自分が誰なのか
何でここにいるのか
時々分からなくなる









この曲を初めて聴いたときは驚きました
まるでガレージロックばりの激しい演奏と鋭い歌声で、
ある意味この曲が1曲目だったら「あれ?CD間違えた!?」って思っちゃうんじゃないか、っていう笑
それぐらい従来のシシャモのイメージからはかけ離れたゴリゴリのロックナンバーです
でもその気持ちいい違和感が素敵で何度も聴いてしまう、
ライブで聴いても気持ちが良い楽曲になってます。



で、
やっぱ上記のフレーズですよね
自分の価値・・・っていうか、
存在意義というのは自分一人の力で見出すのは中々難しくて、
どうしても他者との関わりの上でしか得られないカタルシスもあったりするんですよね
でも結局、どんだけ努力しても「そこ」に辿り着けない事の方が多くて・・・
でもそんな時に正論なんて聴きたくなくて、
だからこういう曲が必要なんじゃないか、って思います

別に、
何かが解決してるわけじゃない
曲にいわゆる「オチ」が付いたわけでもない、
ただただ言ってしまえば苦しんでもがいてるだけの歌です
でもそれが良いよね。っていうか、
心境にフィットするかしないかですから。
どれだけ「負けるな~!」って叫んでも自分のモードがそこに行かなかったら意味なんてなくて、
やっぱりそういう時に必要な曲ってこういう激しく苛立ってるような、報われない楽曲だったりするんですよね



この曲は、
彼氏の浮気・・・というか、
自分とのやり取りの中で心ここにあらず。というのが
肌で分かってしまった女の歌ですけど、
それはそれで辛いですよね
自分だけを認めて欲しい、
自分を愛して欲しい
それがうつろになって来ている女の歌、、、って事で
物語として聴くと鬱だし聴いてて苦しくなって来るんですけど(笑
でもその切羽詰まって必死な感じがまたロックンロールっぽくていいよね。とも思う
つうか、正真正銘転がってるロックンロールな一曲ですね
ある意味シシャモの「凄み」が一発で伝わる楽曲です。
アルバムの中でもかなり推しの一曲、是非!




「SHISHAMO5」全曲レビューその5「夢で逢う」

2019-07-09 | SHISHAMO5全曲レビュー









他の誰かじゃないんだな
そうだな、やっぱりあなたが欲しかったんだな









「夢で逢う」は失恋・・・
失恋、なのかな?それ以前の問題な気もするけど、
まあ正味「届かなかった想い」の歌、、、ですよね
けど、アレンジはガレージロックというかオルタナっぽいザクザクしたロッカバラードで、
所謂ストリングとか入れてアレンジを美しくしてないのが逆にこだわりを感じる一曲に仕上がってます
この曲と次の「あの娘の城」はシシャモのロックバンドとしての一面を強調している流れ~、と言えます。


この曲は・・・とにかく重いですね
恋って言葉の響きだけで考えれば、とても素敵なものなんですけど
それ故に一方通行になりがちで・・・勝手に好きになって勝手に傷付くパターンが多すぎなんです
っていうか、大体の人はほぼほぼそんなんばっかなんじゃないでしょうか
自分が求めていても、相手にとっちゃノーサンキューっていう。
それがあるから辛いですね
或いは、ちょっといい感じになっても、
変な軋轢があって結局心が通わない感じになっちゃったりね

でも、
「あなたが欲しかったんだな」ってフレーズは究極の本音ですよね
ただそばにいて、
ただ笑ってくれるだけで良かった・・・
それすら叶わなかった。という現実
例え自分じゃ不釣り合いだったとしても、
認めてもらえなかったとしても、
それでも、
自分の想い人と一緒にいる、という未来が欲しかった。。という切実過ぎるラブソング
多分、告白すら出来なかった、チャンスで見逃し三振しちゃった人の歌だと思いますけど、
実際みんなそんなもんじゃないかなあ~って思うと感情移入せざるを得ない名バラッドに仕上がっています。






まだ好きだって言えたら
今も好きだって言えたら
何か変わるのかな



今はもうどうにもならなくなってしまったけど
またあなたの笑顔が見たい





正直、こういう気持ちはよく分かる・・・
けど、ある意味男か!と思うような女々しさで、
そういうトコも個人的にはお気に入り、かつ、気持ち泣けるな~と思う一曲
自分の想いをきっちり成就させる人はある意味天才なのかもしれない。
自分は、未だにこの曲のような状態ですから、余計に沁みる。





「SHISHAMO5」全曲レビューその4「あなたと私の間柄」

2019-06-29 | SHISHAMO5全曲レビュー









いつまでも二人こんな風にさ
晴れた日も雨の日も寒い朝もうだる夜も
二人でいれたらいいなって思うんだ
ただ本当にそれだけを思うんだ
ねえ、君はどう思う?








ちょっとほっとするようなメロディに、
多幸感溢れる歌声・・・この曲は本作の中でも随一にハッピーな楽曲で
恋人同士の幸せな日常が描かれているシンプルな一曲です
ただ、その中でも、
いつまでもずっとこうしていれたらいいのに・・・って切実な想いも込められてるのがいいですね。

人間、今は仲良しでも
事情があって離れ離れになったり疎遠になったり、仲たがいするなんて当たり前じゃないですか?
だからこそ、決められた「永遠」がないからこそ、いつまでも「そうあって欲しい」と願う・・・
そう考えると、
純粋にハッピーなようでいて
実はある意味切ない楽曲でもあります

そもそも、
男子側よりも、
女子側の方が熱中している時点で、
温度差がある。って言えなくもないし、
一方的な想いの膨張って意外とつらいもんですからね
だから、上記のような歌詞が生まれるんでしょうけど・・・


今、幸せだったとしても、
明日も、幸せだとは限らない。
なので、今日のこの幸福を噛みしめて、
自分の思いに素直になって・・・っていう、
浮かれているようでいて内心シビアでもある楽曲なのかもしれません
でも、それほどまでに誰かを想えるセンス、、、もまた個人的にはちょっと羨ましかったりしますね。
そういう、多幸感と切実さが入り混じる恋人の情景がストレートに伝わる佳曲に仕上がってると思います。







しかし、
純粋にいい曲。というには、
アレンジもメロディも本当に練り込まれてて素敵な一曲です
特にメロディは本当に丁寧に紡がれてて聴いてると聴き惚れるような感覚すらあります
そんな宮崎朝子のメロディセンスもまた楽しめる楽曲、キュートな作中間もまた楽しい曲ですね。