いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ジミ・ヘンドリックスの「星条旗」。'the Stars and Stripes' melody by Jimi Hendrix

2020-07-25 20:03:57 | 日記
 (1)米国ギタリスト、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は父がアフリカ系黒人出身で母が米国原住民インディアン出身であり、今日的米国の人種問題をひとりで体現するがごとく「存在」である(あった。ー27才死去)。

 (2)世界ロック三大ギタリストの代表格であり、サウスポー演奏スタイルという希少価値(まだサウスポースタイルギターが普及しない時代でライトハンデッドのギターを逆にして演奏)でもあり、何かと米国、世界音楽を代表する名うてのミュージシャンだった。

 (3)そのジミ・ヘンが69年8月、50万人を集めたといわれるウッドストック野外コンサートでE・ギター1本で米国国歌「星条旗」(the Stars and Stripes)を演奏して驚かせたが、その映像が今また白人警官による黒人逮捕圧死事件の抗議社会の中で日本の米国総領事がネット配信して話題となっている記事があった。

 (4)ニューヨーク郊外のウッドストック音楽芸術祭開催は「ベトナム反戦運動、黒人公民権運動、ウーマンリブ運動がアメリカの政治、社会を変えようとする時期」(記事文)で、ジミ・ヘンのE・ギター1本での米国国歌「星条旗」演奏は(映像で聞いたことがあり)もの悲しく、切々と哀れみにしかし力強く響き渡り、自らの「生い立ち」と重ね合わせて、今まさに米国内であふれ謳われている「black lives mutter」を本来の自由、同権、平等そして反戦社会のあるべき本当の「愛国」の思いをE・ギター1本に乗せて深く、冷静に主張したものといえる。

 (5)ジミ・ヘンだからできた、意味のある、理解される「愛国」の「星条旗」演奏だ。「愛国」にも様々な考え、動機、思想、文化が存在する。保守全体思想と結びつく侵略的、攻撃的「愛国」もあれば、憂うる救国の「愛国」もあり、愛すべき国民の「愛国」もある。

 (6)ジミ・ヘンの「星条旗」を聞いていると、愛すべき国でありながら黒人であるがゆえに愛されずに差別される国への無念、抗議、そしてそれだけではない自由主義、理想主義のすばらしさが人種を越えて正当に誰にでも評価される社会の実現、気づくことへの高らかな響きとして胸に迫ってくる。

 (7)あの日ニューヨーク郊外の空に響き沸き上がったジミ・ヘンのギター1本の「星条旗」演奏は、いつの日にかは自由、同権、平等を求めるすべての人の上に舞い降りるために今もさまよって聞こえている。

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