いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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国賓待遇と企業買収(M&A)。 a guest of the nation and M & A

2024-04-10 20:43:16 | 日記
 (1)岸田首相が国賓待遇での訪米に出発した。何度も訪米してバイデン大統領と首脳会談をしており、今さら「国賓待遇」での公式訪問というのはどういう意味があるのか、すでに韓国尹大統領が国賓待遇で訪米しており米国がアジア政策で重要視する日米韓の連携強化のため日韓のつり合いをとったのではないかと書いたがわからない。

 (2)岸田首相の立場からすれば能登地震復旧に自民党裏金議員の処分、自らの処分は問わない中での訪米に「国賓待遇」がつくことで、時期的には何とも不釣り合いな印象は強い。日本の首相の訪米ということになれば必ず日米関係で調整が必要な問題、課題で米側から日本側に重い宿題が課せられることが多く、外交問題としてなかなか表には出てくることはない。

 (3)今回、岸田首相は米国内のトヨタのEV用電池製造工場を視察して日本の米国内向け投資を強調するものとみられているが、ここに来て問題として浮上しているのが日本製鉄のUSスチール買収(M&A)計画だ。
 粗鋼生産量で世界4位の日鉄が2兆円超で経営不振の続く同27位のUSスチールを完全子会社化(報道)するものだ。

 (4)日本でいえば「日鉄」の象徴的存在にあたるかっての米国基幹産業のUSスチールが買収されることにはトランプ前大統領が反対を表明して、大統領になれば阻止すると言明しており、バイデン大統領も「USスチールは100年以上にわたって米国の象徴的な鉄鋼会社。米企業が所有すべきだ」(報道要約)と訴えた。
 11月の米大統領選を控えて労組票の獲得を目指してトランプ、バイデン両候補から日鉄のUSスチール買収に異議が出ている。

 (5)世界4位の日鉄が27位のUSスチールを買収するのはUSスチール経営陣、株主には不利益なことではないが、労組が猛反発(報道)して、そこに大統領選の労組票を巡ってトランプ、バイデン候補が異議を申し立てたというところだ。
 今回の日米首脳会議でも取り上げられるものとみられて、米国追随の岸田首相がどう考え、判断するのか注目される。

 (6)日本企業のM&A(企業買収)は長引く円安(効果)で世界的な企業買収が続いており、生産拠点を海外にシフト、広く求める企業行動を展開している。日鉄によるUSスチールの買収計画は双方にとって有意義なものとみられるが、「米国の象徴的な鉄鋼会社」が日本企業(日鉄)に完全子会社化することに反発も大きく、米大統領選と重なり政治問題化した。

 (7)日鉄も会社名「USスチール」を残し、本社も米国内(現在地)とするという譲歩案を示している(報道)が収まらずに、今回の日米首脳会談での政治判断、決着に委ねられることになりそうだ。大統領選も控えており米国、バイデン大統領の厳しい態度が予想される。
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