いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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国民へのボーナス配当。 allot a bonus share to nations

2017-11-17 20:01:05 | 日記
 (1)世界的に格差社会が進む中で、21世紀の資本著者のトマ・ピケティさんは高所得者に対する課税を強化すべきだと説いた。自民党もようやく高所得者、富裕層に対する課税強化の方針を打ち出した。

 企業資産の内部留保は膨張を続けて政府としても賃上げを促進して拠出することを要請しているが、そもそも自己利益を上げることが目的の企業論理から将来投資の準備のために企業の姿勢、対応は慎重だ。

 (2)減税は高所得者、富裕層に効果が高い(逆進性)といわれて、あまり評判はよろしくない。この減税にこだわっているのが名古屋市の河村市長で、当初市民税10%減税を主張して市長に当選して自ら地域政党の減税日本を立ち上げているが、反対勢力の強い議会との対立の中で河村市長の個人的な市民人気、支持でなんとか市民税5%減税を続けている。

 市民税5%減税は一般市民にとっては目に見える効果は少ないが、河村市長は効果はあると主張する。

 (3)市民税5%減税から5年目を迎えて効果の検証が行われている。名古屋市は委託した民間調査会社の試算として「減税せずに公共事業を行えば国の『補助金』などが増え、国内総生産(GDP)に当たる市内総生産は『減税なし』の方が伸び率で0.31%高い」(報道)と発表した。

 市民税減税というのは市民所得、収入に対する還元効果であって、直接的な市の財政収入に対する効果を期待するものではないから、国からの補助金収入を取り出して比較するのは適当ではない。

 (4)国からの補助金を外すと市内総生産などは「減税あり」が「減税なし」より伸び率が高いというデータだ。名古屋市の減税効果検証は的が外れているようで、河村市長も「効果は間違いなくある。見直す考えはない」(報道)と反論している。

 減税効果の利点は効果率よりもそれにより市民消費支出を喚起して増える効果を狙ったものであり、今回の名古屋市の検証でも市民消費が占める割合の高い市内総生産が「減税あり」が「減税なし」を上回るということから、減税効果はあるとみていい。

 (5)ただし、市民税5%減税では一般市民にとっては効果といえるほどの減税額ではなく、高所得者、富裕層に有利な逆進性は残る。河村市長は高所得者、富裕層に対しては有利な分社会に還元することを期待すると述べているが、制度として政策として義務化することが必要だ。

 日本政府も減税は逆進性が強く、逆効果として消極的な立場であり、全国の自治体でも同様の考え方が強い。
 
 (6)トマ・ピケティさんが説くように高所得者、富裕層に対する課税強化をどう進めるのかが主流だ。日本も日銀金融政策の後押しもあって株価が高止まり安定して、企業の業績、富裕層の所得が増えており、しかし国民生活への恩恵は少ない中で格差社会が進んでおり、企業の内部留保、株高の恩恵を受ける富裕層の収入増から国民全体のボーナス配当(allot a bonus share to nations)でも考えられないものか。

 (7)アベノミクス効果で企業業績は回復して、株高安定でさらに推進するというのなら、それでも国民消費は停滞しているのだから刺激を与えること(incentive)を考えるべきだ。国民全体のボーナス配当で国民消費は増えるだろう。

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