ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

乾燥きのこの基準値

2011-12-23 | 放射能関連情報
 日本の食品に対する基準値が4月から改正されそうで、よかったと思います。
 日本の対応は早いほうですよ。チェルノブイリの場合は、政治的にも経済的にも混乱していた時期と重なっていたので、基準値が改正されたのは、ソ連崩壊後で、それぞれの独立国家が独自に定めることになりました。
 日本の場合、問題は早い時期に厳しくするのはいいけれど、測定できる器械が十分かどうかです。
  
 ところでベラルーシの基準値について
「ベラルーシは厳しい。日本も見習うほうがいい。ただ乾燥キノコだけは日本の基準値より緩くて、1キロあたり2500ベクレルだけど・・・(どうしてなんだろう?)」 
という意見の方がおられます。(日本の食品の基準値は1キロあたり500ベクレルなので。)

 まずはこちらの記事をお読みください。
 2011年12月20日のAsahi.comより。

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干すとセシウム倍に シイタケ産地悲鳴「検査法変えて」

 干しシイタケから国の基準値を超す放射性セシウムの検出が相次いでいる。乾燥で重量が減り、1キロあたりのセシウム量がはねあがるためだ。干しシイタケは通常、水で戻して食べるため、産地では検査のやり方に疑問の声も上がる。

 発端は東京電力福島第一原発から約300キロ離れた静岡県伊豆市。10月、販売業者が自主検査した干しシイタケから国の基準値(1キロあたり500ベクレル)の2倍の値が出たと県が発表した。この春に加工したものだった。県の再検査でも超えた。県は原発事故後に加工した伊豆市の干しシイタケの出荷自粛を決めた。

 「こんなに離れたところでまさか、こんなことになるなんて」。同市椎茸(しいたけ)組合の鈴木博美組合長(63)は困惑する。その後の検査で鈴木さんの地区は自粛が解除されたが、今年600キロほど収穫した干しシイタケの4割が売れ残った。

 干しシイタケは、保存性に優れるだけでなく、乾燥によってうまみが濃縮されるため、だしとしても重宝され、この季節、おせち料理の煮しめにも使われる。

 半面、水分がなくなる分、生よりも重さが約10分の1に減る。県は、基準値超えの原因が「乾燥」にあるとみて、水に戻した状態でも測った。干した状態で599ベクレルだったのが、10分の1以下の49ベクレルと基準値内に。水に溶け出したセシウムも23ベクレルだった。県は「食べる状態では健康に問題ない」と呼びかけた。

 その後、検査が広がり、19日現在で同県を含め、神奈川、群馬、栃木、福島の5県で計39件の基準値超過が見つかっている。

 地元の農協は、国に検査方法の変更を求める署名活動を実施し、全国の生産者に賛同を呼びかけた。今月12日には、水で戻して食べる状態にしてからの検査を訴え、厚生労働省と農林水産省に緊急要請をした。

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 引用は以上です。
 このように乾燥きのこに関しては、水で戻して重さが10倍になることを想定して、ベラルーシは1キロあたり2500ベクレルの基準値を定めています。
 つまり水で戻した乾燥きのこ1キロあたり250ベクレルが基準値であるとお考えください。

 日本も新しい基準値を作るときはざっくり「食品」という分類にしないほうがいいです。
 新基準案では、「一般食品」(肉も野菜もいっしょくた・・・)が1キロあたり100ベクレルですが、もっと細かく分類すべきです。
 摂取量の多い米は別扱いにしたほうがいいし、前述の乾燥キノコは10倍の1000ベクレルまでOKにするか、干ししいたけ生産者・販売業者さんたちの訴えどおり、水で戻して食べる状態にしてからの検査にしたほうがいいですよ。

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 2011年12月23日付毎日jpより。


http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20111223ddm001040067000c.html?link_id=k_kanren_news_body



<東日本大震災>食品セシウム新基準了承 茶など飲用状態で検査--厚労省部会

 食品に含まれる放射性セシウムの新しい基準値について、厚生労働省は22日、新設する「乳児用食品」を1キロあたり50ベクレルなどとする案を薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会に提案し、同部会は了承した。国民からの意見募集や文部科学省の放射線審議会への諮問を経て、来年4月に施行される見通し。(3面に「質問なるほドリ」、26面に関連記事)

 新基準値案はコメや野菜、肉などの「一般食品」が同100ベクレル、「牛乳」が同50ベクレル、「飲料水」が同10ベクレル。「乳児用食品」の対象は粉ミルクやベビーフードなど乳児向けに販売される食品。「乳児用食品」と子供の摂取量が特に多い「牛乳」については、「子供は放射線の影響を受けやすい」と指摘されているため、「一般食品」の半分の同50ベクレルとした。

 茶や乾燥食品の検査方法も定め、茶は「乾燥させた原材料の状態と飲用にする状態で形態が大きく異なる」として、お湯に入れた状態で検査し「飲料水」の基準値を適用する。乾燥シイタケなどは、原材料と水戻しして食べる状態の両方に対し「一般食品」の基準値を適用するとした。

 暫定規制値の検査をパスして流通した今年のコメや大豆、牛肉は半年~9カ月間の経過措置を設ける。加工食品は来年3月末までに製造されたものは、賞味期限が切れるまで暫定規制値を適用する。しかし、賞味期限は長いもので2年あり、委員から「新基準に適合しない食品が長期間流通するのは消費者の混乱を招く」と指摘され、厚労省が経過措置を再検討する。【佐々木洋】

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 乾燥キノコについてはこれでよかったんでしょうか。
 「原材料と水戻しして食べる状態の両方に対し「一般食品」の基準値を適用する」というのが何だか変な感じがするのは私さけでしょうか?
 もっと検査は簡素に(でも確実に)するほうがいいと思います。これから何十年、何百年と検査を続けないといけないのですから・・・。

 





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