ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシ文化研究所で講演

2012-04-18 | 日本文化情報センター
 4月17日に国立ベラルーシ文化研究所で講演をしました。
 ベラルーシ文化研究所のHPはこちらです。ただし全てベラルーシ語です。(いつか英語バージョンもできるかと思います。)

http://inbelkult.by/index.php/kultura/sec/Galonaya


 以前ベラルーシ文化研究所のメンバーのマラジスさんが日本文化情報センターを訪問してくださいました。そして2014年は帝政ロシアの初代日本領事だったヨシフ・ゴシケビッチ(生まれたのは現在のベラルーシ)の生誕200年に当たるため、2014年初頭から、ベラルーシ国内でさまざまな記念式典が行われる予定だそうです。それに日本文化情報センターからも参加してほしいというお話でした。

 イオシフ・ゴシケービッチについてはこちらをご覧ください。このページでは生誕地は「ミンスク郊外」となっていますが、グロドノ州の出身なので、ミンスクから見て「郊外」という距離ではないですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%82%B7%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81


 そして、ぜひベラルーシ文化研究所のほうへ訪問してください、マラジスさんに言われ、4月17日に行きます、と約束していたのです。私としては簡単に見学に行くような気持ちでいました。
 すると5日前にベラルーシ文化研究所の職員の方から電話がかかってきました。それによるとベラルーシ文化研究所はこれから世界中にベラルーシ文化を広めるために、いろんな国に研究所の分所施設を開設する予定なのだそうです。
 すごいですね。そのうち日本にもベラルーシ文化研究所日本支部がオープンするのではないでしょうか。

 そのため異国で自分の国の文化について紹介している施設(つまり日本文化情報センターもその一つ)の今までの運営に関する経験を話してもらえないか、ベラルーシ文化研究所の今後の計画の参考にしたいから、と頼まれました。

 このベラルーシ文化研究所は国立ですが、日本文化情報センターはミンスク市立の児童図書館の一コーナーにしかすぎないし、運営を特に経費面で支援しているチロ基金そのものも公的な団体ではありません。(草の根活動ですよ・・・。)

 国と民間・・・とレベルがちがうので、日本文化情報センターの過去の運営経験がどれほど参考になるか分からないまま承諾し、行ってきました。

 ベラルーシ文化研究所はもともと学校だった建物を改装した中にあり、いろんな部門があって、相当大勢の人が働いているようすでした。(それだけでも日本文化情報センターとはレベルがちがう・・・。) 
 会議室に案内されていくと、各部門の部長さんがずらっと座っていました。
 開口一番
「どれほど参考になるか分かりませんが・・・。」
と断っておいてから、まずチロ基金創立の話から始め、日本文化情報センターでの活動のようす、日本側からの協力者の方々のこと、チェルノブイリ関係の支援活動について画像を交えて話しました。
 
 文化関係の活動の話は少しは参考になったかもしれませんが、チェルノブイリ支援関係の話は参考にならないだろう、と思っていましたが、全ての話を熱心に聞いてくれました。
 質問もいろいろ出されましたが、一番印象的なのは
「ベラルーシと聞いて、日本人が連想する物や知っていることは何でしょうか?」
でした。
「やはり、チェルノブイリでしょう。」
と答えると
「純粋なベラルーシ文化で言うと?」
ときかれ
「残念ですが、ベラルーシのことはロシアの一部の地域と勘違いしている日本人が多く、ロシアの文化とベラルーシの文化の違いもよく分かっていないです。」
と答えると
「日本だけじゃなく、いろんな国でそう思われているんですよ。」
とがっかりしていました。
 でもこれからのベラルーシ文化研究所の各国での働きに期待しましょう。

「どうしたら日本でベラルーシのことを広めることができるのか?」
という質問には
「日本語でベラルーシのことを知ることができるような環境づくり(本でもネットでもいいと思います。)が一番で、文化の中でも特に歴史のことを広めないと・・・。そもそもベラルーシに文化というものが存在していることすら知らない人が多いので・・・。でもそれは日本人に責任があるのではなく、ただ情報が少ないだけだと思います。」
と答えておきました。

 チェルノブイリが第一歩としても、第二歩は歴史や文化につながっていけばいいと私は思います。
 それから日本人の中にも外国の文化に興味のある人がたくさんいるのだから、そういう人たちと連携していくのがいいと思います。そして日本文化情報センターもそうしていますが、ベラルーシ側(特に文化人やマスコミ)から、いっしょに何かしましょう! と言われたら、できるかぎり断らず、いろんな方法を試してみるのが大事なのでは・・・と言ったことを話しました。
(だから今日も断ったりせずにベラルーシ文化研究所へ訪問しているわけですよ。)(^^)

 講演会の最後には
「ベラルーシの子どもたちに多くの支援をありがとうございます。」
と感謝されました。私1人ではなく、多くの日本人の方からの協力が集まってできていることです、と話しておきました。
 ベラルーシ文化研究所は国立なんだから、もっといろんなことができますよ、とも話しました。

 この研究所には図書室があり、日本に関する文献(ほとんどロシア語でしたが、ベラルーシ語のも少しありました。日本語の本はありませんでした。)が集められています。
 こちらからも何か寄贈したいと思ったのですが、ベラルーシ語の文献はないので、拙訳書「自分と子どもを放射能から守るには」を寄贈しました。
 2014年のゴシケビッチ生誕200年記念式典もぜひ協力したいです。

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 追加の内容です。ゴシケビッチの生誕地についてグロドノ州出身と書きましたが、間違いです。生誕地については諸説あってはっきりしていません。
 しかし人生最後の数年をグロドノ州にあるマリ村で過ごしていたことは間違いありません。
 
 

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