みみずのしゃっくり

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宮崎効果

2010-10-19 | おきにいり


昨年の秋、映画館の特別週間で初めて見た宮崎駿のアニメ(トトロと千尋)に感動

その宮崎効果は抜群

どんな具合に抜群かと言うと・・・


最近、日本アマゾンでこの本を買うほどの抜群度

「泥まみれの虎」内容はこちら

当初は無関心だったのですが、ドイツのティガー(虎)戦車がテーマというので「なぜ戦車?しかもドイツの?」と興味津々になって、遂に購入。予想を上回る面白さで、目下繰り返しパラパラめくっています。以前の記事「写実の節度」は、一種の「前置き」だったのです。
この本は、第二次大戦のドイツ国防軍戦車兵の体験記をベースにしています。戦争の最前線を漫画にするのは難しいし、とりわけ戦車戦というのは描写しにくいと思うのですが、「写実の節度」をもって見事に描かれています。
そのチャームポイントのひとつは、兵士が皆ブタなこと これで、戦場という現実にワンクッションがおかれ、恐ろしい場面もちょっと微笑ましかったりします

これは、元の本も絶対面白いに違いない・・・

・・・とドイツ・アマゾンで購入した原著の英訳

原語(ドイツ語)版は目下絶版のようです


原題は「Tiger im Schlamm」で、内容を伝えるように直訳?すると「ぬかるみ(泥炭地)の虎」で、宮崎版タイトル「泥まみれの虎」には、原題にないニュアンスが含まれます。
英語版は「タイガーズ・イン・ザ・マッド」で、日本では野球のタイガーズと誤解されそうです。多分そのせいで、原著の日本語版は「ティーガー戦車隊」というタイトルになっています。

ティーガー」と「」では、内容に微妙な違いがありますが、これは原作とアレンジの違いで当然だと思います。「」にでてくる勇敢な補給班員の「ティーガー」におけるエピソード・・・

砲弾の雨をかいくぐって戦車の待機位置まで食事を運ぶ兵士に著者が「なんで、そんな危ないことをするの?」と尋ねると、その兵士は「私だって、美味しく食事を食べたいんです。あなた方が、ろくに食事できないと思ったら、気になって私の食事も不味くなります。」


歴史書の好きな私は、こうした戦記も色々読んでいます。面白い戦記は、自分の武勇を誇張するようなものでなく、冷静で客観的に、ヒューマンな立場から、簡潔に戦線の日々を描きとめたものです。面白い戦記は、たいてい笑えるところがあります
ティーガー」の原著者についてはこちら

以前の宮崎アニメ記事
スイスのポニョ
ばかがい
トトロ追加
リドのポニョ

「泥まみれの虎」を読んだら、その前の「雑想ノート」も読みたくなりました



その後購入した宮崎アニメDVDについても追ってアップします。

もちろん・・・  乞無期待 



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2 コメント

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Unknown (海月)
2010-10-20 23:24:09
こんな本が出ていたのですね。
宮崎監督、戦争を否定しながらも戦車とか戦いの描写がすごく上手で、戦車や戦闘機が好きでないとあそこまで描けないのではと思います。
世代的に敗戦までは軍国少年だったのかな。
動物が戦争、というと「のらくろ」を思い出します(古い)。
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海月さん (ななみみず)
2010-10-21 07:55:19
宮崎さん、終戦のとき4才だから、軍国ベビーだったというのは、ちょっと無理かな
お父さんのお仕事が航空機関係で、確かお兄さんの影響で、飛行機大好き少年だったとか
私の場合、歴史と関わるものは何でも好き。で戦争の話も好き・・・
って言っても、もちろん、戦争には断固反対です。
この本の中で宮崎さんは「エイズ研究者だとエイズが好きってことはない」とたとえています。
戦争反対の歴史関係者で「戦争好き」というのは、
起承転結がはっきりしていることと、今後への教訓が多い、といった理由でしょうか。
平和主義者の軍事史研究家もいますよ。
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