みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

ななみみず前身「みみざこ連」




仔ニャンコ・仔ワンコが新たなお家に迎えられるには、いつ頃が良いのでしょうか?
いわゆる「8週齢」問題については、こちらをご覧ください。六つ子の仔猫の動画もあります。

最新記事は、この下です↓
通常1日おきに更新の予定ですが、2日おき、あるいは3日おきになることもあるかも・・・(^v^;)

まじゅりす

2020-01-29 | おきにいり

ちょっと前なのですが、世界博物館で展覧会「マジュリス」を見てきました。

マジュリスというのは「座るところ」を意味するアラビア語です(原形は「ジャラサ」)。
人々が集まってお喋りしたりお茶やコーヒーを飲んだりするところ。
そういう部屋が再現されています。
本当は椅子というより高めの座布団(ディヴァン)なのですが、ヨーロッパ風に「低い椅子」にしてあります。





そういう部屋に付き物のゲーム盤や書籍・雑誌なども置かれています



部屋を囲むニッチと外壁(通路になっている)には、様々な美術工芸品が展示されています(緞帳が多く大体19世紀のもの)。


旧約聖書の「イサクの犠牲



布の飾りまで磁器でできている花瓶



ガラスの花瓶



歴史上の人物をちりばめた緞帳



旧約聖書の「エジプトに売られるヨセフ



ドイツ帝国の皇帝ウィルヘルム2世と家族



天国を描いた緞帳の一部


矢鱈と緑でなんだか良く判りませんが、砂漠の多い世界の人々が思い描く天国は緑なのでしょう。

旧約聖書の物語はイスラム諸国でも知られています。


この展覧会に関する世界博物館の英語サイト

展示品はドーハ(ダーハ)にあるシャイフ・ファイサル・ビン・カシム・アサーニ博物館の所蔵品です。

以前の世界博物館記事
陽気な骸骨
ネパール・アート・ナウ
細川家のエレガンス





海潮音

2020-01-26 | かーど&手描き

このところ借り物写真が続いているので、何か自作(ぴんぼけ写真か下手なラクガキ)を、と思ったのですが・・・

横着して古い紙くずの中から、超下手なラクガキを見つけ出してアップしました 
ごめんしてけろ







海潮音は様々な詩人の作品を上田敏が訳した素晴らしいアンソロジーです。


翻訳詩そして日本文学の古典ですから今も新潮文庫があります






ないもの(実はある)

2020-01-22 | かりねこ

いつものHPお天気猫さんだったと思います。警察猫という猫さん(仔猫さん)が登場





Copcat(警察猫)となっていたので、この綴りでネット検索するとCopycat(模倣犯)ばかり大量に登場

そうです。以前にも紹介したジャン・コクトーの名言(猫好きさんなら大抵ご存知)にもあるように、警察犬は世界中で活躍していますが、警察犬と同じ職務内容をこなす警察猫は存在しません。

でもですね、警察猫で検索すると、意外にも沢山あるんですね
上の写真の猫さん、ひょっとするとドーナツ君かも知れません。でも職務分野は警察犬とは違い、イメージアップなどPR分野のようです。


コクトーの名言のある以前の記事
にゃん者
ねこばなし





アクア・バッサ

2020-01-19 | その他

昨年秋、記録的な洪水に見舞われたヴェネチア

因みに、このときアップした写真の人はヴェネチア市長さんらしいです。
深刻な顔なのも頷けますね


さて、10日ほど前ですが、今度は記録的な低水位となりました。海水面より50cm低くなり、多くの脇水路が干上がったそうです。
海と繋がっているヴェネチアの水位が、どうして海水面より低くなるのか不思議


前回は高水(アクア・アルタacqua alta)でしたが、今回は低水(アクア・バッサacqua bassa)

いつものHPに紹介された写真



水があれば「水の都」の「美しい水面」なのですが、水底には海草のほか何やらゴミらしきものがあって汚らしいですね。
千と千尋」に登場した「オクサレ様」を思い出します。

地球温暖化の結果として極端な異常気象が今後更に増加すると予測されています。

ヴェネチアの洪水も、メキシコ湾のハリケーンや日本へ来る台風も増えるでしょう。氷河や北極・南極の氷がどんどん溶け、島や海岸沿いの地域が水没し、永久凍土が融解・・・
と数えているときりがないので以下省略


 バッサ(bassa)はバッソ(basso)の女性形で、音楽分野ではバッソ・コンティヌオが良く知られていますね。




ギリシア悲劇

2020-01-16 | おきにいり

子供の頃ギリシア神話を読み、それから幾つかギリシア悲劇も読みました。各国の神話、伝説、昔話にも共通だと思いますが、ギリシア悲劇には「人間の宿命」が全て凝集されているように感じられます。成立から約2500年を経て今も新鮮なのです。

昨日書こうと思ったのですが、ギリシア悲劇について色々読んでいるうちに疲労困憊


ポンペイの壁画:ペンテウスが八つ裂きにされる場面



ブルク劇場で、この作品が上演されています。日本語のタイトルは「バッカスの信女」ですが、他の言語のバッカエ、バッコイ、ドイツ語のバッケンなどは「バッカスの信者」(複数形)です。

超簡略化すれば・・・
ディオニュソス(バッカス)が信者を引き連れてテーバイにやってきたが、テーバイの王ペンテウスはディオニュソスを信仰しようとしなかった。このため彼は、彼の母親アガウエーを先頭とする信者たちに八つ裂きにされる。アガウエーはライオンを仕留めたと思い、その首を持ってテーベに戻る。ディオニュソスの魔力による狂気から覚めたアガウエーは、手にしている首が息子のものと気付き悲嘆にくれる。・・・という物語。


ブルク劇場HPに紹介されている舞台の様子



以前にも書きましたが、古代ギリシア劇と能舞台には共通点があります。それは舞台装置を殆ど使わず、地謡(ギリシア劇のコロス)の人々が場面や状況を説明することです。登場人物が面をつけることも共通点です。従って舞台装置を全く使わない演出は、ギリシア劇の流れを汲むものと言えます。

舞台には6つのベルトコンベアが並べられ、それがゆっくり回転し続けます。しかもベルトコンベアが斜めになったり回転したり・・・出演者は同じ場所に留まるためには常にコンベアと同じ速度で歩いていなければならず、かなりの重労働だなと思いました。
コロスの人たちは黒いバーミューダーパンツのようなものを着け上半身は裸(女性は胸当て着用)。

もちろん、ペンテウスが八つ裂きになるところもコロスによって描写されます。息子の首を持ったアガウエーも、右肩から右手の先まで黒く塗って象徴的に表現されています。
全ての登場人物が腰から鎖のようなものを下げ、もう一方の端がベルトコンベアのレールに固定されています。これはコンベアが常に動いていて前や後に傾斜したりするので事故防止のためか、あるいは皆がディオニュソスに操られているという視覚表現かなとも思いました。


ブルク劇場のプログラム表紙



単純に解釈すれば、ペンテウスはディオニュソス神を信じなかったので罰として八つ裂きにされた、ということになります。しかし演出家は現代における世論操作と、それに踊らされる群衆の危険性を重ね合わせています。
このためプログラムではエリアス・カネッティの「群集と権力」も言及されています。

教訓:一番恐ろしいのは群集である





斜に構える

2020-01-12 | ことば
これもネット検索中偶然見つけたおかしな写真






「斜に構える」というのは元々は「剣を相手に対して斜めに構える」ことらしいですが、一般に良く使われているのは「物事に正面から向き合わず、ひねくれた態度をとる」という意味ですね。

でも、ここでは本当に「斜めに構え」ないと試合ができません。
・・・って、こんなところで、どうやってサッカーをするのか

こんな場所は存在しないと思うので、多分、画像編集プログラムで加工したのでしょうね。



前回への追記

オーストリアの新法務大臣については、警察の特殊部隊(テロ防止)の隊員がボディーガードをしているという新聞もあれば、それに触れていない(秘匿?)新聞もあります。いずれにしても「女は度胸」の手本みたいな人ですね


11日のNZZには「元難民の航空母艦・艦長」という記事がありました。

この艦長に関するニューヨークタイムズの記事

カヴォン・ハキムザデ(推定カタカナ表記)が艦長を務める空母ハリー・トルーマンは、ペルシャ湾をも責任地域とするアメリカ第五艦隊の主力空母です。イランの目の前の海域を航行する米空母の艦長がイランからの難民の子というのは奇妙なめぐり合わせ・・・


この艦長さんによれば、アメリカ軍には元難民・移民の兵士が沢山いるので、自分が特に珍しいわけではない、とのことです。






難民から法務大臣に

2020-01-09 | その他
オーストリアでは、昨年「聞くも涙語るも涙」で紹介した政界大スキャンダルで内閣不信任が可決され9月に選挙が行われました。
それまで連立政権を構成していた極右政党は当然後退しました(スキャンダルの壊滅的内容にもかかわらず得票の減り方は「控え目」でした)。
連立政権を主導していた国民党も、スキャンダル政党とは連立しにくく、緑の党と連立政権の交渉が行われ、新年早々に連立政権が発足。





その連立政権で法務大臣になったのが緑の党のアルマ・ツァディッチです。

近頃は女性の大臣や首相、大統領も珍しくありませんが、彼女はユーゴスラビア紛争の戦火を逃れて、ボスニア・ヘルツェコビナからオーストリアに来た両親の子供で、当時は10才でした。
ウィーン大学で法学を専攻したあと、幾つかの国際機関に勤務、イタリア留学のほか、ニューヨークのコロンビア大学にも留学しています。現在は法学博士号も有し、35才とはいえ申し分ない人選と思いますが、残念なことながら当然にもネオナチや排外主義者から集中攻撃を浴びています。ヘイトポスティングだけでなく、直接の暴力攻撃もあるのではと懸念されます。

戦火を逃れてきた難民の子供が受け入れ先の国で高等教育を受け、国際舞台でも活躍し、法務大臣になったのは、その国の民主主義を証明する喜ばしいことだと思います。


以前の関連記事:パイオニア

ツアディッチについてはドイツ語ウィキの記事のほか数ヶ国語の記載がありますが英語はありません。そのうち英語ウィキの記事も現われるかも・・・




まどねこ

2020-01-06 | かりねこ




この絵のタイトルは「2人のジプシー女と猫」ですが
猫さんは慎ましく窓辺でシルエットになっています。シルエットが可愛らしいですね


制作者オットー・ミュラードイツ表現主義の代表的な画家のひとりです。

ナチスの時代、ミュラーの作品は「退廃芸術」とされ、357点に上る作品がドイツ各地の美術館から押収され、その13点がナチスの1937年の「退廃芸術展」に展示されました。

ミュラー自身は1930年に結核で世を去っていますが、当時活動中で「退廃芸術」の烙印を押された芸術家は苦難の歳月を送ることになりました。その中には強制収容所に送られ殺害された人々も少なくありません。失われた作品も多く、文化史上の膨大な損失と言えます。


上記リンクの「退廃芸術」記事は詳しいので一読に値します


ジプシーは差別用語とされ、代わってシンティ・ロマ人という用語が使われるようになりましたが、芸術作品が制作された時点での用語は、そのまま使われます。

ツィゴイネルワイゼン(ジプシーの舞曲)や「ジプシー男爵」などは、「シンティ・ロマの舞曲」とか「シンティ・ロマ男爵」とか呼び変えると、ちょっと語呂も悪いようです。




皇帝ロジェの騒音

2020-01-03 | その他
この辺りには三が日とか七草とか鏡開きといった床しい伝統はないため2日からは平常運転となっています


以前に友達から聞いた話です。

彼女と姉さんが、なんと!オペラ座の皇帝ロジェ最前列のチケットを手に入れました
演目が何だったかは忘れました。


2つの大きな照明が輝いているところが皇帝ロジェ


王朝時代は、ここに皇帝一族や宮廷人が座りました。


何年か前のオペラ座舞踏会の皇帝ロジェ


皇帝ではなく大統領夫妻や政府要人などが座っています。


ところが、素晴らしい席に座った2人の後ろに団体客が陣取ったのです。多分10人くらいでしょうか。ロシア人だったようです。
その彼らがワイワイガヤガヤ騒々しくお喋り。しかもオペラが始まってからも同じ騒音

注意しても止まらず、係員に訴えて注意してもらっても全く効果なし。
せっかく皇帝ロジェに座ったのに、ちっともオペラを楽しめなかったそうです


この団体客はオペラ座を観光名所としか考えていないのでしょう。観光名所ならワイワイ騒いでも問題ありません(場所によっては問題)。
ロシア人だから騒々しい、ということでもないでしょう。
友達にとって不運にも、全く社会的マナーを知らない文化的野蛮人グループに遭遇してしまったのでしょう


ウィーンのオペラ座は、もう長年独立採算制なので国営とは言えませんが、まあ「国立歌劇場」とか「国立オペラ座」という名前のオペラハウスと思えばよいでしょう。ここを会場とする舞踏会は、これから始まる舞踏会シーズンの頂点です。この場合「ウィーン国立歌劇場舞踏会」だと長いので、「ウィーン・オペラ座舞踏会」の方が言いやすいのではとも思います。