猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

彼岸の入り、前橋の路地第3回「前橋発電所から水試の池」、補遺は「群馬朝鮮初中学校のこと」

2017-09-21 05:54:21 | 前橋の路地

玄関先の水鉢に庭に咲く秋の花が投げ入れられていました。彼岸の入りです。
昨日の最初の仕事は、墓参でした。

 キキは、朝から階段でこんなポーズを決め込んでいます。これって、おやつをねだってるポーズなんです。朝食ちゃんと食べたのに、おやつが欲しいって言っているんです。でも昨日は無視。
ユキ子さんは朝一で、亀泉霊園の佐藤の墓所へ私と一緒、戻って、伯母さんを従兄弟のタカオさんが嶺霊園の定方の墓所へ連れて行ってくれるのを見送り、それから、母親を連れて母親の実家の神宮の墓所へお参りなんです。午前中いっぱい、墓参りが続きます。

  亀泉の霊園は、入りの日の朝ですから、墓参の姿がちらほらとみられるだけでした。わが家の墓所には、1994年に88歳で逝った父と、その6年後に86歳で逝った母が眠っています。時の経つのは早いものです。

墓参をしっかりすませてから、前橋の路地の取材に出ました。

 

   
         前橋の路地 第3回 前橋発電所から水試の池

 前橋市上小出町3丁目、市の水道の敷島浄水場の裏手に長い土手が続いている。土手の下部には川原石が積み上げられ、上にはコンクリートの擁壁、その上に金属製のフェンスだ。この土手は広瀬川の土手、土手の中を川の水が流れている。昭和30年代に『群馬のTVA』なんて愛称で進められた群馬県の水力発電所開発の一つ、坂東水系の小出発電所の水槽を兼ねた水路なのだ。小出発電所は、県営陸上競技場(正田スタディアム)の東にある。毎秒78.10㎥(最大値)の水を、12.9mの落差を利用し、最大8,400kWの発電を行っている発電所だ。
水の落差を確保するために、こんな高い土手が築かれ、その内側に10mほどの深さの水路が満々と水をたたえて流れている。

 北へ向かうと発電所に突き当たる。こちらは東京電力の前橋発電所、小出発電所が1967年に運用開始したのに比べ、前橋発電所はずっと古い、1923年、戦前の昭和8年から稼働している。県が広瀬川を利用して坂東水系開発を始める前からこのまちに電力を供給していた。
きょう紹介する路地は、この発電所の手前、ごみの収集場所のある角を左に曲がって行くところから始まる。

 道は木立に突き当たるところから急に狭くなる。右側の発電所の敷地内は、最近草刈りをして除草剤を散布したみたい、枯れ野原になっている。フェンスと木立に挟まれた道の幅は1m足らずだ。狭い道に入ると真夏でも木立を抜けてくる風が爽やかだ。このまちで一番涼しい道の一つだと思う。

  木立の下は、ヤブカラシ、アレチウリ、クズ…、いろんなつる草が混ざって暮らしている。紅い花をつけているのはマルバルコウソウ、藪の中を覗いたらカラスウリを見つけた。まだ青い。先だってまではセンニンソウの白い花もみられた。

右側のフェンスの中からは激しい水音が聞こえてくる。覗き込むと、発電所の2階建ての建屋の下にコンクリートの建物が見える。その一番下部から激しい勢いで水が渦を巻いて流れ出してきている。発電所の放水庭だ。毎秒16.7㎥(最大値)の水が12.7mの落差を一気に下り落ちて発電機の水車を回してから、ここに吐き出されてくる。
子どもの頃に初めて覗き込んだ時、足がぶるぶると震えたのを覚えている。涼しい。

  発電所を過ぎると、路地は市道の歩道に続いている。その先で、国道17号の荒牧町交差点から敷島公園のバラ園を結ぶ幹線道路と交差している。

その交差点を左に曲がると大きな池が足元に拡がっている。県の水産試験場の水源涵養池だ。昔、この近くの仕事場に一年いたことがある。利根川の河原で暮らすコアジサシがこの池に飛来して、20mほどの高さから翼をたたんで急降下し、池の水中に潜り込む。潜り込んだと思いきや、またすぐに空高く舞い上がり、池の小魚を捕食していた。その美しい姿によく見とれていた。

   池の周りは無造作な木立、木々にツル性の植物が絡みつき、茫々たる姿なのも良いものだ。木立の中を覗いたら。黒紫色の実をいっぱいつけている木があった。

   
                                     前橋の路地 第3回おしまい

 

<前橋の路地 第3回 補遺> 群馬朝鮮初中学校のこと

 水産試験場の池の前の幹線道路を渡ると、道路下の広い土地で宅地造成がすすめられている。向こうに見えるのは、前橋市の老人センターだ。
去年まで、この土地は群馬朝鮮初中学校の校庭で、子どもたちがサッカーをしていた。いまは、学校法人から開発業者に売却され、業者が宅地造成の工事を進めている。

 校庭のほとんどを手放したらしく、学校の校舎との境には白い塀が築かれている。
学校が校庭を手放すということは尋常なことではない。群馬朝鮮初中学校も、日本の法律に基づいて設立を認可された学校法人が経営する私学なのだ。なぜ、こんなことになったのか…

群馬県は2016年度の県内の私立学校に対する助成金のうち、朝鮮初中学校に対する助成金についてだけ執行を保留してきていた。簡単に言えば、ほかの私立学校へは配ったのに、この学校にだけは渡さなかったということだ。
そして、昨年度末に群馬朝鮮初中学校の一年間の教育活動の実績を調査して、その上で、今年の4月1日に昨年度分の助成金を交付したのだ。
これに対して、この学校で使用している「朝鮮歴史」と「社会」の教科書が「在日朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が編纂した『反日』思想教育を目指すもので、正常な学校教育とは言えないから助成金は交付すべきではない」という批判が自由民主党を中心とする県会議員から強く打ち出された。その背景には、文部科学省が2016年3月に「朝鮮学校への補助金交付に関しては『透明性』などを求める」との通知を都道府県知事あてに出したことが強く影響している。
そのうえ、北朝鮮の金政権が進める核開発とミサイル開発が明らかに日本を敵視するものだという認識が日本社会に広まり、反北朝鮮感情がいつになく強まってきているということがある。
産経新聞をはじめとする一部のメディアも朝鮮学校への助成廃止を求めるキャンペーンを張ってきている。

 こういうことから、今年度からは県からの助成を受けることが困難と考えた群馬朝鮮初中学校の学校法人は、校庭を売却して、売却益を基金に積み立て、今後の運営費に充てていくこととしたのだと、この学校の関係者から聞いた。そして、学校法人が行ったこの選択は、朝鮮総連の反対を押し切って行われたことを、その関係者は教えてくれた。

私も、北朝鮮の金政権が進める核開発やミサイル開発という政策が、世界の平和と人々の平穏な暮らしを守るという人類共通の希望に背く、極めて愚かな所業だと考えている。許されるべきことではないと信じている。北朝鮮に対する『圧力』、『経済制裁』を進めることに異論を唱えるつもりはない。でも、問題を解決出来るのは、軍事力ではないと思う。この間、軍事力を用いて問題解決を図ろうとしてきたアフガニスタンでも、イラクでも、ソマリアでも、スーダンでも、問題は解決されていない。
だから、軍事的な措置ではなく、きちんとした対話の中で、相互の信頼と理解を前提に金政権の政策転換を求めることが困難でも正しいと思う。そして…、

さまざまな歴史的経過やいろいろな事情から祖国を離れ、日本で暮らしている在日朝鮮人と、北朝鮮の国民と国家を支配し続けその犠牲の上に無謀な政策を展開している金政権は区別して考えることはできないものだろうか。支配者と被支配者を同列にして、十把一絡げにしてよいのだろうか。まして、金政権の政策形成になんら関与していない子どもたちまで差別することが許されるのだろうか。
この国に暮らすすべての子どもたち、民族や国籍の違いなんかに関係なく、移民であろうと滞在者であろうと、そしていかなる宗教を信じていようとも、子どもたちが学ぶ権利を奪うことは正しいことではありえない、やってはいけないことだと信じる。

 どんな時でも、『社会的寛容』は維持されなくてはいけない。さまざまな生き方がある、さまざまな考え方がある、いろいろな人々が互いに理解し合いながら、違いを許し合って暮らしていけるといい。そういう『寛容』さが失われたとき、私たちが暮らす日本社会は、とんでもなく暗く、悲しい状態になっている気がするのだ。
路地を抜けて、道の上から去年ま校庭であったところを建設重機が動き回っている様子を見て、とても悲しく、『寛容』でありたいと願い、この補遺を書き記すことにした。

 

 夕食は、ひとりお客さんが来て、4人となりました。それも、たくさん食べるお客さんだったんで…
写真はさ、大根葉の下についているうろ抜き大根です。塩でいただきます。

  メインはたくさん食べる客人にあわせて鶏鍋です。この秋最初の鍋料理となりました。使っている鶏肉は地場産の赤城地鶏です。
箸休めは、芋がらの甘酢漬け、庭で採れたトマト、鶏皮焼きとサヤインゲンのゴマダレ和え、金時草とそうめんカボチャのポン酢、以上4品です。

 <よく食べるな…>、先に夕食をすませたキキはおやつ待ちの姿勢でヒトの食事を眺めていました。

 

 

 直派若柳流の若柳糸駒ことユキ子でございます。
師匠は祖母の初代若柳吉駒、今は伯母の二代目吉駒の下で修業しております。来春の美登利会は75回目の節目を迎えます。4月8日に開催いたしますので、引き続きよろしくお引き立ていただきますようお願い申し上げます。

今春の第74回美登利会の舞台の様子はコチラでご覧になれますす
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください

 それから、東京新聞社主催の『推薦名流舞踊会』(国立大劇場・9月23日)に出演させていただきます。清元「卯の花」をつとめます。

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2 コメント

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Unknown (くろ)
2017-09-21 12:12:18
このたびの路地は家の近くです。

〈補遺〉に教えていただきました。
そんな事情とは存じませんでした。

ほんとうに、おっしゃる通りだと強く思います。
何かにはばかって… (ヒゲクマ)
2017-09-21 14:24:44
くろさん
こういうことなんです。学校がウリ食いして生き延びなくてはいけない世の中なんです。今がなんです。
メディアもこの事実を少しも伝えていません。何かにはばかっているのでなければいいなと案じています。

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