浜松では浜名湖の北部に、湖北五山(龍潭寺・宝林寺・摩訶耶寺・大福寺・方広寺)と称される古刹が存在する。
大河ドラマ:女城主直虎で一躍有名になった、井伊家発祥の地が「井伊谷(いいのや)」である。
遠州北部の小国人領主であった井伊直政の、出世碑なるものがあった。
山門から庫裏・本堂に通ずる場所に前庭がある。
懸魚、獅噛、蟇股、唐草など多彩な彫り物が出迎えてくれる。
現在山門は修復工事中であった。
本堂は入母屋造り杮葺き、棟に井伊家ゆかりの「井筒」と「橘」紋が輝く。
井は良い水が湧く井戸があり、その脇に橘があったことから井伊家の家紋となった。
井伊谷は良い水が湧き出る谷ということである。
やはり静岡県のお寺、玄関の衝立は富士である。
井伊の赤備えと称された鎧兜と旗指物。
井伊直政は長槍の使い手で、徳川四天王に数えられる勇猛果敢な武士である。
本堂の脇陣に、窮屈そうにおわす丈六の釈迦如来坐像。
廃仏毀釈の嵐に巻き込まれ、幾多の苦難を経て、体中傷だらけの痛ましいお姿である。
本堂の襖絵は武人の菩提寺に相応しく嵐を呼ぶ龍と・・・
たけだけしい猛虎と言いたいところだが、トラは何とも腰砕けの感じである。
本物を見ずに描いたものか?
前庭から本堂を臨む。
桁行七間の堂々たる姿である。
左甚五郎作と伝わる龍の彫り物も…
井伊家累代の墓は簡素なもの、後の時代に建てられたものか。
新仏習合、隣り合う場所にある井伊谷宮。