JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

鼓動の様に UPGRADED IN GOTHENBURG / J&R WASSERFUHR

2009-09-24 21:35:15 | 聞いてますCDおすすめ


ACTのアルバムがあると気にしますが、このアルバムメンバー見るとラース・ダニエルソンとアンダーシュ・シェルベリ、一人は握手したばっかりの人だし、もう一人は会ったら拾う人、ただちょっと気になるのが、ニルス・ラングレン、この人経験上振れるんです。
主役の2人は若いドイツ人、20歳のトランペッターと22歳のピアニストですから、発掘ものです。ヤング・ジャズ・ジャーマンというシリーズの一枚だそうです。
まず最初に、一通り聴いた後に、大きな声でお誘いしたいのが3曲目、“Traveller's Defense”、ラースのアルバム「Tarantella」の中の大好きな一曲、あのアルバムの世界が展開して、それだけで驚きです。ラングレンもとても良い感じで溶け込んでいます。
最初にそれを言ってしまって1曲目、静寂の中からメロディを立ち上げていく始まり、雰囲気的にはスウィート・ジャズ・トリオを感じますが、ペットの語り口の落ち着きにまずはビックリ。
兄弟の曲になっていますが実に楚々としている、ピアノはペットより前に出ない。確りしたベースラインが曲を引き締めます。
2曲目も彼らの曲でフォービートに乗ったバップ、このトランペット20歳かよ、悪い言葉を使いましたが、その言葉が使いたくなるほどフレーズは練れてます。その後のピアノは上手いけど、お兄ちゃんのほうがちょっとおとなしい。
こんな子たちと呼びたくなるような落差があります。


そして前出の3曲目、ストレートなトランペットのイントロから、あのテーマをラングレンがトロンボーンで吹き始めます。実にマッチした音色でラースの世界再びです。
4曲目は女性ヴォーカル入り、、ジョニー・ミッチェルやカーリー・サイモン系の歌い方で若いPOPの面もあります。
5曲目になると、柔らかい音色のテーナーがゲストで、この人とは会ったことがありますが、久しぶりでした。
6曲目は中世舞曲風テナーからフルートにもちかえたMagnus Lindgrenという人結構良いソロです。
7曲目はラースの曲のようで、ラースのチェロのソロがぴったり、トランペットがよどみなくソロを吹きます。
8曲目は女性ヴォーカルのカントリーフォーク調、ペットのミュート音に後期のマイルスを思い出しました。
9曲目、ファンキーなチューンはあまりくせを強くしない、変な言い方ですが、上手いランディ・ブレッカーみたい、いつもこのように吹けるなら、魅力的な新人登場ということでしょう。
10曲目も兄弟の作品ですが、感じはラースの曲でラースの11曲目と連なって、アースのアルバムの別章を読んでいるみたいです。ラグレインのトロンボーンとペットのユニゾンが遠くを望むような演奏です。
ゆったりと聴いていると、人間の影の部分も演奏してくれているようで、しみじみとするのです。若いのにな~。
「Love Is Real」 Ulf Wakeniusのアルバムに嵌る人は一度視聴いただきたいと思う今年の推薦盤です。
11曲目がスタンダード、オリジナル持ち寄りで十分なのでなぜここと少し疑問ですが、あっても問題ではありません。
最後の曲はテナー、トロンボーン、ペット3管のハード・バップ、イタリアだけじゃないという演奏、イタリアより少しソフトなでもフルートに持ち替えたりとても厚みのあるかっこいいサウンドも作ります。

若い兄弟の割にはおとなしく感じますが、フレーズが落ち着いているのでそう聴こえるだけ、思うように吹いている様でこれが続けば凄い。ダニエルソンが低く鼓動の様にベースを刻んでその上に若い鼓動が重なっていくような、どきどき脈打つものがあります。

UPGRADED IN GOTHENBURG / J&R WASSERFUHR

Julian Wasserfuhr(tp)
Roman Wasserfuhr(p)
Lars Danielsson(b,cello)
Anders Kjellberg(ds)
Nils Landgren(tb on 3,11,12,13)
Magnus Lindgren(ts on 5,13)(fl on 6,13)
Ida Sand(vo on 4,8)

1. Fade A Little
2. Geno The Shoeshine
3. Traveller's Defense
4. Airplaines In My Head
5. Ninni's Dance
6. Dalodrum
7. Dusan
8. Not Strong Enough
9. Trainwalk
10. Love
11. Song For E.
12. Smoke Gets In Your Eyes
13. Toccata


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 横浜JAZZプロムナード2... | トップ | 触れずに見ている Stone In ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

聞いてますCDおすすめ」カテゴリの最新記事