JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

小粋なパリっ子みたいな PORTRAIT OF DUKE / PIETRO TONOLO

2008-07-10 21:53:56 | 聞いてますCDいいと思う


仏のLABEL BLUEの2000年ぐらいのアルバムは見つけると拾いたくなります。クオリティーが高く、ただ作ったというのでなく意思があるアルバムが多い気がします。
1999年録音でPietro Tonoloがリーダー、Gil Goldsteinのピアノとアコーデオン、スワローとモチアンという、ナイーブでいながら浮遊感もあるテナーの音色にスワローとモチアンの揺れ揺れリズム、ゴールドスタインが時にに彩りを添えるという素敵な組み合わせです。
ただエリントンの曲集ということですが、エリントンの曲、私には難しく感じるのです。
1曲目柔らかい音色のテナーでの“All Too Soon”は難しくなく、すんなりとした雰囲気をグループが作ります。
2曲目ソプラノとアコーデオンに持ち変えると、曲はフランスのシャンソン風、洒落たアレンジはGilでしょうか。
3曲目はカーラ・ブレーの曲をスワローの長いベースソロから始まり、トノーロのソプラノの柔らかい高音は上質です。
このアルバム「Vicenza Jazz Festival」とあるようにコンサートの模様です。カーラの曲にしてはベースがどかどか動かない静かなやさしい演奏です。
4曲目サックスのソロから始まりますが、音がふくよかで金音なし、私としてはとても好きな音です。
このアルバム、ピアノとアコーデオンの持ち変え、ソプラノとテナーの持ち替えでバラエィがあり、スワローは自己完結するようなベースでグループとして面白い。
エリントンの曲を楽しくスウィングすればそれでいいなどと思っていないグループですから、5曲目“Solitude”少しずつ小片を見せられていくような進行で、珍しいSolitudeです。
6曲目、トノーロのテナーのソロは多くのイタリアハードバップをそのまま行くのでなく、バップそのものを醸造したような、こくのあるフレーズです。
7曲目“Portrait Of Mahalia Jackson”というエリントンの曲で元を知りませんが、マヘリアのとても上手く表現しています。
エリントンの素材を上手く使って独自の存在感があるバンドになっていて、多くのJAZZフェスティバルに残された名演のなかで、トップクラスとはいえませんから、残っていくかどうかはわかりませんが、かなり良いと思います。
相性がとても良かったのでしょう2006年にはこのメンバーで、エルトンジョン集を録音したようです。
探してみることにしました。
雰囲気がとてもいいので小粋なパリっ子なんて書きましたが、イタリア小僧ですよね。


PORTRAIT OF DUKE / PIETRO TONOLO

Pietro Tonolo ts,ss
Gil Goldstein piano,accordion
Steve Swallow bass
Paul Motian drums

1 All Too Soon
2 Angelica
3 Fleur Carnivore
4 Blue Rose
5 Solitude
6 Wig Wise / Caravan
7 Portrait Of Mahalia Jackson
8 Dancers In Love
コメント
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