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『悲しみよありがとう』(読書メモ)

(林久子(文)・水野源三(詩))『悲しみよありがとう:まばたきの詩人 兄・水野源三の贈り物』日本キリスト教団出版局

9歳のとき、町に流行した赤痢のため脳性マヒとなった水野源三さん。その後、五十音表とまばたきによって、キリスト教の信仰に基づく詩を書くようになる。本書は、源三さんの詩と、その生涯を妹の久子さんが綴ったものである。

2つの詩を紹介したい。

「お話して下さい」

主よ
お上がり下さい
こちらの部屋に
おいで下さい

姪たちは
学校に行って
弟たちは
納品に行って
私ひとりです

主よ
お話して下さい
私たちの望みとなる
御国のことを


(p. 37)

「息」

神経が麻痺しているので
息を大きくして と言われても
息を大きく吸うことができない
息を止めて と言われても
息を止めることができない
息を吐いて と言われても
息を吐くことができない

神さまの
御心のままに
息をして
生かされている


(p. 48)

まるで聖書の「詩編」に出てくるような言葉が心に響いた。
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『ともしび』(映画メモ)

『ともしび』(2017年、アンドレア・パラオロ監督)

こんなに暗い映画を観たのは初めてである。

老境に差し掛かったアンナ(シャーロット・ランプリング)は、夫が刑務所に入り(罪状は不明)、息子に拒絶されて孫にも会わせてもらえない(理由は不明)。家政婦のパートをしながら、演劇サークル(演劇療法?)に通う毎日であるが、虚しさが全身から滲み出ている

ちなみにこの映画では、詳細なストーリーは一切語られないため、すべて推測しなければならない。

最初は「この暗さを、なんとかしてくれ」と思っていた。

しかし、後半に進むにつれ、生きる意味を見失っても「淡々と生きる」アンナの凄みを感じてきた。

思い出したのが『ノルウェイの森』で主人公ワタナベが語るセリフ。

「毎朝僕自身にねじを巻いています。ベッドから出て歯を磨いて、髭を剃って、朝食を食べて、服を着がえて、寮の玄関を出て大学につくまでに僕はだいたい三十六回くらいコリコリとねじを巻きます」(p. 104)

個人差はあるものの、「生きる」ということには「修行」のような面もある、と感じた。


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人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい

人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい
(ルカによる福音書6章31節)

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『ハゴロモ』(読書メモ)

よしもとばなな『ハゴロモ』新潮文庫

8年間の愛人生活に終わりを告げた主人公ほたるが、故郷の街に戻り、人との交流を通して心の傷をいやす物語。

吉本ばななさんの小説を初めて読んだが、なかなか良かった。

タイトルの「ハゴロモ」についての記述は一か所だけ。

「人の、意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った。いつのまにかふわっと包まれ、今まで自分をしばっていた重苦しい重力からふいに解き放たれ、魂が宙に気持ちよく浮いている」(p. 59)

ストーリーの中に、人と人が不思議な縁でつながっているシーンが出てくる。

始めは「小説だからね」と思っていたが、次第に「みんなそうかも」と思い始めた。

人との縁を大事にしたい、と感じた。

ちなみに、この本は、家族が歯医者さんで治療を受けている間、散歩している途中で入った書店(イオンに入っている小さな本屋)の、リサイクルコーナーで、たまたま見つけたもの。

たぶん、家族の歯科治療に付き合わなかったら、読んでなかった本である。

本との出会いも縁だな、と思った。
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『コロンバス』(映画メモ)

『コロンバス』(2017年、コゴナダ監督)

舞台は、優れた近代建築の宝庫として知られる、米国インディアナ州コロンバス。

建築学の権威である大学教授の父に反発してきた韓国系アメリカ人ジン(ジョン・チョウ)と、薬物中毒の過去を持つ母親と暮らす図書館司書ケイシー(ヘイリー・ルー・リチャードソン)が、数々の建築物を背景に織りなす淡い恋(友情?)物語

ちなみに、ジンは中年おじさんで(ただしイケメン)、ケイシーは20歳くらい。

父親に近づきたくないジンと、母親と離れたくないケイシーが、友情に近い恋心を通して、次の一歩を踏み出す映画となっている。

小津映画を愛するコゴナダ監督だけあって、静かな映画の雰囲気が心にしみる。

舞台はアメリカだが、どこか東洋的な美しさを感じるのは、監督が韓国系アメリカ人だからだろうか。

アメリカと韓国と日本が融合したような映画である。





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泣きながら夜を過ごす人にも

泣きながら夜を過ごす人にも
喜びの歌と共に朝を迎えさせてくださる

(詩編30章6節)

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『出会ってくれてありがとう』(読書メモ)

誠二郎『出会ってくれてありがとう』静岡新聞社

紀伊・熊野の森の写真と詩によって構成されている本書。一貫しているのは「自分を大切にすることから、世界の幸せは始まる」というメッセージ。

自分に優しくする「セルフコンパッション」の大切さが伝わってきた。

では、どうしたら、自分に優しくなれるのか?

「今の自分を、今の現実を、
受けいれることから始めてください。
受けいれると楽になります。希望が生まれます。
今できることが見つかるはずです。
そして、
小さな幸せが、あなたの人生にあふれるはずです。」

(本書にはページがないけれども、著者の言葉)

過去や未来にとらわれず今を大事にする「マインドフルネス」が「セフルコンパッション」につながるということだろう。

小さな幸せを意識したい、と思った。
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『ネバーランド』(映画メモ)

『ネバーランド』(2004年、マーク・フォースター監督)

実話に基づくピーター・パン誕生秘話である。

英国の劇作家ジェームス・バリ(ジョニー・デップ)は、ケンジントン公園で構想を練っているとき、デイヴィス一家(4人の男の子と未亡人の母親(ケイト・ウィンスレット))と仲良くなる。

自分の奥さんそっちのけで、デイヴィス家に入り浸るバリは、父を亡くして屈折している三男のピーター(フレディ・ハイモア)を主人公とした、ピーター・パンの物語を思いつく。

ピーター役のフレディ・ハイモアが異常に上手い(ちなみに彼はデップに認められ、『チャーリーとチョコレート工場』のチャーリー役に抜擢される)。

ロンドンの舞台で「ピーター・パン」が演じられるのだが、なぜか、とても感動してしまった。

理屈抜きで感動できるところが、映画の良さなのかもしれない。



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今日、あなたたちが神の声を聞くなら、心をかたくなにしてはならない

今日、あなたたちが神の声を聞くなら、心をかたくなにしてはならない
(ヘブライ人への手紙4章7節)

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『ビリーブ:未来への大逆転』 (映画メモ)

『ビリーブ:未来への大逆転』 (2018年、ミミ・レダー監督)

男性は働き、女性は家事をする」という考え方が根強かった1960年代の米国。男女同権を訴えるためにハーバード大学(とコロンビア大学)のロースクールで学び弁護士となったルース・ギンズバーグ(フェリシティ・ジョーンズ)の実話。

ちなみに、ロースクール卒業後、ルースは法律事務所に(差別のため)就職できず、(しょうがなく)ロースクールの教授になる

男女同権のきっかけとなる裁判を、税法専門弁護士の夫とともに戦うことになるのだが、裁判所の趣意書(控訴理由を記載して控訴裁判所に提出する書面)はすばらしいのに対し、判事とのやりとりがまるでダメなルース。

なぜか?

それは、裁判の経験がないからである。映画の見どころは、この経験不足をどのようにカバーして裁判に勝つかという点。

正しいだけじゃ勝てない」という言葉が印象に残った。

信念と技術。何かを成し遂げるためには、この2つが必要となることがわかった。










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