goo

わが魂よ、力強く進め

わが魂よ、力強く進め
(士師記5章21節)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

女子バレーチームのKPI

2012年のロンドンオリンピックで女子バレーボールチームに銅メダルをもたらした眞鍋政義監督。iPadを手にしたIDバレーは有名だが、その戦略と日々の練習がよく考えられている。

高さとパワー(ブロック、アタック)では海外チームには勝てないため、日本が得意な「攻撃を何度も拾って戦う力」を磨くという戦略をとった真鍋監督。そして、ロンドン五輪でメダルを獲得するためのKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として以下の4点を決めた。

1)サーブレシーブ 
2)サーブ 
3)ディグ(スパイクレシーブ)
4)失点の少なさ 

チームにはアナリスト(分析担当者)がいて、世界ベスト10チームのデータを収集・分析しているらしい。これら4つのKPIで世界1位をとればロンドン五輪でメダルがとれると真鍋監督は考えた。

しかし、一挙に1位をとることはできないので、2012年のロンドン五輪から逆算して年ごとの目標を立てた。

例えば、2010年は世界選手権で3位に入ることを目標にした。この大会では実際に3位に入り、ディグが世界1位になる。4つの指標のうち一つが1位になっただけで3位になれたのだから、4つとも1位になれば確実に五輪メダル圏内である。

練習では目標KPIに到達するために工夫をこらした。例えば、実践形式の練習ではKPIを算出し翌日に一覧できるように張り出し(達成した数値は黄色、満たしていない数値は赤で表示)、数値に基づいてグループやポジション毎に話し合い課題克服に取り組んだ。まさにPDCAを回していたのだ。

そして2011年には4つのKPIで1位になり、見事ロンドン五輪でメダルを獲得した女子バレーチーム。

ただ単に「メダルをとるぞ!」という意気込みだけでは限界がある。明確で適切な戦略とデータに基づく練習が高い成果に結びつくといえる。KPIの活用の仕方について、とても参考になる事例だと思った。

日経情報ストラテジー December 2011, p.28-31
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

『アンナ・カレーニナ』(読書メモ)

トルストイ『アンナ・カレーニナ1~4』光文社

谷崎潤一郎の『細雪』の中で、主人公たちがロシア人家族と食事をするシーンがある。そこで、「日本人はみなアンナ・カレーニナを読んでいます」といったセリフがあったので、「いつか読まねば」と思っていた。

4巻もあるし、「不倫もの」というイメージがあったので躊躇していたが、とりあえず読んでみた。

ここ3週間はアンナ・カレーニナ漬けだったが、芳醇な小説を堪能できた。内容的には「美貌の人妻アンナの不倫」と「質素で素朴な地主貴族リョーヴィンの成長」という二つのストーリーが並行して進む形である。

ちなみに「アンナ・カレーニナ」という題名であるが、どちらかというとリョーヴィンの成長物語が中心であるように感じた。

己の欲望のままに若い恋人ヴロンスキーとの恋に走るが、やがて恋が嫉妬と憎しみに変わり、無残な最後を迎えるアンナ。これに対し、農民とともに働くのが好きな素朴な変人リョーヴィンは、自分の煩悩に悩みながらも信仰に目覚め人間として成長していく。コインの表と裏のような二つの対照的なストーリーが絡みあいながら進展する本書は深い。

個人的に印象に残ったのは、アンナの亭主であるカレーニン。はじめは仕事中心で冷たい印象のカレーニンなのだが、アンナが出産時に死にそうになった際、他人を赦すことを学び、「一皮むける」場面がある。この箇所には感銘を受けた。

ただ、この小説はさまざまな要素を含んでいるため、いろいろな読み方が可能である。人としての生き方を問いかけてくる迫力に「さすがトルストイ」と思った。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

わたしは自分の望む善は行わず

わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている
(ローマの信徒への手紙7章19節)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

ばか者、よそ者、若者

DOWAホールディングス相談役の吉川廣和氏は、社長・会長時代に大胆な組織改革を実施した時期を振り返り、次のように語っている。

「改革の原動力として3つの"はみ出し者"の存在が挙げられます。ばか者、よそ者、若者です。古い社風に反旗を翻したばか者たち、中途採用した異文化のよそ者たち、情熱と新鮮な感性を持つ若者たち。彼らに共通するキーワードは「非常識」です。旧来のマネジメントの常識への同化を拒否し、新しい理念と行動を提供してくれました」

組織学習論では、従来の前提を疑い、既存の枠組みを変革していくことをダブルループ学習と呼ぶ。吉川氏の指摘は、このダブルループ学習を推進するためには、既存の枠に囚われない「ばか者、よそ者、若者」といった非常識グループを形成、支援、育成してきたのだ。

しかし、改革を進めると、反対勢力から「裏に回って非難や非協力が執拗かつ長期的に繰り返される」という。経営者は、「時間をかけて挑戦を支援し続けるしかない」と吉川氏は述べている。

非常識グループ」は自然と形成されるとは思えない。経営者が意識して取り組まなければならない課題である、と感じた。

出所:日経ビジネス2013年3月25日号p.150
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

『デリダと歴史の終わり』(読書メモ)

ステュアート・シム(小泉朝子訳、富山太佳夫解説)『デリダと歴史の終わり』岩波書店

脱構築」で有名な哲学者ジャック・デリダ。

彼の本を読んだことはないのだが、どんな主張をしているのかが知りたくて買ってみた。

本書では、アメリカの政治学者のフランシス・フクヤマが提示した「歴史の終わり」という考え方を批判したデリダの思想が解説されている。その説明を通して、脱構築という考え方がなんとなくわかったような気がした。

フクヤマが言う「歴史」とは、いわゆる歴史ではなく、「基盤となる原理原則や社会制度」といった意味を持つ。彼は、共産主義が崩壊し、アメリカを中心とする「リベラルな民主主義」が世界に広がり、「これ以上改善の余地がない理想状態」に到達したと主張する。

これに対し、脱構築の観点からすると、意味や歴史を100パーセント解釈することは不可能であり、意味や歴史といった大きな事象は、それがどんなものであろうとも、われわれの理解からつねにすり抜けていてしまうという(p.54)。

だから、フクシマが主張するような「今、世界は理想状態にある」とはいえないのだ。

著者のシム氏にれば、脱構築とは「きちんと検討されることのないものの見方を徹底的に疑ってかかる哲学的な方法なのであって、うまくゆけば、われわれの価値判断をあやしいものにしてしまうギャップの所在を明らかにして見せてくれる」(p.34)。

この部分を読み、脱構築とは、いわゆる「批判的内省(Critical Reflection)」に近いように感じた。批判的内省とは、自分の態度や行動の基盤となっている価値や前提を疑い、問い直すことである。

本書を読み、「自分の行動には間違いがない」「自分は正しい」と思い込むことの危うさと同時に、「本当にこれでいいのだろうか?」と常に自分の考えや行動を疑ってかかることの大切さを感じた。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

戒めは灯、教えは光

戒めは灯、教えは光
(箴言6章23節)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

教師魂

先日読んだ『社会の真実の見つけかた』(堤未果著、岩波ジュニア新書)の中に、米国における、すさんだ教育現場の様子が描かれていた。

生徒の親たちの理不尽な要求がストレスになり、12年間勤めたニュージャージー州の小学校を辞めた先生、ジャニーン・ワイルダーさんへのインタビューが心に残っている。「教師になったことを後悔していますか?」という堤さんの問いに対し、ワイルダーさんは次のように答えている。

「不思議ですね。あんなめちゃくちゃな働き方をして心と体を壊して辞めたあとでも、やっぱり思い出すのは子どもたちのことなんです。シャワーを浴びている最中や、窓の外の木の枝にとまる小鳥を見た時、自分が12年の間に関わった子どもたちの顔が一人ひとり浮かんでくる。「あの子たちは、今どうしているだろう?」「お母さんとの関係はどうなったかしら?」「過酷なテスト競争のなかで、つぶされていないかしら?」夜中になんども、教え子たちが泣いている夢を見て飛び起きる。教師とは、そういうものです」(p.90-91)

彼女の言葉の中に「教師魂」を見た。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

3つの質問

ルノーの元会長であるルイ・シュバイツァー氏は、フランスの官僚だったころ、職員6万人からなる医療福祉機関を立て直した実績を持つ。

はたして彼はどのような手法を使ったのか?

赴任したシュバイツァー氏は、はじめの数ヶ月間、医師、看護師、事務職員と個別面談を行い職場の問題を把握することにつとめたという。そのときの面談はシンプルである。

「何をしたいのですか」
「障害は何ですか」
「どうやったら解決できると思いますか」


という3つの質問をし、1時間程度じっくりと相手の話を聞くことを繰り返したのだ。

ルノー出身のゴーンさんも、日産を立て直すときに同じ方法を用いたらしい。

この3つの質問の良いところは、相手の意向を尊重しているところだ。押しつけがましいところがない。マネジャーの役割は、現場の人々の思いをくみ取り、障害をなくす手助けをすることにあるというメッセージが伝わってくる。この質問は、さまざまな場面で活用できると感じた。

出所:日経産業新聞2012年12月6日, p.18

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

隣人を裁くあなたは、いったい何者なのですか

隣人を裁くあなたは、いったい何者なのですか
(ヤコブの手紙4章12節)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ