樹木医・入交幸三さんの「高知城の樹木(きぎ)」 その4 樹齢の推定
(1)、県立都市公園設立時の植栽
この部分については、植栽の集団性と樹種の特異性により、推定が比較的容易な部分であり、以下、観察結果を樹種別に記述する。
(a)、イチョウ
この樹の植栽については2つの時期が考えられる。
その1つは、公園開放直後の植栽と考えられる、県庁正面の3本と県立図書館前の樹で、最大は図書館前の樹であり胸高周囲は255cm、推定樹齢は120年程度と見られる。
他の一つは、以後少し時を経た後のもので、高知城東南部、公園の旧厩跡と、滑り山南側の山裾、及び旧二の丸裏の通路の3箇所の集団が主なもので何かの記念植樹ではないかと思われ、最大の樹は滑り山南山に在り胸高周囲は285cmあるが、推定年齢は80年程度と見られる。
滑り山部分の樹は、生育が陰地と立地がやや自然である環境より、樹高成長30mを超えるものが見られるが、二の丸裏の通路石垣の天場に植えられたものは良好な成長が災いとなり、昭和30年代の後半頃、台風時に石垣の崩壊を起こし始めた事があり、樹高を規制するため剪定が実施されている。 (注:これは1995年に作成したものです)
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