一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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新国立競技場のハイブリッド屋根

2018年05月15日 10時24分42秒 | 建築家の日記
▲日経アークテクチュア 世界の木造最前線より


新国立競技場の屋根の建設が始まるとのニュースがでました。

まだ、この部分の工事写真は出ていませんが、
工事が進むにつれ、いずれ報道でも出てくるでしょう。

上記の写真は、日経アーキテクチェア2017/2/23号 の特集からお借りしましたが
世界で大規模な木造建築が造られているという、1年以上前の特集です。

この専門誌の特集では、鉄骨とのハイブリッドというより、
木造が主構造になっています。

日本でも住宅にも使えそうな、CLT(直行集成材)が普及し始めていますので
今までとは違った構造の建物が増えてくるでしょう。


さて、この隈研吾氏が設計した新国立競技場は、鉄骨造と木造をハイブリット構造として
使うイメージが強いですが、

実は、全体の木材のうち約9割がこの屋根部分に使われることになっています。

観客席にはね出した60メートル以上の屋根を鉄骨のトラスで造っていますが
その部分にです。

その鉄骨部材を構造的に補助するためにも、意匠的な面でも、木材が使われます。

昔、木造住宅の増改築では、鉄骨の梁や柱がよく使われていました。
これもハイブリッドといえます。

その時の梁にも鉄骨の単独ではなく、木材と組み合わせて使うことは
珍しくありませんでした。

現在は、一般住宅であまり鉄骨の梁を使わなくなったのは
集成材などが普及してきたからです。

住宅において鉄と木材の組み合わせは、実は相性があまりよくなく
過去に多くのハウスメーカーが、いろんな方法でトライしては消えていきました。

もちろん、この新競技場ではそういう心配のないような組合わせを考えていますので
途中の写真や完成が待ち遠しいです。

ちなみに、新国立競技場は、みなさんもご存じのように
当初決まった設計が費用が掛かり過ぎるということで、
完全に没となり、変更になってしまいましたが

私は、最初の設計で進めて欲しかったですし、その完成を楽しみにしていました。

例えてみるとシドニーのオペラハウスのように、
それだけで長く日本の資産、観光資産にもなりますし

もっと古い法隆寺や金閣寺にも匹敵するような現代の名建築になれました。

それだけでなく、

昔の東京オリンピック時にホテルニューオータニを完成させるために、
ユニットバスを開発したように、

この超難しく建築困難な当初の競技場を完成させるためには、
日本の建築技術を結集するだけでなく、それを越えたイノベーション的な向上が、

きっと生まれたはずだったと思うからです。

 
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