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『バーニング・オーシャン』

2017年05月03日 | 映画(は行)
『バーニング・オーシャン』(原題:Deepwater Horizon)
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ,カート・ラッセル,ジョン・マルコヴィッチ,
   ジーナ・ロドリゲス,ディラン・オブライエン,ケイト・ハドソン他

TOHOシネマズ伊丹にて、2本ハシゴの2本目。
前述の『美女と野獣』よりもこちらのほうが私の好みっぽく、わりと期待していました。
マーク・ウォールバーグ主演、ピーター・バーグ監督といえば
『ローン・サバイバー』(2013)と同じコンビだし、
同監督のその前の作品『バトルシップ』(2012)もわりと好きでしたから。
実話が基となると、この辺りが限界か。
実話に囚われない娯楽大作のほうがこの監督には合っているのではないでしょか。

チープな邦題が付いていますが、原題は“Deepwater Horizon”。
“ディープウォーター・ホライズン”は石油掘削施設の名前。
2010年に起きた原油流出事故の舞台です。
原油の流出量は湾岸戦争に次ぐ規模で、被害総額は数百億ドルと言われています。

2010年4月20日、電気技師のマイクは、愛する妻と幼い娘に見送られ、
3週間の予定でディープウォーター・ホライズンへと向かう。
ディープウォーター・ホライズンはメキシコ湾沖に浮かぶ石油掘削施設で、
海に浮いたまま自動で位置を調整、海底から石油を掘削することができるのだ。
マイクが勤めるトランスオーシャン社は掘削装置の運用を請け負っている。

現場に到着したマイクは設備の点検に取りかかるが、
部品トラブルや故障が多く見られ、懸念を抱く。
マイクとともに現地入りした責任者のジミーも、
安全のためのテストがおざなりになっていることに激怒。
社員の命を預かるジミーは、安全に対して確固たる態度を貫いてきたがゆえに、
長年事故をひとつも出さずにやってこられた。
それなのに掘削依頼主、つまり雇い主であるBP社の管理職ヴィドリンは、
経費削減のためにテストを止め、ただちに掘削に取りかかるようにと指示する。

ヴィドリンが大丈夫だという根拠にも一理あったことから、
いくつかのテストを遂行したうえでジミーは作業を許可。
ところが懸念は現実のものとなり、大量の原油が流れ出す。
なんとか食い止めようとするも大爆発を引き起こし……。

責任組織として日本企業も名を連ねていたわりには知名度が低い。
どれだけ話題になるかは、悲しいかな、死者の数に比例するのでしょう。
施設は大火災となり崩れ落ちたにもかかわらず、
行方不明となった(死亡したと思われる)のは11名。
いち早く逃げようとしたのは当然BP社の管理職で、
それ以外はできるかぎり助け合おうとしたからなのか。

経費を削減しようと安全面を無視したことにより、人が死ぬ。
それでも会社の心配は自社の損失のことでしょう。
生き残った人は亡くなった人の遺族から責められ、
どうして自分は生きているのかと自身をも責める。
あってはならないことなのに、なくならないのはどうして?

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