『ウッドストック:愛と平和と音楽の3日間』
~ディレクターズカット:前・後編~
~BSプレミアム:2011年9月29日(木)午後1:00~午後3:10(前編)
~BSプレミアム:2011年9月30日(金)午後1:00~午後2:38(後編)
<mimifukuから一言>
本来なら3月13日(日曜日)に前・後編を纏めて放送する予定だった、
映画『ウッド・ストック:愛と平和と音楽の3日間』
*放送予定Chは今日では見ることのできないBS2だった。
ご存知の通り3月11日の大震災によりNHKでは全番組の放送内容を変更。
番組は、
3月16日と17日の真夜中にBShiで放送されたが気付かれた方は少ないであろう。
*人々の関心は全貌が掴めぬ東北地方の被害と混迷続く福島第一原発の成り行き。
あの日から6ヶ月余りが過ぎ、
東北地方の苦しい惨状は続くものの住まいの確保と日々の生活物資の流通。
福島県では今もまだ避難生活が続く地域も多いものの原発の冷温停止の目処もつき、
被災地域でもテレビを観る時間の確保や心の余裕もできたのではないだろうか?
今日紹介する映画『ウッド・ストック』は、
1969年夏・ニューヨーク郊外の牧草地帯。
50万人を超える観衆を集め開催された野外コンサートのドキュメント。
*学校の教科書には載らないものの世界史でも注目されるべき3日間の歴史的記録。
この巨大コンサート(ミュージック&アート・フェスティバル)を、
“大衆音楽の祭典”といった視点のみで捉える事はできない。
1960年代のアメリカ。
ケネディ大統領の暗殺、公民権運動の激化、ベトナム戦争への突入。
特に1968年の世界は混沌の様相が激しく、
キング牧師&ロバート・ケネディの暗殺。
フランスでの5月革命やイタリアでのゼネスト。
共産圏では、
1966年の中国の文化大革命や、
1968年のソビエト軍によるチェコ侵入。
“ウッド・ストック”は、
そんな60年代の末尾を飾るかのように開催された。
1960年代。
人々は権利を求めた。
差別問題の解消や個人の権利の確保。
それは、
人種、性別、年齢、階級などによる格差の是正。
それは、
暴力による抵抗と非暴力による抵抗。
ウッド・ストックの3日間を“若者達の勝利”と捉える理由として、
開催側の準備不足により、
食もなく、衛生も悪く、安全確保もされない劣悪な環境の中で、
大きな事故もなく若者達が秩序を持って3日間を平和裏に終えたこと。
勿論、
違法薬物や公然猥褻相当の映像が多々見られるものの、
その当時のアメリカの自由と権利を求める若者達の象徴としての、
ジョン・レノンのベッド・インやロック・ミュージシャンの薬物摂取。
*10月21日(金)午後1:00~2:47(BSプレミアム)に放送される、
映画『イマジン:ジョン・レノン』では“ベッド・イン”を詳しく紹介。
カウンター・カルチャーの平和活動と時代の象徴(アイコン)達の行動は、
ヨーロッパや日本で起きた共産主義志向の学生運動とは異なり、
ヒッピー文化(ボヘミアン的思考)やインド哲学に救いを求める傾向。
そんな時代背景もインプットして映画を鑑賞すれば見方は変ります。
当然の事として、
ミュージシャン達の貴重なお宝映像のオンパレードも必見!
下記に放送が予定される曲目リストを掲載したが、
特に、
30日放送の後編は伝説のステージを一挙放送。
余談ながら、
1969年7月:アポロ11号の月面着陸。
1969年12月:オルタモントの悲劇。
さらに、
1970年9月:ジミ・ヘンドリックス死亡。
1970年10月:ジャニス・ジョプリン死亡。
アメリカの若者達が理想と描いた自由の儚さを知る事件・事故が次々と起こり、
カウンターカルチャーの求めた自由は若者達によって自己否定されていく。
その思考・行動の変化は、
アメリカ(自国)に絶望した若者達の平和的な抵抗運動であったと同時に、
時代の中で盛衰する流行文化の通過点であったとの見方もでき興味深い。
NHKの映画放送は独自の和訳や歌詞和訳もあるので視聴済の方も要チェック。
平日のお昼の放送なので未視聴の方は録画の予約をお忘れなく。
*若い人達にも30日放送の後編は退屈せずに視聴できると思います。
ジミヘンのロック史に燦然と輝くギタープレイだけでも是非にお楽しみください。
【曲目リスト(手持ちディスク参照)】
1:オープニング
2:ロング・タイム・ゴーン(クロスビー・スティルス&ナッシュ)
3:ゴーイング・アップ・ザ・カントリー(キャンド・ヒート)
4:ウッドゥン・シップ(クロスビー・スティルス&ナッシュ)
5:ハンサム・ジョニー(リッチー・ヘヴンス)
6:フリーダム(リッチー・ヘヴンス)
7:ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(キャンド・ヒート)
8:ジョー・ヒル(ジョーン・バエズ)
9:スウィング・ロー・スウィート・チャリオット(ジョーン・バエズ)
10:ウィー・アー・ノット・ゴナ・テイク・イット(ザ・フー)
11:サマータイム・ブルース(ザ・フー)
12:アット・ザ・ホップ(シャ・ナ・ナ)
13:ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(ジョー・コッカー)
14:ロック・アンド・ソウル・ミュージック(カントリー・ジョー・アンド・ザ・フィッシュ)
15:カミング・イントゥ・ロスアンジェルス(アーロ・ガスリー)
16:スウィート:ジュディ・ブルー・アイズ(クロスビー・スティルス&ナッシュ)
17:アイム・ゴーイング・ホーム(テン・イヤーズ・アフター)
18:サタデイ・アフタヌーン/ウォント・ユー・トライ(ジェファーソン・エアプレイン)
19:アンクル・サムズ・ブルース(ジェファーソン・エアプレイン)
20:ヤンガー・ジェネレーション(ジョン・セバスチャン)
21:アイ・フィール・ライク・アイム・フィクシン・トゥ・ダイ・ラグ(カントリー・ジョー・マクドナルド)
22:ソウル・サクリファイス(サンタナ)
23:アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー(スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン)
24:ワーク・ミー・ロード(ジャニス・ジョプリン)
25:ヴードゥー・チャイル(ジミ・ヘンドリックス)
26:ザ・スター・スパングルド・バナー(ジミ・ヘンドリックス)
27:パープル・ヘイズ~インストゥルメンタル・インプロヴィゼイション(ジミ・ヘンドリックス)
28:ウッドストック(クロスビー,スティルス,ナッシュ・アンド・ヤング)
29:ファインド・ザ・コスト・オブ・フリーダム(クロスビー,スティルス&ナッシュ)
~以下NHKホームぺージより記事転載(3月13日分)。
『ウッドストック:愛と平和と音楽の3日間』(前編)
~2011年3月13日(日)午後1:00~3:10
1969年8月15日から3日間。
ニューヨーク郊外ベセルの丘で開催された、
伝説的なロック・フェスティバルを記録したドキュメンタリー。
有名ミュージシャンが多数出演し全米から押し寄せた、
40万人の若者のエネルギーが解放された空前規模のコンサートは、
死者3人、負傷者5千人、出産2件というハプニングも生じ、
多くの話題と影響を残した若者の祭典となった。
アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞。
『ウッドストック:愛と平和と音楽の3日間』(後編)
~2011年3月13日(日)午後3:10~4:47
伝説的なロック・フェスティバルを収録したドキュメンタリー映画の後編。
最後に登場するジミ・ヘンドリックスのアメリカ国歌の演奏は、
ベトナム戦争さなかのアメリカにおいて会場に集まった若者たちの、
反戦思想とともに強く印象を残す有名なシーンとなった。
本作は25周年を記念して制作されたディレクターズカット版で、
ジェファーソン・エアプレインやジャニス・ジョプリンなど、
未公開ステージが追加されている。
【作品情報】
〔製作〕ボブ・モーリス
〔監督・撮影〕マイケル・ウォドレー
〔撮影〕デビッド・マイヤーズ、リチャード・ピアース、ドン・レンザー、アル・ウェルゼイマー
〔編集〕マーティン・スコセッシ、セルマ・スクーンメイカー ほか
〔出演〕ジェファーソン・エアプレイン、ジョン・セバスチャン、カントリー・ジョー・マクドナルド、
サンタナ、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックス ほか
〔1994年(オリジナル1970年)・アメリカ〕
〔英語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ〕
〔原題:WOODSTOCK,3DAYS OF PEACE & MUSIC〕
<Wikipedia(USA)で調べるウッドストック>
*1969→ http://en.wikipedia.org/wiki/Woodstock_Festival
*1994→ http://en.wikipedia.org/wiki/Woodstock_'94
*1999→ http://en.wikipedia.org/wiki/Woodstock_1999