今日は、日本チームのメダル獲得はありませんでした。
その代わり、4位入賞が2個。
ただし、メダル獲得実績が多く、国民に期待された競技だけに残念との感も否めません。
ちょっとだけ感じたことでも・・・。
<野球>
星野仙一監督率いる日本チームは、昨日の準決勝に続き、3位決定戦でもアメリカに逆転負け。
期待されていたメダルの獲得を逃しました。
試合後、星野監督はインタビューで、
「日本で金メダルを待っていたファンに対して、本当に申し訳ないという思いでいっぱい。」
と謝罪しました。
~昨日、今日とお昼の放送で、
<お昼休みに見たときには勝っているのに、試合結果を聞くと負けている。>
みたいな、逆転負けの日が続きました。
ビデオや試合詳細を調べてみると、相手チームがビック・イニングを握ると一気に試合が決まると言った、後味の悪い試合が続きました。
特に昨日の準決勝での韓国戦は、相手チームの1本のホームランでチームの緊張感が緩み試合を決しています。
今日の朝の番組で年配の俳優さんが、
「ふがいない試合で、情けない。俺は、もう野球なんて見ないよ。」
と語っていました。
勿論、この発言は<大衆伝達の場>には相応しくありません。
こうした発言が増長すると、劉翔(りゅうしょう)選手への中国国民の冷たい姿勢と変わらなくなります。
ただし、酒場での話であれば気持ちも分かるかな?
プロの選手は、アマチュア選手とは違いファンの出す入場料で生計を立てています。
今回の男子サッカーチーム同様に、覚悟が稀薄な場面が多かったように感じます。
昨日の韓国チームの気迫に対して、日本チームのモチベーションが異質に感じました。
「勝たなければならない。」との気持ちばかりが先走り、ひとつのミスで選手全員が凍りつく。
ムードメーカーの存在も見当たらず、敗北後の選手の表情がモスクワ・オリンピック以前の<国家のため>を背負っている時のような悲壮感が感じ、全ての選手にとって悔いの残るものとなったでしょう。
昨日の陸上400メートルリレーの日本チームのように長い年月をかけて挑戦してきた姿勢とは違い、大会の都度に寄せ集めチームが、ルールの異なる世界と戦うことに無理があったのでしょう。
プロの寄せ集めは、バルセロナ・オリンピックでの全米バスケットボールのドリームチームが初めてだと記憶しています。
その後、ドリームチームの出場は続きますが、バルセロナの時のような強烈な印象はなくなり、アテネ・オリンピックでは3位になっています。
さらにペナントレースを争っている最中の8月に、急遽召集された寄せ集めチームに勝てと望むほうがおかしいのかも知れません。
日本人・野球ファンとしては、WBCでの心地の良い勝利の再現を願いましたが、WBCは、公式日程の終了後の大会でした。
また、今回の敗北もWBCでの貯金(日本チームの強いイメージに対する)があるので、私自身は気にしていません。
コアな野球ファンにとっては許しがたい結果でしょう。
しかし、敗北は決まっていたレールをたどっただけだと感じます。
チームとしてのモチベーションも、メダルに挑む年数の短さも、寄せ集めチームの持つ選手間の信頼感も、この北京大会でメダルを獲得した他の日本人アスリート達と比較することはできないと感じます。
WBCの時にはイチロー選手が前面に出て、後には引けない戦いの厳しさを選手に植え付けました。
アテネ大会の時は、監督としての評価は低いと思われる?中畑監督が持ち前の明るさでチームを盛り立てました。
この大会での日本チームの敗退の最大の原因は、<勝ちに至るイメージ>を作り出すことができなかったこと。
私は、そう考えます。
日本チームの実力を出し切ることはできませんでした。
しかし、昨日の400メートルリレーでも書きましたが、
「(その瞬間)勝った者が一番強いのだ。」
今回負けた日本は、弱かっただけのことです。
勝負の世界の中で、負けて謝る必要はありません。
本人達に悔いが残るか、納得のいく負けなのか?
このオリンピックでは、負けても全力で戦った選手たちの満足感を多く学びました。
特に、女子柔道の塚田真希選手や女子レスリングの伊調千春選手の敗北は見事でした。
今回のオリンピックでの結果が、今後の日本の野球界に何らかの(負の)影響力をもたらすことがあるかも知れません。
それは、仕方がないことです。
それが、プロの宿命であり、プロとしての責任なのです。
そのことを知る選手たちは、だからこそ負けが続くことに萎縮したのでしょう。
繰り返します。
謝罪する必要はないのです。
次に勝つしか、ファンの信頼を取り返すことはできません。
でも、次期ロンドン大会では野球は除外されます。
仕方がないですね。
選手の皆さん、ご苦労様でした。
戻ったらすぐにペナントレース終盤戦ですね。
頑張ってください。
星野監督、ご苦労様でした。
プロ野球監督の経験が、ペナント中の選手を預かる責任を感じました。
ケガをさせずに各球団に大切な選手を、お返ししなければならない苦悩が作戦を躊躇させた理由でしょう。
ソフトボールの上野選手のように調子のいい選手を連投させることができればもっと違った戦い方ができたはずです。
持病に、悪い毎日でしたね。
事務処理を終わらせた後はのんびりして欲しいと感じます。
<シンクロナイズドスイミング>
シンクロナイズドスイミング、日本チーム(青木、原田、川嶋、小林、小村、松村、鈴木、橘)は、この日フリールーティン:FRを行い、昨日のテクニカルルーティン:TRとの合計95.334点で5位に終わりました。
当初は4位との発表がありましたが、演技最初のリフト・アップの際に、土台になる選手の足がプールの底を蹴り上げたことがビデオで確認され違反行為に該当。
そのため1ポイントの減点が生じ、アメリカチームと同点の5位タイの記録になりました。
繰上げ4位は、カナダチームでした。
また、日本チームの演技終了時に、小林寛美選手が過呼吸で失神するハプニングがあり、この競技の過酷さを物語るエピソードになりました。
シンクロナイズドスイミングが、正式採用された1984年ロサンゼルス大会以来、日本チームがメダルを逃したのは初めてのこと。
TR首位のロシアチームが、FRでもデュエットに続く50点満点を出し、
合計99・500点で、3大会連続での金メダルに輝いています。
スペインチームが、98・667点で銀メダル。
中国チームは、97・334点で銅メダル。
井村雅代・前日本代表ヘッドコーチが指導した中国チームは、この種目、自国初のメダルを獲得しました。
金子正子:日本チーム、チームリーダーの話。
「チームでメダルが取れなかったのは残念です。
力が足りませんでした。
演技の後半までスタミナが続きませんでした。
切れ味も悪く、中国チームの切れ味の良さに差が出ました。
今後は、チーム内の世代交代をしていくつもりです。」
井村雅代・中国チーム、ヘッドコーチの話。
「コーチとして、最高に幸せです。
選手たちが力を出し切ったので、それだけで満足です。
(演技内容に)妥協しなくて良かった。
中国的なものを取り入れることでいい演技ができました。
中国が、今後強くなるかどうかは私から何を学び取ったか。
これから、答えが出るでしょう。」
~日本チームが弱くなったと言うよりも世界のレベルがアップしていて、その技術についていくことができなかった。
そんな感じでしょうか?
特にロシアチームの演技は圧巻でした。
演技の中に飛び込みの技術や体操競技の技術が盛り込まれていたり、バレエの動き引用したりと、技術、芸術とも次元の違いを感じました。
ロシアチームの水しぶきには、ミルククラウンさえも感じられ、これまでのシンクロナイズドスイミングとは別世界でした。
今回の日本チームに対して、
「芸術性を見せようと難しい技に挑戦したが、同調性に欠けてしまった。」
とのコーチの言葉に
「選手の能力以上のものを求め過ぎた面も否定できず、終盤の乱れは、明らかにスタミナ切れによるもの。」
との指摘が見られます。
しかし、
日本のコーチ陣の頭の中には、世界のレベルの向上と戦うためには選手達に、
<力以上のものを望まなければ勝てない!>
現実を認知していたからだろうと思います。
<能力的に無理でも、メダルを死守するためには挑戦せざる得ない。>
そんなギリギリの対決だったのでしょう。
あと、井村雅代:中国コーチの発言を見ていると、日本チームのレベルアップを望んでいることも理解できます。
言葉として適切でないかも知れませんが、井村さんの姿勢を見ていると、漫画本「巨人の星」の星一徹が、川上監督からの2軍コーチ就任要請を断って、中日ドラゴンズのコーチとなり息子の星飛雄馬のレベル・アップために本気で大リーグボール攻略を指導する姿勢を思い出しました。
日本のコーチが世界に羽ばたくことは、私の目には頼もしく思います。
フィギュアスケート女子の浅田真央選手が、ロシア人のタチアナ・タラソワ新コーチのもとで練習を開始したことを例に出すまでもなく、コーチの国際化は当然の成り行きで、巷で聞こえる変なナショナリズムは払拭すべきだと考えます。