9月29日の日曜日、堺市長選で、大阪維新の会の公認候補が大敗しました。
注目の選挙、と言われていましたが、当選した現職ももとはといえば、
一期目の選挙は「大阪維新の会」。
とはいえ、
橋下徹大阪市長が推す候補が落選したのはよろばしいことです。
「減税日本」の河村名古屋市長と名古屋市議、大阪維新の会の橋下徹大阪市長、
どちらも威勢はよいことを言っているけれど、政策としては評価できるものがないので、
早晩、化けの皮がはがれるだろうと思っていました。
維新の会の堺市長選挙の敗北を受けての、新聞各社の社説やニュースをピックアップしてみました。
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クローズアップ2013:堺市長選(その1)
橋下維新、本拠で苦杯 党勢失速、追い打ち(毎日新聞 2013年09月30日)
クローズアップ2013:堺市長選(その2止)
「原点」都構想にノー 大阪府・市再編にも影(毎日新聞 2013年09月30日)
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注目の選挙、と言われていましたが、当選した現職ももとはといえば、
一期目の選挙は「大阪維新の会」。
とはいえ、
橋下徹大阪市長が推す候補が落選したのはよろばしいことです。
「減税日本」の河村名古屋市長と名古屋市議、大阪維新の会の橋下徹大阪市長、
どちらも威勢はよいことを言っているけれど、政策としては評価できるものがないので、
早晩、化けの皮がはがれるだろうと思っていました。
維新の会の堺市長選挙の敗北を受けての、新聞各社の社説やニュースをピックアップしてみました。
【社説】地域政党敗北 住民目線の原点どこへ 2013年10月1日 中日新聞 「大阪都構想」が争点となった堺市長選で、地域政党の大阪維新の会の公認候補が敗れた。全国で生まれた地域政党に、地方から国の形を変えようとする住民目線の原点が失われていないだろうか。 大阪都構想は、日本維新の会の共同代表である橋下徹大阪市長が、大阪維新の会を結成する理由となった政治の原点である。 それだけに、大阪維新の会にとって厳しい審判であり、橋下氏の求心力の低下は避けられない。 日本維新の会は最近、分権改革よりも、改憲や安全保障政策などで政権寄りの姿勢が目立つ。 多くの有権者が、橋下氏が率いる地域政党が、地方から国を変えようとする原点からずれ始めていると感じたのではないか。 橋下氏は、統治機構改革を軸に国政に対しても積極的に発言してきた。だが、堺市長選の民意を謙虚に受け止め、まずは足元を固めて、市長として都構想の実現に全力を尽くしてほしい。 政治課題を地域からしっかり見つめ、国政に反映させようとする地域政党の考え方には共感できる面が多い。 だが、全国進出の拡大戦略が性急すぎるのは気にかかる。大阪都構想など地域課題について、説得力ある形で住民に説明できなかったのであれば本末転倒である。 地域政党の原点を忘れているのは愛知の「減税」も同じである。 「減税日本ナゴヤ」を率いる名古屋市の河村たかし市長が掲げた「庶民革命」は、減税や議員報酬半減を通じ、政治を庶民の手に取り戻すというものであった。 だが、地域政党らしい成果をあげるどころか、減税日本の愛知県議、名古屋市議に政務調査費の不正受給が相次いで発覚した。 自民の愛知県議にも同じ不正があった。議員が税金を食いものにしているのは言語道断である。 特に「減税日本」を名乗るのならば、看板が泣く。河村市長の指導力不足も厳しく指摘したい。 複数の地域政党を率いてきた愛知県の大村秀章知事と河村市長の共同公約である「中京都構想」は、「大阪都構想」と比べても構想の中身が見えてこない。 既成政党に対抗する第三極を売りものにして、地方向けの派手な公約を打ち上げただけであれば、有権者は戸惑う。 地方から国を変えるため、きちんと地方に目配りできる地域政党でなければ、その存在意義すら問われることになる。 |
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社説:維新の敗北―「ノー」が示したヒント 2013年 10月 1 日 朝日新聞 大差の敗北だった。大阪維新の会が掲げる「大阪都構想」の是非が争点となった堺市長選で、維新の候補が、都構想に反対する現職候補に退けられた。 大阪の主要選挙で負け知らずだった維新の「不敗神話」は崩れた。 同じ都構想が争点となった2年前の大阪ダブル選では、代表の橋下徹・大阪市長への「改革の期待」が得票を押し上げた。しかし、維新の勢いが弱まるとともに「改革への不安」が大きくなっている。 橋下代表は敗北の主な原因を、都構想を市民にきちんと説明できなかったことだと分析した。だが、そうだろうか。 大阪都構想は、大阪と堺の両政令指定都市を特別区に分割する。広域行政を「大阪都」に一本化し、思い切った政策を展開して、首都圏やアジアと競い合える都市をつくる。低迷する大阪の再生を目指して、維新が掲げた結党の原点でもある。 これに対し、現職候補は「堺をなくすな」というキャンペーンを繰り広げた。 構想に参加すれば、市は解体され、中世以来の「自治都市・堺」が消える。指定市としての財源や権限も都に吸い上げられ、住民サービスが低下しかねない。そんな主張が市民の共感を集めた。 「なくなるのは堺市役所で、堺の伝統や文化はなくならない」「堺だけで発展していける時代ではない」――維新側の反論は響かなかった。 経済成長が終わった今、自治体の財政はどこも苦しい。自分たちの税金がどこにどう使われるのか、住民の目はかつてないほど厳しくなっている。 そういうときであればこそ、住民の疑問や不安に丁寧に答えるのはもちろんのこと、場合によっては計画を見直す姿勢がなければ、大きな変革に対する共感は広がらない。 橋下代表は、大阪市での都構想実現を目指し、来秋の住民投票をめざす計画は変えない考えを示した。だが、今回の選挙は、民意にひそむ不安を浮き彫りにしたともいえる。立ち止まり、構想に欠けているものを点検するときではないか。 現職側に回った既成政党にも注文したい。 低迷する大阪の現状を打開できず、既得権益に切り込めない政党への失望が、維新への熱狂をもたらした事実を忘れてはならない。 都構想にノーなら、別の手段で打開する具体策を示さないと、民意のいらだちは再び既成政党にぶつけられるだろう。 |
堺市長選敗北 存立基盤が揺らいだ維新の会(10月1日付・読売社説) 日本維新の会の共同代表を務める橋下徹大阪市長にとっては、手痛い結果である。 「大阪都」構想の是非が大きな争点となった堺市長選で、橋下氏率いる地域政党・大阪維新の会公認の新人候補が、構想に反対する現職の竹山修身氏に敗れた。 大阪維新の会に支援を受けた首長選候補が大阪府内で落選したのは、2010年の結党以来初めてだ。大阪での“常勝神話”が崩壊したと言える。7月の参院選で伸び悩んだ維新の会の退潮傾向が、一段と鮮明になった。 橋下氏の掲げる大阪都構想は、政令市の大阪、堺両市を廃止して特別区に分割し、大阪府と統合するものだ。だが、堺市長選の敗北によって、堺市の参加が見込めなくなったのは確かである。 橋下氏は、敗因に関して、自らの政治手法に対する批判や都構想を有権者に十分説明できなかったことを挙げている。 選挙戦で竹山氏は、都構想で「堺の自治が奪われ、地域がバラバラになる」と繰り返した。海外交易を通じて自治都市を形成し、経済、文化の拠点にもなった歴史のある堺市の有権者に、そんな訴えが響いたに違いない。 維新の会は、府と政令市の「二重行政」の弊害を解消できるとして都構想に理解を求めてきたが、堺市ではそれほど二重行政が問題になってはいない。有権者の多くは、都構想のメリットに共感できなかったのではないか。 都構想では、14年秋に大阪市の住民投票が予定されている。今後、大阪市でも区割りによって地域が分断されることに、市民の懸念が広がりかねない。 橋下氏が住民投票で必要な過半数の支持を得られるかどうか、予断を許さないだろう。 橋下氏は、敗北の責任は認めながらも、共同代表の辞任は否定した。地方政治と国政の二足のわらじをはき続ける考えだ。 橋下氏は、野党再編を唱えている。次期衆院選に向けて、自民、公明両党に対抗できる勢力の形成を考えている。 一方で、安倍政権にとって維新の会は、国会改革や憲法改正を進めるうえで、連携相手となり得る存在である。 地元大阪での存立基盤が揺らいでいては国政に対する維新の会の影響力に陰りが生じる。都構想に集中する意向を示す橋下氏には、そんな危機感もうかがえる。 橋下氏と維新の会は、果たして巻き返せるだろうか。 (2013年10月1日01時33分 読売新聞) |
維新の会敗北 「橋下流」はもう通じぬ(10月1日) 2013.10.1 北海道新聞 日本維新の会が浮沈をかけた堺市長選で大敗した。 党躍進の原点だった「大阪都構想」への不信が最大要因だ。 共同代表である橋下徹大阪市長の独断的な政治手法の限界は地元でも明らかになった。国政政党としての方向性も定まらない。有権者が背を向けたのは無理もない。 派手な言動で耳目を集めるのではなく、日常的課題を着実に解決する力が問われる。解党的出直しをしなければ将来はないと考えるべきだ。 堺市長選は民主党の推薦、自民党の支持を受けた現職の竹山修身氏が、日本維新の会傘下で「大阪維新の会」新人の西林克敏氏を約6万票の大差で破った。 最大争点の大阪都構想について竹山氏は「実現すれば堺市がなくなってしまう」と訴えた。商人の自治都市や文化発信地としての歴史を持つ堺の市民は、大阪都への「吸収合併」にノーを示した。 維新の敗因は構想自体が生煮えだったことにある。新設される「特別区」の財政力格差をどう埋めるかなど、不明な部分が多かった。橋下氏はなお構想を進める意向だが、堺市の離脱で大きく見直しを迫られる。 札幌を含め全国10の政令市が特別区設置の要件を満たしている。大阪都構想の成否が各地に与える影響は小さくない。 それでも橋下氏の求心力低下は避けられない。従軍慰安婦発言で失速を招いた参院選後、大阪の改革に専念すると言っていたが、今回の敗北で大阪での「不敗神話」も消えた。 考えの違う勢力を敵とみなし、選挙で白黒をつける政治手法は、大阪への対抗心を強めた堺からしっぺ返しを食らった。劇場型政治に引き寄せられていた無党派層も維新離れが進んだ。真摯(しんし)に受け止めるべきだ。 理解に苦しむのは共同代表の座に固執する橋下氏の態度である。橋下人気を当て込む党内の要請に従ったのだろう。本気で大阪都構想を実現に導くなら、辞任して大阪市長の職務に専念するのが筋ではないか。 大阪維新、旧太陽の党、既成政党離党組の寄り合い所帯となった日本維新の会は存在意義すら不明確だ。 共同代表の石原慎太郎氏が堺市長選の応援演説で持論の憲法観や歴史観を訴え続け、聴衆から「堺の話をしろ」とやじられた。党のバラバラぶりを表すエピソードである。 国会では野党再編を狙っているとされる。「改革に後ろ向きだ」と自民党を批判するが、憲法改正などでは自民党の補完勢力になっている。 真に改革の党を目指すなら、党綱領を定め直すなどして与党との対立軸を示すべきだ。あいまいな態度では他の野党も相手にしないだろう。 |
社説:堺市長再選 橋下構想に厳しい審判 毎日新聞 2013年09月30日 「大阪都構想」への参加の是非が争点となった堺市長選で、参加に反対する現職の竹山修身(おさみ)氏が、都構想推進を訴える大阪維新の会公認の新人を破り再選を決めた。 橋下徹大阪市長が唱える都構想にとって大きな打撃だ。このまま堺市抜きで進めるのであれば、橋下氏は住民が納得できる「大阪都」の具体像を明確に示さなければならない。 大阪都構想は元々、大阪市と堺市の2政令指定市を廃止して東京都のように複数の特別区に再編する構想だ。二重行政を解消し、広域政策を府に一元化して大阪を国際競争力のある都市に再生する狙いがある。昨年8月には都構想を実現できる法律が成立した。 ところが堺市の竹山市長は「歴史ある市の解体につながる」と協議への参加を拒否し、大阪府と大阪市だけで調整が進められてきた。維新の会は堺市長選に対立候補を擁立し、堺市も参加する道を開こうとした。 竹山氏勝利は都構想への参加は望まないという堺市民の意思表示だ。中世から国際交易都市として栄えた歴史を持つ市が特別区に分割されることへの抵抗感や、維新の会側が都構想の利点を説得力ある形で説明できなかったことが主な要因である。 橋下氏は記者会見で、引き続き大阪府・市で協議を進めると強調したが、選挙結果は大阪市民にも影響を与える。大阪都のメリットが見えてこなければ「大阪市が解体されるだけでは」という疑念が広がるだろう。 都構想実現に向けたハードルは高い。目標とする15年春に大阪都を実現するためには、14年秋までに大阪府・市の議会での議決を経て、大阪市民を対象にした住民投票で過半数の賛成が必要だ。だが、維新の会は大阪市議会で過半数を持たないだけに、このままでは住民投票にまでこぎ着けられるかも疑問だ。 維新の会は党の浮沈を握る重要選挙と位置づけ、全国から国会議員らを動員して総力戦を展開した。そのうえでの敗北は、府内で無敵だった「橋下人気」の失速を意味する。 橋下氏が共同代表を務める国政での日本維新の会の迷走とも無縁であるまい。従軍慰安婦をめぐる発言など、橋下氏の言動はこのところ分権改革以外の分野で物議を醸し、参院選で伸び悩んだ。合流前の旧太陽の党、旧維新の会両勢力の不協和音も目立つ。与党寄りの対応も目につき、国民からは方向性がよく分からない政党だと見られ始めているのではないか。 こんな状況では分権改革の旗印も色あせるばかりだ。橋下氏は共同代表辞任を否定した。だが、原点であるはずの都構想が揺らぎ始めた今、大阪府民が期待する大阪再生という宿題と真剣に向き合う必要がある。 |
クローズアップ2013:堺市長選(その1)
橋下維新、本拠で苦杯 党勢失速、追い打ち(毎日新聞 2013年09月30日)
クローズアップ2013:堺市長選(その2止)
「原点」都構想にノー 大阪府・市再編にも影(毎日新聞 2013年09月30日)
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