福田の雑記帖

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社会保障環境2018年(2) 安倍政権の政策から今後の社会保障を読む

2018年01月03日 03時45分04秒 | 医療、医学
 安倍政権はこの数年、「人づくり革命」、「1億総活躍社会」、「地方創生」などを提起して来た。
 総括もないまま目まぐるしく変わるためになかなか理解出来ない。

 最近の政策を無理矢理箇条書き的にまとめて見た。ただ私にはまとめるには力不足で荷が重い。文献として田中拓道一橋大学教授の論文を参考にした。

(1)安倍政権は2015年から「1億総活躍社会」を掲げ、
■女性の就労支援。
■働き方改革、を推進。

(2)2017年12月には「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定。
■「生産性革命」。
■「人づくり革命」と称する子育て・教育支援策を新たに公表。

(3)子育て支援として、
■3-5歳児向けの幼稚園、保育所など認可施設の利用料を一律無償化。
■0-2歳児向けには住民税非課税世帯に限って無償化。

(4)待機児童対策として
■20年までに32万人分の保育の受け皿を用意。

(5)教育支援として
■大学など高等教育機関の入学金・授業料を低所得に限定して無償化。
■給付型奨学金も整備。
■私立高校の授業料も低所得世帯に限り無償化。
■保育士・介護人材の待遇改善。

 これらには総額2兆円を超える財源が必要となる。このうち1.7兆円は19年10月に予定される消費増税の増収分を充て、残りは企業の拠出金でまかなうという。

 これらの政策をどう評価できるだろうか。
■財政・雇用・社会保障とバランスのとれるセットとなっているか否か??
 税や保険料を引き上げることは難しく、財政確保は重要な課題である。
 労働市場と家族の変化は副次的に「新しいリスク」をもたらす。

①産業が製造業から情報・金融・サービスなどの第3次産業へと移行すると、短期や非正規などの不安定雇用が増大する。
②不安定な立場の人への支援がなけれぱ格差は一層拡大する。
③女性の就労が進むと、家庭と仕事の両立問題から少子化のリスクが一層高まる。

 財政が乏しい状況で家族の変容に対応する社会保障としては、3つのバランスの取れた政策が必要となる。
①高齢者向けの医療・年金支出の伸びを抑制する。
②労働時間の柔軟化、労働市場の流動化を進める。
③若年層や失業層への就労支援、子育て支環を強化する。

 要するに「高齢者中心社会保障」から「全世代型社会保障」への転換である。
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