福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。



医療介護費用削減2014(3)高齢者医療の変遷(1)無料化の流れ

2014年08月04日 00時40分31秒 | 医療、医学
 日本はかつて幸せな時期があった。いや,今が決して不幸と言うわけではない。医療の推移を見た時に、労働人口の増加、右肩上がりの経済力を背景に、夢が次々と実現して行った時代であった。

 今日、日本の医療・福祉・介護の運用状況は経済的に逼迫している。日本の経済的活力が低下している現在、早急に手を打たなければならない。大局的に見た場合、日本の高齢者の社会保障は世界的に見ても充実していたと思う。しかし、その後に訪れた経済の陰り,これは爛熟した資本主義社会が歩む当然の推移,と私は思っているが、その後の社会保障の舵取りが正しかったかと言うと、時代に即した発想の転換が遅きに失した、と思う。いつまでも夢を追いかけてしまって墓穴を掘ってしまったのだ,と思う。

 高齢者医療について考えるにあたって、日本の高齢者医療の推移を勉強し直してみた。かつては高齢者医療費は無料化されていた事もある。

 高齢者医療費の無料化に関連する動きを年表形式にまとめると、
■1957年(昭和32年)1月 政府が国民皆保険制度を4年計画で達成すると閣議決定。
■1960年(昭和35年)12月 岩手県沢内村で無料化実施。
■1961年(昭和36年)4月 国民皆保険施行。健康保険は本人10割給付、家族5割給        付。国民健康保険は5割給付。
■1963年(昭和38年)8月 老人福祉法施行。65歳以上に毎年健康診断実施。必要に応じ養護老人ホーム、特養に収容。
■1963年(昭和38年)10月 国保の世帯主7割給付に。
■1968年(昭和43年)1月 横浜市が80歳以上の国保被保険者9割給付に。国保の世帯員も7割給付に。
■1969年(昭和年)4月 秋田県が80歳以上を無料化。
■1969年(昭和年)12月 東京都が70歳以上を無料化。
■1970年(昭和45年) 横浜市が75歳以上を無料化。
■1973年(昭和45年)1月 老人医療自己負担無料化実施。
■1973年(昭和45年)7月 東京都、65歳以上を無料化。
■1973年(昭和45年)10月 国も、寝たきり状態は65歳以上を無料化。

 わが国の医療の中に国民皆保険制度が施行された事は大きい。素晴らしい制度であった。しかし,健康保険も国保も現役の労働者,世帯主を守る視点で創られており、高齢者に光りをあてていない。

 その問題を鋭く指摘し,独自の判断で老人医療の無料化に踏み切ったのは,私の郷里の岩手県の沢内村、現在住んでいる秋田県であった。他の都道府県,自治体に先駆けて果たした先進性が国を大きく動かした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする