外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2022年イタリア・ヨルダン・トルコ周遊記(6)~ローマ初日・SIMカード購入編~

2022-10-16 18:34:42 | イタリア

 

 

激しい気温の変化に翻弄されているうちに、もはや10月も後半に突入してしまった。今年は金木犀の香りがあまりしないなと思っていたが、それは寒いから窓を閉めていたせいだということに、暖かくなってからようやく気付いた。金木犀のシーズンは短くて貴重なのに、なんだか損した気分。

 

 

さて、今回は旅行記の続き。まだローマに着いた日の話が終わっていなかった。悪い魔法使いに呪いをかけられたかのように、いたずらに時が過ぎ、ブログをなかなか更新できない。いつ終わるんだろう、この旅行記は…(前回の話

 

 

 

ホテルの部屋で少し仮眠を取り、Wi-Fiを利用して調べ物などをして、少しゆっくりしてから夕方6時頃に出かけた。

 

ホテル周辺を散策がてらテルミニ駅に出て、駅構内にある携帯ショップを回ってSIMカードの値段をチェックするつもりだった。ローマには3泊しかしないので、すぐ買うつもりはなかったが、ヨルダンとトルコを回ってからイタリアに戻る予定なので、一応値段と有効期間をチェックしておこうと思ったのだ。

 

ホテルの周りには、中華料理店や中国人経営の衣料店、観光客向けのリストランテやピッツェリーア(ピザ中心のレストラン)なども並んでいたが、それ以上に南アジア系のハラール・ファーストフード店やミニマートが目に付いた。通行人はソマリア人を始めとするアフリカ系の男性が多い。ファーストフード店の屋外のテーブルに座った男たちが口論したりもしていて、ちょっと不穏な雰囲気があった。この辺り(テルミニ駅周辺地域)は、夜は少し怖いかもしれない。帰りが遅くならないようにしないと。まあホテルの門限が24時なので夜遊びは出来ないし、そんな歳でもないのだが。(安全のため、24時にホテルの入口を閉めると言われた)

 

 

ファーストフードの店としては、さほど安くない気がする。

 

 

似たような店が多い。どこもメニューの種類がやけに多い。

 

 

飲食店の外にある値段表示をチェックして、夕食を取る店を物色しつつ歩き、テルミニ駅に出た。駅の構内に三大通信会社のTIM(ティム)、Vodafone(ボーダフォン)、WindTre(ウインドトレ)の店舗が入っていることは調査済みだった。

 

 

テルミニ駅の構内にはスーパーも本屋も、各種のお店やフードコートなどもあり、大抵の用が足せる。ローマ滞在中、1日最低2回は寄っていたので、もう私の庭のようなものさ。まあ方向音痴だから、中で毎回道に迷ってたけどね…

 

 

 

 

まず、地上階にあるWindtreのショップに入って、不愛想な店員のお兄ちゃんに相談したら、ツーリスト用のSIMは最短のものが30日間有効で、20GBで28ユーロだという。ネットで調べていた値段(約25ユーロ)よりなぜか少し高い。30日間有効なら、今買ってしまってもいいかとも思ったが、私の旅行期間は32日間なので、今買ったら最後の2日間は使えないことになる。そして、EU圏ではないから、ヨルダンはもちろんトルコでも使えない。そう思うと、合計で約2週間のイタリア滞在のためにこれを買うのは割高な気がする。ああ、トルコがEUに入れていれば(むりむり)

 

買うかどうかは保留にして店を出て、TIMの店の方にも行ってみたが、言われた値段がWindtreより高かったのですぐ出た(いくらだったかは記憶の彼方)。駅地下の商店街に入っているVodafoneにも行ってみたが、こちらはもう店仕舞いするところだった。仕方がないので、すぐ近くにあったWindtreの別の店舗に入ってみる。こちらの店員は、非常に親切で愛想のいい若者だったが、提案されたのは、2枚セットで40ユーロ台だから割安だというSIMだった。SIMが2枚あってもしょうがない、さっき地上にある方の店で聞いたらもっと安いSIMがあると言われたと説明してみたが、彼は肩をすくめるばかりだった。同じ通信会社でも、店によって言うことが違う。さすがイタリアだ。

 

駅周辺にもVodafoneの店舗があるかもしれないと思い、駅から出てホテルと反対側の界隈を少し歩いてみたが、全然見つからなかった。こちら側でも、ソマリア人らしき男性をよく見かけた(ソマリアの一部がかつてイタリアの植民地だった関係で、ソマリアからの移民・難民が多い)。夕方でもけっこう気温が高く、少し歩いたら疲れてきたので、目に付いたバールに入り、ビールを飲んだ。イタリアビールの「ペローニ(peroni)」、久しぶりに飲んだが、相変わらず美味しかった。イタリアはワインだけではなく、ビールも美味しいのだ。座ったら料金が高くなるので立ち飲みで我慢した。ああ、しんどい…

 

 

バリスタのお兄さんたちは、にこやかでプロフェッショナル。南部訛りでテンポよくお客さんと話していた。

 

 

南部のお菓子も色々あった。テルミニ駅構内や周辺地域のバール界はシチリア・カラブリア・ナポリ勢に支配されていると思われるが、ここもその1つ。

 

 

 

 

ビールを飲み干してから、またテルミニ駅に向かった。色々考えるのは面倒なので、もう最初に行ったWindTreの店で買ってしまおうと思ったのだ。しかし、今夜はホテルにWi-Fiがあるから、1日でも長く使えるように、買うのは明日にした方がいいかもしれないとも思う。(期限が切れる前にチャージすれば更新できるが、最低10ユーロかかる)

 

旅の疲れでぼんやりした頭で、くよくよ迷いながら店に着いたら、店番が交代していて、若い女の子がカウンターの中にいた。30日間有効のツーリスト用のSIMカードがほしいと言うと、33ユーロだと言われる。ええ~、さっき聞いた値段より5ユーロ高いんですけど~

 

「少し前に来た時、男性の店員さんに28ユーロだと言われたんだけど」と言ったら、彼女は「じゃあ28ユーロでいいわ」とあっさり引き下がった。なんなの、同じ店なのに店員によって違う値段を言ってくるとか…フィレンツェではこういうことは普通起こらない気がする。ローマあるあるか?

 

試しに「SIMをその日に買って、翌日から有効にすることは可能ですか?」と聞いてみたらダメだと言われ、翌日出直すのは面倒だったので、結局その場で買ってしまった。つまり、旅の終わりの2日間はスマホが使えないということになる。やはり翌日出直した方が良かったかも(くよくよ)。どうも判断力がポンコツになっている気がする。

 

ともかく、用事が終わったので一息ついて、ホテルでの部屋飲み用のワインとつまみを駅構内のスーパーに買いに行った。駅地下には「コナド(Conad)」の系列店が、地上にはコープが入っていて便利だ。新しいお洒落なフードコートも複数出来ていて、アペリティーヴォ(食前酒)を楽しむ地元客や観光客で賑わっていた。テルミニ駅は単なる鉄道駅ではなく、ローマで社交・娯楽・飲食・ショッピングを楽しむために人が集まる一大スポットになりつつあるようだった。

 

 

エキナカのお洒落フードコートでマリトッツォを発見

 

 

イタリアでマリトッツォを見たのは、これが初めてだった。なお、食べたことは一度もない。

 

 

このフードコートにはラーメンコーナーも寿司コーナーもある。

 

 

駅の上階の別のフードコートにも、寿司レストランが入っていた。寿司はいつからイタリアで愛されるようになったのか。食に極めて保守的なイタリア人がそんなに寿司を食べるとは思えないのだが。

 

 

駅地下のコナド系スーパー

 

 

ファラーフェルもあったけど、マズそう。

 

 

当然寿司コーナーもある。

 

 

コープの店の前に出ていた広告には、アラビア語表記もあった。

 

 

土産物も買える。

 

 

コープはハム類が充実しているが、特に安くはない。

 

 

コープで安い赤ワインとタッキーノ(tacchino 七面鳥)のハムを買ってから、ホテルの近くに戻って、あらかじめ目を付けていたピッツェリーアでピザを注文した。トマトベースでアンチョビとモッツァレッラがのっているやつ。「ナポリターナ」という名前だったと思うが、「ナポレターナ」かもしれない。7、8ユーロで、この辺りの他の店より安かったが、十分美味しかった。ピザの本場、イタリアですもの。分厚い生地のナポリのピザとは違い、ローマ風に薄かった。飲み物は当然ビールだ。ピザの時にビール以外を飲むわけにはいかない。銘柄はまたペローニ。

 

 

 

 

他の客は欧米系の観光客ばかりで、ピザ以外にも色々な料理やワインを景気よく注文して、盛り上がっていた。私がピザとビールだけ注文したら、カメリエーレ(ウエイター)のおじ様(多分南アジア系)に「え、それだけ?」と不審そうな顔をされたが、にっこり微笑んで「そう、それだけ」と答えたら、あきらめたように立ち去った。すいませんね、貧乏旅行者なんで…

 

 

ピザが来るのをぼんやり待っている間に、さっき買ったSIMをスマホに入れようと思いついてしまい、スマホの脇の小さい引き出しみたいなやつをいじって、そこに入っている日本の携帯会社のSIMを出そうとしたら、取り落として見失ってしまった。地面をいくら探しても見当たらない。ブラックホールに入ったのか?

 

SIMの入れ替えなどしたことがないのに(海外ではいつもお店の人に頼んでいた)、夕暮れ時の路上で、あんな小さいものを取り出そうとするなど、判断力がポンコツすぎるのではなかろうか。この旅の間、ずっとそんな風に頭がポンコツ山のたぬきさん状態で、色々ヘマをしでかした。幸い大きな事故はなく、無事に帰れたが。旅の疲れのせいか、年のせいか、ステイホームボケのせいか、はたまたアル中の症状か…

 

カメリエーレのおじ様も、隣のテーブルに座っていた1人客の欧米人の若者も一緒に探してくれたが、なかなか見つからなかった。それでもあきらめず、ピザが来てからもしばらく探し続けた結果、置き引き防止のため膝の上にのせていたショルダーバッグの片隅から出てきた。バッグの中が怪しいと最初から思っていたので、何度も探したのだが、小さいからなかなか出てこなかったのだ。出てきて良かった。日本のSIMを失くしたら、えらいことになるところだったぜ。

 

冷めかけたピザを食べ終わり、カメリエーレのおじ様にお礼を言って、チップを渡す。1ユーロしかあげなかったのだが、おじ様は全く期待していなかったらしく、とても嬉しそうな顔で受け取ってくれた。

 

ホテルに向かう道すがら、ミニスーパーでビールを買い(コープやコナドより割高だが、冷えているものが欲しかったからしょうがない)、買い物が終了。部屋に戻ってシャワーを浴び、ビールやワインを飲んでから、早めに寝た。

 

翌日は欧州最大規模だというローマモスクを見に行く予定だった。ネットで情報を検索しても、詳しい行き方や開いている時間帯はよくわからなかったのだが、ここはイタリアだから、とりあえず行ってみたら、なんとかなるだろう。問題は、方向音痴の私が無事にたどり着けるかどうかだな…

 

 

(続く)

コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする