外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

我が心のイタリア人~イタリア帰りあるある~

2022-05-16 08:19:56 | イタリア

 

 

私の心の中には小さなイタリア人が住んでいる。

 

ちょっと口うるさいが悪気はなく、しょっちゅう軽口を叩いているタイプの愉快なおばあちゃんだ。かつてフィレンツェで5年ほど暮らしている間に私の中に入り込み、それからずっと時が経って日本での生活が長くなった今でも、出ていく気配はない。

 

彼女は普段は奥の方に引っ込んでいて、あまりこちらのやることに口を出してこないが、なにしろイタリア人なので、食べ物のことになると黙っていられなくなるようだ。彼女の中では、食事に関して「人としてやっていいことと、やってはいけないこと」の境界線がくっきりと引かれており、私がその境目を超えて「禁じられた領域」に入ろうとしようもんなら、突然現れて大声で説教し始めるので油断ならない。

 

そんなイタリア人の小さなおばあちゃんに縛りをかけられているせいで、私には食事の際に守らなければいけない掟がいくつも存在するのだ。それを列挙してみると以下のようになる:

 

・パスタを和える具材に和食材を使ったりして、いわゆる「和風パスタ」を作ってはならない。

・1回の食事の献立にイタリア料理と他の国の料理を混ぜてはならない。

・パスタは鍋でアルデンテに茹で、水に浸けて時短したり、フライパンのパスタソースに直接投入したりしてはならない。

・何も敷いていないむき出しのテーブルに皿を置いてはならない。テーブルクロスが面倒でも、ランチョンマットくらいは敷くべし。口を拭くための紙ナプキンも常備すべし。

・イタリア料理を食べる時はワインを飲まなくてはならない。ただし、ピザの時はビールを飲むべし。

・ワインを飲むときは、水のグラスも用意して適宜飲むべし。

・食後にカプチーノやカフェラッテなどの牛乳入りの飲み物を飲んではならない。

 

他にもあるような気もするが、大体こんな感じだ。ちなみに、私が食事の際にテーブルに敷いているのは100均のランチョンマットで、紙ナプキンはキッチンペーパーで代用している。これはイタリア人のおばあちゃん的にはOKらしい。

 

イタリアの家庭の食卓には普通テーブルクロスが敷かれ、紙ナプキンが置かれている。そして、テーブルクロスは洗濯の後にアイロンが掛けられる。イタリアの主婦はシーツにもタオルにも下着にも、あらゆる布地にアイロンをかけるのだ。

 

イタリアを離れた当初は、私の中のイタリア人はこういった規則に厳しく、少しでも破ったら非難ゴウゴウだったものだが、最近はある程度目をつぶってくれるようになった。年のせいかもしれない。だから、最近はパスタをフライパンに直接入れちゃったりもしているのだが、やはりそれをすると罪悪感が付きまとう。パスタソースにオクラや舞茸などを入れたり(椎茸は不可)、パスタに添えるサラダを和風ドレッシングで和えたりすることもあるが、やはり「アタシって、人でなし…」という自責の念に駆られつつ食べることになる。

 

これは私だけではなく、他のイタリア帰りの日本人の皆さんも多かれ少なかれ気にしている事項ではなかろうか。イタリア帰りの人にかけられた呪いようなものだと思うのだが、どうだろうか。

 

 

(おまけのスマホイラスト)

友達に教えてもらって、アイビスペイントというスマホアプリをダウンロードし、ダイソーで買ったタッチペンを使って初めて描いたイラストがこちら

 

案外むつかしくて、にゃ~にゃ~泣きながら描いた。

 

でも、パソコンにペンタブレットで初めて描いたイラスト(下)に比べたらずっとマシだよな・・・

スマホアプリで描いたイラストの2作目はこれ。寒い日だった。

 

 

 

なんか上達してないですか??

 

自分の才能がコワい・・・

 

 

(終わり)

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする