外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

日付不明まとめ書き日記2022年8月後半~9月前半

2022-09-19 06:53:48 | 日記

 

 

今回は旅行記を1回休んで、久しぶりにまとめ書き日記。

 

 

8月某日

今年もついにキリン秋味が発売され、それとほぼ時を同じくして、暑さが少し和らいできたので、「スーパー登頂」を再開することにした。スーパー登頂とは、スーパーの建物の階段を上り下りする全天候型スポーツである。

 

旅行から戻った7月半ばから8月前半にかけて、猛暑が続いている間は、これをやるのを自粛していた。なにしろ暑さのせいで体力が落ちていたし、冷房が効いているといっても、建物の隅っこの階段部分はやや暑いので、うかつに上り下りすると熱中症で倒れるかもしれないからだ。折しも、オミクロン君の新たな変異株が猛威を振るっていた時期である。倒れているのを発見されても、救急車はなかなか来てくれないだろうし、来てくれても搬送先の病院が見つからないかもしれないし、見つかって入院出来たとしても、立場がないことが容易に想像できたからだ。

 

そういうわけで、気温が下がってから満を持して今期初のスーパー登頂を実行するべく、心の中に「スーパー登頂、始めました」の看板を掲げ、近所のスーパーに向かった。スーパーといっても、様々なショップやレストラン街などが入った5階建ての複合商業施設で、比較的規模の大きなものだ。毎日家で座るか寝そべるかしかしていなかったので、5階分の階段を登れるかどうか自信がなかったのだが、やってみたら案外平気で、大して息切れもせず、2往復することが出来た。案ずるより産むが易しとはこのことか。

 

思ったよりスムーズにスーパーの「階段開き」が出来たので、私のささやかなスポーツ心はそれで満たされてしまい、それ以来行っていない。またそろそろやらなければ、運動不足で全身が石になってしまうかもしれない。

 

なお、猛暑の間もベンチ飲みは、ほぼ毎日やっていた。スーパー登頂は私にとってオプションだが、ベンチ飲みは「ベンチドリンカー」としてのアイデンティティがかかった行動だからだ。夜8時を過ぎても気温が30度を下らない中で、外に座って利尿作用のあるアルコールを飲むのは危険だし、熱中症で倒れた場合、スーパー登頂よりさらにマズい立場になるのは目に見えていたので、早めに切り上げるよう気を付けつつ、びくびくしながらやっていたが、幸い倒れることなく済んだ。これもアルコールの神様(バッカス?)のご加護のおかげかもしれない。

 

 

 

金麦も秋仕様。ダイソーで買ったトルコ製の黒猫柄グラスで飲んでいる。(写真ボケたけど)

 

 

 

 

8月某日

図書館にフランス語とペルシャ語の独習用テキストを借りに行った時、ついでに晩酌用のおつまみとアルコールドリンクのレシピ集も借りる。

 

この本は、忙しく過ごした一日の終わりに美味しくて体と心に優しい晩酌を楽しんで、明日への英気を養いましょう、という働く女性向けっぽい趣旨のもので、「薬膳の知識を取り入れた」というお酒とおつまみの様々なレシピが紹介されている。どれも少ない材料で手軽に作れそうなレシピばかりだ。しかし、料理の方はともかく、この本に載せられているお酒のレシピは、「手軽にアレンジした体に良さそうな女性向けのお酒」という範疇を軽々と超えてくる。ある意味で非常にレベルの高い前衛的な作品なのだ。

 

例えば、「アボカドスムージー」。これは、グラスにアボカド、塩、レモン汁を入れてつぶし、ビールを注ぐというものだ。これ、どうやって飲むの?先に具のアボカドを食べてからビールを飲むの…?なんか緑色に濁った謎の飲み物に見えるけど、お腹壊さない…?

 

「クラッシュジュレ」は、グラスにミカンゼリーを崩して入れ、焼酎を注いだもの。「みょうがハイボール」はみょうがの薄切りを浮かべたハイボール。「パクチーモヒート」はパクチー入りのチューハイで、パクチーの葉をスプーンでつぶして香りを楽しみながら飲むものらしい。「グレフルセロリ」に至っては、グレープフルーツサワーをグラスに注ぎ、その中に葉っぱのついたセロリの茎を突っ込んで、かじりながら飲むというインパクトのある飲み物だ。

 

そういう野菜などの具入りの酒のレシピが多いのだが、私が一等賞を上げたいと思ったのは、「ミルクビール」だ。これは、ビールと牛乳を同量グラスに注ぐだけで出来上がり。シンプルだが、一番破壊力が強くて完成度が高い気がする。試してみたいと思っても、なかなか勇気が出ない。もしかしたら、こちらのチャレンジ精神を試すことが目的で、このようなレシピ本が作られたのかもしれない。

 

う、う~ん、どうしよう?

 

 

(沈思黙考)

 

 

・・・やっぱり、牛乳とビールは別々に飲もう。そして、この本は見なかったことにして、早く図書館に返そう(結論)

 

 

なお、著者は平野レミ氏ではないと明記しておく。(ネットから拝借した写真)

 

 

 

9月某日

1週間が7日というのは長すぎるので、2つに分けたらどうだろうと考える。

 

以前から考えていたことだが、7日間というのは、過ぎてから振り返ってみたら、あっという間だが(1年だって同じことだが)、その渦中にいる時は、やたらに長く感じられるものだ。

 

会社勤めの人は、土日の休みに加えて、水曜日辺りにもう1日休みがあればいいと思っていることだろう。その場合、1週間は月火水の3日と木金土日の4日に分ければいいことになる。

 

素晴らしい思い付きなので、今度の国連総会で提案してみようかと思ったが、呼ばれてないから出席できない。無念である(私は毎年秋に開催される国連総会の一般討論演説が好き)。まあ考えてみたら、私は今失業状態で、毎日が休日なわけだから、1週間が何日あろうとあまり関係ない。一応、1週間を2つに区切ったスケジュール表を作ってみたものの、そもそもスケジュールが存在しないので、何の意味もなかった。予定が全然ないというのも、なんだか寂しいものだ。

 

ところで、私が使っているスマホアプリのカレンダーは、毎日「今日は予定がありません」と知らせてくれるのだが、あれは「お前ヒマやな~」というニュアンスの嫌がらせなのだろうか。予定がある時だけ教えてくれればいいのに・・・

 

 

 

9月某日

海外旅行から帰って来てから、毎晩ベンチ飲みの時、カタール航空の機内から持ち帰った小さめのプラスチックのワイングラスを使っていたが、とうとうヒビが入った。

 

 

こういうワイン用グラス(既出写真ですいません)

 

 

ベンチ飲みの時、今までは空きペットボトルに詰め替えたワインを、そのまま口をつけて飲んでいたのだが、グラス(プラだけど)に注いで飲むと、「丁寧な暮らしをしている人」の気分になれることに気が付いたので、愛用していたのだ。やっぱりペットボトルに口をつけてラッパ飲みするより、グラスに注いだ方が優雅な気分になれるじゃないですか。

 

カタール航空のグラスが使えなくなったので、百均に買いに行ったが、適当なサイズのものが見当たらなかった。小さめの手提げかばんにすっぽり入るサイズで、足つきの透明なプラスチックのワイングラスがいいのだが、需要があまりないのだろうか。ガラス製だと重いし、割れるかもしれないので、避けたいところだ。

 

適当なグラスが見つかるまで、とりあえずうちに余っていた紙コップで代用することにして、ベンチ飲みで使ってみたが、これはこれでなかなかよかった。使い捨てだから洗わなくていいし(非エコだが)、カタールのやつより大きめなので、しょっちゅう注がなくていいし、ワインを入れてもチューハイを入れても、それなりに合うというか、「やや丁寧な暮らしをしている人」の気分になれるのだ。チューハイだって、缶のまま飲むより、コップに移して飲む方が美味しく感じられるのだ。

 

数日間、そうやって紙コップで飲んでいたのだが、ある時ふと「夜ベンチに1人で座って、ワインやチューハイを紙コップに注いで飲んでいる中年女性は、ペットボトルや缶から直接飲んでいる人よりも、ヤバい人度が高く見えるのではないか」と考えた。そもそも、カタールのプラスチックのグラスの時から、見た目のヤバさは上がっていたのではなかろうか。丁寧な暮らしをしている人の気分になっていたが、単なる勘違いだったのだろう。

 

しかし、夜の公園のベンチ飲みでは、観客は存在しない。誰も気にしていないんだから、飲みたいように飲めばいい気もする。この世界では、自分の満足が全てなのだ。

 

というわけで、今後も理想のベンチ飲み用グラスを探す旅に出ようと思う。

 

 

それにしても、100均って、何でもあるのに、欲しいものを探した時にいつもないのは、なぜなんだろう・・・

 

 

 

(おまけの猫写真)

 

 

ある日、公園で突然目の前に表れて、話し相手になってくれた猫さんだ。猫を見たのは久しぶりだったので、非常にテンションが上がった。

 

 

ああ、また猫だらけの中東の国に行きたいなあ。でも、まず旅行記を書き終えなければ・・・

 

 

 

(終わり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (4)
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2022年イタリア・ヨルダン・トルコ周遊記(5)~ローマ初日・ホテル探し編~

2022-09-07 22:40:53 | イタリア

 

 

前回のブログからずいぶん間が空いてしまった。

 

8月は全然予定がなくてずっと暇だったので、下旬につい図書館でフランス語とペルシャ語の初心者用テキストを借りてきて、勉強し始めてしまい(その後自分で教材を買った)、そちらにエネルギーと脳の機能を奪われて、他のことが何もできない状態になっていたもので。両方合わせてせいぜい1日2~3時間しかやってないのだが、終わった後に脳みそが煮詰まったような状態になって、何も考えられなくなるのだ。年のせいかな…

 

しかし、このままブログを途中で放置するのも気になるので、趣味の語学学習の時間を減らしつつ、なんとか旅行記の続きを書くことにした。成田からドーハ経由でローマに到着したところで終わっていたので、その続きからだ。

 

 

ローマのフィウミチーノ空港

 

 

フィウミチーノ空港に到着したのは、予定通り14時頃だった。

 

空港建物内に入って、まず入国手続きを済ませる。日本パスポート所持者はシェンゲン圏内の空港で査証免除対象者の専用レーンを通れるので、列に並ばずにスムーズに入国できた。

 

空港職員のイタリア人たちは、お互いに「Ma Daiii!」(マッダ~イ=何言ってんのよ!)とか、「Forza!」(フォルツァ=がんばって!)とか言い合いながら、和気あいあいと仕事をしている。旅客への接し方もナチュラルに感じが良い人が多く、全体的に人間的な雰囲気が漂っている。成田空港ともドーハの空港とも違う、イタリアらしい雰囲気だ。

 

荷物の引き取りも意外にスムーズに行き、片隅にあるATMで必要分のユーロ現金をカードでキャッシングしてから、空港隣接の鉄道駅へと向かった。

 

イタリアでは、公共交通機関の車内でのFFP2マスク(米国規格のN95 に相当する密閉性の高いマスク)の着用が義務付けられていて(9月30日まで)、これなしには電車に乗れないから、空港内の売店に買いに行った。カタール航空のドーハ発ローマ行きの搭乗口で無料で配っていたのだが、ぼんやりしていてもらい損ねたのだ。(痛恨)

 

 

FFP2はクチバシ型

 

 

 

通りかかった売店のレジ脇に「offerta(オッフェルタ お買い得品)1.5ユーロ」(約200円)という札付きで売られていたので、レジに並んだ。私の前には色白でぽっちゃりした上品な紳士が並んでいた。彼が煙草を買おうとして紙幣を差し出したら、レジのイタリア人のおば様は「お釣りがないから、もっと細かいお金を出してって、英語でどういうんだっけ…」とつぶやいた。それを聞いた私が「出たぞ、イタリア人の小銭出せ攻撃が」と思っていたら、その紳士がイタリア語で「僕、イタリア人なんだけど」と言って笑いだし、それを聞いたおば様が「ええ~、あなたイタリア人に見えないわ!スウェーデン人顔じゃないの!(Hai faccia da svedese)」と言い返して、2人で盛り上がっていた。イタリアらしい一コマである。その紳士(確かにイタリア人らしからぬ風貌だった)は小銭を出して無事に煙草をゲットし、私も当然小銭を出してマスクをゲットした。

 

その後、鉄道駅に移動してテルミニ駅までのレオナルド・エクスプレス(空港特急)の切符を買ったら(14ユーロ=約2千円)、切符売りのおじ様が「Buon viaggio!」(ブオン・ヴィアッジョ=良い旅を!)と言って微笑んでくれた。イタリア、いい国だな。住まなくなってからもうずいぶん経つので、「わ~懐かしい!」というよりは、「あ、お邪魔しますね…なんか見たことある風景ばっかりだけど、デジャブかな」くらいな気分だったが。(認知症入口)

 

 

フィウミチーノ空港駅とあごマスクの皆さん

 

車内

 

 

FFP2マスク着用の義務を告知する車内放送が流れていたが、違う種類のマスクをつけている人も多かった。見回りの係員も、マスクをつけてさえいれば何も言わずに見過ごしていたので、他のマスクよりやや高くて息苦しいFFP2を買わなくてもよかったのかもしれない。

 

 

約30分でテルミニ駅(ローマ中央駅)に到着。ここからが試練の始まりだ。試練とはつまり、ホテル探しである。長旅で疲れているのに、30度を超える炎天下の中、宿を求めてスーツケースを引きずりながら歩き回るのは、考えるだけでしんどい。私、体弱いのに…でも、予約をしたくなかったんだからしょうがない。駅構内には荷物預り所もあるのだが、8ユーロかかるし、そこまで預けに行って、また引き取りに行くのも面倒なので、利用しないことにした。

 

 

まず駅のバールでカッフェ・マッキアート(スチームミルクをたらしたエスプレッソ)を飲んで、元気回復を図ることにした。

 

 

バリスタのお兄さんがカメラ目線

 

 

久しぶりに飲むイタリアのエスプレッソは、ものすごく美味しく感じられた。家で自分で淹れるやつと全然違う。日本ではエスプレッソの粉が高いから、私はブレンド用の粉をエスプレッソメーカーに詰めて淹れていたんだが、そのせいかな。(そもそもそれはエスプレッソじゃない)

 

今回は、駅付近の中華街の辺りでホテル探しをすることに決めていた。前回旅した時に、「この界隈には安宿がありそうだ」と目を付けていたのだ。駅の「Via G.Giolitti方面出口」(電車のホームを背にして左手)から出て、マクドの前の道を左方向(駅のホームの方向)に歩いて、ほんの数分で中華街の商店が現れるのだが、その手前で「Hotel」というサインが見えたので、その建物に入ってみた。

 

薄暗い玄関ホールの奥がホテルのフロントになっていたので、そこまで行って、カウンターの向こう側にいた南アジア系らしき男性にシャワートイレ付シングルの値段を聞いてみたら、60ユーロでWi-Fiがないという。

 

フロントの雰囲気からして、かなりうらぶれたホテルだと思われたし、Wi-Fiがないところは問題外なので、「この辺で他に安いホテルはありませんか?」と聞いてみたところ、彼は「この辺りはホテルだらけだし、この建物の上にもあるよ」と親切に教えてくれた。但し、「でも、うちより安いところなんてないけどね」と付け加えるのを忘れなかった。

 

その言葉はさくっと無視して、お礼を言ってエレベーターで上に登り、3階(日本の4階)に入っていた「Rossi Hotel」(ロッシ・ホテル)というところでフロントにいたイタリア人のシニョーラ(=英語の「ミセス」)に値段を聞いてみたら、シャワートイレ付シングルは1泊50ユーロ(約7千円)だという。50ユーロはイタリアの都市のホテルとしては底値だし、部屋を見せてもらったら、この値段にしては非常に綺麗で、もちろんWi-Fiも使えたので、ここに3泊することに決めた。税金の3ユーロは負けてもらった。今回の旅では、ローマに3泊してからヨルダンに移動する予定だったので、ローマでの宿の問題は、もう解決したことになる。ホテル探し2件目にして早速見つかるとは、なかなか幸先がいい。私の人徳かな、ふふっ。

 

フロントのシニョーラはエリザベッタと名乗り、「この部屋は、知り合いが泊まる予定だったけど、急にキャンセルになったから、ここだけ空いてたのよ。他の部屋は全部ふさがってるの」と教えてくれた。彼女はウソをつくタイプには見えなかったので、これは本当だと思う。だとしたら、ここは私の運命のホテルかもしれない。私は「運命」という言葉に弱いのだ。運命の国、運命の家、運命の猫、運命のホテル・・・

 

支払いを済まして、早速チェックインする。エリザベッタさんは冷たい水のボトルを1本サービスしてくれた。もっと欲しければ、廊下の自販機で買うこともできた。

 

 

全体的に乙女チックな内装

 

 

ハンガー掛けが特にラブリー

 

 

部屋の一角に設置された洗面所。洗面台が小さくて洗濯しずらかったが、見た目はかわいい。

 

 

シャワー室はドアが閉まるタイプなので、トイレが水浸しにならない。

 

 

エアコンはないけどダイソンの空気清浄機付き扇風機があった。

 

 

ローマのホテルでダイソンの扇風機にお目にかかるとは・・・ローマはこの時期、すでにかなり暑かったので、エアコンがあった方がよかったが、扇風機でもなんとかしのげた。とりあえず1時間ほど仮眠を取ってから出かけることにして、早速ベッドに横になった。大通りに面していないので、部屋の中は非常に静かだった。

 

 

(続く)

 

 

 

 

 

コメント (2)
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