外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(21)~イスタンブール5日目後半~

2020-07-19 08:08:02 | トルコ

 

 

イスタンブール最終日の午後、ホテルで昼寝した後は、徒歩でシルケジ方面に出て、海岸沿いの岩場でまた猫探しをした。イタリアは猫不毛地帯なので、移動前に堪能しておく必要があったのだ。

 

 

前回同じ地域を暑い昼間の時間帯に回った時は、ほんの数匹にしか見当たらなくて、「不吉な・・・イスタンブール、猫が減ったのか?!」と心配になったが、今回はさほど歩き回っていないのに10匹程に会うことができた。しかも、なぜか子猫ばかり。フェアウェルサービスか。

 

 

向こう岸は新市街。ビルがみっちり立ち並んでいる。津波が来たらどうするんだろう。

 

 

「海とおじさん」(ヘミングウェイ)

 

 

沿岸地帯も当然、ガラタ橋と同様釣りスポットだ。街中に海があると、毎日気軽に釣りを楽しめて良さそうだ。フェリーでカモメの餌付けもできるし、漫然と海を眺めるだけでもストレス解消になるし、羨ましい。うちの近所にも誰か海を作ってくれないかな~コロニャの時代にぴったりの気晴らしスポットになると思うのだが。

 

 

クラシックな型の陶器のチャイダンルック(2階建てのヤカン)、かわいい。沿岸の岩場は焚火スポットでもある。

 

 

なぜかカラスが集まっていた。釣り人のおこぼれを狙っているのか。

 

 

1人で海を眺める女性には番猫が寄り添っていた。

 

 

「お姉さんのオシリはオレが守る!」

 

 

まもなく、子猫多発地帯に到着した。

 

 

「何かくれるの?」

 

 

微妙な態勢でにらんでくる子と、あさっての方向を見ている黒タイツのみけちゃん

 

 

ボケてしまったが、大きい野ネズミもいた。猫のたんぱく源?

 

 

これもボケたが、泳いでいる人もいた。向こう岸は結構遠いのに大丈夫なのか。

 

 

泳ぐ人を見守る猫たち(うそ)

 

 

イスタンブールとお別れする前に海とおじさんと子猫が堪能出来てすっかり満足し、適当に切り上げてフェリーでアジア側に出た。向こう側に着いた頃にはすっかり日が暮れて、辺りは真っ暗になっていたが、人通りもあるし、猫がいるから大丈夫だろう(?)ということで、岩場に座って持参したビールを飲んだ。海を眺めながら飲むため、出がけにいつもの酒屋の若旦那からあらかじめ買っておいたものだ。我ながら用意周到だ。歩き回っているうちにぬるくなったが、まあいいさ。

 

私が「明日出発するんですよ。インシャッラ、また会いましょう」と別れの挨拶をすると、若旦那は、「ああ、もう出発か。じゃあ、また来年だね。来年会いましょう」とにこやかに答えた。あの時私は、「来年またここに来れるだろうか?」と自問しつつ店を出たのだが、今年はコロニャの関係で、いかにも無理そうだ。トルコは既に観光客の受け入れを始めているが、1日辺りの新規感染者は未だに千人近いし、無事に帰国できても、入国後の隔離措置等が大変そう。ああ、コロニャったら・・・

 

 

寄ってきた猫たちに手持ちのエサを全て配り終え、妙な達成感を抱きながらフェリーでエミノニュに戻った。

 

 

帰りのフェリーは生演奏付き。上手だったので、チップをあげた。

 

 

エミノニュからトラムでバヤズット駅に出て、駅付近の脇道の酒屋で夕食用のビールを買い、魚食堂で焼き魚をテイクアウトしてホテルでアルジャジーラを見ながら食べた(当然一部は途中で猫におすそわけした)。魚の名前は失念したが、大きい切り身で脂がのっていて、香ばしく焼けていた。スライスオニオンとレモンとパン付き。

 

 

食べ物の写真は撮り損ねても、酒の写真は忘れない。それが酒飲み。

これは「アムステルダム・ナビゲーター」。オランダのグロールシュ社(アサヒグループ傘下)の製品を、トルコのエフェスビールがライセンス生産したものらしい。アルコール度が8%と高めなので、缶の色が邪悪な黒となっている(かどうかは不明)。ビールはやっぱり5%くらいの方が美味しい気がする。

 

 

翌日は朝8時起きでイタリアに移動だ。がんばらなきゃ・・・

 

 

(終わり)

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
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2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(20)~イスタンブール5日目前半~

2020-07-11 14:21:31 | トルコ

 

 

イスタンブール滞在5日目は、翌日のイタリアへの移動を控えた最終日。また新市街を散策したり、沿岸をめぐって猫を探したり、フェリーの乗り納めをしたりした。この5日間の行動の総まとめという感じだ。

 

鳥たちと共に朝食を軽く済ませてから、いつものように11時頃に出かける。まずトラムでエミノニュに出て、そこから新市街に向けてガラタ橋を歩いて渡ることにした。

 

猫スポットのスルタナメット広場を抜けてトラム駅に行くのだが、少し歩いては立ち止まって写真を撮ってしまうので、なかなか進めない。

 

 

猫の誘惑を振り切ってようやくトラムに乗り、エミノニュで降りる。

 

駅のすぐそばにイェニ・ジャーミイ(モスク)がそびえている。内装が美しく、ブルーモスクよりも規模が小さくて観光客が少ない。イスタンブールで私の好きなモスクの一つなのだが、入ろうとしたらこの時は閉まっていて入れなかった。工事中だったのかな?

 

 

ガラタ橋は2層構造になっていて、下には魚料理のレストランが並んでおり、ビールを飲みながら鯖サンドなどを食べることができる。

 

 

橋の上には釣り人が並んでいる。鴨川の等間隔カップルのようだ。

 

 

小さい魚を何匹か釣ってバケツに入れていたおじいさんに話しかけてみる。彼は年金生活者で、もう50年もここに通って釣りをしているらしい。昔に比べて魚は減り、サイズも小さくなったとか。ちなみに、「イスタンブール名物の鯖サンドに使われている鯖はノルウェー産だよ」と教えてくれた。これは有名な話なので、私も知っていた。

 

「釣った魚はどうするんですか?」と聞くと、「もちろん食べる」とのことだった。海水の汚染が気になりそうなものだが、彼にとっては、ここの魚は店で買う養殖ものよりも安心らしい。フライにして食べるのが一般的だが、油を使うのはあまり健康によくないから、最近はオーブンで焼いているそうだ。

 

このおじいさん。なかなかダンディーだった。

 

オーブンで焼かれる運命の鰯(?)たち

 


比較的大きな魚を釣り、1キロ20リラ(現在のレートで310円強)で売っている人もいた。

 

 

橋を渡れば新市街側のカラキョイに着く。トラム駅付近の地下通路兼商店街のペットショップで、ちょっと高級(私にとっては)な猫用おやつ「ドリーミーズ」を発見。ヨルダンでよく買っていたものだ。2袋買う。1袋9リラ(約140円)。

 

エサの量り売りはやってなかった。

 

 

ドリーミーズ。こんな腰の抜けた猫のイラストだった記憶はないが・・・

 

 

日本で見たことはないが、調べてみたら日本でも売られているようだった。イラストがやや可愛めだが、やはり外国の猫っぽい。三毛ではなくMIKEな感じ。

 

 

カラキョイからはトゥネルでイスティクラール通りのとっつきに出て、脇道を徘徊しつつタクシム広場に向けて登って行った。

 

 

降りた駅のすぐ脇の坂を少し下って、いつもの店でニンジンジュースを飲んでビタミンを補給し、イスティクラール通りに戻る。その途中の路上で、とぐろを巻いている猫の写真を撮った。隣にいるこのおじさんが世話をしているらしい。

 

元気がない。

 

 

おじさんの説明によると、この猫は歯に問題があって、固形物が食べられないそうだ。ここはやはり、ちゅ~るの出番だろうと思い、EU版ちゅ~るをあげてみたら一瞬で舐めつくした。

 

 

「おいしかった~」

 

 

おじさんに残りのちゅ~る3袋を渡しておいた。買っておいてよかった。すぐなくなると思うが、獣医さんに連れていく予定だというので、なんとかなるだろう。イスタンブールの猫おじさんは優しいなあ。

 

ちゅ~るのお礼だと言って、チャイをおごってくれた。彼はチャイ屋さんなのだ。

 

 

チャイのお礼を言って、また歩き出す。

 

同じ通りにあるガラタ・メヴラーナ博物館も猫スポットだ。

 

 

この博物館では、日曜日にイスラム神秘主義のメヴレヴィー教団の旋回舞踊「セマー」(スカートをはいたお坊さんがくるくる回るダンス)が観られるそうだが(現在の開館状況は不明)、私は観たことがない。シリアにいた頃、ダマスカスでもこの踊りが見物できる観光スポットがあったが、入ったことがない。なんとなく気が向かなくて・・・入っとけばよかったのに。

 

 

こういう儀式だ。

 

 

 

イスティクラール通りは、平日の昼間なのに賑わっていた。いつものことだが。

 

 

ストリートミュージシャンを何組か見かけた。みんなけっこうレベルが高い。

 

 

この猫は、背後のお店の中に映っているおじいさんの飼い猫。おじさん・おじいさんと猫の街、イスタンブール。

 

 

ドイツ書店

 

この書店のカフェには、魅力的な焼き菓子が色々あった。

 

 

こちらはフランス書店。仏語の本が買える。読めないから買わないけど。

 

 

通りの反対側に「SURIYE PASAJI」(スーリイェ・パサジュ=シリア小路)と書かれたアーケードの入り口を発見。今まで気がつかなかった。無目的にのんびり歩いていると発見が多い。

右側のアラビア語の数字は「1326」と書かれている。この建物が完成したのは西暦1908年で、ヒジュラ暦(イスラム暦)では1326年だったのだろう。

 

 

中に入ってみると、商店やカフェが並んでいた。

 

 

シリア小路を出て、また脇道に入ったりしながらイスティクラール通りをじわじわと登っていく。

 

書店の文房具・雑貨コーナー

 

脇道のカフェ

 

 

安くて種類の多いロカンタ(食堂)。今度入ってみよう。

 

 

「歴史的なガラタサライ・ハマム」(1481年創設!)こわもてのおじさまは番人?

 

 

ハマムのすぐそばには、「イタリア高校ガリレオ・ガリレイ」(Liceo Italiano I.M.I. )がある。

この高校は1861年創立の由緒ある学校だ。私学扱いだが、現在もイタリア政府が資金援助して、教師を派遣しているとのことだ。授業はイタリア語とトルコ語で行われる。一度見学してみたいな・・・

 

 

イタリア高校がある界隈は、かつてトメル(トルコ語学校)に通っていた時、休み時間に良く散歩していた。

 

 

探し物は何ですか?

 

 

この辺り(ベイオウル)は相変わらず猫だらけだ。

 

 

このミケちゃんにドリーミーズをあげたら、がっついて食べていた。飼い主だというおじいさんがそれを見て、「今何をあげたんだ。メーカーの名前を教えてくれ」と質問してきた。買いに行くつもりらしい。うふふ・・・

 

 

アラブ人の好きそうなお菓子屋。私もこのピスタチオのぐるぐる巻きは好きだ。甘いけど。

 

 

この日は曇っていて歩きやすかったが、さすがに疲れたのでパブに座って休憩。エフェスが五臓六腑に染み渡る・・・

 

 

「飲み過ぎないようにね」 はいはい・・・

 

 

気が付いたら、もう午後3時になっていた。移動距離はわずかなのに、いつの間にこんなに時間が経っていたやら。(いつもや)

 

 

昼寝するためにホテルに戻ったら、こういうヒトがお出迎えしてくれた。

 

 

イスタンブール、至れり尽くせりだな・・・

 

 

(参考)

 

「イェニ・ジャーミィ」の紹介記事

https://gotrip.jp/2020/02/122969/

 

記事に外観の写真を載せた食堂「Lezizane Lokantası」のインスタグラム

https://www.instagram.com/lezizanelokantasi/

 

ガラタサライ・ハマム観光情報

https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/middle_east/republic_of_turkey/IST/109416/index.html

 

イタリア高校のホームページ(イタリア語・トルコ語)

https://www.liceoitaliano.net/

 

ドリーミーズの日本語のホームページ

http://dreamies.jp/

 

(続く)

 

コメント (3)
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