外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

広尾のアラブ料理店「ゼノビア」でグレープフルーツサワーを飲む

2018-09-23 17:22:35 | 日本における中東

 

日本(特に東京)のアラブ料理店は一般的にかなりお高いので、私にとっては高嶺の花。結界が張ってあるかのように近づけない。なまじ現地価格を知っているので、なおさらである。だから、シリア料理が食べられる「ゼノビア」「パルミラ」などにも、名前は知っていても足を踏み入れたことはなかった。

しかし、同じくあまり懐に余裕のないアラブ関係の友人2人と用事で広尾に出た時、「どこかで晩ごはん食べる?」「ゼノビアが近くにあるよ」「ちょっとだけ注文すれば大丈夫かもよ」という話になり、初めてゼノビアに入ることになったのだ。(初めてだったのは私だけだが)

 

というわけで、初ゼノビア。わくわく。アラビア語表記を見ただけでテンションがやや上がる(ややって何)

 

 

 

 

3人でつましく「バーミヤ」(肉入りのオクラのトマト煮)とクスクスを分け合うことになった。私は酒さえあれば満足な人間なので、問題はない。給仕の若い男性はレバノン人だった。

 

バーミヤ。 よく煮込んであるらしく、まろやかで上品なお味。さすが、プロの味だ

 

タジン鍋入りのクスクス。蓋を取る前の写真を撮るべきだったか・・・ルックスもお味も正統派

 

上に座りたくなるくらいプックリ膨れたホブズ(パン) 

 

私の取り皿はエジプトの猫の絵皿だった。猫好きなのをお店側が察知したのだろう(うそ。最初からテーブルに置いてあった)。この店はシリア料理がメインなのだが、「アラビアレストラン」を自称するだけあって、メニューも内装も、小物等もアラブ折衷様式だ

 

メニュー(読みにくいが) 末尾にお店のHPや食べログのリンクを貼ったので、気になる方はそちらを確認してほしい

 

ドリンクメニュー これも読みにくいが、心の目で見てほしい

 

レバノンビール「アルマーザ」を飲もうか、それともグラスワインにしようかと散々迷った挙句、あえてグレープフルーツサワーを注文してみた。アラブ料理専門店で飲む普通のサワーはどんな味なのか確かめたい!という欲求が不意に沸き起こったので。

写真は撮り損ねたが、ここのグレープフルーツサワーは量こそ少ないものの、今までの人生で飲んだサワー類の中で最高レベルだったといえる。ストレート果汁を使用しているのか、とてもフレッシュで爽やかな口当たり。アルコール度は低そうだったが、いいことにする。

 

食後に注文したバクラワ。私は食べていないので詳細不明

 

 

サワーを2杯飲んでも、予算内に収まった。ランチなら1000円前後でセットメニューが食べられるし、麻布十番のゼノビアカフェのほうなら、もっと気軽に入れるはず。いつか行ってみたい。池袋のパルミラにも・・・

 

 

(参考)

 

アラビアレストラン「ゼノビア」のHP

http://www.zenobia-ib.com/index.html

 

食べログ

https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13184418/

 

ゼノビアカフェの食べログ

https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13222873/

 

(終わり)

 

 

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シリア南部スウェイダーの悲劇とドルーズの孤立

2018-09-21 18:48:34 | 中東ニュース

 

 

 

「Sweida syria map isis attack」の画像検索結果

 

7月25日の早朝、IS戦闘員らがシリア南部のスウェイダー市と東・北東郊外を襲って自爆や銃撃等を行い、シリア人権監視団によると250人近い死者が出た。これはシリアでのISの攻撃による死者数としては最大人数とされる。また、地元メディアによると、東郊のシブキー村で女性や子供らが拉致され、そのうちの1人の若者が後日殺害された。政府軍や同盟勢力、武器を取った地元の人々がISをスウェイダー県から駆逐したが、拉致されている約30人の解放交渉は進んでいない。今月に入って、彼らの姿を示す短い映像が公開された。その中で1人の女性が「2018年9月11日」と日付を明示し、政府もロシアも他の誰も彼らの解放に向けて交渉を行っていないとして、動画の視聴者に助けを求めている。

 

上記のスウェイダー東郊シブキー村から拉致された人々の動画(アラビア語)

 

これほど大人数の死者を出した攻撃で、しかもそれ以来女性や子供たちが拉致されたままであるにも関わらず、世界的に見て、この事件がメディアで大きく取り上げられることはなく、7月25日の事件当日と翌日にニュースになった程度で、後は忘れ去られてしまった感がある。その後も関連ニュースを継続的に発信しているのは、シリア人権監視団とスウェイダーの地元メディアにほぼ限定される。SNSの反体制派のページで取り上げられることもない。それはなぜかと考えると、最終的に答えは「スウェイダーの住民の大多数がドルーズだから」ということになると思う。

ドルーズはイスラム教シーア派の一派とされ、シリアではスウェイダーを中心に分布している。レバノン、ヨルダン、イスラエル支配下のゴラン高原にも存在する。

ドルーズはイスラム教シーア派の一派とされると書いたが、実際にはイスラムとは別の秘密主義的な宗教なのだと思う。私にはドルーズの友人たちがいるが、彼らはコーランを読まないし、モスクで礼拝しない。酒を飲むし、ラマダーン月に断食しないし、輪廻転生を信じている。宗教行為を行うのは長老たちのみで、その内容は一般の信者には知らされていない。彼らには、多数派であるスンニ派に異端視される存在だという自覚が強く見受けられる。

スウェイダーは近隣のダラアやクネイトラとは異なり、住民が集団規模で反体制派に参加することはなかった。その一方で、積極的に政権を支持するわけでもなく、政府の支配地域ではあるものの、市内の治安維持を住民が担当するなど一定の自治を保ってきた。そのおかげか、2011年3月の反体制運動勃発以降も、激動のシリアにあって例外的な平穏を保ってきたのだ。

7月25日に先立ち、ダマスカス南郊のヤルムーク・パレスチナ難民キャンプを拠点としていたIS戦闘員の一部が、政府側との停戦合意に従って、スウェイダー東・北東郊外に隣接する砂漠地帯に移送されたという経過があり、スウェイダー関係者には、「シリア政府とこれを後見するロシアが、ISがスウェイダーを襲撃するよう仕向けた」と主張する傾向がみられた。「政府が自治を取り上げて支配を強めたがっている」「スウェイダーの若者の多くが徴兵逃れをしている状況を変えようとした」というのだ。

拉致されたのがキリスト教徒であれば、バチカンや欧米メディアが反応していただろうが、ドルーズは一応イスラム教の一派とされているので、そうはならなかった。シリアのドルーズの活動家たちが大きく声を上げて国際世論に働きかける様子もなかった。外部の人々に訴えかけ、理解してもらうことを諦めているかのようにみえる。閉鎖的な集団だからだろうか。

 

7月25日のスウェイダーの悲劇は、そしてISに拉致された女性や子供たちは、このまま忘れ去られていくのだろうか?

 

(参考資料)

 

・アラビア語

تقرير تفصيلي عن مجريات الأحداث في السويداء بعد هجمات تنظيم داعش

https://suwayda24.com/2018/07/25/%D8%AA%D9%82%D8%B1%D9%8A%D8%B1-%D8%AA%D9%81%D8%B5%D9%8A%D9%84%D9%8A-%D8%B9%D9%86-%D9%85%D8%AC%D8%B1%D9%8A%D8%A7%D8%AA-%D8%A7%D9%84%D8%A3%D8%AD%D8%AF%D8%A7%D8%AB-%D9%81%D9%8A-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D9%88/

 

・英語

Sweida province: Isis knocked on doors then slaughtered families

https://www.theguardian.com/world/2018/jul/27/isis-knocked-on-doors-calling-out-locals-by-name-and-slaughtered-families

 

New video shows dozens of IS-held Syrian Druze pleading to be saved

https://www.middleeasteye.net/news/video-shows-dozens-held-syrian-druze-sweida-plead-be-saved-say-theyre-forgotten-840919520

 

・日本語

イスラム国、女性ら36人拉致か シリア南部

https://www.asahi.com/articles/ASL704QVFL70UHBI00T.html?ref=chiezou

 

「ドゥルーズ派」(ウィキペディア)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E6%B4%BE

 

 


ちなみに、数か月前からマレーシアのクアラルンプール空港で足止めされているシリア難民のハサン・クンタール氏もスウェイダー出身で、徴兵を逃れて出国した過去を持つ。ツイッターで日々自分の置かれた状況を訴えかけ、世界中の人に助けを求めているにもかかわらず、彼は未だにどこにも行けないでいる。

Hassan Al Kontar@Kontar81
https://twitter.com/Kontar81/status/1022091711407779840

 

(終わり)

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下北沢のスープカレー屋「ポニピリカ」と古本カフェ・バー「気流舎」

2018-09-17 17:28:43 | グルメ

 

先日、上京した妹と一緒に下北沢に行った。

街を歩いているときデジャブを感じたので、以前にも訪れたことがあるはずなのだが、記憶が靄に包まれているので定かではない。そういうお年頃なんで・・・

 

住んでみたい街、下北沢。なんか面白そうだから

 

 

まず、スープカレーの店「ポニピリカ」で早めの夕食をとった。

 

この壁絵を見た時点で、美味しい店だということがわかる

 

入口に盛り塩がしてあった。魔除けか?

 

店内はインドっぽい内装だが、違う要素も色々混ざっているよう見受けられる

 

上部に鎮座している黄色いぬいぐるみはガネーシャ風招き猫だろうか

 

これは妹が注文したチキンと野菜のカレー。味見させてもらったら、コクがあってほどよくマイルドで美味しかった。私が作るカレー(適当にスパイスとカレー粉を入れて作る)より色がずっと濃い。

 

カレーを注文する場合、まずメインの具材を選び、次にスープの種類(トマト・和風・エビ)を選び、辛さを選び、トッピングを選び、ご飯の量を選んで注文票に自ら書き込むという大変な作業が待っている。順列・組み合わせで計算したら、ものすごい選択肢の数になりそう。優柔不断な私にはムリだ・・・もともと私は外食で腹にたまるものを食べる習慣がないので(酒飲みなんで)、サイドメニューから選んだ。スープカレー専門店でカレーを注文しない私。

 

私が注文したのはこちら。北海道名物ザンギだ。醤油の下味が効いていて、パリッと揚がっていた。エゾシカのサラミとどっちにするか迷ったが、カロリーの高いほうを選んだのだ。この店は北海道色が強いようだ。

 

ビールは当然サッポロ。うふふ・・・泡が非常にきめ細かくて驚いた。こんなにクリーミーな泡に遭遇したのは久しぶりだ

 

食事を終えたら、その近くにある「気流舎」という古本カフェ・バーに移動。うちの妹は普段からあちこちの祭り(郡上踊りが中心)に出かけて行っては写真を撮りまくっているのだが、今回初めて、ここで今まで撮りためた写真を見せて説明するイベントをやらせてもらえることになったのだ。

 

気流舎の外観。物語性を感じさせる

 

中はこじんまりした空間(狭いともいう)。壁の書架には興味深い古本がぎっしり。席数は少ないが、2階に座ることもできる。この細くてよくしなる梯子を登る気合と体力があればだが。

 

オーガニックの赤ワインを飲んだ。やけに渋かったけど、そういうのもわりと好き

 

イベントの様子の写真はないが、意外に盛況だった。びっくりだ・・・関係者が大半だったようだが。

 

 

(おまけ写真)

 

下北沢で目に付いた看板。やぎじゃなくてあえて猫

 

 

下北沢とは関係ないが、翌日近所のベトナム料理屋で食べたランチの写真もついでに載せる。

 

妹が食べた鶏肉のフォーのセット。揚げ春巻き付き

 

私が選んだのは、クムスン(コムスン)という甘辛い豚バラ焼きとご飯のセット。私にしては珍しく、ビールを飲まず昼間っからしっかり食べたので、天変地異が心配だったが、大丈夫だった。

 

 

さらにおまけ。ハロウィンと猫シリーズ

 

 

 

 

 

 

猫って妖怪っぽいとこありますもんね。猫又でなくても、普通の猫でも。

 

(参考)

ポニピリカのHP

http://ponipirica.in/

 

気流舎のHP

http://www.kiryuusha.com/

 

(終わり)

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トルコ土産のヒゲおじさんマークのコーヒーミックス:Dibek Kahvesi

2018-09-10 19:08:35 | トルコ

 

先日、トルコ旅行から帰ってきた友人にこんなものをもらった。

ロールシャッハテスト風のヒゲのおじさんのイラストが印刷された袋に入った、インスタントコーヒーっぽいような、それにしては色が薄くてミロっぽいような粉末(小分けにしてある)。くれた友人はコーヒーだと思って買ったらしいが、明らかに通常のトルココーヒーではない。

 

品名は「Dibek Kahvesi」(ディベック・カフヴェスィ)とある。「Kahve」はコーヒーだけど、「Dibek」は聞いたことがない単語だったので辞書を引くと、「(石・木の)臼」とあった。

 

調べたところ、これはトルコやギリシャのエーゲ海地方特有のコーヒーミックスで、コーヒー豆とスパイスなどを一緒に臼でぐりぐりすり潰して作られたものらしい。淹れ方は普通のトルココーヒーとほぼ同じ。おそらく地方やメーカーによって材料にバリエーションがある。

 

このヒゲおじさん印のパッケージの説明によると、材料はブラジル産のコーヒー豆(Rio Minasって書いてある。トルコでよく飲まれるやつらしい)、イナゴマメ(キャロブ)粉末、カルダモン、カカオ、コーヒークリーム、ダブルローストのコーヒー豆(粉末)、ミドルローストのコーヒー豆(粉末)だ。最初のブラジルコーヒーと最後の2つのコーヒー粉末は別物か?一応英語とアラビア語も併記されているが、自動翻訳を使ったようで、あまり当てにできない。

 

淹れ方の説明を忠実に訳してみたらこんな感じ:

飲料水をカップに入れて量を計ってからジェズヴェ(トルココーヒー専用のひしゃく)に入れ、カップ1杯分につきティースプーン4杯のコーヒーミックス粉末とお好みで砂糖を加える。弱火でかき混ぜながら加熱して、泡が出てきたらすくってカップに入れる。さらに沸騰させてからカップに入れて出来上がり。

 

私はジェズヴェなど持っていないし、鍋で煮るのも面倒なので、単にカップに粉末を入れてお湯を注いで混ぜて飲んだ。ネスカフェ方式だ。

 

靴箱の上に置いて撮影した。うちの靴箱は食器棚と化している(上にはパンやバナナなどを置く)。靴を1足しかもっていないので、靴箱は不要なのだ。

 

クリームの風味が強めで、コクがある。ネスカフェっぽいけど、コーヒー味が薄いような・・・お湯が多かったのかもしれないが。味は悪くない。トルコの新聞によると、このディベック・カフヴェスィは体に良くて、「消化促進・記憶力強化・口臭予防・満腹感を与える・胆石に効く」などの効能があるらしい。ほんまかいな・・・

 

飲み終わったら、カップの底に多少ヘドロ(コーヒー粉末)が残ったが、普通のトルココーヒーよりずっと少なかった。カップを洗うのが楽でいい。

 

このヒゲおじさん印の会社「ARTUKBEY」は1910年創業の老舗らしい。全国チェーンだが本社は東南部のマルディンにあり、ディヤルバクルやワン、イラクのクルド人自治区のドホークにも支店があるようなので、クルド人の経営かもしれない。普通のトルココーヒーやナッツ類、チャイ、お菓子なども扱っている。

 

ちなみに、これをくれた友人からは、こういう手作りの栞ももらった。オリジナリティーあふれる趣き深いエコ栞だ。いつもありがとう~

 

(参考)

Dibek Kahvesiについての記事(トルコ語)

http://www.milliyet.com.tr/dibek-kahvesi-nasil-yapilir--pembenar-detay-icecekler-2569010/

 

ARTUKBEY社のHP(これもトルコ語のみ)

https://artukbey.com/kahve-cesitleri

 

ARTUKBEY社のDibek Kahvesiを電気式のジェズヴェで淹れる様子の動画(これもトルコ語ですんません)←英語の情報、あんまりなかった…トルコの風物にはありがち

">

 

(終わり)

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通りすがりの子猫の写真とSyrian Cats

2018-09-10 16:59:14 | 

 

先日、駅に向かって猫多発地帯を通っていた時、子猫が3匹、脇道の民家に塀をくぐり向けて入っていくのを発見したので、ドキドキしながら出待ちした。子猫はアイドルですから。

なかなか出てこないので、あきらめて立ち去ろうとしたが、ふと振り返ったら1匹が出てきたので激写。全然うまく撮れなかったが・・・

 

やせているので、野良か半野良という気配がする

 

またそのお宅に入りかけたが、すぐに出てきてくれた。しっぽ、引っ張りたかったけど大人なのでがまん

 

左目が濁っているのに気づく。見えないのかもしれない・・・

 

将来何になろうか考えているところ?

 

香箱座りになった。門番?

 

あまりしつこくするのも何なので、適当に切り上げて立ち去ったが、後で友人たち戻ってきた時、別の子猫や母猫らしい大人猫と一緒に道端にいたので、みんなで少しカリカリをあげた。フェイスブックに「Syrian Cats」というページを作ってシリアの猫の写真を載せている人が、「幸せとは猫を餌付けすること」と書いていたが(アラビア語と英語で)、心の底から共感するな~

 

というわけで、今回は子猫の写真だけでした。

 

(参考)

Syrian Cats:

https://www.facebook.com/SyrianCats/

 

https://twitter.com/syriancats

 

https://www.youtube.com/channel/UCrtTzcnp0dMixL6RYG9kwZQ

 

(終わり)

 

 

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