外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

クルドの新年のお祭りネウロズ2018 に間に合わなかった話と蕨のハッピーケバブ

2018-03-26 04:40:09 | クルド

 

今年のクルドの新年のお祭り「ネウロズ」は、天候上の理由で3月21日から24日に延期となったが、無事に開催されて特に問題もなく終わったようだ。「ようだ」と伝聞形で書いているのは、私が行った時にはもう終わっていたからだ…(2017年のネウロズの様子はこちら。2016年のはこちら

開催時間は11時から16時。今年の会場はさいたま市秋ヶ瀬公園の三ツ池グランド。公園の案内ページには、「JR浦和駅西口から志木駅行きのバスに乗って『さくら草公園』下車、徒歩3分」と書いてあったので、素直にそれを信じて、15時半までには会場に到着するつもりで家を出た(寝るのが遅いので、なるべくギリギリまで寝ていたかった)。しかし周辺には案内図も何もなく、googleの地図や位置情報を使いこなせないローテクな私には、バーベキュー場も野球場もサッカー場もあって、川まで流れているような広大な秋ヶ瀬公園で会場を見つけることは大変困難だった。土手でカラシナを採っていた地元の女性(茎の柔らかいところをゆがいて食べると美味らしい)などの4、5人に道を聞いて、ようやくたどり着いた時は既に16時を過ぎており、音楽も踊る人々の姿もなく、会場の片付けもほぼ終わっていた。

 

歩いてる時、「もうどうせ間に合わないさ~」とあきらめの境地に入り、その代わりにと周りの風景を撮り始めた。美しい公園だなあ

 

バーベキュー場 安上がりで良さそう

 

川まで流れている…前日までの雨のせいで泥色になっている

 

30分以上歩いてようやく三ツ池グランドにたどり着いた。トルコのイムラル島で収監されているPKKの指導者アブドゥッラー・オジャラン氏の笑顔がお出迎え。去年の川口駅前の会場では、政治的スローガンや旗などは一切禁止だったが、ここではOKだったらしい。

 

会場はもはや静かで人が少なく、舞台装置も分解されており、完全にお開きムード

 

主催者側らしき男たちがなぜか羊肉を焼いている。

 

その周辺では、若者が何人かサッカーに興じている。子供はちらほらいるものの、女性の姿はほとんどない。みんなもう家に帰ったのだろう。

 

この羊肉の串焼きは売れ残りなのか、あるいは関係者の懇親会用に残してあったものなのかはわからないが、非常に魅惑的な匂いを放っていた。どうしても食べたくなって「ひとつ下さい」と言ってみたら、「どうぞどうぞ!」と差し出してくれた。代金は要らないとのこと。

 

独特のスパイスの効いたジューシーで香ばしい炭火焼の羊肉…うっとり。食べ終わったらもう1本くれたので、もちろん遠慮なくいただいた。用意されていた飲み物はコーラと水。ビールでないところが現地風だ。

 

お姫様風に着飾った女性が残っていたので、お連れの方と一緒に写真を撮らせてもらった。

 

家族写真も1枚。男の子が着ているのはクルドの戦闘服。

 

羊の串焼きをいただき、写真も撮らせてもらって満足したので、帰ろうとしたら、クルド文化協会事務局の方が駅まで乗せていってくれる車を探してくれて(私が「いっぱい歩いて道に迷ってたどり着いたらネウロズ終わってましたなんてことなの~」と愚痴ったからだと思う)、その結果、仕事を終えてお店に帰るところだった「ハッピーケバブ」のトラックで蕨駅付近まで送ってもらえることになった。

 

このトラック。ケバブのワゴン車に乗ったのは生まれて初めてだ。

 

運転手はハッピーケバブの店主。せっかくの機会なので、蕨駅に着くまで色々質問した。

その中で、ハッピーケバブについて得た情報は以下の通り:

・ハッピーケバブは野球のヤクルトのスポンサーで、ヤクルトの2軍が神宮球場で試合をするときは屋台を出す。2020年の東京オリンピックのスポンサーにもなっている。

・ハッピーケバブは2015年にケバブグランプリで1位になった。(と店長は言っていたが、後で調べてみると「イケメン店員部門」での1位獲得だった。ケバブグランプリに行ったことのない私には、そんな部門があること自体驚きだが、イケメン店員が誰なのかちょっと気になる)

・お店で出しているドネルケバブ(あのぐるぐる回る逆三角形の焼肉)の肉の塊は出来合いの冷凍ものではなく手作り。(冷凍の輸入品は高いからというのがその理由)

・チャイはインド産の茶葉を使用している。トルコ産よりもインド・セイロン産のほうがしっかりした味でチャイに適している。

・日曜日には牛肉の挽肉を使ったケバブの一種を提供している。

なお、昔は日本で売られている羊肉は臭くて下処理をせずには食べられなかったが、最近は臭みのない良質の羊肉が普通に買えるようになったとのこと。羊肉、北海道以外でも普及してきたんですかね・・・

 

私は偶然この数日前、初めてハッピーケバブを訪れ、ケバブを食べていた。

 

パンなしのおつまみケバブ(辛口ソース)と赤ワイン。トルコのワインは美味しい。ラクも飲んだ。

 

 

こっちは友人が食べたもの。シシケバブのラムかな?美味しかったそうだ。

 

 

ここのチャイは、トルコそのままの強めの味で、たしか100円だったと思う。

 

私たち以外の客はほとんどクルド人の男性で、トルコ語の会話が飛び交っていて独特の雰囲気だったが、不思議と居心地はよかった。お店側が日本人の客を歓迎しているのが感じられたからだと思う。というわけで、みなさんもぜひハッピーケバブにどうぞ。(回し者?)

 

ハッピーケバブの食べログ

https://tabelog.com/saitama/A1102/A110202/11036932/

 

 

(終わり)

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2月の猫たち

2018-03-15 01:29:17 | 

 

最近ぐいっと気温が上がり、コタツをつけていたら暑いくらいになったが(でも寒がりだからつける)、もしやこのまま夏に突入するんだろうか。春の妖精さんが居眠りをしているうちに、夏の魔女がフライングしてしまったのかしら?でも油断していたら、また冬老人が戻ってきたりするのかしら?

さて、今回は2月に遭遇した猫たちの写真を載せる。なぜかもう随分日にちが経ってしまったが、なぜだろうねえ・・・

 

これは2月上旬に行きつけの猫多発地帯で会ったサビ猫さん。1月22日に降った大雪がまだ少し残っていた。日陰に積もった雪というものは、永遠に溶けないかのように思えるが、ある日気がついたら消滅している。古い記憶のように…

 

サビ猫は表情が読みにくいが、この子はけっこうフレンドリーで緊張感がない

 

サビ猫さんと戯れてきたら、別の子がやってきた。うっすら入った縞模様がステキ

 

牽制し合うふたり。どちらもふっくら体型だ。近所の猫おばさん(おじさん)にゴハンをもらっているに違いない。

 

この辺の道路の端には、時々こうやって猫が座っている。「猫注意」の看板がほしいところだ。

 

その付近を散歩したら、梅が咲いているのを発見した。たまに昼間外を歩くと発見が多い。(普段出歩くのは夜なので)白梅は青空に映える。

 

ボケてしまったが、背後にメジロが映っている。メジロは小さくてきれいなきみどり色で、永遠のアイドルだ。

 

こちらは2月の終わりの暖かい日に近所で会った顔見知りの猫。いつも目をしょぼしょぼさせていて気になる。

 

この子もフレンドリー。呼びかけると近寄ってきて、気軽に触らせてくれる

 

この日初めて見た黒猫さん。黄色いボタンのようなつぶらな目がラブリーだ

 

暗くてボケちゃったけど、夜どこかの駐車場でみかけた大猫さん。三つ指ついてる?

 

暖かい日に散歩していると、世界は猫で満ちているんじゃないかという気がしてくる。野良猫にとっても、厳しい冬が終わってひと安心というところだろう。そうこうしているうちに、また厳しい夏がやってくるのね…

 

(終わり)

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日付不明まとめ書き日記2018年2月~3月

2018-03-13 04:42:30 | 日記

 

2月某日

アトピーで手荒れがひどく、両手がひび割れだらけで何を触っても痛い状態が数年続いていたが(特に冬)、そろそろ本気で治すべと思い立つ。しかし、かかりつけの皮膚科に行くと、営業時間終了間際だったため、既に先生が帰ってしまっていて、看護師のような若い男の人に「前回と同じ症状ですか?同じお薬を出しましょうか?」と聞かれ、「あ、はい」とつい答えてしまう。これは自力で治すしかないと思い、帰宅してからネットで色々検索したら、「とにかくこまめにワセリンを塗って保湿し、寝るときは特にたっぷり塗って手袋をすると良い」と書いてあったので、その通りにしたら、3日ほどで両手の傷口がほぼふさがったので、驚愕する。私は今まで、どうしてこれをやろうとしなかったのだろうか…

しかし、少し油断してワセリンを塗るのを怠ったら、また指のあちこちにぱっくりひび割れができた。塗ればマシになるものの、この療法は本質的な解決策ではないようだ。

 

今愛用しているワセリン。薬っぽくてカッコイイ

 

 

2月某日

知り合いのクルド人の通訳をするため、近所の診療所に出向く。現地集合だったのだが、当のクルド人がなかなか現れない。待合スペースで一人で待っていると、これまで何度もお世話になった事務担当の男性職員が「あ、Mさん。こんにちは。クルド人の方の通訳ですか?」と声をかけてくださったので挨拶をすると、「うちの診療所のスタッフの間で、Mさんって何者だろうって話題になってるんですよ。どういう関係の方だろうって」と笑顔で言われる。非常にもっともな疑問である。「そりゃ不思議ですよねえ~。いやその、私はただの親切な人なんですよ。クルド人向けの日本語教室に出入りしている関係で、トルコ語通訳を頼まれて、成り行きでこういうことやってるんです」などと意味不明な言い訳をしつつ、名刺を渡して帰ってきた。(クルド人は風邪を引いたそうで、結局来なかった)しかし、あの名刺は父の手作りで、住所も所属企業もなく、名前や電話番号、メールアドレス以外には「翻訳・通訳者:アラビア語・イタリア語・トルコ語」と書かれているだけの代物なので、診療所スタッフの方々の「Mさん何者?」という疑問がさらに深まったのではなかろうか。

 

3月某日

料理本研究活動の一環でとして、図書館で「マヨネーズがなければ生きられない、スペイン人シェフのマヨネーズの本」という料理本を借りる。イタリアではマヨネーズ(ドレッシングも)の地位は非常に低く、食卓に登る機会はなきに等しいのだが、姉妹国スペインではそうでもないようだ。但し、市販のものではなく、オリーブオイル・卵・レモン汁・塩を混ぜて家庭でささっと手作りするものらしい。私もマヨネーズは好きだが、未だにイタリア的な「マヨネーズ=邪道」の世界観が意識の片隅にあり、冷蔵庫にあの容器を常備すると自己嫌悪に陥るような気がするので、なかなか買えない。お弁当用の小袋入りのマヨネーズを買って、戸棚に隠している状態だ。なお、日本好きのイタリア人の中には、日本のマヨネーズのファンがけっこういると聞いたことがある。ホントかな?

 

この本。デザインが秀逸で、内容も面白い

 

3月某日

パソコンでネットのアルジャジーラを流し、聞き流しながら別のことをしていたら、ふと「サイーダ・アジューズ(老婦人、old lady)」という言葉が耳に入ってくる。画面を見たら、スポーツニュースをやっていて、イタリアのサッカーチーム「Juventus(ユヴェントス)」が取り上げられている。歴史あるサッカーチームのユヴェントスは「vecchia signora(ヴェッキア・シニョーラ)」というあだ名で呼ばれることがある。これはまさに「old lady」という意味なのだ。アルジャジーラの「サイーダ・アジューズ」はイタリア語からアラビア語への直訳。聞き流していたのに、この単語にだけ耳が即座に反応してしまうって、どういうことなんだ…

 

ユーヴェ(ユヴェントス)、特に好きでも嫌いでもない

 

3月某日

生計の足しにするため、人生相談でもやろうかなと思いつく。どこかのカフェの片隅でやらせてもらえばいいだろう。カフェをやっている知り合いなぞいないが・・・とりあえず宣伝文句を考えてみた。「人生相談30分500円、1時間1000円。ワンドリンク注文制(割引あり)。話を聞くだけ。たまにアドバイスするときあり。秘密厳守。エア猫もいるので、エア猫カフェとしての利用も可」どうだろう。お客はくるだろうか、この人生相談…

 

3月某日

肌寒いので、ウォッカをお湯割りで飲む。そのままだと匂いがきついので、ドライセージを入れて香りを出す。セージは殺菌作用などの薬効もあるらしいので、体にも良さそうだ。こういうハーブ入りの強い酒をごくごく飲んでいると、「健康志向の酒飲みなんて、酒飲みの風上にも置けんわ」という、私の心の中に住んでいる小さなおばさんの厳しいツッコミが聞こえてくるのだが、聞こえないふりをする。

 

トルコで買ってきたドライセージが大量にあるので、紅茶にもお酒にも入れている

 

(終わり)

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