マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

政治オンチのプレゼン力、村上陽一郎論

2012年08月20日 | マ行
 「自己表現や発信を重視する『プレゼン』の時代」だそうです。朝日紙は07月08日から何回かに分けて、「その動きを教育の視点から追う」記事を連載しました。その第1回の記事では、横浜サイエンスフロンティア高校の生徒がiSP細胞の研究者として名高い山中伸弥教授の前で発表する様子と立命館高校の理数コースの高校生が「植物の屈性」について英語で発表する様子を紹介した後で、最後に次の文がありました。

        

 こうしたグローバル化を見据えた試みを先取りするかのように、鳥取県立倉吉東高校は10年前から毎年、夏休みを利用し「国際高校生フォーラム・1n倉吉」を開いてきた。長野県松本深志、静岡県立浜松北など地方の進学校や英国、韓国の高校など10校前後が集う。

 各校20分以内でパワーポイントを使ってプレゼンし最優秀、優秀校を決める。2時間にわたり討論もする。

 テーマは「21世紀の世界秩序」「限りなく発達する科学・技術と人間の精神性のあり方」「世界の食料問題とその解決策」などだ。

 ゲストには、教育社会学の苅谷剛彦、科学史・科学哲学の村上陽一郎、社会経済学の佐伯啓思(けいし)の各氏ら、第一線の研究者を招く。発表へのコメントももらう。

 「21世紀は世界規模の答えのない問いを身もだえしながら考え、人の前で表現する力こそ必要だ」。

 校長としてフォーラムを始めた岡本康さん(69)はいま改めて、そう思う。(引用終わり)

 では、ここでゲストとして名の出てきます3氏がどのような「プレゼン」をネット上でしているか、見てみました。苅谷さんと佐伯さんは自分のホームページを作っていないようです。私には分かりませんでした。

 村上さんは私の同級生ですが、さすがにホームページを作っています。が、作り方が下手な上に、内容が貧弱です。その上、最新更新日は2008年のようです。これではホームページの意味がないでしょう。「自分程エライ人間はマスコミが報道してくれるから、ホームページはお粗末でいいのだ」と思っているのでしょうか。

 現在、東洋英和女学院大学とかいうところの学長をしているそうですので、その大学のホームページを見ました所、「学長挨拶」がありました。しかし、日付が載っていませんでした。私は、学生に、「文章には必ず年月日を入れるように。後で必ず役立つ。日付のあるのと無いのとでは資料としての価値が全然違う」と話します。村上さんの「教養」にはこういう常識は入っていないようです。

 「学長便り」もありましたので開いて見たら、そこらの学校長のと同じような「式辞」ばかりでした。大学の学長というものは学生と「学問とは何か」を議論しなければならない、という考えは氏の教養にはないようです。

 最近、原子力ムラの先生方が電力会社等からいろいろな名目で金を貰っていた事が知られるようになりました。村上さんの名はまだ出て来ていないようですが、経済産業省総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会の部会長を務めていた氏がこの件について何も言わないのはなぜでしょうか。普通に考えれば、氏にも疑惑の掛かっている事は気付いているでしょうに、自分から説明するのが「説明責任」ではないのでしょうか。

 続いて、この記事に名の出ていた横浜サイエンスフロンティア高校と立命館高校と浜松北校のホームページを見て見ました。いずれの校長も「挨拶だけの校長」でした。

 「21世紀の世界秩序」「限りなく発達する科学・技術と人間の精神性のあり方」「世界の食料問題とその解決策」などといったテーマ設定では抽象的に過ぎます。半生を社会運動に捧げて来た経験からの現時点での結論は、次の通りです。

 ①経済体制の如何に関係なく国には公務員が必要である。
 ②「権力(公務員)は必ず腐敗する」というのは鉄則と言って好い位に根強い現象である。
 ③しかるに、組織はトップで8割決まるから、特に幹部公務員の堕落(現象形態は様々)を如何にして防ぐかが根本問題である。
 ④住民の「臣民根性」(行政の長を小天皇と崇(あが)める態度)も抜きがたい悪習であり、これを如何にして変えるかも根本問題である
 ⑤従って③と④を同時に追求する理論と方法と行動が大切である。
 ⑥人間のする事で100点満点ということはないので、例で言うと、50点の行政を好くするには60点以上の人が出てこなければならないので、自分を高める事が大前提である。

 従って、結論としては、自分のプレゼン力を高める努力をしつつ、学校(校長)のプレゼン力(学校のホームページ)、市長のプレゼン力(市役所のホームページ)、知事のプレゼン力(県庁のホームページ)の在り方を批判的に検討する授業や練習を同時に進めて行くのがベターでしょう。

 後者からは、それでは学問的に正しいホームページはどうあるべきかという問題意識が出てきます。これにどう対処するかでその人の行く道は大きく違ってくるでしょう。

     関連項目

城南静岡高校と「まなびや」

大学ホームページの必要条件

学校ホームページの必要項目

コメント
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