マキペディア(発行人・牧野紀之)

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掛川市の海岸防潮林

2014年06月11日 | カ行
 海岸防潮林の強化で住民の津波不安を払拭(ふっしょく)する掛川版「万里の長城」整備に向け、本年度から試験施工を開始する方針を固めた。9日、関係者が明らかにした。県の松枯れ対策事業と連携し、国土交通省と民間事業者の協力も得て、低コストで一石二鳥の効果を生む“掛川モデル”の手法確立を目指す。

 試験施工の予定地は、同市沖之須の約3ヘクタール。松枯れ被害が深刻な防災林で枯れ木を除去する県事業に合わせ、市は谷間を埋めて植生基盤を盛り土する計画。完成後の防災林は、県の第4次地震被害想定で最大のレベル2に対応する海抜10〜12メートル程度になる。

 盛り土には試験施工予定地から約8キロ東の菊川河口近くで進める河道掘削工事で発生する土砂約5万立方メートルを利用する。河川工事主体の国交省浜松河川国道事務所にとっても発生土の処理費用を抑えるメリットがある。

 樹木の成長に必要な覆土2〜3万立方メートルは、地元の砂利採取業者から無料提供を受ける。市が負担するのは、覆土の運搬費と盛り土を締め固める工事費、のり面整備などで計6000万円の見込み。

 盛り土をすることで、マツの根が深く地下に伸び、津波や風雨などに対する耐久性が高まる利点もある。試験施工箇所は3区画に分け、盛り土を固める強さを変えてマツの生育状況を確かめる。

 菊川の河道掘削工事による発生土は今後100万立方メートルが見込まれ、これを活用して市域の海岸線約10キロの防災林を10〜20年で全て強化する構想。市は本年度予算で2300万円を使い、海岸線の地形や地質を調査し、年度内に全体構想をまとめる。

 防災林の海側にはマツ、陸側には常緑広葉樹を中心に植栽する予定。マツは県事業で植え、広葉樹は市がNPO法人や民間企業などと一緒に取り組む「命の森づくり」事業の一環として進める方針。伊村義孝副市長は「防潮堤整備には莫大(ばくだい)な費用が必要で国や県の対応を待つしかないと思っていたが、掛川モデルなら厳しい財政状況でも手が届く。市民協働で、全国的な先進事例を完成させたい」と意欲を示す。

 県内の津波対策取り組み状況

 県内の沿岸部21市町はそれぞれ単独や隣接自治体との共同で、協議会や検討会を設置し、防潮堤整備をはじめとする対応について県と協議を進めている。浜松市の海岸線17.5キロについては民間事業者からの300億円の寄付を元に、県に同市などが協力する形で、既に防潮堤整備の試験施工中。防潮堤の高さは13メートル程度で、砂利とセメントを混ぜ合わせた材料を中心部に据える工法を採用している。
(静岡新聞ネット版、2014年06月10日)

  感想

 浜松市の札束防潮堤とこちらの「頭を使った防潮林」と、どちらが「防潮」の目的を果たすか、興味深いですね。この結果を見届けるまで生きていられるかな。