マキペディア(発行人・牧野紀之)

本当の百科事典を考える

畳(01、茶がらと畳)

2010年04月25日 | タ行
 自分の部屋に畳を入れて和室にしました。最高級品というものを入れました。肝心の藺草は証明書のついている「有機栽培」ということでした。

 3月8日に入れたのですが、あまり嬉しくありませんでした。なぜかと言うと、「匂い」が期待したものと違って、「異臭」というほどではもちろんないのですが、「好いい」とは到底言えるものでなかったからです。別の部屋のスタイロ畳の最初の頃より劣るものでした。がっかりしましたが、黙っていました。

 先日、やはり一応相談してみようと思って、工事をした畳屋に電話をしたら、「自分には匂いは分からなくなっている」とのことで、藺草の生産者に電話をさせるとのことでした。
生産者と話をしましたが、「そういうクレームは初めてだ」とのことでした。

 先方の言うことにウソがあるとは思いませんでした。そこで、もう少し自分でやってみよう、と思いました。

 まず、3日間、毎日、ギュッと絞った雑巾で畳をきつく拭きました。これで、「おかしな臭い」という程ではなくなりました。ともかく効果がありました。

 次に又3日間、今度は「茶がらを撒いて、それを箒で掃き集める」という昔ながらの掃除をしました。茶がらの量は日毎に多くしました。これで「期待していた程の好い匂い」ではありませんが、ともかく「まあ好い匂いの部類に入るかな」という程度になりました。

 今回はいったんこれで終わりにします。今後も茶がらを撒いての掃除は適宜続けるつもりです。

 なぜこれを書いたかと言いますと、もちろん、私と同じ経験をした人もいるかなと思ったのが最大の理由ですが、若い人の中には、電気掃除機のなかった時代には、畳の小さなゴミを取るにはこのように茶がらを撒いてそれを掃き集めるというやり方をしたということを知らない人も多いと思ったからです。現に、工事に来た職人に聞いたら、若い職人は知りませんでした。畳屋なのに(茶がらがない時は、水分を含ませた新聞紙をちぎって撒く)。

 それと、これは先に書いたスタイロ畳で経験して初めて知ったことなのですが、時間がたって「匂いのしなくなった畳」でも、しばらくの間は(つまり「いつまでも」ではない)、茶がらを撒いて掃き集めるという掃除をすると、好い匂いが一時復活する、ということを書いておきたかったからです。