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大井町線・溝の口延伸~通過駅が存在する「緑色の各駅停車」も登場

2009-07-12 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

  

昨日東急田園都市線二子玉川~溝の口間で、複々線に線増された線路が使用開始となり、これに伴ってダイヤ改正が実施されて、今まで大井町~二子玉川間を運行していた大井町線列車の大半が、溝の口まで延伸された事はご存知の方も多いかと思います。

複々線での運行開始前にも、入出庫などで二子玉川から田園都市線に乗り入れ、鷺沼を発着する列車などが存在していましたので、全くの新規路線という訳ではないのですが、今回の改正では殆どの列車が溝の口まで延伸運行となっており、実質的に大井町線が溝の口まで延伸されたといっても過言ではない状況です。

是によって溝の口~二子玉川間の輸送力は大幅に増加していますが、溝の口延伸運行初日となった昨日、MAKIKYUも大井町線電車に乗車して溝の口まで足を伸ばす機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。

今回の溝の口延伸では、二子玉川~溝の口間はやはり東急の2路線並行区間で、実質的に複々線となっている東横線&目黒線の田園調布~日吉間の様な路線別ではなく、線路を緩行線(外側)・急行線(内側)に分離しているのが特徴となっており、この事もあって途中の二子新地・高津の両駅は緩行線のみにホームが設けられているのが特徴です。

そのため大井町線の急行は当然内側の線路を走行するのですが、大井町線の列車は普通系列車である各駅停車も、内側の線路を走行する列車が大半を占めるのが特徴(昼間の半数は外側線を走行)となっています。

二子玉川~溝の口間で内側の線路を走行する各駅停車は、二子新地・高津ではホームのない線路を走る事もあって、両駅は通過扱いとなっており、「各駅停車」を名乗りながらも各駅に停車せず、通過駅が存在する列車となっています。

東急側は二子新地・高津の両駅に停車する大井町線各駅停車を「青色の各駅停車」(種別表示が青色・この色の各停表示は東横線などでも使用)、二子新地・高津の両駅を通過する大井町線各駅停車を「緑色の各駅停車」(種別表示が緑色・大井町線独特の表示)として、二子新地・高津両駅に停車するか否かを判別できるようにしています。

とはいえ「○色の各駅停車」という案内は非常に違和感がある上に、「各駅停車(各停)」でありながら、各駅に停車しない(通過駅が存在)というのは非常に可笑しな話で、これならいっそのことJRなどで一般的な「普通」という種別を名乗った方が…と感じたものです。
(JRなどは「普通」でも地域によっては、通過駅が設定されている列車も存在していますが、こちらは必ず各駅に停車するという意味合いの用語ではありませんので、通過駅があってもさほど違和感はありません)

また大手私鉄でも南海線・高野線の2路線が、ターミナル駅のなんば周辺で並行して複々線となっている南海電気鉄道では、高野線のみにホームが設けられている今宮戎・萩之茶屋両駅に停車する高野線の普通系列車では種別に「各停」を用い、今宮戎・萩之茶屋両駅を通過する南海線の普通系列車では「普通」を名乗る事で識別する方法を採用している程です。
(余談ながら関西では阪急電鉄も、3複線となる梅田~十三間にある中津駅は宝塚・神戸両線の普通系列車のみ停車となっており、京都線はホームが設置されていない事もあって全列車通過扱いですが、こちらは中津停車の有無による種別表示の識別こそ行っていないものの「普通」種別ですので、違和感はさほど感じません)

そのため今回の大井町線溝の口延伸に伴い、二子新地・高津両駅を停車する普通系列車と、この2駅を通過する普通系列車は、「各停」と「普通」に分けて案内すれば、わざわざ「○色の各駅停車」といった違和感のある奇妙な案内をせずに済むのでは…と感じたものでした。

今回の大井町線溝の口延伸では、紛らわしく違和感のある種別案内は問題ありと感じ、この点は今後改善される事を願いたいと感じたものです。

とはいえ近年運行開始となった大井町線急行と共に、大井町線の利便性が今までより大幅に向上した事は確かで、新形態での運行となった大井町線の安定した運行と共に、今後大井町線の利便性向上に伴う田園都市線利用者の大井町線へのシフトと、これによる田園都市線の混雑緩和にも期待したいと感じたものです。

写真は今回の大井町線溝の口延伸の象徴とも言える「緑色の各駅停車」と、複々線化された二子玉川~溝の口間を「緑色の各駅停車」に乗車中のワンシーン、車内に掲出された大井町線溝の口延伸に関する案内(「緑の各駅停車」と「青の各駅停車」に関する案内もあり)です。