MAKIKYUのページ

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西の名車・今日限りで第一線から相次ぎ引退~今後も活躍は続きますが…

2010-02-28 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

 

日本国内の鉄道各線では、来月にダイヤ改正を控えている事業者や路線が数多く存在し、日本を代表する鉄道と言っても過言ではない東海道・山陽新幹線もその一つですが、東海道・山陽新幹線では来月のダイヤ改正を前に、今日限りでJR西日本の500系車両16両編成による「のぞみ」号の運転が終了となります。

500系は1996~98年にかけて製造され、今日の主力となっているN700系登場までは、東海道・山陽新幹線の営業用車両で最高性能を誇る車両であった事は余りに有名で、鋭い前面形状や航空機の様な丸い断面なども非常に特徴的な車両ですので、特に鉄道に詳しくない方でもご存知の方は多いかと思います。

ただJR西日本が10年以上前の時期において、新幹線の究極を求めた車両と言っても過言ではない車両だけに、製造コストは他の新幹線車両に比べて非常に割高な事もあって、500系の製造は僅か16両編成9本に留まっており、その後N700系が製造されるまでの間に導入された700系は、コスト面では優れているものの、性能的には500系よりも後発にも関わらず…というのも有名な話です。

また500系は特徴的な車体断面故に車内空間が狭く、丸い車体断面は独特な雰囲気がありますが、圧迫感を感じるという意見も少なくなく、新幹線を使い慣れたビジネスマンの中には、500系使用列車を敬遠する利用者も少なくないと言われた程です。

現にMAKIKYUが500系車両に乗車した時も、大柄なビジネスマンが途中駅で乗り込んだ際には、「丸過ぎて空間が…」といった事をはじめ、挙句の果てには「道理で指定席が取りやすかった訳か…失敗した」というボヤキを聞いた事もあります。

その上先頭車が鋭角で座席数が少なく、運転席寄りには客扉が設けられていない事もあって、各駅到着前の自動放送でも「この列車の1号車の前寄りと、16号車の後寄りには、出口はありません」といった放送が流れ、このアナウンスを聞くと500系乗車時に、その車両特性を嫌でも感じたものでしたが、高頻度で東海道新幹線を運行するJR東海からも、異常時に対応し難いなど運用上の制約が課せられる事もあって、余り良い評価は得られていなかった様です。

この様に余りに特徴的過ぎる車両だったが故に、汎用性と高性能を両立した今日の主力車両・N700系が台頭すると、「のぞみ」号での運用という第一線から退く事になり、近年徐々に「のぞみ」号での充当が減少していましたが、MAKIKYUが最後に500系に乗車した昨年10月時点では僅か2往復、その後更に運用列車が減少して1往復のみとなっています。

「のぞみ」号での運用を退いても、東海道新幹線での下位種別(ひかり・こだま)へ運用される事もなく、後は専ら山陽新幹線内の「こだま」号に充当し、これによって旧型車両を玉突き淘汰していますが、山陽新幹線「こだま」号への転用にあたっては、16両編成では輸送力過剰な事もあって半分の8両に減車され、余剰となる中間車は改造や転用が困難な事もあって廃車となっています。

また新幹線500系車両が「のぞみ」号での運用終了となる今日は、やはり西の名車に数えられ、こちらもMAKIKYUは何度か乗車した事がある阪急京都線の特急専用車・6300系も、来月のダイヤ改正を前に、京都線での特急運用が終了となります。

こちらは1970年代に製造された車両ですので、経年を考えるともう廃車になっても…という時期ですが、阪急京都線では1960年代製の車両が未だにゴロゴロしている状況ですので、まだ京都線特急運用という第一線からの引退は…と感じてしまうのも事実です。

1960年代製の古参車よりも先に引退となる要因としては、近年が特急停車駅が増加(以前の急行とほぼ同レベル)し、途中駅での乗降が増えて乗降に時間を要する2扉車では不便な事や、扉配置が車端に寄っており、単純に中央扉を増設して3扉化できない事が挙げられます。

そのため先代特急車の2800系や、京急・西鉄の先代特急車(京急は快特ですが…)の様な一般車化もままならず、編成単位での廃車も多数発生している状況ですが、一部は2扉の扉配置は存置したまま大規模なリニューアルを施し、8両→4両編成に短縮されて嵐山線用に転用されているのはせめてもの救いです。

JR西日本と阪急電鉄、どちらも関西を代表する鉄道事業者で名車に数えられる車両が、ダイヤ改正を来月中に控えた同じ日に、相次いで華やかな第一線から退き、編成を半分に短縮して今後は専ら第2の活躍に移るという同じ運命を辿るのは、ただの偶然ではないのでは?と感じてしまうものです。

また今後活躍の舞台を移す事で、阪急京都線と東海道新幹線が併走する区間において、500系新幹線と6300系電車が併走する姿も見られなくなりますが、両名車の第1線での活躍ぶりを労い、その勇士を記憶に留めておくと共に、第2の活躍舞台では暫くの間走り続ける事が見込まれますので、こちらでの今後の活躍も期待したいものです。


大洗町循環バス・海遊号~レトロ調バスで運行する100円バス

2010-02-27 | バス[北関東]

  

最近MAKIKYUの職場では、共に仕事をして来た同期入社の1人(北海道出身)が、家庭の事情により退職して北海道へ戻り、来月から彼の地で同業者に再就職(新天地での活躍にも期待したいと思います)する事になったのですが、帰道の際には自家用車を運送する必要がありました。

この関係で北海道までの道程は、フェリーで帰る事になったのですが、現在首都圏~北海道間をフェリーで移動するとなると、水戸の郊外にある大洗港から、苫小牧に向かう商船三井フェリー利用が一般的です。

このルートは車と共に首都圏~北海道間を移動する場合に重宝される他、最近では高速バスとセットになった割引券(パシフィック・ストーリー)設定もあり、この割引券を使うと東京~札幌を片道1万円足らずで移動できる事もあり、時間はかかるものの割安な北海道へのアクセス手段としても知られています。

MAKIKYUはさすがに北海道までの道程を共にする事はなかったものの、先日道案内と見送りを兼ねて北海道行きフェリーの出航する大洗港まで足を伸ばす事になりました。

当然ながら大洗港への往路は、航送する自家用車での移動となり、日頃中長距離移動は専ら鉄道などの公共交通機関を利用するMAKIKYUとしては、久々に長時間自家用車に乗車する事になり、非常に疲れると感じたものでした。

ただ大洗到着後にフェリーターミナルに車を置いて街中を移動する際や、見送りの後に大洗駅まで移動する際には、バスを利用する事になり、その際に利用したバスの一つが、大洗町が茨城交通に委託し、町内を循環運行している「海遊号」と呼ばれるバスです。

「海遊号」は「アクアワールド・大洗ルート」と、「大洗サンビーチルート」の2ルートが運行されており、1台のバスで2つのルートを交互に運行する事もあって、運転間隔が一定しておらず、やや分かり難いダイヤ設定なのは難点です。

しかし1乗車100円均一という割安な運賃に加え、200円の1日乗車券も設定されており、こちらは観光施設の割引特典も設定されているなど、生活の足としてだけでなく大洗観光の手段としても非常に有用で、「大洗サンビーチルート」は徒歩ではやや時間を要する大洗駅~フェリーターミナル間のアクセスとしても活用できます。

また使用車両もコミュニティバスで一般的なマイクロバスなどではなく、中形路線車をベースにしたレトロ調の特注車が用いられている点も特徴で、自家用車で大洗までアクセスした場合でも、観光の一つとして町内移動に「海遊号」を利用するのもおススメです。

ちなみに「海遊号」の使用車両は、非常に目立つレトロ調という事で目を引く存在であるだけでなく、首都圏では比較的少数派とも言える西日本車体工業製の2段ステップ車である事や、茨城ではさほど古い年式には入らない車両にも関わらず、床が板張り(レトロ調バスによく見られるタイプのフローリングではなく、黒い油の塗られた昔ながらのバスの床)である事なども興味深く感じたものでした。

「海遊号」は運賃が非常に安い上に、使用車両も趣味的に興味深い存在であるなど、大洗を訪問する機会があれば、是非乗車をおススメしたいバスと言えます。

しかし周知が行き届いていないのか、MAKIKYUが乗車した日には夕方のフェリー出航時刻に丁度良い時間の「大洗サンビーチルート」でも閑散としている有様でした。

水戸駅~大洗港間のアクセスとしても割安で有用(大洗鹿島線水戸~大洗間310円と合わせても410円:路線バス通し乗車よりも割安です)にも関わらず…と感じてしまいましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も大洗を訪問する機会がありましたら、是非大洗町内循環バス「海遊号」に乗車してみては如何でしょうか?


JR九州 キハ125形400番台(1)~「海幸山幸」号で活躍する異色車両

2010-02-22 | 鉄道[九州・JR]

  

今月MAKIKYUは南九州へ出向く機会があり、「MAKIKYUのページ」でも既にその際に遭遇したリバイバル急行列車「最南端」号などを取り上げていますが、今回の旅行は昨年秋に宮崎県のJR日南線で走り始めた特急「海幸山幸」号への乗車が最大の目的でした。

「海幸山幸」号は宮崎~南郷間を、土日祝日や長期休暇期間のみ運転する臨時特急列車で、日南線の非電化区間(宮崎空港アクセスが関連する南宮崎~田吉の1駅間以外)では唯一特別料金を必要とする列車にもなっています。

「特急」を名乗りながらもワンマン運転を行い、途中駅でわざと多めに停車時間を確保するなど、通過駅は多数存在するものの速達性は全くなく、特急らしくない列車というのも大きな特徴です。

そのため特急料金は実質的に設備料金化しており、列車の性質は同じJR九州の鹿児島県内を走る特急「はやとの風」号などと同様に、完全に観光向けに特化していると言えます。

「はやとの風」号では、内装を大改造したとはいえ、デッキなし一般型気動車を抜擢した事が、運転開始時に大きな話題となりましたが、「海幸山幸」号は2005年の台風被害によって、壊滅的な被害を受けてそのまま復旧することなく廃線となってしまった高千穂鉄道において、観光向けトロッコ列車「トロッコ神楽号」として運行していた気動車を、JR九州が購入・改造して使用しているのが大きな特徴です。

第3セクター鉄道→JRへの譲渡車両というだけでも異色ですが、この様な車両を優等列車へ抜擢するのは前例がなく、「海幸山幸」号の運行形態や使用車両の異色ぶりは、JR各社で数多く走る在来線特急の中でも、非常に際立っていると言えます。

こんな列車ですので、運行形態や車両の経歴だけでも非常に興味深いもので、JR九州では既存の一般型気動車・キハ125形の一部に編入し、高千穂鉄道での形式(TR400形)を意識してか、400番台という番台区分がされているのも注目点です。

これに加えJR九州らしく某デザイナーの手によって、内外を派手に改装しており、英語標記やロゴマークを多用した外観や、木材を多用した内装などは、最近の某デザイナーが手がけた車両全般に見られる傾向が強く見られますが、車両幅が狭い事を逆手にとって、車内だけでなく車両側面にまで木材を貼り付けている事も大きな特徴となっています。

木材を貼り付けた側面を見ると、遂にここまでやったか…と感じる程強烈な印象を受け、個性の強い車両になっていますが、こんな車両が今後他でも登場する機会があるのかも気になる所です。

当初TR400形として導入された高千穂鉄道では、観光列車としての活躍が期待されながらも、災害によって僅か2年程度しか活躍できず、MAKIKYUも高千穂鉄道時代の姿は延岡駅で一度目撃した事があるものの、トロッコ列車はおろか高千穂鉄道自体に乗車する機会もなく、廃線を迎えてしまったのは非常に残念でしたが、「トロッコ神楽号」から「海幸山幸」と名称を変え、活躍の舞台を南に移しながらも、引き続き宮崎の地を走り続ける機会に恵まれたのは幸いで、今度こそは末永い活躍を期待したいと感じたものでした。

写真は特急「海幸山幸」号(キハ125形400番台)と、ロゴマークや木材を用いた側面が目を引く中で、意外過ぎる程シンプルに感じてしまう行先・号車標記の様子です。

異色な経歴や外観に劣らず、強烈な印象を受ける車内の様子に関しては、近日中に別記事で取り上げたいと思います。

あと高千穂鉄道で以前TR400形として活躍していた時代の様子を取り上げた記事もありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい。


鹿児島市営バスのNEW AEROSTAR~前面形状に注目

2010-02-21 | バス[九州本土]

先日「MAKIKYUのページ」では、鹿児島中央駅を発車する旅行商品扱いの貸切リバイバル急行列車「最南端」号に関する記事を取り上げましたが、MAKIKYUが鹿児島からの帰路に着く前には市内の路面電車や路線バスにも乗車したほか、鹿児島中央駅前では多数の路線バスを視察・撮影する事も出来ました。

鹿児島市内を走る路線バス車両は、複数事業者が入り乱れている上に、メーカーや年式も様々ですので、各者共見ていて飽きないもので、排ガス規制の影響で旧年式車が次々と淘汰されて似た様なバスばかりになりつつある大都市圏に身を置くモノとしては、非常に羨ましく感じるものです。

その中でも鹿児島市交通局(市営バス)の車両は、比較的近年導入されているノンステップ車両は目立つ装いの反面、国土交通省標準仕様車故にさほどの個性は感じないのですが、それ以前に導入された車両は非常に特徴的な車両を多数走らせています。

ノンステップ車導入以前に導入され、如何にも公営バスといった雰囲気の装いとなっている2段ステップ車は、エアサス車で窓枠が黒い引き違い窓、中扉は4枚折戸で座席はハイバックシート装備と、非常にハイグレードな仕様となっている事が大きな特徴と言えます。

これに加え鹿児島市営バスでは、通常前面2枚窓となっている車種でピラーなしの1枚窓を採用し、ワイパーもいすゞキュービックなどで用いられるタイプとなっているのが大きな特徴となっており、その上これらの中には大都市圏ではすっかり姿を見なくなった三菱AEROSTAR Kや、殆どが西日本で活躍し、首都圏などでは殆ど見かけない西工58MCといった車種も含まれるのは大きな魅力です。

そんな中で三菱NEW AEROSTARとなると、ようやく大都市圏でも初期導入車の代替が始まった車種ですので、古参車種に比べると面白みの点では…と感じてしまうものですが、NEW AEROSTARの一般路線仕様では標準装備となっている死角確認窓(セーフティウィンドウ)を省略している点は、鹿児島市営ならではの特徴的な仕様と併せ、市営バスのNEW AEROSTARをより特徴的なものにしています。

死角確認窓なしのNEW AEROSTAR自体は、同車種を日本で最も多く導入している首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者で一般的で、この事業者では代わりに運賃支払表示方法を示す幕を装備している事でも有名ですが、この場合は死角確認窓自体はなくても、NEW AEROSTARではそれに準じた窪みが見受けられるのが大きな特徴です。

またこの事業者から近年地方へ転出したNEW AEROSTARの場合も、運賃支払表示方法を示す幕が撤廃されても、死角確認窓に準じた窪みが存在していますが、鹿児島市営バスのNEW AEROSTARの場合、AEROSTAR Kの死角確認窓なし車両などと同様に死角確認窓に準じた窪みがなく、自家用や短距離高速仕様車の如く左右対称の姿(ワイパー形状の関係で、厳密には左右非対称になりますが…)となっている点も大きな特徴と言えます。

見栄えの点から言えば、鹿児島市営のNEW AEROSTARの方が優れているのは言うまでもなく、運賃支払表示方法を示す幕を装備する関係で、死角確認窓なし仕様のNEW AEROSTARを多数導入している首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者などでも、鹿児島市営バスの様なスタイルに出来ないものかと感じてしまったものです。

ちなみに首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者で導入されているNEW AEROSTARがどんな車?と思われた方は、こちらをクリックして頂ければ画像がありますので、この記事の車両と対比して頂ければと思います。


JR九州のリバイバル急行列車に遭遇~「最南端」号は果たして急行?

2010-02-16 | 鉄道[九州・JR]

1週間程更新を休止していた「MAKIKYUのページ」ですが、この間にMAKIKYUは仕事の合間を縫い、3日半程の強行日程で久々に南九州へ出向いていました。

その帰りには鹿児島中央駅から新幹線で帰路(今はまだ接続列車を介す必要がありますが、来年には新幹線だけで京阪神や首都圏まで移動する事が可能になります)に就いたのですが、新幹線乗車のために昼過ぎに鹿児島中央駅で出向くと、改札外で貸切列車による旅行商品扱いとなるリバイバル急行列車の乗車受付を行い、参加者に特製弁当の配布を行っている姿を目撃したものでした。

大分の「TORO-Q」(以前「MAKIKYUのページで取り上げた記事は、こちらをクリック」)で使用していた旧型気動車2両を塗り替え、九州内各地でリバイバル急行列車を運行している事は、JR九州のHPなどで告知されており、MAKIKYUが鹿児島から帰路に就く日には、丁度鹿児島でリバイバル急行が運行される事を把握していましたので、詳しい運転時刻などは調べていなかったものの、もしかしたらリバイバル急行列車にうまく遭遇できるかも…という淡い期待も抱いたものでした。

そのためMAKIKYUは新幹線に乗車するにも関わらず、わざと在来線改札から入場(一旦在来線方に入場した後、新幹線連絡改札口を利用する事も可能です)したMAKIKYUが、在来線各線区の発車案内を見ると、定期列車の案内しか出ておらず、まだ入線時間は暫く先なのかとも感じたものでした。

しかし指宿枕崎線の普通列車を良く見ると、JR九州恒例のベンチレーター撤去によって、屋根上がすっきりした気動車2両の前方に、屋根上に小型の冷房装置が何台も載っている車両の姿を目撃出来ましたので、リバイバル急行列車は単独ではなく、もしかしたら定期列車に併結しての運行では?と思って指宿枕崎線山川行き普通列車のホームに下りると、定期列車のキハ140+キハ40(8000番台)の前方に、貸切扱いのバイバル急行列車乗客用に国鉄急行色キハ58+キハ65(キハ140が鹿児島方、キハ65が山川・枕崎方)が併結されていました。

  
リバイバル塗装の2両だけでなく、定期普通列車を巻き込んだ4両編成で、リバイバル急行列車が運行されるのは、MAKIKYUも予想していなかった事だけあって、少々驚いたものでしたが、4両全てが異形式というのは気動車ならではで、たまたま全て異形式の編成になったのか、それとも敢えてこの様な編成にしたのかも気になったものです。

そしてリバイバル急行列車の姿を拝みにホーム前方へ進むと、この日の列車愛称名となる「最南端」の特製イラスト入りマークが掲げられると共に、側面も「西鹿児島(鹿児島中央駅の昔の駅名です)-西大山(JR最南端の駅で、実際は更に先の西頴娃(Nishi-Ei)まで運行された様です)」と書かれたサボが掲出されるなど、今や最後の1両となった原型を留めるキハ65形のリバイバルムードを更に盛り上げる演出がされていた辺りは、貸切列車による旅行商品扱いとなるリバイバル列車ならでは…と感じたものでした。

 
土地柄もあって、リバイバル急行列車の乗客以外で列車を撮影している人の数も数える程で、この手の列車で時折見受けられる混乱などもなく、良い雰囲気でリバイバル急行列車の発車を見送れたのも好印象でしたが、参加者誘導に当たっていたJR関係者が乗り終わる前にドアが閉まってしまい、乗務員室から乗り込む羽目になっていたのは滑稽なものでした。

ちなみに「最南端」号は、西頴娃までの運行で途中JR最南端駅となる西大山駅に停車しているシーンがネット上でも出回っていますが、山川行き普通列車と鹿児島中央~山川間と併結運転となると、鹿児島中央から50km強の距離がある西大山までの通過駅は一体幾つ?と感じたものです。

これは急行列車らしからぬ運行と言えますが、JR九州では特急列車でも短編成でワンマン運転を行い、眺めの良い所で徐行や一時停車を行ったり、途中駅で10分程度の停車時間を設けるなど、速達性を重視する一般的な優等列車とは異なる性質の優等列車を幾つも走らせていますので、敢えて旧型気動車の乗り心地を目当てにしている乗客ばかりのリバイバル急行列車ともなれば、長時間乗車できて頻繁な加減速がある運行形態の方が良いのかも…と感じたものでした。


最近の福島交通路線車~三菱ふそう以外のメーカーが続々と…

2010-02-09 | バス[東北]

先月MAKIIKYUが青春18きっぷを利用し、南東北へ出向いた際には、福島県中通りの要衝とも言える郡山・福島の両駅で列車の乗継時間があり、その際には一旦改札を出て路線バスの視察・撮影にも赴いていました。

福島県中通りの一般路線バスは、その大半を福島交通が運行しており、先月の旅行では乗車機会こそなかったものの、MAKIKYUも郡山市内などで何度か乗車した事があります。

同社の路線バスは、使用車両の殆どが三菱ふそう製で占められている事でも知られ、郡山駅前などは今や首都圏では目にする機会も少なくなったAEROSTAR M、それも前後に扉を配した車両が次々と姿を現す様は、排ガス規制で車両代替が急速に進むエリアの路線バスを見慣れた身としては、なかなか見応えを感じるもので、時間に余裕があれば是非乗車も…と感じたものです。
(MAKIKYUの手元には、福島交通バス回数券もありますので…)

しかしそんな福島交通も、最近になって三菱ふそう製以外の車両が導入され始め、郡山駅前では1台だけですが、窓割が不自然で一目見ただけでも他社からの移籍車と見分けられる、中扉4枚折戸の日産ディーゼル製車両の姿を見る事が出来ました。

また写真は撮影出来なかったのですが、福島駅前では日野BlueRibbonの姿(これも当然他社からの移籍)も目撃しており、こちらも福島交通=三菱ふそうの印象が強いMAKIKYUとしては、福島交通も随分変わったものと感じさせられたものです。

そして更に驚いたのが、中古だけでなく新車でもいすゞ製中型車(ERGAMIO)の姿を福島駅前で見かけた事で、機能面では地方路線バスの実態を踏まえると妥当な車両とは言え、兄弟車の日野Rainbow Ⅱも含めて大都市圏でゴロゴロしている上に、地方へ出向いても至る所で出没してウンザリ…という印象があります。

しかしながらMAKIKYUが見かけたERGAMIOは、ノンステップ車であるにも関わらず、
福島交通が比較的近年新車で導入した車両に用いているクリームと緑色の低床車塗装ではなく、一般路線車と同じ装いになっている点が大きな特徴と言えます。

ERGAMIOが低床車にも関わらず、従来塗装で導入されたという事は、今後福島交通で新車が導入される際にも、この塗装で導入されるのか否か気になる所ですが、個人的には福島交通の低床車塗装は従来塗装に比べてインパクトがイマイチと感じていますので、今後の新車も是非従来塗装で導入されれば…と感じたものでした。

あとこの記事とは直接関係ない事ですが、管理人の事情により1週間程度更新を休止させて頂きます。
この間のコメント返答やトラックバック反映も遅れる事が予想されますが、予めご了承下さい。


仁川市内を走る紫色の市内バス~急行幹線で用いられるハイグレード車

2010-02-07 | バス[大韓民国]

 

先日「MAKIKYUのページ」では、開発が進む韓国・仁川(Incheon)広域市の松島(Songdo)新都市一帯で延伸されて間もない地下鉄(仁川メトロ1号線)終点の国際業務地区駅と、その周辺の様子を取り上げましたが、その隣駅でもあるセントラルパーク駅周辺はMAKIKYUの訪問時に博覧会(2009仁川世界都市祝典)が開催されていた事もあって、大勢の人出で賑わっていました。

MAKIKYUも仁川メトロ延伸区間乗車の後、当初は予定していなかった2009仁川世界都市祝典も見物して来たのですが、この会場へのアクセスとしては当然仁川メトロ1号線も大きな役割を果たすものの、バス大国の韓国だけあって路線バスも会場周辺で多数が発着しており、仁川市内路線だけでなく近郊都市からの直通便まで見受けられる状況でした。

仁川市内の路線バスは、ソウル市と同様に路線の性質毎に車両の塗装を分けた車両が多数活躍しており、一般バスではソウルの幹線(ブルーバス)と類似した印象を受ける青一色の車両(行先案内の様式などが異なりますので、ソウルのバスとは何となく雰囲気が異なるのですが…)が多数走り回っている姿を見かけたものです。

これに加えKORAIL京仁電鉄線(1号線)の東仁川(Dong-Incheon)駅へ向かう908番や、同線の松内(Songnae)駅へ向かう909番の市内バスでは、ソウル市内では見かけない紫色1色に塗られた現代AEROCITYの新タイプ車両が活躍する姿を目撃しています。

こちらは2段ステップでシフトレバーもロッド式と、日本であれば一昔前のバスを連想させる部分もありますので、ノンステップ車に比べると見劣りする面もありますが、車内は背もたれの大きな座席が通路を挟んで2列ずつ並び、着席重視のハイグレード仕様となっています。

座席配置故に一般の市内バス車両に比べて乗降性はやや劣り、日本の大都市圏を走る路線バスに例えると、神奈中の元スヌーピーバスや、名鉄バスの古参車などに近い雰囲気を感じるものですが、座席にありつければ非常に快適な乗り心地を堪能する事が出来ます。

これも座席バスとして、一般バスより大幅に高額な運賃を支払うのであれば、敢えて高い運賃を支払って…とも思ってしまいますが、系統番号900番台の紫色バスは「急行幹線」という区分のバスで、一般バス(幹線)運賃が900W(現金利用時1000W)なのに対し、急行幹線バスの運賃はMAKIKYUが乗車した際は一般バスと同額でした。

仁川広域市HPの交通案内の項でも950W(現金利用時1100W)と案内しており、一般バスと同額、或いは僅かな運賃差でハイグレードな車両に乗れる事を考えると、そこそこの距離を乗車するのであれば、是非乗車したいバスと言えます。

写真は東仁川駅へ向かう908番で、2009仁川世界都市祝典の会場に向かう前に撮影したもので、その後MAKIKYUが会場を後にしてバスに乗る頃には21時を過ぎ、外は当然真っ暗でしたので乗車車両の撮影は出来ませんでしたが、地下鉄で来た道をそのまま引き返すのでは面白みがなく、908番か909番のバスが来たら是非…と思って会場近くのバス停(U-City換乗センター)で待っていたら程なく現れ、乗車した松内駅行の909番も行先表示こそ異なるものの同形の車両で、1時間弱の乗車を堪能したものでした。

またこのバスに限らず、U-City換乗センターで目撃した市内バスの中には、韓国では一般的な運賃箱(ただの箱・ICカード読取器は運賃箱とは別個に設置)ではなく、ICカード読取器と一体になった投入金額検知可能な新型運賃箱を装備した車両を何台も見かけたものでした。

MAKIKYUが韓国でこの手の運賃箱を見かけたのは、昨年10月の仁川が初めてで、ソウルや釜山などで10月に乗車したバスは一般的な箱でしたので、まだまだ少数派かと思います。

韓国でも今後各都市でこの様な運賃箱の導入が進むのかも気になる所ですが、これだけの機能を備えても韓国の一般的な運賃箱と大差ない大きさで収まっている所を見ると、日本の自動両替装置付(或いは釣銭払出)運賃箱ももう少し小型になっても…と感じたものでした。

写真は仁川市内バス908番と、909番バス車内の運賃箱です。


仁川メトロ・国際業務地区駅とその周辺~まだ開業したばかりの駅前は…

2010-02-06 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先月「MAKIKYUのページ」で取り上げた韓国の仁川メトロは、MAKIKYUも昨年10月に訪問した際、昨年開業したばかりの東幕(Dongmak)駅以南の松島(Songdo)新都市方面への延伸区間にも乗車する機会がありました。

東幕以南の松島新都市方面はこれからの開発が期待されるエリアで、地下鉄の利用客も現状ではまだまだ…といった雰囲気が感じられましたが、終点の国際業務地区駅の一つ手前にあるセントラルパーク駅近くでは訪問時に博覧会(2009仁川世界都市祝典)が開催されていた事もあり、ここまでは車内もそこそこ乗客の姿が見受けられたものでした。

しかしながらセントラルパークを出ると、終点の国際業務地区駅までの一駅はガラガラ、列車を降りると東幕以南の新規開業区間各駅に共通する事なのですが、ガラス張りのホームドアが装備された如何にも最近の地下鉄駅と言った雰囲気でした。

 
国際業務地区駅では改札を出ても人の姿は殆ど…という状況、それに韓国はバス大国だけあって殆どの駅では幾つかの市内バスが接続し、その案内も出ているのですが、バスの案内も見当たらない状況でした。

それどころか地上へ上がる出口付近には、足元に注意する様に書かれた告知(韓国語)まで出ており、地上に上がる前から凄まじい所に来たという雰囲気を感じましたが、地上に上がると駅入口を出た途端、道路の歩道部分は舗装されていない箇所が存在している有様でした。


雨で足元がぬかるんでいる時は一体…と感じてしまう程で、駅前も空き地と工事現場ばかりと、開発が急ピッチで進む中国の地下鉄新線沿線かと錯覚してしまう有様で、まだ韓国にも首都圏でこれだけの開発余地があるのかと感心させられる程でした。

MAKIKYUは来た道をそのまま返すよりは、帰りは別ルートを使う方が好きな事もあり、そのまま地下鉄で引き上げるのも…という事で、国際業務地区駅では市内バスへの乗り継ぎもままならない事から、隣のセントラルパーク駅周辺まで、工事現場が続く松島新都市の中を歩いて移動したのですが、この一帯はこれからの発展が大いに期待出来そうで、もし何年か後に再び訪れる機会があるならば、どれだけ変貌しているのだろうか…と感じたものでした。

 
ちなみに国際業務地区駅の隣駅でもあるセントラルパーク駅周辺は、MAKIKYUの訪問時には2009仁川世界都市祝典(現在は閉幕)が開催されていた事もあって、大勢の人出で賑わい、バスも多数発着している状況で、国際業務地区駅周辺とは大違いでしたが、こちらに関しては近日中に別記事で取り上げたいと思います。


JR東日本 キハE120形気動車~紛らわしい形式名の新鋭気動車

2010-02-04 | 鉄道[東北]

先日「MAKIKYUのページ」では、仙台~新庄間を走る観光列車「リゾートみのり」号に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月この列車には新庄からの上り列車に乗車し、それまでの時間が結構ある事から、幾つかの寄り道をしており、その一つとして奥羽本線(山形線)の米沢駅から出ている米坂(Yonesaka)線にも一部区間を乗車する機会がありました。

米坂線は名前の通り、米沢と日本海側の羽越本線に接続する新潟県の坂町を結ぶ路線で、山形・新潟の県境を跨ぐ同線は単線・非電化の典型的なローカル線で冬場は豪雪に見舞われる山間地域を走り、MAKIKYUが先日米坂線に乗車した際も、除雪の為に一部区間が計画運休(代行バス輸送)となる列車が存在する程でした。

路線条件が影響してしてか、比較的最近まで2エンジンという事で旧式のキハ58形やキハ52形といった気動車が活躍していた事でも有名で、この様な車両を用いているが故にワンマン運転も実施されないなど、旧態依然とした国鉄ローカル線の雰囲気が色濃い状況でした。

しかしながら老朽気動車をいつまでも使い続けるわけには行かず、昨年春のダイヤ改正で新系列気動車への車両取替えと、ワンマン運転(JR東日本では極一部の列車に限定してのワンマン運転を行う路線が多いですが、米坂線では大半の列車が対象となっています)の実施という大刷新が行われています。


米坂線大刷新に伴う新系列気動車は、新潟地区配属の既存キハ110系列も用いられるとはいえ、これだけでは所用数が不足する事から、キハE120形と呼ばれる新鋭気動車が導入され、米坂線大刷新が行われる少し前の一昨年秋頃から新潟地区で走り始めており、MAKIKYUは先日同形に初めて乗車する事になりました。

この車両は水郡線に導入された新型気動車・キハE130系列と殆ど変わらず、同形との構造上の違いは客扉数(キハE130系列は3扉・キハE120形は2扉)と、これに伴う座席数や配列の違い程度で、現段階ではキハE130系列とは異なり、単行運転可能な両運転台車のみが存在します。

 
車内の様相なども外観と同様、キハE130系列とほぼ同じですので、キハE130系列同様の黄色く塗られた客ドアを除くと、最近のJR東日本新鋭車両の典型といった雰囲気が漂っており、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」に乗り慣れたMAKIKYUとしては、余り目新しさはないと感じたものです。

しかしながら水郡線のキハE130形に負けない派手な装いと、側面中央付近にあるロゴが、米坂線をはじめとする新潟地区用の新型車である事を強くPRしており、水郡線のキハE130系列と同様にキハ110系列との併結も可能で、水郡線では車両入れ替え時に一時的に見られただけの異車種併結が頻繁に見られる点も、新系列ながら見ていて面白みを感じるもので、MAKIKYUがキハE120形に乗車した際も、キハ110形と併結した2両編成でした。

 
またほぼ同様の車体を持つ両運転台の新型気動車でも、小海線を走るハイブリッド気動車・キハE200形(実態は発電エンジン搭載を搭載し、非電化区間自力走行可能な集電装置なし電車いった方が良い車両です)はキハE120形の様な扉配置ながら、キハE130系列やキハE120形とは異なり、ローカル線向けワンマン運転用気動車では一般的な片開き扉となっていますので、車両端に2つの両開き扉という形態は独特です。

同種の事例は特殊用途の改造車(JR九州のキハ220形「なのはなDX」指定席車)を除くと、他にはJR西日本の姫新線用新型気動車・キハ127系列程度で、今後この手のローカル用車両が各地で増殖するのかも気になる所です。

ただJR東日本では構造上多客線区での乗降性に難があり、混雑時間帯における列車遅延が常態化して問題となってキハ110系列が他線区転出となった水郡線以外にも、3扉の気動車が走っても良さそうな路線が幾つもあるだけに、この形式を増備するのであれば、むしろキハE131・132形の増備→キハ110系列の捻出の方が、老朽気動車の取替えには有用と感じるだけに、今後キハE120形の増備が行われるのか、それとも少数派に留まるのかも気になる所です。

それにしてもキハE120系という形式は、「E」を外してしまえばJR各社の中でも貧相の極みと言っても過言ではない車両(運行路線やその運行形態が、尚更問題ありなのですが…)と同形式になってしまい、紛らわしい事この上ない形式名ですので、形式付番も何とかならないかと感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?
(キハE130系列は現役のJR他社車両との番号重複はないにしろ、キハE200形も同様で、「200」の方は結構好印象な車両だけにまだしも、「120」というのは余り好印象を持てない事から尚更です)

ちなみにこの記事中で触れてい水郡線用の新型気動車キハE130形キハE131・132形と、小海線用ハイブリッド気動車キハE200形に関しては、以前取り上げた記事がありますので、これらの車両がどんな車両?と思われた方は、こちらの記事も併せてご覧下さい。
(各形式名をクリックすると、該当記事にリンクします)


JR東日本 キハ48形「リゾートみのり」~陸羽東線を走る観光列車

2010-02-03 | 鉄道[東北]

先月MAKIKYUは、冬の青春18きっぷが有効期限(1月20日)間際まで残っていた事もあり、この18きっぷ残り分を使って東北へ出向く機会があったのですが、その際には「リゾートみのり」と呼ばれる観光列車にも乗車する機会がありましたので、取り上げたいと思います。

「リゾートみのり」は、国鉄時代から使用している既存の旧型気動車・キハ48形気動車を改造した「みのり」と呼ばれる専用車両を用いた観光列車です。

 
主に仙台~新庄間(陸羽東線経由)で運行していますが、平日の運転日は仙台へ直通せず、小牛田~新庄間の陸羽東線内のみの運行となる日も多く存在し、車両が1編成のみという事もあって、列車自体が運休となる日も存在するのは要注意です。

またJR東日本ではキハ48形を改造した観光列車は「みのり」以外にも幾つか在しており、これらは全て現在3両で1編成を構成し、これらは装いこそ各編成毎に大きく異なるものとなっていますが、形状はどれも類似した印象を受けるものですが、一昨年秋に走り始めた「みのり」は、その中でも最新の部類に入ります。

他のJR東日本で活躍するキハ48形改造観光列車は、中間車両の座席をグループ客向けのボックス席にしているのに対し、「みのり」は3両全車が回転式リクライニングシートとなっている点は、設備面での一つの特色と言えます。


このリクライニングシートは、座席自体は特急普通車や首都圏普通列車のグリーン車などとほぼ同レベルのグレードながらも、座席間隔が特急普通車などに比べて広く取られているのが特徴(座席間隔は特急グリーン車並の様です)で、車内ではゆったりと過ごせます。

内装も沿線のもみじを基調とした座席モケットに木目調の化粧板、黄色味を帯びた照明など、温かみを感じる雰囲気は好感を感じたもので、指定席とはいえ快速列車の普通車にしては、居住性はかなり優れていると感じたものです。

「みのり」は観光列車だけあって、3両の通常運行(物理的には1両減車しての運行も可能な筈で、閑散期の平日などはそれでも充分な状況ですが、現状では2両での営業運転は行われていません)で両端となる車両の最前部(或いは最後部)は、展望スペースを設けているのも一つの特徴で、他に現段階の運行では中間車となる2号車にも、モニターなどを設置したフリースペースがあります。


展望スペースには最前部などの様子が良く見える様に、前向きに配置されたベンチ風の座席が1脚と、車窓を眺めやすい様に窓向きに配したベンチ風座席が2脚設置されており、両座席は似たような雰囲気ですが、後者は背もたれを動かす事が可能でとなっています。

この座席は他のJR旅客各社では当たり前ながらも、JR東日本では少数派の転換式座席となっていますが、ただ背もたれを動かすだけで動くのではなく、ストッパー付きとなっている上に、転換可能である旨を記した案内なども見当たらない状況でしたので、余り活用されていない雰囲気です。
(転換式座席に馴染みの薄い乗客が多い事も、あまり活用されない一因かもしれませんが…)

この転換式座席は私鉄を含めて殆どがクロスシート(座席を枕木方向に設置)なのに対し、「みのり」をはじめとするJR東日本のキハ48形改造観光列車の先頭に設置された座席は、僅かな座席数とはいえ非常に珍しい「転換式ロングシート」となっているのも大きな特徴です。

そして前向きのベンチ風座席に座ると、前面展望もそこそこ楽しめるのですが、前面は種車の原型とは大きく異なる形状に改めているとはいえ、高運転台構造で窓の大きさも上下方向はさほど大きくないのは難点です。

また前向き座席と運転席の間には、乗車記念スタンプが置かれており、鳴子峡通過時の徐行運転(下の写真は徐行運転時に撮影した車窓です)と共に、観光列車らしいサービスは評価できるものです。

 
ただ車内放送でもスタンプ設置の旨は、観光案内などと共に案内されていましたが、通常の列車と同じ様に車掌がマイクでアナウンスする程度で、JR他社の中には数々の観光列車を走らせ、目を見張る車両内外のデザインと共に、客室乗務員が積極的に観光列車ならではのムードを盛り上げている姿を見ているMAKIKYUとしては、両者を比較するとJR会社間でも随分な格差が…と感じたものでした。

乗車した感想としては、客室設備のグレードはかなりのハイレベルで、臨時快速列車の普通車扱いで運転しているだけに、座席指定券さえ購入すれば割安な青春18きっぷ(設定期間内のみ)でも乗車できる列車にしては、かなり乗り得と感じたものでした。

しかしながらせっかく車両形状に手を加え、展望スペースを設けながらも、高運転台構造故にイマイチと感じる前面展望や、観光列車としてのソフト面でのサービスなどは改善の余地ありと感じたものです。

車両構造に手を加えるのは難しく、これは今後の観光列車登場の際の課題といった所ですが、せっかくハイレベルな設備を備えた車両を走らせながらも、それを生かしきれずに「ただの豪華な快速列車」になっていると感じたのは少々残念で、今後人的サービスなどソフト面でのテコ入れに期待したいと感じたものでした。
(これもMAKIKYUが閑散期の平日に乗車した事が一因で、土休日の運行日には観光列車らしい車内イベントなどもある様で、停車駅周辺の観光施設での「リゾートみのり」乗客向け特典などもありますので、全くの無策ではないのですが…)