MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

振子式試験車両・TTXに遭遇

2011-03-30 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先月MAKIKYUが韓国へ出向いた際には、日本からの高速船「BEETLE」が発着する釜山(Busan)や、首都Seoulとその近郊の京畿道(Gyonggi-do)以外に、地方の幾つかの都市にも足を運ぶ機会がありました。

幾つか足を運んだ地方都市の一つに、忠清北道(Chungcheon-bukdo)の提川(Jecheon)市という街があります。

提川市自体はさほど規模の大きい街ではなく、有名な観光地を抱えている訳でもありませんので、外国人旅行者が足を運ぶ機会は限られますが、KORAILの中央線が南北に走り、また東へ向かう太白(Taebaek)線の起点でもあるなど、鉄道の要衝になっています。
(西へ向かう忠北線は、ややSeoul寄りの鳳陽(Bongyang)が終点ですが、旅客列車は中央線に乗り入れて提川発着となっており、提川は実質的に東西南北4方向へ向かう路線のジャンクションになっています)

そのため提川駅では様々な旅客・貨物列車の姿を見る事が出来るのですが、MAKIKYUが提川を訪問した際には通常姿を見る事が出来る車両だけでなく、神出鬼没の試験車両にも遭遇する事が出来ました。

  
この試験車両がTTX(Tilting Train eXpress)と呼ばれる車両で、編成は両端車が特室(グリーン車相当)の6両編成ですが、広域電鉄以外のKORAILでは極めて少数派の動力分散式電動車(EMU)というだけでも希少な存在です。

その上韓国の旅客用車両ではまだ実現していない振り子式車両と言うのも大きな特徴で、パンタグラフや台車などを見ると、如何にも振り子式車両という雰囲気を感じたものです。

またMAKIKYUがTTXに遭遇した際には提川から乗車予定の忠北線列車もEMU(提川発着は1往復のみで、運行経路も注目の列車です)で、駅構内に足を踏み入れた際には、MAKIKYUの乗車列車とTTXが隣同士で並んでいたため、2種類のEMUが並ぶと言うKORAILの列車線では非常に珍しい光景も見る事が出来ました。

MAKIKYUはTTXの存在自体は以前から知っていましたが、神出鬼没の試験車両だけに、遭遇できるとは思ってもいませんでしたので、たまたま提川駅発の忠北線EMU乗車狙いで訪れ、遭遇できたのは予想外の大収穫でした。

今回のTTX遭遇では提川駅構内で転線のためにゆっくりと動く姿も目撃でき、MAKIKYUが提川駅から乗車したEMUを連想させる、如何にも今風のVVVF車といった起動音なども聞く事が出来ましたが、振り子式電車も試作だけに留まらず、TTXの試験結果を基にした旅客用車両の登場を期待したいと感じたものでした。


Seoul・南山を走る充電式電気バス~ユニークな形状にも注目

2011-03-24 | バス[大韓民国]

先月MAKIKYUが韓国を旅行した際には、Seoul市内でソウルタワーなどがある事で知られる南山(Namsan)にも久々に足を運んだものでした。

南山へのアクセス手段としてはロープウェイ(現地では南山ケーブルと称しています)が有名で、ロープウェイであれば韓国旅行は初めてという不慣れな方でも、比較的簡単に利用できるものですが、この他に市内バスでアクセスする方法もあります。

路線バス利用となると、路線や停留所を把握するには、ハングルが読めないとやや厳しいかもしれませんが、運賃の安さは大きな魅力(桁が一つ違う位大きいです)で、しかもT-moneyなどのICカード利用では地下鉄と乗り継ぎの場合、運賃が通算されるのも大きなポイントです。


この南山へ向かう市内バスは、南山を基終点として、地下鉄の忠武路(Chungmuro)駅などを経由する路線が幾つか存在しており、系統によっては南大門市場(Nandaemun-sijang)や明洞(Myeongdong)なども経由していますが、南山の道路は道路幅が限られた山道で一方通行となっている事から、片方向(時計回り)の循環路線となっている事が特徴です。

その中でもMAKIKYUが乗車した路線は、02番と呼ばれる路線で、7時頃から23時過ぎまで、概ね15分間隔程度で運行していますので、Seoulの市内バスにしては本数は少なめの部類に入るものの、日本の路線バスを利用し慣れた身としては、比較的至便に感じるものです。

この路線はSeoul市が路線性質別に塗装を区分している中でも、比較的少数派の「循環型」と呼ばれる路線になっており、一般路線車は余り見慣れない黄色1色のバス(南山発着の黄色いバスは、何故か大宇製ばかりでした)が走っている事も特徴ですが、これに加えて最近になって充電式電気バスも加わっています。

  
充電式電気バスは起終点となる南山で充電を行い、韓国の市内バスにしてはさほど距離の長くない循環路線を走って南山へ戻った後、再び充電といった運用になっている様でした。

南山ではMAKIKYUが乗車した充電式電気バス以外にも、充電中の車両が停車している姿を目にしたもので、中には営業用のナンバープレートをつけておらず、密陽(Miryang)市長と書かれた手書きの仮ナンバーに、「試験運転」とハングルで書かれた紙を掲げた車両も目撃しており、まだ路線車として納車されておらず、試験走行に供されている車両の姿も見かけたものでした。


バスへの充電は、南山のバス折り返し地点に専用の充電設備が設けられており、車両右後方(韓国は右側通行で左ハンドルですので、日本のバスの左後方に近いイメージです)の給油口の様なフタ(日本でこの位置に給油口のあるバスは少数派で、むしろ尿素水(AdBlue)の注入口を連想する方も居られるかと思います)を開き、これまた給油用ノズルを思わせるノズルを差し込んで行っていました。

中国・上海で活躍している充電式トロリーバス(バス停停車時にパンタグラフを上げ、バス停部分の車両上部にだけ設置された架線から集電、この電力を蓄電池に充電して走行します)程の迅速な充電は出来そうにない雰囲気ですが、1充電で結構な距離を走れそうな雰囲気でしたので、起終点である程度の充電時間が確保できれば、充電箇所が少なくて済むノズルによる充電方式も有用で、今後どの程度普及するのか気になる所です。

 
また充電式電気バスはメカニズム的に特殊な車両と言うだけに留まらず、白と緑色の装いに、イラストなどが描かれており、単色のバスがゴロゴロしている中では、装いだけでも非常に目立つものとなっています。

これに加えて車両自体も既存路線車とは大きく異なり、ピーナッツを模した非常にユニークな形状となっているのが特徴ですので、素人目でも一目で特殊なバスである事が一目瞭然といった状況で、特異な低公害車を強くPRする事に一役買っています。

MAKIKYUが乗車した02番では、2~3台に1台程度の割合で充電式電気バスが充当されている様な雰囲気で、運賃も一般路線車で運行される便と同額で乗車できます。
(ただ地下鉄や他のバスと乗り継ぐ際は、一定時間を越えると乗継割引の適用対象外となりますので要注意です)

もし市内バスで南山へ足を運ぶ機会があるならば、是非選んで乗車したいバスですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もSeoulへ足を運ぶ機会がありましたら、ユニークな形をした充電式電気バスに乗車してみては如何でしょうか?


KORAILの新しい高速列車・KTX 山川(3)~特室車内などの様子

2011-03-21 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げたKTX 山川車内の様子ですが、今日はその続編として特室車内の様子などを取り上げたいと思います。

特室は日本のグリーン車に相当する車両で、両端の機関車間に客車を8両組み込んでいるKTX 山川では1両だけ連結されています。


この車両は座席が2+1列の横3列となっており、側面化粧板にも木目を用いるなど、見るからに一般室と比べて豪華な車両と言う雰囲気を漂わせています。

MAKIKYUがKTX 山川に乗車した際は、一般室の座席確保すらやっと…という状況で、特室は満席だった事もあって、こちらには乗車していませんが、東大邱(Dong-Daegu)駅で停車している車両の車内を視察したものでした。


特室の座席は電動リクライニング機能が装備されているなど、特室でも背もたれと座面が一段階前にせり出すだけで、座席の大きさや空間はそこそこ確保されていても、座席自体の出来栄えはムグンファ号や日本のJR新幹線・在来線特急の普通車以下と言わざるを得ないフランスTGVベースの既存KTXに比べると、設備面では随分改善されたのでは…と感じたものでした。

しかしながら座席こそ横3列とはいえ、座席の豪華さで定評あるセマウル号に比べると、見劣りすると言わざるを得ないと感じたのも事実で、リクライニング角度もさほど大きいと感じるものではなかっただけに、電動リクライニング機能装備の意義もどれほどあるのか気になったものでした。


またKTXでは各車両のデッキに補助椅子を設けており、日本では補助椅子と言うと、専ら座席指定不要の列車に装備されているものと言う印象がありますが、この座席も既存KTXでは枕木方向に設けられており、進行方向次第では逆向きに座る事になります。

KTX 山川でもこの種の補助椅子があるのですが、これに加えてレール方向を向いて座る補助椅子もあり、進行方向に関わらず逆向きに座る心配がないと言う点では評価できるかもしれませんが、全座席比率に占める割合は僅かとはいえ、高速列車でロングシートというのは非常に違和感があります。

しかも窓なし座席と言うおまけ付きですので、これでもデッキで立ち続けるよりはマシかもしれませんが、余り有り難くない座席と感じたものでした。

KTX 山川は既存KTXに比べると、車内空間の狭さや座席などが大幅に改善され、KTXを利用する際には是非時刻表で「山川」と記された列車を選んだ方が…と感じたものですが、設備面では豪華さで定評あるセマウル号はおろか、一般室では運賃の割には比較的高レベルの設備を誇るムグンファ号にも劣ると感じたものでした。

そのため韓国の列車旅を楽しむ列車と言う点では、割安な運賃と高レベルの車内設備を誇るセマウル号やムグンファ号などの一般列車に軍配が上がる所です。

しかしながら京釜間(Seoul~釜山間)で2時間半程度(列車によって所要時間差有り)、Seoul~東大邱間に至っては2時間以内と言う圧倒的な速さを誇っており、一般列車との乗継割引(KTXと乗り継ぐ1列車のみが対象で、一般列車の運賃が4割引になります)もありますので、今後も旅程に応じて両者を使い分けたいと感じたものでした。


KORAILの新しい高速列車・KTX 山川(2)~一般室車内などの様子

2011-03-16 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先月MAKIKYUが韓国へ出向いた際に乗車した高速鉄道(KTX)の新型車両・KTX 山川(Sancheon)ですが、この車両は両端が動力車となっており、その間に連接構造となった客車が8両挟み込まれています。
(両端の機関車と客車の間は連接構造にはなっていません)

この客車8両の中に1両だけ特室(グリーン車相当)が組み込まれているものの、他の客車は一般室(普通車相当)になっており、MAKIKYUが乗車したのは客車の大半を占める一般室の方でした。
(需要の多い日曜日夕方のソウル方面で、乗車時間3時間前に乗車券を購入した事もあり、乗車した列車は2編成併結でも通路側で1席だけの空席、選択の余地はなく乗れただけ上等と言う状況でした)


この一般室はフランスTGVベースの初代KTXが、客室設備の面で非常に不評(特に一般室)だったため、不評だった問題点の数々を解決した事を謳っており、車体幅拡張に伴う圧迫感軽減や、座席の前後間隔(シートピッチ)の拡張などが行われています。

そして初代KTX一般室では本家フランスのTGVと同様に座席の方向回転・転換機能がなく、半数が進行方向と逆向きに座る事になり、この事が不評を買った最大の要因にもなっていますが、KTX 山川では大半の座席で全席回転式リクライニングシートを採用する事で、この問題を解決しています。
(TGVの本家・フランスではこの方式が当り前で、韓国輸出に当たっても太鼓判を押したらしいですが、この座席の不評は運行開始前から懸念されていた様で、契約上手直しが出来ない期間は過ぎている事から、具体的発表こそ聞かないものの、今後座席の取替えなども見込まれている様です)


ただこの座席はシートピッチこそムグンファ号と同レベル(980mm)が確保されているものの、初代KTXを連想させる引き出し式テーブルの収納スペースが8cm程の厚さがあります。

その上座席下部は若干の空間が設けられているとはいえ、足を大きく伸ばせる程ではありませんので、シートピッチの割にはやや狭さを感じるもので、ムグンファ号タイプの座席+肘掛にテーブルor日本のJR新幹線・在来線特急で一般的な背面テーブルであれば…と感じたものでした。

そのため初代KTXの一般室よりは随分改善されたとはいえ、座席の改善を謳っている割には、KORAILの一般列車に比べても…という程で、その上KTXの運賃設定は最上級に属しますので、高速移動が目的でなければ、KTX 山川よりもムグンファ号などの一般列車に乗った方が良いのではと感じたものでした。
(特に高速線を走らず、一般列車と同じ線路を走る東大邱(Dong-Daegu)~馬山(Masan)間など)

まして3人掛け座席を回転させる関係もあって、普通車でもシートピッチが広く確保され、足元も広々としている日本の新幹線に比べると、普通車/一般室のグレードに関しては言うまでもなく…と言う所で、KTX 山川乗車の前々日、新横浜~博多間で乗車したJR東海のN700系「のぞみ」号との格差は随分なものと感じたものでした。


またグループ利用で向かい合わせで利用する事も想定して、一部はテーブル付きで簡単なガラスの仕切りもあるセミコンパートメントとなっており、列車の性質や設備などは全く異なるものの、この区画はMAKIKYUがKTX 山川乗車前日に乗車したJRのキハ72形気動車(特急ゆふいんの森号)を連想したものです。
(余談ながらKTX 山川が発着する釜山駅と、ゆふいんの森号が発着する博多駅は、直線距離で200km程度しか離れておらず、両都市間は高速船で約3時間で移動できますので、国は異なるとは言えども比較的至近距離にあります)

 
このセミコンパートメントの設置をはじめ、車内には飲み物やスナック類などを販売するコーナーもあるなど、設備面で多様なニーズに応えるという面では、車内に同種座席だけを並べて座席で埋め尽くし、収容力一辺倒で画一感が否めないJR東海の新幹線車両にはない特色が見受けられます。


また車内案内表示装置も、最近ではLCDモニター採用が多く見られる中で、新幹線に関しては未だにLED文字スクロールばかりと言う中、KTXに関してはKTX 山川だけでなく、TGXベースの初代KTXでもLCDモニターを採用している点も評価できる所ですが、KTX 山川は最新型にも関わらず、LCDモニターの設置方法がが如何にも後付けという印象が否めないのは惜しい限りです。

特室車やデッキの様子などは、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


終焉を迎える九州の485系~派手な装いも見納めに…

2011-03-12 | 鉄道[九州・JR]

昨日東北地方太平洋側を中心に、東日本大震災とも言われる程甚大な被害をもたらし、未だに被害状況の全貌すら把握できない大地震が発生しており、地震被害に遭われた方にはお見舞い申し上げる次第です。

現在日本国内ではこの地震関連情報が次々と報じられ、先月発生したニュージーランド・クライストチャーチを中心に大きな被害を出した地震ですら影に隠れてしまいそうな状況ですので、今日はJR九州で九州新幹線の全線開業を迎え、九州新幹線こそ始発から通常運転を開始したものの、開業記念の祝賀イベントなどは全て中止となっています。

地震の震源や被災地から遠く離れた九州内でも、津波警報発令の影響で海沿いを走る在来線で運転見合わせが相次ぐなど、強風で運転見合わせが相次いだ昨年末のJR東日本・東北新幹線新青森延伸開業時と同様に、大波乱の状況でスタートとなりましたが、これに伴って在来線各線区でも特急「リレーつばめ」号の廃止など、列車運行体系の大きな変化などが見られます。

また特急「リレーつばめ」号などの廃止に伴い、捻出される787系電車が九州内の他列車に転用されるため、玉突きで古参485系が九州内定期列車での運用から退く事になり、予定では運用の都合上、ダイヤ以降を挟んで今日までの運行となっています。
(地震の影響で運休区間・列車などが相次ぎ、状況が変わっているかもしれません)

このJR九州の485系は、MAKIKYUも乗車したのは昨年6月に特急「きりしま」号で乗車したのが最後で、この時に乗車した緑色の塗装は既に見納めとなっています。

しかし485系が活躍する姿は、先月MAKIKYUが高速船「BEETLE」で韓国へ足を運んだ際にも、その道中で九州内を少し寄り道をして、大分駅などで姿を目撃しており、その際の様子を取り上げたいと思います。

九州の485系といえば、まず真っ先に連想するのが「真っ赤な装い」に改められた車両で、車内もシックな印象に改められるなど、旧国鉄からの継承車両と言えども、MAKIKYUとしてはJR他社にはない強烈な印象が思い浮かび、これも最初は「赤いかもめ」から始まり、一時期は「赤いみどり」という異様な状況が見られたのも懐かしの思い出話です。


近年では特定列車用の装いを纏った車両が、他列車で使用される事も常態化というJR九州の車両運用を反映してか、どの列車に充当しても違和感のない汎用の「RED EXPRESS」ロゴが一般的な姿となり、日豊本線を走る特急「にちりん」号などが主な活躍舞台となったものでした。
(787系や885系のロゴが最近次々と変わっている様を見ると、歴史は繰り返されるものと感じさせられます)


この「RED EXPRESS」塗装は、一時期古参のボンネット型先頭車にも登場して注目を集めていましたが、活躍車両数が少なくなった近年では専ら「電気釜」と呼ばれるスタイルの車両が活躍し、国鉄末期移行の短編成・高頻度運転化に対応して中間車を先頭車化改造した車両も
多く活躍したものでした。


また「RED EXPRESS」塗装と共に、短い3両編成では一時期特急「ハウステンボス」号として活躍した車両が、赤と共に青や黄色といった原色をふんだんに使った非常に派手な装いのまま、ロゴを「K&H」(きりしま&ひゅうが)に書き換えて活躍したのも特徴的でした。


「K&H」というロゴを掲げながらも、きりしま号やひゅうが号だけでなく、にちりん号での運用も常態化しており、別府駅や大分駅で「白いかもめ」塗装の885系ソニック号と肩を並べる姿などは、如何にもJR九州らしいものでした。


こちらは以前特急「ハウステンボス」号で活躍している頃に乗車する機会はあったものの、日豊本線への用途転用後は乗車機会がないまま最後を迎えてしまいましたが、「RED EXPRESS」と共に、こちらの活躍ぶりも記憶の片隅に留めておきたいものです。

あとこの他にダイヤ改正後もイベント列車用にしばらく残ると言われており、旧国鉄標準塗装を纏った485系の姿も目撃していますが、こちらに関しては後日別記事で追って取り上げたいと思います。


東北地方太平洋沖地震に遭遇された方へ

2011-03-11 | Weblog

今日は東北地方太平洋沖地震が発生し、東北地方太平洋側の福島県浜通り~宮城県~岩手県三陸地方を中心に、地震や津波などで非常に大きな被害が発生しています。

MAKIKYUは横浜市内で仕事中に地震に遭遇したのですが、震源から遠く離れた横浜ですら相当な揺れを感じると共に、その後の停電発生や相次ぐ公共交通機関の運転見合せなど、首都圏でも様々な影響が出ている位です。

まして東北地方の太平洋側一帯では被害の全貌すら掴めない程で、現在報じられている限りの情報だけでも、地震発生後の津波による影響が激甚で、地震規模では1995年に神戸市周辺を襲った阪神・淡路大震災を遥かに超えると言われています。

地震に関連した被害の大きさも阪神・淡路大震災以来の大惨事かと思いますが、地震被害に遭われた方にはお見舞いを申し上げると共に、不幸にも亡くなられた方の冥福をお祈りしたいと思います。


写真は地震や津波、火災などで市街地に大きな被害が発生し、駅舎も損壊したと報じられている気仙沼市の玄関口・南気仙沼駅、昨年夏に訪れた際の1枚ですが、早く写真の様に平静な毎日が戻ることを願いたいものです。


KORAILの新しい高速列車・KTX 山川(1)~外観編

2011-03-10 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先月MAKIKYUが韓国を訪問した際には、旅行の計画段階から昨年秋に開業したKTX専用高速線の京釜高速鉄道2期線(東大邱[Dong-Daegu]~釜山[Busan])と、やはり昨年に営業運転を開始したKTXの新型車両・KTX 山川(Sancheon)には是非乗車したいと思っており、先月韓国を訪問した際には、その双方の目的を共に達成する事が出来ました。

KTX 山川は両端に動力車を配した動力集中方式で、中間の客車は連接構造の付随車となる点では、フランスTGVをベースにした既存のKTXと同様です。


しかしデザインや客室設備は既存KTXと大きく異なっており、「ヤマメ」をイメージしたデザインは独特で、前面窓が大きな1枚窓となっている点では、TGVシリーズの比較的新しい車両(MAKIKYUは実車を見た事はありませんが…)を何となく連想したものです。

また編成は動力車を含めて10両と、既存KTXの約半分の長さしかなく、列車によっては2編成併結での運用を行う事で、既存KTX並みの輸送力を確保しています。


分割併合を行う事も影響したのか、LEDを用いた側面の行先表示も日本の新幹線(特にN700系は際立っていますが…)程ではないものの、表示内容が既存KTX(行先(ハングル・英文)・列車番号のどれかを表示するだけで目一杯で、これらを交互に表示している状況が貧相過ぎるのかもしれませんが…)よりはるかに充実したのも評価できる点です。

編成が短いことから、利用の少ない列車は1編成のみで運行したり、途中駅で2方向に分かれる列車を設定する事で、過密区間の列車密度を高めなくても、輸送力を増強できるなど、様々な運用に適応でき、セマウル号用ディーゼル動車を連想する活躍ぶりも特徴です。


前面が流線型である事に加え、既存KTXに比べて大柄で丸みを帯びた風貌は、デザイン的には何となくセマウル号用ディーゼル動車、それも大宇製車両を現代風に進化させた雰囲気も感じ、特に連結器を開いた状態では尚更と感じたものでした。

ちなみに京釜線方面を走るKTX 山川充当列車は、主にSeoul~東大邱~馬山[Masan]間の慶全線方面列車や、この列車のSeoul~東大邱間のみで増結される編成(Seoul~東大邱間では併結して馬山発着列車と全く同じ時刻で走りながらも、運行扱い上は別列車扱い)に充当されており、最も需要の大きい京釜間(Seoul~釜山間)での運用は非常に限られ、釜山にやってくる運用がごく僅かなのは難点です。

釜山に顔を出す僅かな運用も、金・土・日曜などに4往復運転される光明[Gwangmyoeng]~釜山間の臨時列車が主体となっており、おまけに先月発生した光明駅脱線事故(大事に至らなかったのは幸いですが…)の影響で半数が当面運休となっている他、この列車は1編成のみでの運用となっているため、座席数が少なく満席となる事もしばしばと言う状況です。
(光明駅はSeoul市の南に位置する光明市に位置し、自家用車利用者の便宜を考慮した駅ですが、永登浦[Yeongdungpo]駅まで毎時2本程度のシャトル列車が運転されています。
この他近隣の広域電鉄駅へ向かう市内バスが頻発しており、公共交通機関でのアクセスも可能ですが、韓国旅行の初心者には余り利用をおススメできない駅です)

MAKIKYUが韓国を訪れた際も、釜山から入国した訪問初日にSeoulまでKTXでの移動を目論んだものの、混雑する日曜日と言う事もあって光明駅発着の臨時列車はあいにく満席、釜山からのKTX 山川乗車は叶いませんでした。

ただ列車の空席状況を乗車券自動券売機(これだとハングルが読めれば、韓国語での会話なしで目当ての列車の空席状況を容易に調べられ、乗車券購入時の1%割引特典も嬉しい限りです)で確認すると、東大邱~Seoul間では同区間の列車こそ満席だったものの、何故か馬山からやってくる車両に1席だけ空席が残っていました。

MAKIKYUは迷わずこの1席を購入すると共に、釜山~東大邱間は高速新線を経由する既存KTXに乗車する事で、先月の旅行で目論んでいた2つの目的を達成する事が出来たものでした。

ちなみに韓国の運賃制度は日本のJRとは異なり、列車種別毎に㎞当たりの賃率が定められていますので、種別毎に定められた最低所要金額に満たない短距離での乗車以外は、途中駅での分割購入でも運賃が殆ど変わらないのも魅力で、今回はKTX同士の乗り継ぎで対象外とはいえ、KTX~在来列車乗り継ぎでは在来列車の運賃割引(KTX1乗車につき、在来列車1乗車のみが対象)が適用されるのも注目点です。


そのため既存KTXで東大邱へ移動し、1時間程の待ち時間には駅構内に停車しているKTX 山川などの様子を眺めながら、乗車するKTX 山川がやってくるのを待つ状況でしたが、既存KTXと並ぶ姿を見ると、まだ歴史の浅い韓国の高速鉄道も急速な発展を遂げ、新たな時代に突入した事を実感させられたものでした。

車内の様子などは、続編記事で近日中に追って取り上げたいと思います。


長崎電気軌道 5000形電車~長崎では2例目の全低床連接車

2011-03-03 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月MAKIKYUが韓国へ出向いた際には、韓国旅行では恒例の「BEETLE」を利用した事もあって、博多港での出入国となっていますが、そのため日本国内の移動距離も相当なもので、むしろ国際航路や韓国内よりも、首都圏~九州間の移動距離の方が長い程です。
(それでも東京~博多間直通の新幹線のぞみ号で約5時間程度ですので、距離の割には訪れやすい所ですが…)

この九州も日頃の生活圏からは大きく離れており、頻繁に訪問する所でもないですので、韓国旅行の前後に九州内も少し廻る事になり、旅行のメインは韓国ながらも、国内旅行とのミックスといった雰囲気でしたが、その際には福岡(博多)からJRの特急「かもめ」号で約2時間程度の長崎にも足を運んだものでした。

長崎は市内交通機関として路面電車が大活躍している事でも知られ、その規模は国内随一の規模を誇る広島にこそ叶わないものの、路線長や車両数、輸送人員などあらゆる点で国内有数の規模を誇っており、また国内最安と言っても過言ではない運賃の安さ(最近若干の値上げがあったものの、それでも120円均一)も注目すべき点です。

この長崎の路面電車は長崎電気軌道という私鉄が運営しており、割安な運賃を維持するために比較的最近まで簡素な運賃箱や、つりかけ式と呼ばれる昔ながらの動力伝達方式を用いた車両ばかりを走らせるなどの特徴がありました。

しかしながらここ最近、バリアフリー化などの時代背景に応えた全低床新型車両の導入をはじめ、県内路線バスで普及しているICカード「長崎スマートカード」の導入と、これに伴う自動両替装置付運賃箱の設置といった動きが見られ、古参車両が多数活躍する状況こそ続いているものの、以前とはやや様相が異なっています。

全低床新型車両は2004年に3000形と呼ばれる3車体連接車が導入され、暫くはこの車両が増備されるもの…と思っていましたが、同形は3編成が導入されただけに留まり、今年に入ってから別形式の全低床新型車両が導入されています。


この車両が5000形と呼ばれる車両で、アルナ車両製3車体連接車という点では3000形と同様ですが、デザインは前面が傾斜した形状の3000形とは大きく異なり、直線的でシャープな印象を受け、最新鋭車両ながらも3000形と同様に行先表示に字幕を用いている点も大きな特徴です。
(余談ながら九州ではJRこそLED採用に積極的ですが、私鉄では大手の最新鋭車でも字幕です)

これに加え装いもグレーに水色などの帯が入る3000形とは対照的に、白と赤の塗装となっており、この装いは色合いや塗り分けこそ異なるものの、全低床新型車両導入前に導入された比較的新しい車体更新車(下回りは旧型の転用)を思わせる雰囲気があります。

それ以前の車体更新車でもアイボリーと赤の装いの電車が活躍していますので、この点では先代の低床車3000形に比べ、長崎の路面電車らしい雰囲気と感じたものです。


車内に足を踏み入れると、グレー系を主体とした色彩の車内は比較的シンプルな印象を受けるものの、化粧板をドア部分だけ異なる色彩とするなどのアクセントが見受けられるのが特徴です。

この新形式5000形は現在1編成のみの活躍で、主に長崎駅前には顔を出さない蛍茶屋~石橋間の5系統で運用されており、MAKIKYUが先月末に乗車した際も5系統での運用でした。

5系統と言うと以前は石橋周辺の電停設置箇所の関係で、前後扉配置の古参車両ばかりが活躍しており、同系統への乗車も久々でしたので、長崎の路面電車も随分変わったものと実感させられたものです。

また5000形は今後も増備が計画されている様ですが、その際には他所から長崎を訪れる観光客の多い長崎駅前や松山町(原爆投下地点の近く)などを通る1・3系統への充当などにも期待したいと感じたものでした。