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御岳登山鉄道のケーブルカーと山上リフト

2013-11-30 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、御岳山の紅葉と、御岳山へのメインルートとなる御岳ケーブル乗り場(滝本駅)へ向かう西東京バスに関して取り上げましたが、今日はその続編として御岳山へ向かうメインルート・御岳ケーブルに関して取り上げたいと思います。


御岳登山鉄道は、JR最寄り駅の御嶽駅からケーブル乗り場へ向かう路線バスを運行する西東京バスと同様に、京王グループに属しており、この事も影響しているのか、車両内には「京王重機 2008」のプレートも見受けられたものでした。

大手私鉄系ケーブルカーでは、新造や改装等で系列会社が絡んでいる事例が他にも幾つか存在し、この様なプレートを見ると、如何にも大手私鉄系列の事業者である事を実感させられます。

 
車両は路線の中間地点のみが複線、ここで行き違いを行う交走式ケーブルカーの典型路線だけあって2両が運行しており、一方は「日出」・もう一方が「青空」という愛称を持ち、前者は黄色・後者は水色と大きく異なる装いになっています。


現行車両は2008年に導入され、全国各地を運行するケーブルカーの中でも割合新しい部類に入り、車内も割合綺麗な印象を受けたものでしたが、3枚窓の前面スタイルはやや古風で、外見はあまり新しい車両と言う雰囲気ではないと感じたものです。

このデザインは敢えて先代車両の印象を残した事も影響しているかと思いますが、見た目だけなら20世紀末に導入された車両を運行している路線の方がモダンな印象が…と感じる方も少なくないかと思いますし、評価は大きく分かれる所かと思います。


この手のケーブルカーは、始発駅付近にも土産物屋や飲食店などが多数連なり、駅周辺を散策する事自体が一つの観光になると言っても過言ではない路線も多数存在しますが、御岳ケーブルの場合は最寄り駅からもそこそこの距離がある上に、始発駅(滝本駅)周辺もバス乗り場や駐車場などがあるだけで、侘しい雰囲気が漂っているのも大きな特徴です。

空いている時であれば、多少鄙びた雰囲気もたまに訪れるのには…と思いますが、MAKIKYUが訪問した際には紅葉シーズンの祝日だけあり、路線バスを下車した後の乗車待ちだけでも相当な行列、ケーブルカーは臨時便増発でフル運行体制でも30分程度の待ち時間(自家用車利用だとこれに駐車場待ちが加わり、更に待ち時間が増えます)を要したのには少々閉口させられたものでした。
(同行者が居れば、同行者と会話でもしながら時間潰しという方法もありますが、単独行動で混雑が見込まれる時期の訪問であれば、暇つぶしの手段も考えた方が良いかと思います)

京王グループと言う事もあり、近年ではPASMOなどのICカード乗車券利用にも対応しているのですが、結構な利用が見込まれるICカード利用では片道運賃の決済のみ対応となっています。

乗車券購入の列に並ばずに済み、そのまま乗車できて便利な反面、券売機で往復分の乗車券を購入(ICカード利用不可)するよりも若干割高になるという難点もありますので、消費税改定による運賃改正が行われるのであれば、この際にカード運賃は据え置き、往復でカードを利用した場合に往復乗車券購入と同等金額になる様な運賃設定にも期待したいものです。


ちなみに券売機で購入する乗車券は、シンプルな白色無地ながらも一応磁気券(磁気データ有無は不明)になっているのですが、自動改札機などは設置されておらず、ICカードも簡易型改札(カード専用リーダー)にタッチしての利用ですので、磁気券導入の意義は果たして…と感じたものです。


ICカードリーダーは、2駅間を往復するだけで独立した路線という単純な運行形態もあってか、入場(改札)時にタッチしてSFから引き落とし、下車時は特に集札などを行わない方式となっており、JRや私鉄の小駅などで見られる入場・出場用がセットで設置されたタイプではありませんが、タッチ箇所が大人用・子供用2箇所に分かれているのが大きな特徴です。

御岳登山鉄道ではこのケーブルの他に、山上でリフト運行も行っており、高尾山でケーブルとほぼ並行して運行しているリフトなどと似たようなリフトを運行していますが、距離が短い事もあってか片道100円という運賃設定になっており、あっという間に終点到着となります。


このリフトは単独で乗車券を購入する他に、ケーブルカー乗車時にリフトとセットになった乗車券を購入する事もでき、MAKIKYUは初めての御岳山訪問&御岳登山鉄道利用でしたので、リフトなどの索道は完乗記録の対象には含めていないものの、こちらとセットの乗車券を利用し、せっかくの訪問機会と言う事でリフトにも乗車したものでした。

御岳山は元々余り便が良くない上に、奥多摩方面のフリー乗車券(新宿など~拝島間往復+拝島以西のJRフリー乗車)が設定廃止された事もあってか、近場以外の人間にとっては、やや足を運び難い印象があり、MAKIKYUは頻繁に足を運ぶ事はないと思いますが、空いている平日などであればまた違った雰囲気も感じられ、機会があればまた足を運ぶのも…と思ったものでした。

また日頃横浜市内某所に生息し、現在は職住近接の生活を送る身ですので、最近京王グループ各交通機関を利用する機会自体が限られる中で、先月は京王れーるランド訪問と合わせ、京王グループに随分縁のある一月だったと感じていますが、京王れーるランドの続編記事に関しても、近日中に追って取り上げたいと思います。


御嶽駅を発着する臨時バスと御岳山からの展望~紅葉で見頃を迎えた休日だけあって…

2013-11-28 | バス[首都圏]

先日「MAKIKYUのページ」では、臨時快速列車「ぶらり高尾散策号」に関して取り上げ、MAKIKYUはこの列車には「休日おでかけパス」を利用(他に所定の座席指定券を事前に購入)して乗車したものでした。

MAKIKYUがこの列車の下車駅を土浦にしたのも、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUが余り遠くまで乗車すると、その後帰還するのが…というのに加え、「休日お出かけパス」の有効区間や列車運行本数、一方で茨城県まで足を踏み入れて交直切替デッドセクション通過は…という事が大きな理由でした。

乗車駅も紅葉が見頃を迎えた時期に、始発の高尾から乗車という事で、乗車前には高尾山にでも足を運んでいたのでは…と思われた方も居られるかと思いますが、この日は高尾山ではなく、同じ都内多摩地区にある紅葉スポットの御岳山に足を運んでいました。
(高尾山も紅葉スポットとしては絶景で、利便性も申し分なしなのですが、利便性の良さもあってか数日前に足を運んだ人物から聞いた話では、平日でもケーブルカーとリフト乗車(両者が並走)が40分待ちとの事で、紅葉が見ごろを迎えた晴天の土休日だと相当な状況かと思います)

御岳山(JR最寄駅:青梅線御嶽)も近年は割安な奥多摩方面のフリー乗車券(新宿や高田馬場などから拝島までの往復+青梅線拝島以遠と五日市線がフリー乗車)が設定廃止となってしまい、足を運び難い状況になった上に、休日お出かけパスの通用範囲で、御岳山のケーブルカー(御岳登山鉄道)が、首都圏では数少ない未乗の鉄道路線となっていた事も、御岳山訪問の大きな動機でした。

御岳山へのアクセスは、JR御嶽駅から西東京バスでケーブル下まで向かい、その後滝本駅からケーブルカーに乗車するのが一般的なルートで、MAKIKYUもこの方法でアクセスしています。

JR青梅線末端区間(青梅~奥多摩)自体が、昼間毎時2本の区間列車が4両編成で走るだけのローカル線ですので、この電車を降りてからまた路線バスでアクセスする御岳山は、利便性という点では都心から京王線直結、本数も多く駅からのアクセスも至便(高尾山口駅~ケーブルカー・リフト乗場へは急坂などもない参道を少し歩くだけです)な高尾山には遠く及びません。

そんな御岳山でも、JR御嶽駅のケーブル下行きバス乗り場には多数の行列、日頃はバス1台がピストン運行する程度でも充分過ぎるのでは…と思われるこの路線も、誘導係員が案内役に努め、臨時バスを増発して多数の乗客を捌いており、臨時バスは大型車主体ながらも、どれも満車で大盛況という状況でした。
(滝本駅周辺の駐車場も相当な混雑・駐車場待ち渋滞が発生しており、自家用車利用も大変な状況でした)


この一帯を運行する西東京バスは、一時子会社として多摩バスが存在、同社は独自塗装のバスを走らせていた事から、多摩バスが西東京バス本体に吸収された後も、多摩バス塗装で西東京バスの社名が標記されたバスも混在しており、MAKIKYUが御嶽駅~ケーブル下間で乗車した西東京バスは、往復共に多摩バス塗装の車両でした。
(すれ違ったバスの中には、永年親しまれている西東京バス塗装の車両もありましたが…)

路線バスを下車した後も、ケーブルカーはピストン運行の臨時ダイヤで多客対応に努めながらも、乗車の列は30分待ちという状況で、紅葉が見頃を迎えた土休日の紅葉スポットならでは…と感じたものでした。

  
ケーブルカーで上がった山上からの景観は、大勢の行楽客が押し寄せる著名な紅葉スポットだけあると感じたもので、都心方面はやや霞がかっていたものの、近年注目を集めている東京スカイツリーもうっすら、スカイツリーの方向を示す案内も見受けられたものでした。
(現地で伺った話では、MAKIKYUの訪問時はやや霞がかっているとは言えども、割合よく見える部類の様です)

御岳山へのメインアクセスとなっている御岳登山鉄道(ケーブルカー)に関しては、近日中に追って別記事で取り上げたいと思います。


臨時快速「ぶらり高尾散策号」に乗車~乗り得列車である事に加えて…

2013-11-25 | 鉄道[北関東]

今月は不定期で「ぶらり高尾散策号」と称する臨時快速列車が、日立~高尾間(武蔵野線経由)で運行されています。

常磐線をよく利用される方や、時刻表を愛読されている方などは、ご存知の方も多いかと思いますが、先日MAKIKYUはこの「ぶらり高尾散策号」に乗車する機会がありました。

この列車は日頃多摩地区へ直通運行する公共交通機関が乏しい茨城県内の常磐線沿線各地などから、丁度紅葉が見頃の高尾山散策などに足を運ぶ利便を図る目的で運行設定されているかと思いますが、多摩地区では発着駅の高尾以外に八王子と立川にも停車しますので、高尾山以外の多摩地区各地を観光する際などにも活用できるかと思います。

充当車両は少し前まで常磐線特急「フレッシュひたち」で活躍しており、現在は新潟地区の特急「いなほ」への転用が進むE653系電車を用いており、全車指定席ながらも特別料金を要しない「快速」の普通車扱いとなっています。


そのため割安な青春18きっぷは設定期間外で利用できないものの、多摩地区~常磐線沿線をこの列車の運行日・運行時刻に移動する用途があれば、非常に乗り得な列車と言え、通常運行では乗り入れない中央線沿線で、E653系を目撃・乗車できるという点でも注目の列車と言えます。

E653系は基本編成の7両と、増結編成の4両が存在しており、「いなほ」への転用改造が進む前者は、東京のカラフル路線として知られる京王井の頭線(7色+α)には叶わないものの、4通りのカラーバリエーション(増結編成も合わせると、「いなほ」転用改造車を除いても5通り)が存在するカラフルな車両としても知られています。

「ぶらり高尾散策号」は7両編成での運行=このカラフルな装いのどれかが出没という事になり、そう遠くない内に「いなほ」への転用改造完了→カラフルな装いも見納めとなってしまうのですが、どの装いの編成が充当されるのかも、乗車前から気になっていたものでした。


MAKIKYUが乗車した際に充当されたのは、ブルーの装いを纏った編成、それも夏に房総~高崎線方面(武蔵野線経由)で運行設定され、MAKIKYUも乗車機会があった臨時快速「マリンブルー南房総号」で充当された時と同じK308編成でした。


LEDによる側面行先表示も「マリンブルー南房総号」では「快速」表示でしたが、今回は「臨時」表示となっており、どちらの列車も臨時快速故に「快速」「臨時」どちらの表示でも…という気がしますが、敢えて両者で異なる案内を表示している辺りも興味深いものです。
(「MAKIKYUのページ」では過去に、臨時快速「マリンブルー南房総号」に関して取り上げた事もあり、該当記事に興味のある方はこちらをクリックして下さい)

臨時列車故に武蔵野線内などでは、前を走る定期列車の影響でノロノロ運転となる事もありましたが、それでも立川~柏間はノンストップ運行、同区間をおよそ1時間で運行というダイヤは、日頃同区間を乗り継いで移動する事を考えると「早い」と感じたものです。

その後の常磐線内主要駅停車時刻などを見ても、設備面だけでなく運行ダイヤ面でも「優等列車並み」と感じ、その上この手の臨時列車にしては珍しく、車内販売も車内を巡回(近年では在来線特急や新幹線でも、車内販売が乗務していない列車が数多く存在しますので…)していたのは予想外でした。
(MAKIKYUが夏に乗車したE653系充当の臨時快速「マリンブルー南房総号」も結構足の長い列車ながら、車内販売の巡回は目撃していません)

そのためまるで特急列車に乗車しているのかと錯覚してしまう程で、同系使用の臨時列車が「急行」で運行される事が多いのも当然と感じたものでした。

また「ぶらり高尾散策号」は、設備や運行ダイヤ面などで破格の「乗り得列車」という事や、日頃E653系が運行しない線区を運行する点に加え、E653系基本編成自体が「フレッシュひたち」の姿で走る機会も限られるかと思いますので、様々な点で夏に運行された「マリンブルー南房総」と同様に注目すべき存在ですが、これに加えて武蔵野線への連絡線(国立~新小平・南流山~北小金)を経由して運行するというのも注目点です。

前者も定期列車は、運行本数が僅少の「むさしの号」のみで、かなり乗り難い区間(乗り継ぎの手間を別とすれば、移動手段として見れば西国分寺経由でも大きな差し支えはありませんが…)となっています。

後者に至っては定期旅客列車の運行がなく、貨物列車を除くと臨時列車でしか乗車機会が存在しない区間ですので、この区間に乗車できるという点でも、非常に貴重な列車と言えます。

MAKIKYUはJR定期旅客列車運行区間に関しては、連絡線などの類を除くとほぼ全区間乗車、私鉄なども大半の区間に乗車しており、そして韓国鉄道の大半の区間や、中国(香港を含む)の鉄道の一部にも乗車していますので、日本の鉄道における全営業区間距離を遥かに凌ぐ区間に乗車している事になりますが、それでもこの連絡線への乗車は初めてでした。

「乗り得」というだけでなく、乗車機会の限られる連絡線乗車という意味でも、非常に乗車価値の高い列車だったと感じたものでした。
(MAKIKYUが過去に乗車した日本国内の乗り難い鉄道路線としては、他には有名な「高熱隧道」を通る黒部峡谷鉄道の上部軌道などもあり、これに比べれば容易に乗車できる路線と感じる方も多いかと思いますが…)

ちなみに連絡線乗車の際に感じた印象は、あっという間ながらも、余り列車が走らない区間故にロングレール化対象から外されているのか、「コトンコトン」と車輪がレールの継ぎ目を通る時に発する走行音が随分目立った気がしたものでした。

連絡線の類などは、特に定期旅客列車が走らない区間に関しては、国内鉄道完乗を目指している方でも「ノーカウント」とする方が多いかと思いますし、MAKIKYUもその一員ですが、カウントの是非は別としても、機会があれば今後もこの様な線区を通る列車に色々乗車したいと感じたものです。

また夏に運行された臨時快速「マリンブルー南房総号」とは、同一編成充当ながらも、様々な点での差異が見受けられたのも興味深いと感じたものです。

新潟地区「いなほ号」への転用改造に伴い、あとどれだけ臨時快速としてE653系基本編成の出番があるのかも気になる所で、また臨時快速としてどこかでイレギュラーな運行が設定される機会があれば、再び乗車しても…と感じたものでした。


(お断り)臨時快速「ぶらり高尾散策号」の運行区間は高尾(東京都→首都圏)~日立(茨城県→北関東)の複数カテゴリーに跨り、MAKIKYUが降車した土浦(茨城県)も同様ですが、この記事は車両所属先(勝田)や主な利用対象層(常磐線沿線)などを踏まえ、「北関東」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


京王れーるランド視察(屋内施設編)

2013-11-23 | 博物館・保存施設等

少し前の事になりますが、先月リニューアルオープンした「京王れーるランド」には、MAKIKYUも今月初めて足を運ぶ機会がありました。


この京王れーるランドは、京王動物園線の多摩動物公園駅に直結しており、多摩モノレールの同駅からもすぐですので、電車での訪問には至便の立地です。

ただ駅周辺は飲食店はおろかコンビニすら…という状況で、れーるランド内でも飲食物の販売はありません(飲み物程度なら調達可能です)ので、辛うじて営業していた多摩動物公園の売店で食料調達したもので、食事情が非常に芳しくないのは難点です。
(できれば弁当などを持参するか、食事を済ませて午後からの訪問が良いかと思います)


京王れーるランドに入場する際には、250円の入館券を購入して入場する事になりますが、入館券の券売機は鉄道駅に設置されている乗車券販売機とほぼ同形ながらも、PASMOなどのICカードを利用して入館券を購入する際には、脇にあるIC読取部にタッチする形態となっているのが大きな特徴です。


入館券(写真右側)は定期券サイズの磁気券、地紋は京王れーるランドオリジナルの柄が用いられているのが特徴で、左側のシミュレーター運転体験チケット(希望者多数の場合は抽選)は、抽選当選時に利用料を支払い(現金のみ)となります。

入口ゲートは鉄道駅で用いている自動改札機と同形の自動改札になっており、ICカード読取機も設置されていますが、(さいたまの)鉄道博物館の様なICカード入館システムは導入されておらず、ICカードからの直接減算による入場もできませんので、わざわざ新型自動改札機を導入せず、ICカード非対応の旧型機を充当しても充分な状況で、ICカード読取部は無用の長物と化しています。

またこの手の施設では、再入場不可となっている事も多いですが、京王れーるランドは屋内施設と車両展示場(屋外)の2箇所に分かれており、両者を移動する際には一旦館外に出場しなくてはいけない構造になっている事もあってか、入館当日であれば両者を何度でも行き来できるのも大きな特徴です。
(多摩モノレール利用で一日乗車券を利用して訪問する場合などは、食事時などに一旦出場して多摩センターや立川などに足を運び、また戻ってきて再度見学と言うのも悪くないと思います)

MAKIKYUはまず屋内施設の方に入場し、その後車両展示の方にも足を運びましたが、屋内施設は入場するとまず最初にバス展示が目立ち、この車両はいくら小型車ながらも、車両展示場ではなく屋内に展示したもの…と感じたものです。


年式的には大都市圏排ガス規制区域では車検が通らなくなった車両ながらも低床バリアフリー対応車(ワンステップ)で、同形車の大半が地方譲渡されて再活躍している事などを踏まえると、早々と殿堂入りというのは少々勿体無い感もあるものの、京王グループがメーカーに打診→大量導入となった車両だけあり、京王がこの施設で何とか展示したかった…という意気込みが現れている気がします。

そして館内を更に進むと、列車運転シミュレーター(CG)やジオラマ展示(鉄道模型運転)など、鉄道系博物館ではお馴染みのメニューが揃っていますが、資料展示の類などは少なめと感じる一方で、他の鉄道系博物館ではまず見かけない子供向けの遊び場などが設けられているのも大きな特徴で、見学系よりも体験系に重点を置いている印象があり、「博物館」ではなく「れーるランド」と名乗るのも…という感があります。

 
車両展示場にも実車1両が展示されている6000系電車は、屋内施設でも運転体験シミュレーターと車掌体験の2箇所でカットボディが用いられ、カットボディは少数派だった5扉車ですが、車両展示も含めて3両共に末期塗装(現行ラインカラー)ですので、1両位は一世代前の赤細帯にしても…と感じたものです。


車掌体験に用いられている6000系と、その近くに設置された7000系電車を模した記念撮影ブースでは、実際に用いられていた電動方向幕を操作し、任意の行先を表示する事も可能で、実際にはまずあり得ない行先も多数見る事ができます。


また鉄道系博物館では定番メニューとも言える車両部品の展示も、車輪が2つ展示されており、その一方が狭軌(1067mm)・もう一方が馬車軌(1372mm)となっている辺りは、如何にも京王の施設らしい展示と感じたものでした。

車両展示に関しては、近日中に続編記事として追って取り上げたいと思います。


九州郵船・エメラルドからつ~唐津航路専従のバリアフリー船

2013-11-20 | 船舶[日本国内]

少し前の事になりますが、MAKIKYUが6月に長崎県・壱岐島へ足を運んだ際には、九州へ戻った後も九州内を廻る予定があり、その事も影響して片道は印通寺(Indoji)~唐津間の航路(以下唐津航路と記します)を利用したものでした。

唐津航路はフェリーのみの就航ですので、博多発着の高速船(ジェットフォイル)に比べると、九州本土~壱岐島間の所要時間は長くなりますが、距離的には九州本土~壱岐島間の最短ルートになります。

博多発着の航路は郷ノ浦港か芦辺港のいずれかを発着する一方で、唐津航路はバスの便も芳しくない印通寺港発着ですので、裏航路的存在と言っても過言ではありませんが、壱岐への往復で異なるルートを使いたい場合などにもおススメのルートです。

九州内各地や本州から自家用車を壱岐へ持ち込み、自家用車で壱岐島内を廻りたいと言った場合には、フェリー便数の多さと言う点でも、唐津航路は使い勝手の良いルートです。

ただ距離的にも博多航路よりずっと短いにも関わらず、所要時間や運賃の面では余り差がありませんので、旅客のみの利用で本州内各地や福岡から壱岐へ向かうには、使い勝手の点で見劣りは否めません。

ちなみに唐津航路は通常2艘運行となっていますが、MAKIKYUが乗船した時には、ドッグダイヤで1艘のみの運航による特別ダイヤとなっていました。


この時に乗船したフェリーが「エメラルドからつ」で、2007年就役でバリアフリー対応の新しい船だけあり、船内は比較的綺麗な印象を受けたものでした。


専ら唐津~印通寺間の短距離航路に専従運航される事もあってか、2等のみモノクラスの客室は椅子席が大半を占め、その座席もビニール張りでリクライニング機能などは設けられていないなど、設備的には割合簡素な印象を受けたものです。


そのため長時間の乗船はとても…という印象があり、通常は唐津航路に充当されるものの、他航路で就航する船がドッグ入りした際に代船としても用いられる「フェリーあずさ」では、エメラルドからつよりもカーペット区画が多くなっている様です。
(「エメラルドからつ」では比率こそ低いものの、一応カーペット区画も存在します)

またMAKIKYUが乗船した日には、一応壱岐発着の各航路は就航していたものの、台風改め熱帯低気圧の影響により海は時化模様、同じ長崎県の離島でも、五島列島方面の他社航路では荒天欠航も出ている状況でした。

乗務員の方から伺った話では、冬の玄界灘よりはまだマシとの事でしたが、それでも出航前には船体が大きく揺れることが見込まれる旨の案内があり、印通寺港を出港すると程なく船体が斜めに傾き、振り子式の列車がカーブを曲がっている様な状況がずっと続いていました。


海域や海況の差異などもあってか、9月に乗船し、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げた南海フェリー(徳島→和歌山)などとは異なり、船ならではの縦揺れもあってか、MAKIKYUは軽い船酔いに陥る有様で、デッキに出て景色を…という気分ではありませんでしたが、五島方面で荒天欠航便が出る状況でも、正常運航されただけまだマシと感じたものでした。
(設備的には比較的簡素な船でも、穏やかな航海だと結構快適で味わい深く、鉄道やバスの旅に彩を添える存在としても捨て難いのですが…)

それでもエメラルドからつは比較的新しい船だけあって、横揺れ防止装置(フィンスタビライザー)を装備しており、横揺れは随分軽減されている様ですが、九州郵船では現在でも「フェリーあずさ」や博多~比田勝航路で就航している「フェリーげんかい」といった昭和製の古参船も活躍しており、これらはフィンスタビライザーの装備はありません。

おまけにエメラルドからつよりも船体は小柄で、外海を長時間航海する航路ですので、この様な船で荒れた海を航海するともなれば、相当難儀するのでは…と感じたものでした。
(それでも大昔に大陸から対馬・壱岐を伝って九州まで小船で伝来した方々の苦労や、空を飛ぶ(航空機に搭乗する)心労などに比べれば、多少海況が悪い状況で博多から壱岐より更に遠い対馬まで古参フェリーで航海するとしても、遥かに楽な気がしますが…)


西武観光バス・倉尾線の車窓など~中津川以外にも見所は…

2013-11-16 | バス[首都圏]


先月末に「MAKIKYUのページ」では、西武観光バス・中津川線に関して取り上げましたが、その際には西武鉄道で発売している秩父漫遊きっぷのクーポン券を引き換えたバスフリーバス(写真右側:中津川線の記事で使用した画像の再掲です)を利用した事もあり、中津川線以外にも西武観光バスの幾つかの路線を利用したものでした。

車両面でも首都圏では比較的古参の部類に入る日産ディーゼル製中型車(地方のバスでは中堅格の部類ですが…)が、急行バスを除く一般路線の各路線で運用、主力を占めています。


その一部はメロディーバス対応のスピーカー付き(写真は中津川線の記事で使用した画像の再掲です)となっていますが、バリアフリー対応の低床車も数台運用しており、MAKIKYUは乗車機会こそなかったものの、何度か稼動している姿を見かけたものでした。
(その中には西武バス塗装とは異なる、イラスト入りのオリジナル塗装となっている車両も存在しています)


小鹿野線(西武秩父駅~小鹿野車庫)や三峰神社発着の急行便などでは大型車による運行もあり、同線では大型車で運行される便の方が多い状況ですが、こちらも主力の中型車と同様に、西武バス本体から異動してきた2段窓・2段ステップ車が稼動しており、古参大型車が好みのMAKIKYUとしては、この手の車両に比較的手頃に乗車できると言う面でも嬉しいと感じます。

路線面でも先日取り上げた中津川線だけでなく、様々な路線で狭路走行区間が存在しており、中型車主体となるのも当然の路線環境と感じたものでした。

 
MAKIKYUが乗車した路線の中では、特に倉尾線(小鹿野町役場~上吉田~長沢(Chozawa))の末端区間などは凄まじく、なかなか乗り応えがあるものの、乗務員の方々は大変だろうと感じる状況でした。
(他には西武秩父駅~皆野駅間を大回り運行する三沢線もオススメで、こちらは時間が合えば乗り鉄を兼ねての乗車も容易です)

小鹿野町内(途中で他自治体を経由する路線も含む)を運行する末端路線などは運行本数も僅少で、路線踏破の暁には、来た便で戻ら
ないと数時間待ちという非常に乗り難いダイヤですが、倉尾線は吉田線(西武秩父駅~吉田元気村など)とセットで周遊ルートを構成する乗車もおススメです。
(ただ倉尾線と吉田線は特に接続を意識したダイヤとなっておらず、どちらも便数は少ない上に、両者を比較的短い乗り換え時間で乗り継げる便は限られるのですが…)

また首都圏各地から西武線で秩父入りし、秩父エリアの三峰神社行き急行バスを除く西武観光バス各路線を利用するのであれば、先日の中津川線に関する記事で取り上げた、秩父漫遊きっぷのクーポン引き換えによるバスフリーパス利用は非常に有用ですが、出発地や旅行形態次第では、他の方法を利用した方が良い場合もあるかと思います。
(東急線沿線から三峰神社を訪れる場合に、東急西武線まるごときっぷ+西武秩父駅からの急行バス運賃をPASMOで支払いなど)

秩父漫遊きっぷの他にも、秩父フリーパスや東急西武線まるごときっぷなど、秩父方面は幾つかの企画乗車券設定があり、どれも一長一短といった所ですが、その分箱根や日光などの様に開発が進んだ観光地に比べると、企画乗車券類の価格設定が割安と感じるのは評価できる所です。

個人的には秩父漫遊きっぷだけでなく、他の西武鉄道で発売・通用する企画乗車券類でも、オプション券設定か乗車券類提示でバスフリーパス発売があれば嬉しいと感じますが、こんな事を考えてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


京王線の事業用車・デワ600形とDAXに遭遇

2013-11-13 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先月京王では多摩動物公園駅に隣接する「京王れーるランド」が展示内容などを大幅に充実させてリニューアルオープンし、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既に足を運ばれた方も居られるかと思います。

MAKIKYUはつい数日前に足を運び、その際のアクセスとして京王線を利用(鉄道では他に多摩モノレール利用も可)したのですが、多摩動物公園行きの支線(動物園線)への乗換駅となる高幡不動駅に到着し、動物園線に乗り換え…と思った時に、隣のホームには見慣れない車両の姿があったものでした。

 
その車両は、一時期京王線の主力として活躍したものの、近年旅客用としては全廃となった6000系電車を改造、装いを改めたデワ600形1+2両と、その間に挟まれた通称「DAX」と呼ばれるステンレス製の検測車(クヤ900形)で構成される4両編成の事業用車両でした。

 
車庫の奥に停車している姿こそ見たことがあるものの、不定期運行で神出鬼没の事業用車だけあり、MAKIKYUの目の前に姿を現したのは先日が初めてと言う状況でした。

警戒色を纏った牽引車(デワ600形)と、日頃余り前面を先頭に走る機会がない事もあってか、非常にシンプルで機能重視と言った面構えが特徴的なクヤ900形は、どちらも見るからに営業車とは異なる雰囲気を漂わせており、たまたまホームに居合わせた乗客の注目の的になっていました。

この時は日頃京王線を定期利用している知人が同行しており、その知人ですら「数度しか遭遇した事がない」との事で、日頃京王線を利用する機会の少ないMAKIKYUが、たまたま利用した日にこんな車両に遭遇するのは…と感じたものでした。

MAKIKYUは過去に小田急や東急、JRの検測車両には何度か遭遇した事があり、どれも予期せぬ時に意外な所で遭遇しますので、その度に意表を突かれるものです。

「DAX」を挟むデワ600は大手私鉄初の営業車全車VVVF化を達成した京王において、希少な直流電動機を装備した自社車両という意味でも注目の存在と感じますが、何時まで6000系の動態保存と言っても過言ではない姿が見られるのかも気になる所です。(京王線とは一部区間で併走し、比較的至近を走る小田急の検測車(テクノインスペクター)は、検測車1両を営業車の特定編成に牽引させており、京王は2両編成の増結・支線用編成もそこそこ保有している事などを踏まえると、その気になれば比較的ダイヤや所用編成数に余裕がある土休日などに、増結・支線用編成を牽引車として活用する事もできそうな気がしますので…)


またこの日デワ600形とDAXには高幡不動駅で遭遇しただけでなく、京王れーるランド見学中にも、多摩動物公園駅で営業列車とは別に「回送」の怪しい表示が見受けられ、もしや…と思ったら案の定こちらにも出没、場所が場所だけにかなりの注目を集めており、この編成への遭遇は京王れーるランド見学以上の収穫かも…と感じたものでした。

この日の幸運はこれだけに留まらず、色々あった一日でしたが、京王れーるパーク見学の感想・講評なども、近日中に取り上げたいと思います。


JR岩泉線・廃線が正式決定~永らく休止が続いていましたが…

2013-11-11 | 鉄道[東北]

既に様々な所で話題が出回っていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、ご存知の方も多いかと思いますが、岩手県内を走るJR東日本・岩泉線の廃線がJR側より正式発表され、2010年夏から永らく運行休止状態が続いていた同線は、復旧する事なく廃線となりました。

岩泉線は日本全国に数多く存在する「ローカル線」の中でも、希薄な沿線人口や、人の流動と一致しない運行区間、運行本数の少なさなどが災いし、永年「日本一輸送密度の低い路線」の座に君臨する状況でした。

旧国鉄時代の不採算閑散路線整理に当たっても、輸送量は僅少ながらも、「沿線道路が未整備」という事で辛うじて残存し、沿線の道路整備さえ行われれば、何時廃線になっても不思議ではないと言っても過言ではない状況でした。

元々が超閑散線区である上に、2010年夏の土砂災害による脱線事故発生→多額の復旧費用などを懸案すると、もはや民間企業による鉄道運行は…と言わざるを得ないのが現状で、仮に無償でタクシーやマイクロバス貸切による代行輸送を行ったとしても、その方がコスト面でまだ割安なのでは…と感じる程です。
(現にJR現存路線でも、冬場の積雪期になると長期運休→代行輸送が近年常態化している路線も、幾つか存在していますが…)

 
MAKIKYUも岩泉線には、2004年夏に一度だけ乗車した事があり、今は全車退役となった非冷房のキハ52形気動車が専ら専従している状況でしたが、利用状況は相当低調で、今回の廃線正式発表は「遂にこの時が来た」と言うのが正直な心境です。
(写真は全て2004年夏に撮影したものです)

今後岩泉線は正式にバス代替される事になり、人口希薄な土地柄では路線バス運営も容易ではないかと思いますが、どの様な形態での運行になるにしても、地域に必要な公共交通が維持され、運行本数や運賃(利用者負担)などで大幅な利便性低下に繋がる事だけはない事を願うばかりです。

現状では岩手和井内~茂市~宮古間の岩手県北バスや、岩泉町内を運行する町営バスなども存在しますので、これらの一部と代替バスを統合する事で、全体の運行本数を調整して運行コスト(自治体持ち出しも含む)を下げつつも、実質的な利便性を低下させない再編などが行われるのかも気になる所です。

また岩泉線の廃線とは別件ですが、JR東日本では永らく首都圏~北東北間の足として親しまれてきた寝台特急「あけぼの」号も、来年春以降の定期運行廃止が正式発表されています。
(写真は既公開記事で使用した画像の再掲です)


こちらもMAKIKYUは何度か乗車した事があり、車両の老朽化に加え、新幹線整備の進展や夜間高速乗合バス運行の拡充など、取り巻く状況が大きく変化した今日では、廃止は致し方ない気がします。

その後「北斗星」も後を追って定期運行廃止→ブルートレイン自体が過去帳入りとなると、「クルーズトレイン」の類を除く客車寝台列車の旅を追い求めるとなれば、はるばる遠く大陸まで足を伸ばさなくてはいけなくなり、一つの時代が終焉を迎える事になるのは少々寂しいものです。
(それでも超高額運賃や、少ない定員の「クルーズトレイン」に乗車する事を考えると、旅程の都合さえ付けば大陸の客車寝台列車に乗車する方が遥かに容易ですが…)


南海電車・フェリーの格安企画乗車船券「好きっぷ」

2013-11-10 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた南海フェリー、以前はなんば~和歌山港間の南海電車と合わせ、関西~徳島を結ぶ基幹ルートの一つを構成しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、この事をご存知の方も多いかと思います。

しかしながら明石海峡大橋架橋後は所要時間の差もあってか、明石海峡大橋経由の高速バスに関西~徳島間基幹ルートの座を譲り、今日大阪や神戸からは、徳島をはじめとする四国方面や、その途中に位置する淡路島への高速乗合バス路線が多数設定されています。

その一部は南海バスや徳島バスなどの南海グループも運行を担っており、一方で関西~淡路島への航路は、明石海峡大橋架橋後は次々と運行取り止めになるなど、この一帯の交通網は橋一本で随分変化したものです。

そのため所要時間の面では劣勢が否めず、南海フェリーは関西~徳島間の基幹ルートではなくなってしまいましたが、さすがに和歌山~徳島となると明石海峡大橋経由では随分な遠回りを強いられます。

和歌山・徳島はどちらもそこそこの規模を誇る都市だけあってか、両都市間の移動需要なども存在し、かつて程の勢いはないとは言えども航路は存続、今日でも南海電車~南海フェリーを乗り継いで関西~徳島間を移動する事ができます。

最近では南海グループ同士と言う事もあってか、両者を乗り継いで利用した際に大幅に割引となる、「好きっぷ2000」と称した企画乗車船券も設定されています。


この企画乗車船券を購入すると、定期券サイズの南海電車乗車券・南海フェリー乗船券・横長サイズ注意案内の3枚セットで発券され、電車の乗車券は自動改札機対応(下車駅にて回収)となります。

南海フェリー2等客室に片道乗船するだけでも2000円を要しますが、この企画乗車船券を利用すると、南海電車の大半の駅(なんば・関西空港・河内長野など)への電車乗車券とセットで2000円、フェリー乗船で実質的に南海電車がタダになると言っても過言ではない価格設定となっています。

南海電車は大手私鉄の中では、運賃面では割高な部類に入る上に、南海本線だけでもロングシート通勤車で乗り通すには少々…と感じる距離がありますので、利用区間次第ではかなり利用価値があります。
(かなりの大回りを強いられますので余り利用者は居ないかと思いますが、徳島港~高野山間を移動する際の割引率などは、かなり高くなっています)

MAKIKYUはこの企画乗車船券があるからこそ、徳島~関西方面間で南海フェリー利用を選んだといっても過言ではない程ですが、南海電車では途中下車前途無効になる事と、南海電車の駅から徳島方向へ向かう際の「とくしま好きっぷ」購入可能駅が主要駅に限られてしまう点は要注意です。
(なんば・新今宮・天下茶屋・堺東・関西空港など比較的利用の多い駅からの設定となっており、普通(各停)のみ停車する駅からの発駅設定は少数(住吉大社・初芝など)です)

明石海峡大橋などの通行料金が高額な事も災いし、高速舞子(JR舞子駅隣接)からでも2000円は軽く超えるなど、運賃面では割高感が否めない関西各地~徳島間を運行する高速路線バスに比べて割安なのは大きなメリットです。
(青春18きっぷによるJR普通・快速列車利用でも、1回当たりの単価(2300円)は明石海峡大橋経由高速乗合バスより割安ですが、結構な大回りになる上に、大阪(なんば)~徳島(徳島駅)間の移動であれば、徳島駅~徳島港間の路線バス運賃(200円)を足したとしても、まだ運賃面で「好きっぷ」利用に軍配が上がります)

また明石海峡大橋経由の高速乗合バスは、大半が狭い4列席車での運行ですので、時間はかかっても広々とした空間でゆったりとくつろぎながら関西~徳島間を移動したいと感じる方にもおススメかと思いますし、南海電車~南海フェリー乗り継ぎルートは、移動選択肢の多様化と言う点でも注目の存在かと思います。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も関西各地~徳島間を移動する機会がありましたら、その選択肢の一つとして「好きっぷ」利用を検討されては如何でしょうか?

(お断り)この記事は南海電車(鉄道)・南海フェリー(船舶)の双方に跨る内容となりますが、当記事は先日取り上げた南海フェリーに関する記事の続編という事もあり、「船舶」扱いとさせて頂きます。


(追記)ブログ記事公開以後に南海電車の設定駅が拡大(加太・汐見橋など)され、現在では南海電車各駅~和歌山港経由~徳島港で利用可能となっています。
また南海電車では発売駅以外でも係員に申告する事で、和歌山港駅で発券できる便宜的措置も講じられている模様です。

(2017年1月)


関西と四国を結ぶ南海フェリー~架橋によって最速ルートからは外れたものの…

2013-11-08 | 船舶[日本国内]

夏に青春18きっぷなどを利用して各地へ遠出した事に加え、先月は休みの配列(MAKIKYUは仕事柄休日が一定していません)が余り思わしくなかった事から、珍しく余り遠出をしなかったMAKIKYUですが、9月は幾つか初乗船となる航路にも乗船しており、その一つが南海フェリーです。

南海フェリーは和歌山港(南海電車の和歌山港駅に直結)~徳島港(JR徳島駅までは市営バスで200円)を結ぶ航路で、フェリーですので旅客の乗船だけでなく、車両航走も行っています。

現在就航しているフェリーは「フェリーかつらぎ」「フェリーつるぎ」の2艘で、いずれも総トン数約2600t・全長は100mを超えており、長距離旅客航路などに用いられる船舶よりはやや小さいながらも、所要時間程度の航路で用いられるフェリーにしては大型の部類に入るかと思います。


MAKIKYUが9月に乗船した際には、フェリーかつらぎの方に当たり、お馴染みの「NANKAI」ロゴなどが掲出された船体を見ると、如何にも南海グループのフェリーである事を実感させられ、近年ではオリジナルキャラクターを起用し、船体にもこのキャラクターがデザインされているのも特徴です。


船内に足を踏み入れると、客席は一般客室とグリーン客室(要グリーン料金・利用客のみ船室内立入可)に分かれており、MAKIKYUは一般客室を利用したものでしたが、一般客室は船ならではの雑魚寝カーペット空間と、椅子席の双方が設けられています。


椅子席の方は、入港時などを除くと進行方向が一定と言う事もあってか、座席の回転機能こそ有しないものの、大半の座席はリクライニング機能付きとなっており、設備的には特急列車の普通車座席とほぼ同等レベル、昼間に2時間程度乗船するフェリーとしてはそこそこのグレードと感じたものでした。


椅子席では他にグループ向けの4人がけテーブル付き座席をはじめ、他社旅客航路では余り見かけない「ビジネスコーナー」と称する予備校の自習室を連想させる区画も存在しています。


この区画はデスクが1名ずつ仕切られているだけでなく、コンセント付きという事もあってか結構な人気がある様で、MAKIKYUが乗船した便は比較的空いているように見受けられたものの、この区画だけは全て埋まっている状況でした。

またMAKIKYUが乗船した日は、時折雨が強く降るなど、天候は余り思わしくない状況でしたので、外の眺めも思わしくなく、展望デッキでのんびりと潮風に吹かれて…という気分でなかったのは少々残念でした。

それでも比較的穏やかな海域を航行する事もあってか、船もさほど揺れず、比較的快適な2時間のクルージングと感じたもので、機会があればまた乗船しても…と感じたものでした。


原鉄道模型博物館を初見学~今月から館内の撮影も解禁に

2013-11-05 | 博物館・保存施設等

近場ながらも開館以来、今まで足を運んだ事がなかった「原鉄道模型博物館」、今月から館内撮影が解禁された事(先月までは一部の例外を除き館内撮影禁止でした)と、昨日まで箱根登山鉄道に関する企画展実施→OPカード(小田急グループポイントカード)提示で入場料割引特典もあった事から、昨日初めて足を運んだものでした。


既に「原鉄道模型博物館」に足を運ばれた方はご存知かと思いますが、場所は横浜駅東口近くにある「横浜三井ビルディング」の2F、横浜駅東口地下街の最寄り出口(出口G)には案内標識もあり、この出口を出てからはまっすぐ進むだけですので、地下街の出口Gまで辿り着ければ、あとは横浜に足を運ぶ機会が余りない方でも、迷わずに辿り着けるかと思います。

そしてビル2Fの入口に辿り着き、入館券購入→入場となりますが、入場料は通常大人1000円(MAKIKYUはOPカード提示による割引適用で900円)ですので、至便な立地に起因する賃料の高さなども影響しているかと思いますが、少々割高な印象があります。
(鉄道系博物館では、かなりの両数の実車展示などをはじめ、膨大な数の資料展示などを行っている鉄道博物館(大宮)やリニア・鉄道館(金城ふ頭)でも1000円、それ以外は大抵3桁円ですので…)


入口は自動改札機となっており、博物館によっては鉄道乗車券を模した磁気券を、実際の鉄道駅で用いているモノと同じ自動改札機に投入という形態をとっている所もありますが、原鉄道模型博物館の入場券は磁気券ではなくバーコード印刷、このバーコードを読み取り部にかざして読み取らせるタイプとなっており、立山黒部アルペンルートの各交通機関(改札は有人の箱ですが、乗車券はバーコード印刷→入場時に読取)を連想したものでした。


館内に入ると、「鉄道模型博物館」というだけあって、膨大な数の模型が所蔵されており、この一部は開館前に横浜市内の百貨店でも展示(入場無料)が行われ、その際にMAKIKYUも姿を見ているのですが、所蔵されている模型は、海外の車両(特にヨーロッパ系)が多いのも特徴です。

 
中には今は無き朝鮮半島の「金剛山電鉄」の車両模型や、ドイツ・ウッパータールの懸垂式モノレール模型と言った珍しい模型も見受けられ、過去帳入りした車両や古参車の比率が高いのも特徴です。


「原鉄道模型博物館」の一番の目玉は、「いちばんテツモパーク」と称する一番ゲージの、世界最大と謳っている巨大レイアウトで、このレイアウトを走る模型車両の数々を見なければ、「原鉄道模型博物館」に足を運ぶ意義がないと言っても過言ではないかと思います。


このレイアウトはヨーロッパの情景を精密に造り込んでおり、軌道設備や駅設備などの汚れ具合までかなり実感的に再現されていると感じたものです。


レイアウトの情景だけでなく、軌道や車両の動力など至る所にこだわりがあり、決して割安とは言い難い入場料を徴収するのに恥じないだけのモノを…という意気込みが感じられたものですが、走行車両はヨーロッパ型古典車両が主流(時折日本型の古参車両も走るのですが…)を占めているだけあり、万人受けよりはコアなファンを対象にしている様に感じられたものです。

一応日本国内の博物館と言う事もあり、出口近くには「横浜ジオラマ」と称した横浜を模したHOゲージのレイアウトもあり、こちらは専ら日本型車両が走行しています。


メインとなる根岸線を模した複線には、故障頻発などで悪評名高い一世代前の京浜東北・根岸線車両が2編成走るだけで、現行車両や
横浜線車両の姿などは見られないなど、「いちばんテツモパーク」に比べると随分見劣りが…と感じてしまったものです。
(他の線路でSLや165系などが走っていましたが、メインの複線でも副数種の車両が行き交う光景を再現するのは難しくないと思います
ので、せめて1編成は別車両に代替して頂きたいものです)


また「原鉄道模型博物館」は一旦出場した後の再入館は、現段階では不可となっていますが、目玉の「いちばんテツモパーク」では、限られた時間のみ走行する車両なども存在しています。

横浜駅東口からすぐと言う好立地故に、一旦出場して食事や買物を堪能し、目当ての車両が走る時間帯に再び入館できれば…という向きもあるかと思いますので、撮影解禁に続き当日中の再入館制度も今後導入されれば…と感じたものでした。


昨日見かけた新常磐交通の小型貸切車~7月には北東北でも…

2013-11-04 | バス[東北]

昨日MAKIKYUは近所(横浜市内)で、日頃余り見かける機会のない新常磐交通の貸切車が駐車している姿を見かけたものでした。

新常磐交通は福島県浜通り・いわき市を拠点に、同市内やその周辺の路線バス運行を中心に、いわき発着の東京行高速乗合バスや県内高速乗合バス(いわき~郡山~会津若松)、貸切バスの運行なども行っている中堅バス事業者です。

高速乗合バスが東京駅まで乗り入れているだけあり、首都圏でもその気になれば同社バスの姿を見る事はさほど難しくありません。

事業規模などを考えれば、貸切車が首都圏各地の著名な観光地などに出没しても、決して不思議ではない気もしますが、横浜市郊外で観光などとは全く無縁の所に、同社のバスが出没するのは少々珍しいと感じたものでした。


またMAKIKYUが7月に北東北某県へ足を運んだ際には、たまたま同社の小型貸切車が駐車している姿を目撃し、こんな所に常交の車両が居るのは物珍しいと感じて、一応その姿を…という事で撮影した写真がありました。
(「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、写真背景に写っている電車を見ただけでも、撮影地点を特定できる方も居られるかと思います)


昨日見かけた車両(昨日は撮影できなかったのですが…)が、7月に見かけた車両と同型の様に感じ、登録番号と7月に撮影した写真を見比べたら、見事に一致したものでした。

小型車ながらも随分色々な所に出没する様で、またどこかでこの車両に遭遇する機会があるかも…と感じたものでした。

貸切バス自体は全国各地で大手から中小事業者まで多数存在し、その全貌はとても把握しきれない程ですが、一般路線や高速乗合バスなどでそこそこの事業規模を誇る事業者で、路線バスと同系統の装いを纏っていると、その存在感は一歩抜きに出ていると感じます。
(福島県からやって来たバスでも、余程特徴的な装いか大手・中堅事業者でもない限りは、その存在は余り気に留めないかと思いますので…)

MAKIKYUは一般路線バスに乗車する機会は多いものの、高速乗合バスを利用する機会も数ヶ月に1回程度、貸切バスを利用する機会は滅多に…という状況ですが、新常磐交通の路線バスは今夏にも乗車する機会があり、機会があればまた乗車したいと感じたものでした。

(お断り)昨日同社バスを見かけたのは「首都圏」(神奈川県横浜市某所)ですが、同社拠点並びに写真撮影地(北東北某県)は「東北」、記事内容は双方の地域に跨っており、当記事は「東北」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。