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阪急7000系「京とれいん 雅洛」~神宝線用車両改造の観光列車

2019-05-11 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

少し前の事になりますが、3月下旬に運行開始した阪急電鉄の京都線観光列車「京とれいん」の第2弾「京とれいん 雅洛」(以下「雅洛」と記します)、3月末にMAKIKYUが関西へ足を運んだ際にも乗車機会がありました。

「京とれいん」の第1弾は、かつて京都線特急の花形だった2扉車・6300系を改造、8→6両に編成短縮した車両で、観光列車向けに一部車両(3・4号車)の車内設備を大改造、それ以外も座席モケットや化粧板の張替などでイメージチェンジを図りつつ、改造前の面影も色濃く残した車両となっています。

6300系「京とれいん」は大改造を施行した2両以外の座席など陳腐化が否めない部分も存在、種車構造故に客扉が両端に寄っており、ホームドア対応が困難である上に、車体幅の関係で神戸線・宝塚線(両者を総称して神宝線と呼ばれる事も多々あります)への乗り入れができないなどの問題も抱えています。

最近十三駅でホームドアが導入された事により、6300系「京とれいん」充当列車(他車両代走時を含む)は種別を快速特急→快速特急Aに改め、同駅を通過扱いにするといった動きもあり、趣味的には非常に注目の車両でありながら、使い勝手の面では…と感じてしまうのも事実です。

また近年の訪日外国人観光客増加などに伴い、日中の京都線特急も混雑が常態化している感があり、これを補完する役割も兼ねた快速特急(観光列車)の増便も是非…という状況でしたので、6300系「京とれいん」が抱える諸問題を解決した形の観光列車登場は阪急もよく考えたと感心するもので、これが今日取り上げる「雅洛」です。


「雅洛」は京都線車両ではなく神宝線用車両の中堅格、丁度更新時期に差し掛かっていた7000系6両1編成を改造しており、種車が神宝線用車両という事もあって宝塚や神戸三宮(その気になれば能勢電鉄・神戸高速鉄道・山陽電気鉄道沿線へも?)への直通運転が可能になっており、この特性を生かし早速西宮北口発着の臨時列車へ充当された実績も存在します。


阪急ならではのマルーンの装いは堅持しつつも、観光列車ならではの装飾デザインをはじめ、独特なデザインに改められた客扉などは、「雅洛」が一般車両とは異なる特異な性質の車両である事を強く訴えている様にも感じたものでした。


元々2扉車だった6300系とは異なり、3扉車を2扉車に改造している事から、元々中間扉が存在した箇所は扉が埋められ、代わりに丸窓が設けられていますが、この部分のデザインも改造車故の不格好な姿ではなく、良いアクセントになっていると感じる辺りは「さすが!」と感じたものでした。


「雅洛」の車内に足を踏み入れると、種車がオールロングシート車だった事もあり、化粧板や座席モケットなどを張り替えただけの箇所も存在、MAKIKYUが乗車した乗務員室のすぐ近くにあるロングシートもこれに該当します。

 
ロングシートも一部は畳の上にクッションを設置、占有区画も広々とした「DXロングシート」もしくは「プレミアムロングシート」と言っても過言ではないものに改められており、「ロングシート=詰込重視の短時間乗車向け設備」と捉えている人物も、このロングシートに座ったら価値観が変わるのでは…とも感じたものでした。


種車故に6300系「京とれいん」の様な多数のクロスシートの存在は望めないものの、6300系「京とれいん」でも設備的に大きな特色となっている一部に畳みを用いた2+1列配置のボックス席も設定、また撮影は出来ていませんが、一部車両では窓方向に向けた座席も設けられています。

これらの座席は同じ設備でも号車や区画によって座席モケットのデザインなどを変えており、一度ならず何度か乗車しても楽しめるのでは…と感じ、結構な盛況ぶりもあってMAKIKYUも一部しか視察・撮影ができていませんが、機会があればまた別の機会に未乗の梅田方車両も…と感じたものでした。


また先述の中間扉を埋めた箇所は、一部がミニ庭園や畳敷きのベンチ(?)になっており、特に海外から訪日した観光客などは非常に喜ぶだろう…とも感じ、6300系「京とれいん」と共に特別料金不要で乗車可能な列車にしては、「雅洛」は破格の設備を誇る乗り得列車と感じたものです。

ただ7000系は更新に伴い主回路更新(界磁チョッパ制御→VVVFインバーター制御)を実施した編成も多数存在、これは神宝線向けだけでなく能勢電鉄移籍車両にも該当しますが、「雅洛」は主に土休日の快速特急用で走行距離が少なく、加減速頻度も少ない事が影響してか、下回りは界磁チョッパ制御のままだった事は少々気になる点と感じたものでした。

京阪間では圧倒的な速達性を誇り、最近では試行的に特別料金を要する「Aシート」導入列車も運行しているJR新快速や、座席指定車両「プレミアムカー」が公表を博し、今後更なる導入も発表された京阪特急/快速特急と比べると、阪急京都線は観光向け快速特急「京とれいん」2車種の存在こそ際立つものの、それ以外の特急に関してはやや劣勢気味という印象も否めない気がします。

土休日昼間に快速特急A/快速特急として運行している「京とれいん」2車種の運行は大いに評価できる気がしますが、土休日昼間時間帯などで混雑が常態化している特急の車両増結(2両増結車を増結:8→10両)など、全体のサービスレベル向上が実現すれば、運賃の安さや発着地の利だけでない京阪間移動での「選ばれる要素」にもなるのでは…と感じたもので、今後阪急電鉄が京都方面への輸送改善策などを講じる事があるのか否かも気になる所です。

「雅洛」や6300系「京とれいん」をはじめ、阪急京都線他列車・車両や京阪間の競合2路線の話題も含め、何か気になる事などがありましたらコメントもどうぞ。



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1 コメント

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Unknown (初心の初心者真斗)
2020-09-08 02:45:51
これ凄いですよね!自分は、出てきた日(登場日)に
友達と乗りました!それからずっと、乗ってましたが、
東京に引っ越したので行けなくなりました。
因みに自慢話ですが、自分は、阪急株主と友達です!
と、自慢話は、置いといて。
窓から顔が出せる。手動クロスシートが俺たちのバイト!www
またいつか、初めて電車が好きになって
12年間お世話になった阪急(阪神も)にまた逢いたい。
僕は、12歳ですよーwww

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