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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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西武観光バス・中津川線~三峰口駅発着のメロディーバス

2013-10-30 | バス[首都圏]

先日「MAKIKYUのページ」では、三峰口駅にも発着する小鹿野町営バス(旧両神村営バス)に関して取り上げましたが、同駅ではこの町営バスの他に、西武観光バスの一般路線も発着しています。

三峰口駅を発着する西武観光バスの一般路線は、大半の便が三峰口駅を発着(土休日の一部のみ西武秩父駅発着)する秩父湖や中津川へ向かう路線と、西武秩父駅発着で三峰神社へ向かう急行バスの2路線があり、両者は途中まで同一経路を運行しますが、急行バスは一部停留所のみ停車となります。

同一区間で乗降の場合、両者共に運賃は同一で、PASMOなどのICカード類も両者共に通用しますが、西武鉄道で発売している秩父漫遊きっぷの引換券(漫遊クーポン)から引き換えた秩父エリアの路線バスフリーパス(単独発売なし・西武秩父駅前のバス窓口で引き換え)では、乗車区間に関わらず急行バスは通用対象外となりますので要注意です。
(漫遊クーポンはバスフリーパス引き換え以外に、レンタカー割引や西武秩父仲見世通りでの買い物券として利用する使い方も選べます)


MAKIKYUが先日秩父方面へ足を運んだ際には、漫遊クーポンから引き換えた路線バスフリーパス(写真右側)を利用した事もあり、これらの西武観光バス路線の中でも、フリーパス通用路線となる中津川線(三峰口駅~中津川)を利用したものでした。

中津川線を乗り通しただけでも片道790円を要しますので、使い方次第では秩父漫遊きっぷは非常に割安(池袋・西武新宿発着の場合、秩父エリアまでの西武線往復(高麗以西はフリー)+漫遊クーポンがセットで1820円)で、他の通用対象となる路線バスも利用すれば、バス運賃だけでもあっという間に元値以上になります。
(バスフリーパスだけで元を取ろうとしなくても、池袋・西武新宿~西武秩父~小鹿野(西武秩父駅~小鹿野町内は西武観光バス利用)を往復するだけでも充分お得です)

西武線は首都圏私鉄の中では、余り観光面で際立った印象はないものの、他にも意外と利用価値の高い企画乗車券を幾つか発売しており、秩父漫遊きっぷも使い方次第では非常に値頃感のある企画切符と感じ、以前発売していた奥多摩方面の企画乗車券が発売中止になってしまったのは惜しい限りです。

この中津川線はかなり山深い山間部を運行し、過去には特別仕様の「三角バス」が専属で運行していた程の路線ですので、現在の使用車両も専ら中型車となっており、その中でも屋根上にスピーカーを設置した車両が専属で充当されます。


車両自体は秩父地区他路線でも主力を占めており、最近は西武バス本体で見かける機会が…という2段ステップ・2段窓の日産ディーゼル製2段ステップ車で、如何にも少し前の西武バスと言った雰囲気です。

中津川線などは一部区間の道路が狭いだけでなく、バス停間隔が非常に長い区間も存在し、大半が自由乗降区間となっている事もあってか、「メロディーバス」と称し、走行中は屋根上のスピーカーからメロディーを流しての運行となるのも大きな特徴となっています。

メロディー音量自体はさほど大きくない事もあり、外部からはメロディーバスが接近すると、メロディーがそこそこ聞こえるのですが、このバスに乗車していると、メロディーは意外と聞こえないと感じたものです。

中津川線に乗車すると、終点中津川までずっと山中を走る事になるのですが、道路改良が進んでいる事もあってか、終点近くの一部を除くと大型車同士の対向も可能な程で、思っていたよりも道路状況は良好と感じたものです。


ただ途中ではループ橋などもあり、山深い山中の険しい所を走っている事は嫌でも実感させられたもので、近年一部便が経由する様になった川又へのルートは、殆どがトンネルとなっており面白みは…と感じたものです。


しかしながら終点近くの2km程は、大型車同士のすれ違いは…という狭路になっています。


この区間に差し掛かる箇所と終点・中津川(写真)には、路線バス運行時間帯には大型車待機を促す看板も見受けられたものでした。

秩父地区の西武観光バスでは、路線環境の悪さと言う点では倉尾線(小鹿野町役場~上吉田~長沢(Chozawa))辺りの方が…とも感じますが、道路改良が進んだとは言えどもそれなりに乗り応えはあり、機会があれば晴天の紅葉シーズンなどに再び足を運んでも…と感じたものでした。

またMAKIKYUはまだ乗車した事がないものの、主に座席数が多い大型車で運行(増便時などは通常の大型車も充当)される三峰神社発着の急行バスも、機会があれば三峰神社訪問とあわせ、是非一度…と感じたものでした。


川湯温泉駅と温泉街へ向かう阿寒バス~短距離路線ながら豪華車両も活躍していましたが…

2013-10-27 | バス[北海道]

少し前に「MAKIKYUのページ」では、北海道の道東で運行している「くしろ湿原ノロッコ」号に関して取り上げましたが、約1年程前の昨年秋にMAKIKYUが川湯温泉駅からこの列車に乗車(今秋川湯温泉駅発着の列車設定はありません)した際には、網走方面から釧路へ向かう一本前の列車を川湯温泉駅で下車した後、川湯温泉駅始発となる定期列車置き換えのノロッコ列車発車時間まで時間が空く事もあり、この時間を利用して川湯温泉の温泉街まで足を運んでいました。

 
川湯温泉はJR駅と温泉街が離れており、徒歩で両者を移動するには厳しく、時刻表を見ると一応主要駅と感じられる川湯温泉駅(ワンマン列車の下車時には、運賃は車内支払い)や駅前は閑散としており、如何にも北の大地と言った雰囲気が漂っています。

駅名も「川湯温泉口」にでもした方が…と感じる程で、有名な川湯温泉以外に駅近くにも「川湯駅前温泉」が存在する様です。

川湯温泉駅~川湯温泉間のアクセスとしては、片道所要約10分・280円の路線バスを阿寒バスが運行しており、MAKIKYUはこの路線で初めて阿寒バスに乗車する事になったのですが、列車の運行本数自体が少ない土地柄だけあって、バス便自体も本数は決して多いとは言い難いものです。

ただ列車接続で温泉街へ(から)のアクセスを考慮したダイヤ設定となっており、川湯温泉駅で列車を途中下車し、1本後の列車が来るまでの空き時間に温泉街へ足を運ぶには便利な存在で、バス乗車自体が目的でなくても、存在を知っていれば便利な路線かと思います。

MAKIKYUがこの路線に乗車した際には、往復共に結構古参の部類に入る首都圏中古の路線車、どちらも大都市圏の排ガス規制区域では車検を通らない車両ですので、この手の車両に乗車できるだけでも、個人的には嬉しいものです。


また限られた規模の路線・運行本数や台数で運行している路線となると、往復で同じ車両に当たる事も珍しくないのですが、往復で同じ乗務員の方が乗務していながらも、川湯温泉到着後に車両交換(乗り換え)となっており、行きは日野製中型の前中扉車、帰りは三菱製大型のトップドア車が充当され、装いや出自、車内設備も大きく異なる2種の車両に乗車できた事も、大きな収穫と感じたものでした。


MAKIKYUが乗車した際には、往復共に乗客数は指の数にも満たない状況で、タクシーでも充分と感じる状況でしたが、川湯温泉からの帰路のバスで川湯温泉駅到着後には、臨時トロッコ列車から多くの乗客がバスに乗り継ぐ事もあり、折り返し便は2人がけの座席が相席になる程の盛況ぶりで、大型車の威力発揮と感じさせる状況でした。


この大型車は元事業者では空港リムジン用などに導入された事もあり、路線車にしては結構豪華な設備を誇っているのも特徴で、阿寒バス以外にも幾つかの地方事業者で第2の活躍をしていますが、片道僅か10分程度の路線で充当するには勿体無いと感じ、もっと足の長い路線に充当しても…と感じる程でした。

観光車よりも路線車の方が好きなMAKIKYUとしては、この車両は座席にリクライニング機能こそ付いていない(日本一長い路線バスとして取り上げられる事もよくある奈良交通・八木新宮線(近鉄大和八木駅~十津川経由~JR新宮駅)でも、専用車の座席にリクライニング機能はありません)ものの、座席数も比較的多い車両ですので、釧路~羅臼間の長距離路線にでも充当してくれれば是非…と感じたものです。

日頃首都圏に身を置くMAKIKYUは、川湯温泉は滅多に足を運ぶ機会のない所ですが、機会があればこの車両にも再び巡り合えれば…と感じたものでしたが、結構な古参車と言う事もあってか、ネット上の情報では残念ながら今年廃車になってしまった様です。

ちなみに川湯温泉の温泉街にある「温泉」は、大半が温泉旅館などに設けられたものですが、川湯温泉のバス営業所(バス終点)からも徒歩数分(少し手前のバス停からはすぐです)には、鄙びた雰囲気の公衆浴場もあり、こちらは料金も割安です。


川湯温泉の温泉水は、強酸性で口に含むと凄まじい味がする非常に特徴的なもので、この公衆浴場の近くには足湯(無料)もありますので、バスの折り返し時間に多少の余裕があれば立ち寄り湯もおススメです。


路線再編された小鹿野町営バス

2013-10-24 | バス[首都圏]

先日「MAKIKYUのページ」では、秩父鉄道に関する記事を取り上げましたが、山深い同線の終点・三峰口駅からは、2方向へ向かうバス路線が発着しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、実際にこの路線バスに乗車された事がある方も居られるかと思います。

その一つが旧両神村(現在は小鹿野町に合併)へ向かう路線で、この路線は一般路線の撤退後、旧両神村が村営バスとして運行していましたが、小鹿野町との合併後は小鹿野町営バスとして運行され、現在に至っています。

この小鹿野町営バスは、今月両神地区を運行する路線の再編が行われており、MAKIKYUが今月秩父方面へ足を運んだ際には、路線再編されたばかりの町営バスにも乗車したものでした。
(元々小鹿野町だった地区は、主に西武観光バスの路線バスが運行しています)

今までは小鹿野町役場から両神庁舎(旧両神村役場)を経て白井差口や日向大谷口へ向かっていた路線と、三峰口駅~両神庁舎(一部は更に小鹿野町役場まで)を、小鹿野町役場~薬師の湯~白井差口と、三峰口駅~薬師の湯~日向大谷口の2路線に再編し、両者を薬師の湯などで接続する運行形態に改められています。

接続は小鹿野町役場~日向大谷口など、町内流動を重視したダイヤとなっており、三峰口駅~小鹿野町役場間を移動する場合には、一部ダイヤを除き結構な待ち時間が発生しますので、三峰口駅~小鹿野町役場方面を移動する場合には、待ち時間を利用して薬師の湯(定休日注意)に立ち寄るのも一つの方法かと思います。

これに合わせ、西武秩父駅~(この間は西武観光バスとは異なるルート:ミューズパーク南口などを経由)~小鹿野町役場~両神地区へ向かう路線も、薬師の湯発着に改められ、運賃も多区間制からゾーン制(旧両神村内での利用は200円均一)へ変更となっています。


使用車両も旧両神村地域を運行する路線では、以前は中型車が主力となっていたものの、現在では過疎地域の自治体運営バスでは最も典型的な車両と言っても過言ではない日野製マイクロバス(リエッセ)が主力となっています。

西武秩父駅発着の路線では、MAKIKYUが乗車した際には中型車が充当されており、乗車車両は近年の中型路線バスでは最もありふれた存在の車両と言っても過言ではないいすゞエルガミオでしたが、ホイールベースがやや短い短尺車となっています。
(少し前の旧両神村営バスでは三菱エアロミディが主力となっており、両神庁舎近くの町営バス車庫では、エアロミディの姿も目撃しています)


この車両自体は特に物珍しい存在ではないものの、前面の行先表示器部分を白幕表示としており、その下に小型のLED表示機を追設、行先表示を行っているのが特徴的です。


ダイヤ再編に伴い、両神地区の町営バス各系統が発着する運行拠点となった薬師の湯では、小規模なバスターミナル設置(窓口や車庫などはなし)も行われていますが、このターミナルは主にマイクロバス発着を前提とした雰囲気の造りとなっており、MAKIKYUが薬師の湯からエルガミオに乗車した際には、短尺車でも切り返しが必要な状況でした。

また小鹿野町営バスは旧両神村営バス継承路線だけでなく、元々小鹿野町だった地域でも、小規模ながら町営バスを運行しており、こちらには乗車した事はありませんが、小鹿野町役場でその姿を見る事ができました。


この路線はワゴン車を充当しているのですが、この手の路線でよく見るメーカー標準仕様そのまま+事業者名標記ではなく、旧両神村営バスでも用いられていた小鹿野町営バス塗装となっており、こちらも同じ小鹿野町営である事を実感させられたものです。

小鹿野町営バスではPASMOなどのICカード乗車券類(西武観光バスでは使用可)は使用できず、フリー乗車券類の発売もありませんので、余所者が乗車する場合は、現金か回数乗車券での利用になります。

ただ車内販売も行っている回数乗車券は、割安な500円(10円のみの55枚綴りで使用枚数制限なし)も設定されており、MAKIKYUはこの回数乗車券を利用したものの、ゾーン制導入で細かい金額での乗車機会がなくなった今日では、この様な回数乗車券の設定意義も薄くなっており、券種再編の動きなどが出てこないのかも気になる所です。

小鹿野町営バスは首都圏各地から比較的足を運び易く、日帰りでも手頃に乗車できる自治体運営バスの一つとしても注目の存在ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も小鹿野町へ足を運ぶ機会がありましたら、是非町営バスにも乗車してみては如何でしょうか?


秩父鉄道7800系電車~末端区間折返運行用の2両編成車

2013-10-22 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、終焉迫る秩父鉄道1000系に関して取り上げましたが、同系画像の列車行先が「影森」行きとなっている事に気付かれた方も多いかと思います。

秩父鉄道では元々朝晩などを中心に、影森発着の列車も運行しているものの、近年になって平日昼間の影森~三峰口間で2両編成車をピストン運行し、この時間帯の羽生・熊谷方面の列車(3両編成)とは同駅で乗換となるダイヤが幾つかできており、MAKIKYUが先日乗車した1000系の影森行きも、同駅で三峰口行きに接続する列車でした。

影森~三峰口間は山間を走り、平日昼間などはかなり利用が限られますので、節電必須の世相も踏まえながら、列車本数を確保するとなれば、車両代替の機会に減車し、同区間専属の短編成車を運行するのは、乗り換えの手間(影森駅では同じホームで乗換可)を別とすれば、妥当な所と感じます。

秩父鉄道では過去には2両編成を2編成連結した4両編成なども運行しており、これらが存在していれば、2両編成での運行も容易なのですが、近年は急行も含め、西武線直通列車(西武4000系充当)とSL牽引の客車列車を除くと、全て3両編成に統一された状況でしたので、影森~三峰口間2両運行実施に当たり、わざわざ新たに2両編成車を導入しています。


この2両編成車が7800系で、近年導入が進む7500系と同じく、元東急大井町線の8000系列を種車にしていますが、7500系の先頭車は東急時代に先頭車だった車両をそのまま活用しているのに対し、7800系では中間車だった車両を先頭車化改造している事もあり、種車は同一でも見た目は大きく異なるものとなっています。

東急では以前、日比谷線直通などで活躍しており、一部は今でも大改造を経て東急線内でも活躍している7000系電車の地方譲渡が進められた時期に、元々先頭車だった車両だけでは先頭車数が不足し、中間車を先頭車化改造した車両が多数登場した他、最近譲渡が進んでいる1000系電車でも同種事例があります。

これらは機能重視で、個人的にはお世辞にもスマートとは言い難い風貌の車両ばかりという印象があり、8000系列の改造車となっている7800系では、前面上部全体を黒塗りとした事によって、ただでさえスマートとは言い難い風貌が尚更…と感じる状況になっています。
(2両編成車を一目で見分けるには、ステッカー以上に有用な方法とも言えますが…)

 
また元々電動車だった車両を種車にしており、客室内床下にはモーター点検蓋が設けられているにも関わらず、一方(三峰口方)は電装解除した「偽電動車」となっており、改造で設置された運転台と客室との仕切りは、8090系原型車に比べて助士席側窓が極端に小さくなっているといった特徴もあります。
(写真は左側が7800系・右側が7500系の運転席仕切りです)


種車が7500系と同一なだけに、乗ってしまうと両数以外は現在主力の7500系と大差ない車両ながらも、よく見ると色々差異が見受けられるのも注目点と感じます。

この7800系は影森~三峰口間折り返し列車と、この運用に関連した運用に充当するための最低所用数に留まるのか、それとも今後他区間での2両編成頻用で数を増やすのかも気になる所です。

仮に今後7800系が数を増やすとすれば、ラッシュ時間帯の一部列車などで、過去に秩父鉄道で見られた2+2両の4両編成運転(設備的には可能かと思います)が再現されるのか、また既に富山地方鉄道に8590系一部車両が譲渡されていますが、秩父でも先頭車化改造車だけでなく8590系先頭車同士の編成などが出てくるのか否かも注目したいものです。


小田急ファミリー鉄道展2013に出陣~車両展示は余り豪華な顔ぶれではないものの…

2013-10-20 | 小田急グループ

昨日と今日の2日間、神奈川県の海老名では毎年秋の恒例イベントとなっている「小田急ファミリー鉄道展」が開催され、昨日はMAKIKYUも予定が空いていた事もあり、海老名まで出陣していました。

ここ数年のファミリー鉄道展では、小田急電鉄では通常非公開となっている保存車両などが多数存在するものの、これらは登場せず、保線用車両と現役の特急車・一般車が数種展示される程度、他に小田急グループ各社や一部大手私鉄などの物販実施といった内容になっています。

展示車両も並べて展示するのではなく、各編成をばらして展示しており、撮影者向けに車両周辺への立ち入りを制限し、便宜を図る撮影タイムなども設けられていませんので、車両撮影よりも実車に触れたり、記念撮影を行う家族向けイベントの色彩が強くなっています。

そのため趣味者の間では、80周年で通常は専用格納庫に保存されているSE車が屋外へ担ぎ出され、MSEとの「夢の競演」も実現した年度などに比べると近年は…という声も出ている様ですが、それでもかなりの人出となっており、小田急人気と海老名と言う立地の良さも影響しているのでは…と感じさせられたものです。

今回の展示対象となった車両は、特急車が60000形MSE(6両編成)、通勤車が8000形(6両編成)と1000形箱根登山色(4両編成)の計3車種、他に毎年恒例の専用格納庫での(旧)3000形SE車公開となっています。


MSEは華やかな特急車とは言えども、比較的メジャーな存在ですので、今回のイベントでなくても…という感がありますが、8000形と1000形はイベント告知ポスター通りの編成が展示され、これはたまたま偶然ポスターと同一番号の編成が展示されたのか、それとも特定編成の展示を意図してポスターにも起用していたのか気になる所です。


通勤車の中でも、8000形の方は更新車ながらも直流電動機のままで下回りの大規模な取替えが実施されていない編成が2編成だけ存在し、その内の1本をわざわざイベントに登場させたとなれば、一般には余り物珍しく映る車両ではないかと思いますが、小田急側もよく考えたと感じます。


車両展示ではLEDによる種別・行先表示は消灯されていたものの、8251編成の種別・行先表示は3色LEDだったはずですので、同編成がフルカラーLEDになっている告知ポスターはどこかが矛盾している事になり、恐らく同形他編成の画像と合成しているのかと思いますが、何故わざわざこんな妙な事をしているのか気になります。

もう1編成の通勤車は、通勤車の中では異端車とも言える赤い装いで、主に箱根登山線の狭軌区間列車(小田原~箱根湯本)に充当される編成、これは小田原などへ足を運べばかなりの確率で遭遇できるものの、新宿などに顔を出す事は稀(物理的には問題なし)な車両ですので、イベントへの抜擢にはうってつけの車両と感じます。

ただ他の車両と同様に、撮影タイムなどが設けられていないために、せっかくの少数派車両も上手く撮影するのはなかなか…と感じたものでした。


しかしながら午前中に一旦車両展示箇所を見物した後、午後になって再び車両展示箇所を訪れると、展示箇所とは少々離れた側線(一般者の立入禁止区域)にも、展示されている1060編成と同じ真っ赤な装いの1000形(1059編成)が姿を現し、愛好者の注目を集めていたものでした。

MAKIKYUもこの編成の姿をカメラに収めたものでしたが、たまたまイベント開催日・時間帯と入庫が重なっただけなのか、敢えてイベントに合わせて赤い1000形を側線に登場させたのかは定かではありませんが、今回のファミリー鉄道展における車両展示では、この側線に入線した赤い1000形が最注目株なのでは…と個人的には感じています。


またMAKIKYUは以前にも何度か参加している「小田急ファミリー鉄道展」では、80周年の年を除くと、概ね海老名車両基地の外れに設けられた専用格納庫で静態保存されている(旧)3000形SE車の公開も行われており、以前も何度かこちらに足を運んだ事がありますが、今回はファミリー鉄道展初参加の知人が同行していた事もあり、久々にこのSE車展示にも足を運んだものでした。


SE車は数日前郵便局で発売された「鉄道の日制定20周年」記念の切手セット(80円×10枚=800円)でも、絵柄に用いられており、記念すべき第1回ブルーリボン賞も受賞する程の不朽の名車も、現代の車両に比べると様々な面で…と感じさせられたものでした。

見学を終えてから「3000形SE車は1時間以上の待ち時間」といったアナウンスも聞かれる程で、日頃公開されない希少な車両の公開故に、こちらも相当な人気ぶりでした。

小田急電鉄は博物館などを運営していない鉄道事業者の中では、保存車両の数やバラエティはかなり上位に位置するかと思いますので、できる事なら博物館などが整備され、いつでも名車の姿に触れる事ができる日が訪れれば…と感じたものでした。
(その代わり世間の大注目を浴びた大宮の「鉄道博物館」開館日には、ネット上で小田急バーチャル博物館を同日開館に漕ぎ着けており、他に鉄道博物館開館日に博物館を同日開館させた鉄軌道事業者は存在しないかと思いますので、それなりの心意気は感じられるのですが…)

ここ数年は展示車両の車種形式などは異なるものの、毎年似た様なスタイルでの開催になっている「小田急ファミリー鉄道展」、今後も
同種形態での恒例行事になるのか、それともまた異なるスタイルでのイベント開催になるのかも気になる所ですが、MAKIKYUも一応小田急ファンの一味を自負していますので、機会があればまた来年以降も足を運べれば…と感じています。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、「小田急ファミリー鉄道展2013」に足を運ばれた方も居られるかと思いますが、その際の感想などありましたらコメントもどうぞ。


伊豆大島で大規模な土砂災害・路線バスも一部運休に

2013-10-18 | バス[首都圏]

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は、ここ数日ニュースなどで盛んに報じられていますので、東京都・伊豆大島で発生した台風被害による大規模な土砂災害と、これによる多数の家屋崩壊など物的損害をはじめ、多数の死傷者や行方不明者が発生している事は、ご存知かと思います。

今回の土砂災害は、大島町の役場などが存在し、島内に2つ存在する旅客港の一つ・元町港(もう一つは岡田港)もある島の中心地区でもある元町地区で発生しています。

MAKIKYUは伊豆大島には2回程足を運んだ事があり、その際には元町地区にも足を延ばしているのですが、ニュースなどで報じられている状況を見るだけでも、状況が一変している事を痛感させられ、相当な大災害である事を実感させられます。

不幸にも今回の土砂災害で亡くなられた方には、この場でご冥福をお祈りすると共に、負傷された方の早期回復を願うばかりです。

また今回大規模な土砂災害が発生した伊豆大島の島内交通は、大島旅客自動車(大島バス)の路線バスが一手に担っており、MAKIKYUが伊豆大島へ足を運んだ際には、同社路線バスも利用していますが、台風の影響による大規模な土砂災害発生後、昨日まではずっと運休が続いていた様です。

同社HPも現在更新が困難な状況となっている中で、ブログ(乗務員のトクダネ情報)において、今日から生活路線(大島公園ライン・波浮港ライン)の通常運行再開が報じられています。


大島バスではこの2つの生活路線(PASMOなどのICカード類は通用しませんが、東京都内だけあって東京都シルバーパスの通用対象路線にもなっています)を中心に、近年では写真の様な首都圏中古車も導入しており、以前「MAKIKYUのページ」で取り上げたこともありますが、黄色一色の大胆で明るい装いが特徴的です。


また大島バスでは一般路線でも、観光バスタイプの車両を多数使用しているのも大きな特徴で、伊豆大島観光の目玉・三原山へ向かう「三原山ライン」などの路線も運行していますが、この三原山ラインや観光バス運行に関しては、当面運休が報じられています。

現状では島内住民の生活確保や復興が最優先で、余所者が観光など不要不急の用件で出向く状況ではないと思いますが、伊豆大島は久里浜や熱海から東海汽船の高速船・セブンアイランド(ジェットフォイル)を利用すれば本土から僅か1時間、首都圏各地からは比較的容易に訪問でき、首都圏からは最も簡単に足を運べる離島と言っても過言ではないと思います。

大島島内の状況が落ち着きを取り戻し、三原山観光などもできる状況になった暁には、MAKIKYUも再び伊豆大島へも足を運べれば…と思っており、早期の災害復旧・復興を願いたいものです。


JR北海道・くしろ湿原ノロッコ号~昨年は川湯温泉まで延長運転も…

2013-10-17 | 鉄道[北海道]

今年MAKIKYUは本州内の他に、九州や四国へも複数回足を運び、唯一の未踏県だった沖縄にも足を踏み入れる事で、晴れて国内47都道府県訪問を達成していますが、その一方で海外と共に、北の大地・北海道へはまだ足を運んでいない状況です。

今年もあと2ヶ月少々、北の大地はこれから寒くなってくる時期で、今年は例年よりもかなり早い初雪が報じられると共に、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もご存知かと思いますが、遠方で足を運び難い土地(距離的には同レベルでも、新幹線1本で行ける九州等は、時間・旅費の両面でもっと手頃に足を運べるのですが…)である上に、JRを巡る諸問題などもあり、今年は未踏の一年になる可能性が高そうです。

しかしながら丁度1年前、MAKIKYUは知人訪問を兼ねて北の大地に足を運んでおり、まだその時に乗車した列車などを取り上げきれず…という状況ですので、昨年乗車した列車の一つ、くしろ湿原ノロッコ号を取り上げたいと思います。

ノロッコとは、「鈍い」「トロッコ」を掛け合わせたJR北海道の造語で、道内を走る機関車牽引の観光向けトロッコ列車にこの名称が付けられ、名前の通り車窓の良好な区間などで徐行運転を行い、名前の通りわざわざ「鈍い」運行を行っています。

1編成は旭川、もう1編成は釧路に所属、前者は主に富良野線、後者は主に釧網本線で運行しており、前者は随分前に一度乗車する機会がありました。

またMAKIKYUが昨年北の大地を訪問した際には、当初釧網本線に乗車する予定はなかったのですが、根室本線白糠周辺で土砂流入により、白糠周辺が数日間運行休止となり、突然の予定変更を余儀なくされ、これを「災い転じて福と為す」とばかりに、当初予定していなかった釧網本線にも乗車する事になり、その際には釧路のノロッコにも初乗車したものでした。

釧路に所属するノロッコ編成は、主に「くしろ湿原ノロッコ号」として釧路~塘路間という比較的短距離を運行する事が多く、この場合は大抵2往復運転となります。


しかしながら繁忙期以外では、釧網本線の更に北方まで足を伸ばす列車として運行される事もあり、MAKIKYUが昨年釧網本線に乗車した日には、釧路~川湯温泉間で昼間時間帯の定期普通列車を置き換える形で、やや長い時間をかけて1往復運転する運行形態となっていました。

MAKIKYUが網走から釧網本線に乗車した際には、川湯温泉以南で1本後の列車がトロッコ列車となっており、川湯温泉でノロッコに乗車する機会は余り…という事もあり、網走から乗車した釧網本線のワンマン列車を川湯温泉で降り、川湯温泉からトロッコ列車に乗車したものでした。


釧網本線で定期運転を行っている普通・快速列車は、大抵気動車単行のワンマン列車になっていますので、日頃は短い編成ばかりが走る閑散とした川湯温泉駅において、機関車を含めて6両もの編成は非常に長く感じられ、場違いと言っても過言ではない程でした。

通常は1両ワンマン運転を行っている定期列車を置き換えての運転と言う事もあり、川湯温泉始発の時点では車内はガラガラ、車内観察にも絶好の状況でした。

「くしろ湿原ノロッコ号」で使用しているノロッコ客車は、緑色を基調とした装いとなっており、富良野線などで活躍するノロッコと同様に車端に制御客車を連結し、機関車の付け替えなしで運行可能な形態となっています。

制御客車の前面は、最近電化→電車化で随分数を減らしたものの、JR北海道名物とも言えるPDC改造車(客車→気動車化)を連想させる印象があります。


この一見すると動力なし気動車の様な雰囲気の制御客車は、存在自体が国内の鉄道車両では異色の存在ですが、コンパクトにまとめられた運転台を見ると、通常の気動車などとはマスコン形状が大きく異なり、ノッチがかなり細かくなっている辺りは、機関車の制御を行う車両ならではと感じます。

他の客車も種車は全て50系(51形)、牽引/推進運転を行うディーゼル機関車も客車と合わせた装いになっていますので、編成美という観点では、富良野線などで活躍するノロッコ客車よりも、こちらに軍配が上がる気がします。

客室設備面では、荒天時などに備えた控車が機関車次位に1両連結されており、他は制御客車も含め、観光列車ならではのトロッコ車両となっています。


機関車次位に連結される1両は、設備的には国鉄から継承し、現在の道内ローカル輸送の主力となっているキハ40系列と大差ないグレードで、座席モケットも国鉄標準の紺色1色であるなど、到底観光向けの車両とは言い難い雰囲気を受けます。


車体色からレッドトレインとも呼ばれた50系列客車は、車齢こそさほど古くなくとも多数が早期引退を余儀なくされ、残存車が極めて少数ですので、幾つかの改造点が見受けられるとは言えども、50系客車の乗り心地や雰囲気を堪能できる車両と言う意味では、トロッコ車の陰に隠れた脇役的存在ながらも、この控車は希少な存在と言えます。


この1両以外は全てトロッコ客車、取り外し可能な大きな窓などは如何にも観光列車ならではと言えますが、座席は硬い木製となっており、釧路~塘路間の短距離運行程度であれば充分な設備ですが、釧路~川湯温泉間をずっと座り続けるとなれば、少々難有りと感じるかもしれません。

MAKIKYUが乗車した際には、トロッコ車両の一部車両が要指定料金の「指定席」となっていたものの、MAKIKYUは指定席券は購入せず、自由席となっているトロッコ客車の方に乗車したものでした。

始発の川湯温泉出発時点では、通常運行しているワンマン列車は専ら1両編成、これをノロッコ運行に伴い、自由席車だけでも複数両の編成に置き換えているだけあり、指定席券を買わずとも座席確保は余裕と言う状況でした。

通常運行区間よりも北へ伸びている区間では、定期普通列車を置き換えての運行となっている事もあり、途中駅での乗降もボチボチ見受けられる状況でしたが、長編成を持て余している雰囲気を感じたものでした。


目玉の釧路湿原を走る区間やその周辺ではタンチョウの姿も見受けられ、車窓も観光列車が設定される区間ならでは…と感じます。

一方「くしろ湿原ノロッコ」号の主運行区間となっている塘路まで来ると、旅行会社の団体ツアー客が数十人単位でゾロゾロ、自由席車はローカル線らしからぬ「満員列車」となり、長編成の威力を存分に発揮する状況でした。

この様な状況では、今年の「くしろ湿原ノロッコ」号が川湯温泉延長運転ではなく、釧路~塘路間2往復運行となるのは当然で、塘路以遠への乗客数の少なさも踏まえると、昼間時間帯の一部列車などは塘路乗換え(塘路以北はワンマン列車・塘路以南は自由席設定のノロッコ編成運行)になっても不思議ではないと感じる程でした。

JR北海道では車両不具合による特急の相次ぐ運休、そして来月には車両整備間合い確保や消耗頻度減少のために、一部特急列車の運行本数削減・最高速度引き下げといった「消極的ダイヤ改正」も実施されます。

この対象列車では道民の移動手段としての輸送確保だけでも精一杯、とても遠方からの旅客利用増を見込む事は…という状況ですので、ただでさえ利用減・経営難に苦しむJR北海道の現状打開策は…と感じます。

とはいえ都市圏輸送と共に数少ない盛況列車でもある「くしろ湿原ノロッコ」号は、観光面で注目の列車であると共に、趣味的にも非常に興味深い列車ですので、今後どの様な運行形態で走るにしても、釧路地区の看板列車として末永く活躍する事を願うと共に、最近多発している数々のトラブルを解決し、また列車で北の大地を…と思える日が訪れる事を願うばかりです。


終焉迫る秩父鉄道1000系電車~首都圏では201系ですら退役した今日でも…

2013-10-13 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日12日は秩父鉄道三峰口駅において、「さよなら1001号引退イベント」が開催され、これに伴う1000系充当の臨時列車も設定されました。

MAKIKYUはこのイベントには足を運んでいないのですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、このイベントに参加された方も居られるかと思います。

秩父鉄道1000系電車は、元国鉄101系では最後の現役車両で、東急線車両の中古導入による代替により、来年春の全面退役→101系現役稼動車の完全消滅となります。

車両代替進行と共に遭遇率も低くなっており、近年では様々なリバイバルカラー編成が登場した事もあってか、その存在は最近特に注目を集めていますが、秩父鉄道へ移籍後の活躍年数も長く、少し前は嫌でもやってくる程でしたので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方で秩父鉄道に乗車した事がある方は、同系に乗車した事がある方の方が多数派かと思います。

この1000系も現在残存するのは、今回のイベントで退役となったスカイブルーの1001編成を除くと、秩父鉄道の同系標準塗装を纏った編成と、オレンジ色のリバイバルカラーを纏った編成が各1編成のみと言う状況になっています。

まして秩父鉄道の車両運用は、急行や2両編成を除くと、基本的に特定編成を限定ダイヤで運行する事などは…という状況ですので、今では1000系を狙って秩父鉄道へ足を運んでも、遭遇頻度は非常に低いのが現状です。


しかしながらMAKIKYUは今月初めに秩父方面へ足を運ぶ機会があり、秩父鉄道を利用した際には、たまたま乗車した列車でオレンジ色の1003編成に当たり、数を増やしている元東急車以外が来れば上等と思っていた程ですので、予想外の大収穫と感じたものでした。


同系は最も古い車両で車齢50年を迎えた事が話題になっており、首都圏の大手私鉄では古参かつ旧式車両の部類、秩父鉄道線内を走る機会(現在は営業運行ではなく車両回送などに限られますが…)もある東武8000系よりも古い上に、元事業者の国鉄~(現)JR東日本で、101系を淘汰に追い込んだ201系ですら…という状況です。

おまけに鋼製車体の抵抗制御車で、未だに非冷房車組み込んでおり、JRグループの中でも古参車を長く走らせる傾向が強いJR西日本ですら、101系よりも新しい103系(これもかなり古い部類ですが…)の廃車が進行している状況を踏まえると、首都圏各地から日帰りでも容易に足を運べる所で、よく今日まで走り続けたと感心する程です。


また同系は元国鉄101系というだけではなく、原型をよく留めながらも、秩父鉄道入線後に他では類を見ない両端車のみの分散型冷房装置設置改造(中間車は非冷房車のまま)を施されたのをはじめ、ワンマン運転対応改造や片側先頭車のパンタグラフ増設、そして一部駅での一部扉締切扱い対応など、時代の流れや大都市圏通勤線区とは様相が異なる秩父鉄道の路線事情に対応した様々な改造が施されたのも、大きな特徴と言えます。

利用機会も決して多いとは言い難い路線ですので、今後来春の全面退役までの間に、再びMAKIKYUが1000系に乗車する機会自体があるのかどうか…と感じる程ですが、このオレンジ色リバイバル編成をはじめ、秩父鉄道現行塗装で残る編成も含め、営業終了まで大きなトラブルなどなく走り続け、有終の美を飾る事を願いたいものです。


小田急20000形RSE・富士急譲渡が正式発表~発表では1編成のみの様ですが…

2013-10-11 | 小田急グループ


小田急線~JR御殿場線直通特急「あさぎり」号で昨年3月まで活躍した小田急20000形(RSE)は、運用終了後富士急行に譲渡されるのでは…という噂が様々な所で流れていましたが、今日小田急・富士急両社のHPでも譲渡合意の正式発表がリリースされ、既に「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、ご存知の方も多いかと思います。
(写真は既公開記事で使用した、小田急現役時代のRSEです)

RSEは7両編成2本が製造され、構造上は2階建て車両など一部車両を外して短編成化した運行もさほど難しくないかと思いますし、車齢も決して新しい車両ではないものの、老朽車という程でもないかと思います。

特別料金を要する優等用車両の中では、日本全国を見渡しても、老朽車の部類に入る「フジサン特急」(元国鉄→JR165系)は、現在同列車用以外に現役車両は存在せず、設備的には優れていても車齢を踏まえると、退役は時間の問題と感じます。

編成数的にも、現在3両2編成が活躍する「フジサン特急」用車両の代替用として富士山麓の反対側に活躍舞台を移し、RSEが第2の活躍をするのは丁度良いと感じます。

ただ小田急・富士急両社のHPで発表されているリリースを見ると、「今回、2編成のうち、1編成を富士急行に譲渡するもの」「7両編成から3両編成に改造」と発表されています。

これでは少なくとも両端共にRSE原型先頭車で構成される編成を2編成用意し、現行「フジサン特急」2編成を代替する事はできません。

そのため7両1編成のみ購入となると、有料特急列車の増発用(或いは予備車確保)としての導入なのか、それとも先頭車化改造車などが介在する編成になるのかも気になる所です。


また富士急は「富士登山電車」や6000系電車(元JR205系・写真)をはじめ、一部駅舎や系列の身延登山鉄道(身延山へ向かうロープウェイ)のリニューアルなどで、JR九州や両備グループの車両デザインなどを幅広く手がける某有名デザイナーが関与しています。

来年夏に営業開始計画と発表されているRSE譲渡車は、現行「フジサン特急」の後継車としてフジサンを擬人化したイラストだらけの姿になるのか、それとも某有名デザイナーが関与し、装いや内装などを大胆に改める事になるのかも気になる所です。
(そのどちらでもなく、長野電鉄へ譲渡された10000形Hi-SE→1000系ゆけむりの如く、小田急時代の姿をなるべく留めて走らせるのも一つの方法かもしれませんが…)

富士山麓の反対側・甲州の地に活躍舞台を移し、新たな活躍を始める暁には、どの様な姿で再登場となるのかも注目したいものです。


(お断り)この記事内容は「小田急グループ」「鉄道[甲信越]」の双方に跨りますが、今日小田急側から公式発表が行われた事もあってブログ記事化した事もあり、「小田急グループ」扱いとさせて頂きます。


みなと観光バス・ハーバーランド線~4月に運行開始したばかりの新路線

2013-10-09 | バス[近畿]

先日「MAKIKYUのページ」では神戸交通振興が運行する「CITY LOOP」に関して取り上げましたが、MAKIKYUがこのバスに乗車してハーバーランド(モザイク前)で下車したら、程なく別のバス停を目撃したものでした。

このバス停はみなと観光バスが運行するモザイク前~三宮~新神戸駅間を結ぶ路線(ハーバーランド線)のバス停で、路線自体も4月に運行開始したばかり、MAKIKYUもこの路線に関してはノーチェックで下調べ不足を実感させられたものでした。

バス停の案内を見ると、時間帯によって運行が空白となるものの、概ね毎時2本運行しており、みなと観光バス自体も存在こそ知っていたものの、今まで乗車機会がなかった事業者で、同社バスに乗車する絶好のチャンスとばかりに、ハーバーランドから三ノ宮へ戻る際には、この路線に試乗してみたものでした。


車両は近年の大都市圏ではありふれた存在の大型ノンステップ車・日野ブルーリボンⅡで、MAKIKYUが乗車した時は貸切状態と言う有様でしたが、umieのロゴも入り、一応ハーバーランド線専属車両になっている様です。

運賃は神戸市内中心部を運行する他者一般路線と同額の大人200円均一ですが、スルッとKANSAI各社の乗車券類やICカードなどが利用できないのは少々痛手です。

モザイク前からはJR神戸駅・高速神戸駅も徒歩圏、ここから三ノ宮までは電車の本数も頻発し、運賃面でも優位な状況ですので、MAKIKYUが乗車したのは平日昼間とは言えども、致し方ない気もしますが、モザイク前~新神戸駅を直接移動するとなると、地下鉄では運賃面だけでなく三宮での乗り換えも厄介ですので、結構有用な路線と言う気がします。

またこの路線は、関西の路線バスでは均一運賃区間でも比較的少数派の「運賃前払い」方式となっているのも特徴的(京都・大阪・神戸の市バスは全て運賃後払い、これらの市内を運行する民営バスも後払いが圧倒的多数です)と感じたものでした。
(みなと観光バスはHPを見ると、路線や区間によって前払いと後払いが混在している様です)


佐世保市営バスの元小田急グループ車~江ノ電バスグループ以外にも…

2013-10-06 | バス[九州本土]

6月にMAKIKYUが足を運び、乗車する機会があった長崎県の佐世保市営バスでは、先日取り上げた江ノ電バスグループから移籍した日産ディーゼル製大型路線車以外にも、小田急グループのバス事業者から移籍した車両が多数活躍しています。


その中でも最もありふれた存在と言える車両が、小田急グループはおろか、本州のバス事業者全般を見渡しても、運行台数では最大規模を誇る事業者から移籍した三菱エアロスターで、近年この車両を多数保有するこの元事業者をはじめ、大都市圏の様々な事業者から地方へ移籍する車両が相次いでいます。

この元事業者の路線車では、所属車両の大半で前面窓下に運賃支払い方法を表示する小窓を取り付けており、他では余り見られない大きな特徴となっていますが、そのお陰でエアロスターでは標準装備、デザイン上も大きなインパクトがあるセーフティウィンドゥ(死角確認窓)が設けられていないのも特徴です。

地方事業者への移籍時は、この小窓やその表示内容(前払い/後払い)を生かしていたり、小窓だけが残存している事も多いのですが、佐世保市営バスではこの小窓自体を埋めています。

側面もこの前面小窓と連動した出入口表示を埋めており、行先表示器設置箇所の窓も交換し、元事業者とは異なるサイズのLED表示器を設置するなど、元事業者の面影は随分薄れたものとなっています。

しかしながら、それでもセーフティウィンドゥ設置部分が窪んでいたり、元事業者の少し前の車両では大きな特徴となっている出っ張った前面バンパーなど、幾つかの特徴は残存しています。


この車両にも乗車機会がありましたが、車内は元事業者の仕様がほぼそのまま残存しているものの、首都圏→西日本の事業者に移籍した車両では、日射対策の強化が行われている事例が多く、この車両では元事業者の車両では設置されていないブラインドを設置、そしてこのブラインドの固定用レール形状が非常に特徴的です。
(日射対策はカーテン設置やスモークフィルム貼り付けなど、事業者によって差異が見受けられ、興味深いものです)

また多数派のエアロスターに混じり、富士7E車体のいすゞV8エンジン装備車も活躍しており、こちらにも乗車機会がありました。


改造内容はエアロスターと類似しているものの、エアロスターに比べると活躍数だけでなく、車両のインパクトなども今一つという印象があります。


小田急グループからの移籍車両は、乗車機会こそなかったものの、これ以外にも目撃しており、こちらはサッシが黒色、外観上も現行最新モデルと大差ない上に、まだ結構な数の旧年式車が活躍している土地柄もあってか、素人目には新車と大差ない車両と映りそうです。

6月に佐世保へ足を運んだ際には、有名な九十九島観光などへは足を伸ばせず、市営バスは市内中心部から各所へ、都市規模の割には結構な規模で運行していますので、機会があれば九十九島観光なども兼ねて、また佐世保市営バスにも乗車できれば…と感じたものでした。


マルエーフェリー・フェリーあけぼの~マリックスライン就航船とは様々な差異も…

2013-10-01 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」では、鹿児島~沖縄航路に就航しているマリックスラインの「クイーンコーラル8」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが4月に同船に乗船した際には、途中下船制度を利用して徳之島(亀徳)で途中下船し、翌日の同航路に再乗船して最終寄港地・鹿児島新港を目指したものでした。

鹿児島~沖縄航路はマルエーフェリーとマリックスラインのフェリー各2艘が共同運航を行っており、それぞれ隔日運航、両者を合わせて毎日運航が確保されています。

そのためマリックスラインのフェリーを途中下船し、翌日のフェリーに再乗船するとなれば、ドッグ時などの変則ダイヤでもない限りは、マルエーフェリー運航便に当たる事になります。

マルエーフェリーでは現在、鹿児島~沖縄航路では「フェリーあけぼの」「フェリー波之上」の2艘が就航しており、後者は「三菱空気潤滑システム(MALS)」を採用した最新鋭の船ですので、できればこちらの方に…と感じたものでしたが、MAKIKYUの乗船日は残念ながら「フェリーあけぼの」の就航日でした。


しかしながら「フェリーあけぼの」も2008年就航開始の比較的新しいバリアフリー対応船、それも離島航路にしては破格の大型船です。

鹿児島~沖縄間を乗り通すと丸1日を要する事もあり、食堂やシャワー室も備えているなど、設備的にはかなり充実した部類に入りますが、鹿児島~沖縄航路で就航する4艘の中で唯一、2等寝台の設備がないのも特徴です。


徳之島(亀徳)からこの「フェリーあけぼの」に乗り込むと、まず案内所や売店などがあるエントランスホールにたどり着き、その後各等級の客室へ至る造りは、共同運航を行っているマリックスラインの「クイーンコーラル8」などと同様ですが、同航路に就航しているマリックスライン運航の「クイーンコーラル8」に比べると、やや地味な印象を受けたものです。


2等乗船券の途中下船後に再乗船する場合は、基本的には2等客室を利用する事になるのですが、この客室は長距離フェリーでは一般的なカーペットの大部屋ながらも、1人ずつ区画が区分された簡易パーティションが設けられている辺りは、新しいフェリーならではと感じます。


また途中下船後の再乗船でも、空席がある場合は差額精算で上級客室へのランクアップも可能で、案内所で2等洋室の空席を訪ねたら「有」との事でしたので、MAKIKYUは+2000円で2等洋室を利用したものでしたが、その際にはカーボン複写式の「船内発売乗船券」による差額料金券も発券されます。
(残念ながら下船時に回収となり、手元には乗船券の写真しかないのですが…)


2等洋室は窓なしながらも、JR寝台特急の開放室B寝台レベルの設備を+2000円で利用できますので、個人的には夜行利用で空席があるならば、多少の差額を払っても是非利用したいと感じたものですが、途中下船制度利用の場合は事前予約不可、当日の空席次第と言うのは少々惜しい限りです。


差額精算でランクアップした2等洋室に荷物を置いた後は、外がまだ明るい事もあり、しばらくはデッキなどに出て船旅ならではのゆったりとした一時を過ごしますが、乗船時は丁度雨上がりだった事もあり、虹が見られたものでした。


デッキの一部が木床となっている辺りも、南国を就航するフェリーらしくて好印象ですが、上部デッキは柵で仕切られて一般乗船客の立入不可となっている区画が多く、この点はマリックスラインの「クイーンコーラル8」に軍配が上がります。


そして日が暮れる頃には食堂の営業時間となり、それ以外の時間はフリースペースとして開放されている辺りは、マリックスラインと同様ですが、食堂のメニュー(マルエーフェリーはHPなどでの公開なし)は、マリックスラインに比べると品数の点で見劣りが否めません。

冷凍食品の自販機なども含め、随所に「米は、国産米 を 使 用」という標記が見られるのは、沖縄への往路に乗船したフェリーきかいや琉球エキスプレスなどと同様ですが、食堂に関してはもう少し健闘して欲しいと感じたものです。

しかしながらマルエーフェリーでは、HPでも最近になって船内食堂で沖縄そば(500円)の取り扱いを開始した旨が発表されており、マリックスラインの鶏飯などと同様に、手頃に堪能できるご当地メニューをもう少し早くから取り扱っていれば…と感じたものです。


また食堂の品揃えと言う点では、マリックスラインに比べると見劣りが否めないものの、食堂の空間自体は軽食コーナーと言った印象が否めなかったマリックスラインの「クイーンコーラル8」に比べると広くゆとりある空間と感じたものです。


食堂営業終了後に持参の弁当等で夕食を済ませた後は、外も真っ暗となり、景色を堪能するのも…という状況で、奄美大島・名瀬港の入出港時以外は船室で体を休め、翌朝の鹿児島到着を待つ事になります。

そして翌日目が覚めると既に船は錦江湾に差し掛かっており、まだ首都圏とは程遠い地に居ながらも、既に「帰ってきた」という心境になるのは、韓国旅行帰りの高速船から博多湾や福岡の街並みを眺めるのと似た気分で、奄美諸島や沖縄は「遠い」事を改めて実感させられます。
(鹿児島市内からは、同一県内の奄美大島・名瀬までの約380kmでもフェリーで丸半日、移動距離数4桁kmになる東京でも新幹線乗り継ぎで7時間程度、まして沖縄ともなれば奄美大島の倍程度の距離と時間を要しますので、その道程は海外旅行に匹敵するレベルです)

既に何度も足を運んだ事がある鹿児島市内に到着した後は、当日中に新幹線で博多、そして首都圏へと移動して無事帰還、記念すべき日本国内47都道府県訪問達成を果たした初の奄美・沖縄訪問は幕を閉じたものでした。

4月の奄美・沖縄旅行では雨天の日などもあり、まだ春先でも…と感じる程の南国特有の湿度や、陽射しのきつさを実感させられる事もありましたが、海況は安定しており、フェリーの欠航や大幅な遅延がなかっただけでなく、どの航海も快適な船旅を堪能できたのは、非常に良かったと感じています。

鹿児島~沖縄航路の途中下船制度も、途中の奄美諸島の島々に立ち寄れるだけでなく、旅程次第ではマルエー・マリックス2社のフェリーを乗り比べる事ができるのも魅力的と感じたもので、共同運航を行っている関係で基本的なスペックは類似しているものの、両者で色々差異が見受けられる点も興味深いと感じたものでした。

MAKIKYUの周囲では、MAKIKYUが奄美・沖縄から帰還した後に、千葉県内某所から某スターとやらで沖縄へ足を運んだという話も聞いているのですが、話を聞くと「安かろう悪かろう」の極みと感じ、いくら激安価格でも不要不急の旅行ではとても…と感じたものです。

私用で再び奄美・沖縄へ足を運ぶ機会があるならば、首都圏~鹿児島間のJR利用と組み合わせ、基本的に毎日就航しており、使用船舶の設備も充実している鹿児島~沖縄航路に再び乗船できる機会が…と感じたものです。

その様な機会が巡ってくるならば、今度はフェリー波之上かクイーンコーラルプラスのいずれか、もしくは両者の乗り比べができれば尚の事と感じますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も奄美・沖縄方面へ足を運ぶ機会がありましたら、是非マルエーフェリーかマリックスラインの利用を検討してみては如何でしょうか?

(追記)MAKIKYUの乗船時点では存在していた途中下船制度は2015年に廃止され、現在は途中の島々で一旦下船する際は乗船区間毎の乗船券購入が必要となっています。