義父からの手紙は拝啓で始まり、恙なく消光致しおります・・・・
私はその時初めて「消光」なる言葉を覚えました。
そして手紙は敬具で終りました。
さすが「候文」ではありませんが随所に明治の人を感じる手紙でした。
その名も「郷井門」、時代劇に出てきそうな名前です。
寡黙で謙虚な人でしたがその分義母が補っていました。
士族ではないはずですが古武士然とした風貌でした
豊かではなかったと思いますが息子(私の亡夫)を中学から名古屋へ出し、
教育県の長野らしく教育熱心な人で、学ある人でした。
「断捨離」は急ピッチで進んでいますが、
写真と手紙だけはなかなか捨てられず困りました。