片方の膝が痛い場合、反対側の足首にすごく力が入っていることがある。
変形ではなく、筋肉の緊張による足首の内反(内側に曲げること)。
本人がそのように力を入れているのだが、そのことを意識できていない状態。
そのため、もう片方の膝に負担がかかり、痛みが出る。
その膝は”身内”からの負荷に耐えて、物凄く頑張っている。
しかし本人は、自分がそのようにして(足首を曲げて)いることに気づかないため、
「膝が問題だ」
と考えてサプリを飲んだり、あちこち病院や治療院に行くことになる。
多くの場合、行った先ではその頑張っている膝にあれこれする。
痛み止め、シップ、電気、そして鍼灸の多くも、その頑張っている膝に対して行ったりする。
最悪は手術だ。
しかしそういったことをしても、何の気づきも根本的な改善もない。
問題は反対側の足首の緊張なのだから。
そのような場合、はじめに横になってもらうと足首が普通に真っ直ぐになっていたりする。
「人に見られるとき」は自分の緊張(ほんとうの問題)を隠すことが癖になっている。
そこで最初に全体を整える鍼をしていく。
そうするとリラックスしてきて、最初は普通だった足首がみるみる内反していく。
表面的な緊張が解けることで、隠れていた(潜在的な)習慣が表に出てくる。
そこから足首の内反が解消していくように鍼をする。
施術後、立って膝の屈伸をしてもらうと、反対側の膝の痛みが軽減されている。
もちろん、習慣の根強さに応じて内反の習慣が再び出てくると、また膝が痛み出すだろう。
しかし、本人は足首の緊張に少し気づきがあった。
鍼を続けて理解が深まっていくことで、力を入れる習慣がおさまっていく。
同一化して意識できなくなった習慣を意識していくことで、問題が解消していく。
そのサポートのための鍼治療。
こういったことは膝の痛みだけでなく、他の症状でも同じだ。
そしてそういった身体の緊張は外界との関連(人間関係)においてはどういうことが起きているかというと、
最初に緊張(問題)を隠す癖は
・世間体を気にしすぎて外面を取り繕っている
・男だと「俺は男らしい」、女だと「わたしはサバサバしている」などと思っているが周囲が抱く自己イメージと著しくずれていたりする。逆に自己評価が客観的評価よりもあまりに低い場合もある。
どちらにしてもありのままの自分を受け入れていない。
その根底には大切な人(親など)にありのままの自分を受け入れられなかった悲しみや怒りがあるが、それに気づいていない状態。
そして片側の足首の緊張を全く認識せず、痛みの出ている反対側の膝だけに問題があると考えていろいろ(シップを貼ったり鍼を刺したり電気を流したり)している場合、
・親であれば子供(兄弟姉妹)を差別していたりする。ある子供の頑張りや存在は全く認めず、問題点ばかり指摘して責める一方その兄弟姉妹に関する問題からは一切目を背け甘やかす(愛玩用であったり自分と同一視したりしている)。
・会社であれば部下を差別している。ある社員はどれだけ頑張って成果をあげても認めないが、自分に愛想がよかったり何かしらつながりがある部下は成果がなくても可愛がる
上記のことをしている人はかつて自分がされていたりする。しかしその記憶は封印している。
そういう外の世界の感じ方や考え方の歪みを自分の身体で表現しているとも言えるし、身体の緊張が外界との関係性を歪めているとも言える。
体表のポイント(ツボ)に鍼を当てて注意を促すことで緊張が解けていく。
そして身体の緊張が解消されてくると自分自身の感じ方が変わり、外の世界との関わり方も変化していく。
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