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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

【神奈川】金子洋一候補と「渋沢栄一」がそっくりなワケを考察する

2010年07月02日 15時17分45秒 | その他

[画像]金子洋一さん(産経)と渋沢栄一

 金子洋一さんが神奈川選挙区で最後の1週間の努力でギリギリ当選できそうな情勢となってきました。730万神奈川有権者のみなさん、なんとか金子さんを押し上げてください。

 第22回参院選の神奈川の立候補者はここをクリックしてご確認下さい。

 実はけさ、東京のホテルニューオータニで外資系投資家との朝食会という生まれて初めての機会に恵まれました。この席で、日本人出席者から、「デフレ脱却を目指す、ミスター・カネコが参院選を戦っている」という話題が出ました。まあ、その人も私のブログを読んでいるわけですが、デフレ脱却エコノミストが求められています。

 金子洋一候補は、「日本の資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一に瓜二つです。政界ではそっくりの場合は、二世・三世議員なのですが、金子さんの場合はそういうわけではありません。これは気になりだすと、気になって気になったどうしょうもありません。

 というわけで、金子候補と渋沢がなぜ似ているのか考察してみました。

 

[画像]金子洋一さん(宮崎信行撮影)と渋沢栄一

 渋沢栄一は、「道徳と経済の一致」を生涯説き続けました。「金もうけだけではいけない、豊かでしあわせな社会を作ろう」と。

 渋沢栄一が創業したり、設立に関わった会社・団体は300社ほどあります。

 (現社名・旧社名とも分かりやすいものを選びました)

 例えば、みずほ銀行、日本興業銀行、埼玉銀行、協和銀行、朝日生命、東京海上、東京ガス、石川島播磨重工、清水建設、王子製紙、十条製紙、秩父セメント、新日鐵、帝国ホテル、川崎重工、服部セイコー、キリンビール、アサヒビール、サッポロビール、キッコーマン、東商、東証、一橋大学、日本女子大学、NHK、共同通信、時事通信、聖路加国際病院・・・以下略

 渋沢は会社創業に奔走しながら、『論語と算盤(ソロバン)』を著しました。ちなみに渋沢直筆の論語の注釈が、渋沢資料館というところで展示されています。私はそれや、講談社学術文庫から出ている渋沢の論語解説本を何度も読んでいますが、いつ読んでも、すべての章で、私の解釈と渋沢の解釈はまったく違う(^^;) まあ、私の修行が足りないのでしょうが、それはそれで楽しいものです。

 そこで、思い出されるのは、郵政改革法案(第174通常国会で廃案)に関する議論が盛り上がっていた後半国会がスタートしたばかりの4月6日付けで、金子洋一さんが「エコノミスト・ブログ」に書いていた次の内容です。私はこれを読んで、腰が抜けそうになりました。

(引用はじめ)
http://blog.guts-kaneko.com/2010/04/post_511.php

郵貯上限限度額引き上げに関する疑問

 郵政改革法案が成立した際に引き上げる郵便貯金の預け入れ限度額を2000万円に一気に引き上げるということです。

 第一に、その水準の高低については、今は論じませんが、これから定額貯金の集中満期を迎えます。これと重なることでの影響はどのようなものとなるのでしょうか。あるいはいったん2000万円に引き上げて、今後、経済情勢の変化によって引き下げるとした場合、現場のオペレーション的には非常に難しいのではないでしょうか。引き上げるにしても引き下げるにしても例えば100万円刻みで行うべきではないのでしょうか。このあたりはどう考えればいいのでしょうか。(後略)

(引用おわり)

 これについては、まず総務相・郵政改革相が「3000万円への引き上げ」をぶち上げ、その後の閣議決定で「2000万円」となりました。

 これについて、金子さんは引き上げそのものについての論調を避けながらも、「仮に引き上げるにしても、なぜ100万円刻みではないのか?」と。私の知っている限り、この議論を展開したのは金子さんだけでしょう。

 この「100万円刻み」という発想に、金子さんに潜む「論語と算盤」「道徳と経済」を感じるのです。


 
[画像]昨秋の補選で初当選した際の金子洋一さん(時事)と渋沢栄一

 現在の日本銀行券は、管理通貨制度で発行しています。1万円札という紙ッピラが「¥10,000」の価値を持つのは、政府・日銀に対する国内外の「信用」に基づきます。

 太平洋戦争が敗色濃厚になった昭和19年(1944年)から終戦にかけての混乱期に日銀総裁を務めたのは、渋沢の孫である渋沢敬三です。祖父譲りの「信頼」と「信用」が日銀に欠かせなかったのでしょう。

 日銀マンも自分のところの債券から、たくさん給料をもらうようではいけません。私としては、「印刷局」は財務省に戻して、財務省と日銀の関係を正常化し、日銀も自分たちの債券(お札)をあんまりかわいがるのもたいがいにしろ、というスタンスに移りつつあります。


 渋沢栄一をモデルにした「雄気堂々」のあとがきで著者の城山三郎さんは、

(引用はじめ)

 渋沢は、近代国家という組織づくりの中で、さらに合本組織(株式会社)という組織づくりに、生涯の情熱を賭けた。ここには、資本主義の素朴で本来的な姿が、顔をのぞかせる。

 組織が人間を閉塞させた時代から、人間が組織をつくる時代へ。動乱の中の生き方から、組織を率いる生き方まで、渋沢とその時代は、現代に生きるわれわれに、多くのことを教えてくれる気がする。(中略)渋沢の雄気堂々の人生の豊かさがその水脈となっている。=新潮文庫版「雄気堂々(下)352頁」 (引用おわり)

 「組織が人間を閉塞させた時代」・・・って今もそうですけどね。特に神奈川在住・東京在勤のみなさん、どう思われますか?

 金子さんは、民主党本部から軍資金を止められていました。まさに組織が人間を閉塞させていたわけですが、菅直人代表-枝野幸男幹事長になって、しっかりと雄気堂々闘っていますし、金子さんが与党・民主党の参院選の戦い方をつくっていくのだと考えます。

 

 これは東京・神田の「常盤橋公園」という小さな公園に立つ渋沢栄一の銅像です。渋沢の左肩の後ろ100メートルに日本銀行本店があります。渋沢の顔は、南西、すなわち今、金子さんが闘っている神奈川・横浜方面を向いています。

 日本の近代化とは、すなわち西洋化。開国とは、すなわち横浜開港のことです。横浜開港から明治維新まではわずか9年間でした。

 たった200戸の漁村だった横浜が開港してから151年。すばらしい西洋の文明を吸収した日本の表玄関である神奈川県850万人の選良の選択に、次の100年の日本の未来がかかっています。


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