【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「あなたは総理大臣ですか?」と岡田克也代表激怒、自ら安保法制再整備法案の委員会審議の先頭に

2015年04月24日 17時19分45秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 民主党の岡田克也代表は平成27年2015年4月24日(金)の定例記者会見で、安倍晋三首相(自民党総裁)が集団的自衛権の限定容認の事例に挙げる
 「中東のホルムズ海峡が機雷封鎖されて、原油の8割が日本に入ってこなくなったとき」について、

 「まったく問題ないと思う」と即答。

 そのうえで、
総理は第1次オイルショックの例を挙げて、パニックになると言うが、あなたは総理大臣ですか?パニックを防ぐのが総理大臣の仕事である

とし、国家備蓄(半年分)、民間備蓄、節約などで対応できるので、ホルムズ海峡に自衛隊を派遣する必要がないとの考えを示しました。
 そのうえで
私は(経済産業省の)資源エネルギー庁にいたときに、第2次オイルショックがあり、配給切符を印刷していたが、日本に入ってくる油は、第1次オイルショックより減っていたのに、大きなパニックにはなりませんでした。パニックになりますと言い切ってしまう総理はなんなんだ?」と激しく怒りました。

 あけて月曜日のガイドライン(日米防衛協力のための指針)と水曜日の米議会演説について、

 「総理の議会演説は承知していない。TPPやガイドラインにふれるのか、歴史認識とか、安倍政権は野党と党首会談をやらないので、ガイドラインに関して何の説明もなく、国内にも、国会にも、国民にもまったく説明しないまま、アメリカに行って大統領と合意するのは、前代未聞であり、国会無視であり、国民無視である!」と、地が出て、激昂しました。

 今週火曜日に発表した与党協議会の安保法制の全体像について、

 「世界の平和の安定の法制(自称・国際平和支援法案)について、公明党は、事前の国会承認だから大丈夫だと宣伝しているが、(周辺事態法を改正する重要影響事態法や、武力攻撃事態法などの改正は)恒久法で、シームレス(切れ目のない)であって、きちんと書き分けられているわけではありません。総理は世界の平和は日本の平和に直結すると言っているが、ならば、日本の平和に直結すると言ってしまえば、(地球の裏側の戦争の鎮圧のためでも)国会承認がいらなくなるのだから、私は意味の無いことだと思う
と語り、北側一雄公明党副代表が言う「例外なき国会事前承認」はまったく意味がないとの考えを示しました。この認識は、私の水曜日のエントリー記事、同日付の朝日社説、東京新聞、日経新聞とほぼ一致しています。 

 とにかく、何を怒っているんだ、と思われるでしょうが、そのくらい、大変なことを、あさって安倍晋三首相は訪米して、してしまいます。

 来週、平成27年2015年4月27日ないし29日は、日本にとってポイント・オブ・ノーリターン(後々振り返って帰れない歴史的転換点)になります。

 ◇

 民主党の岡田克也代表は、
 「私も委員会の審議に積極的に議論していきたい」
 と語り、連休明け5月14日以降の、「国の存立を全うし、切れ目のない集団的自衛権限定行使のための安全保障法制の再整備法案」を審議する特別委員会で先頭に立つことを宣言しました。

 極限状態におかれたときに、人は真価を問われます。過去70年間で最大の法案審議が連休明けに始まることに、私もワクワクしています。 



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