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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

政府、経済対策3・5兆円を閣議決定 平成26年1次補正予算案を編成し、第189通常国会に提出へ

2014年12月27日 20時59分41秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 政府は、2014年12月27日(土)の午後6時半ごろの閣議で、経済対策のパッケージを決定しました。これに基づき、平成26年度第1次補正予算(案)を編成し、第189回通常国会(平成27年1月26日に召集か?)に提出します。この財政演説に対する代表質問演説が民主党新代表(新ネクスト総理、1月18日選出)のデビュー戦となります。

 パッケージの名称は「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策案」と名付けたようです。これは、安倍首相が繰り返してきた「アベノミクスの恩恵を全国津々浦々まで及ぼす」との第47回総選挙の言葉通りのようです。

 3・5兆円のうち、真水(税収と公債を歳入として、交付金など直接の現金で歳出する金額)がいくらかは不明。

 とにかく情報公開の姿勢がまるっきりなく、自民党のウェブサイトにも、財務省のウェブサイトにも何も載りません。閣議決定から2時間たっても何も載らないので、財務省主計局に直接電話したところ、残っていた職員が、「みんな帰っていて、たぶん何も載りません。すいません」と誠実に答えてくれました。

 報道によると、パッケージには、灯油購入補助費や商品券、コメ買い取り価格下落分の補填、住宅購入エコポイントなどが盛り込まれているようです。基本的には、自治体の事業への交付金という格好です。報道によると、交付金の申請書の書き方の手引きを、霞が関が書いて自治体に示すということもあるようです。

 予算のフレームとしては、平成26年度第1次補正予算は歳入を3・1兆円ほど増額するようです。これにより、平成26年度最終補正後の歳入歳出規模は99兆円になる見通し。

 財源としては、もともと、今年度予算の税収は「50兆0010億円」という丸い数字でしたが、予想通り、法人税収が「名目で」大幅に上振れしますので、これを財源に充てます。新規発行の赤字国債はないようですが、借換債で償還期限(残存期限)を長いものにかえるということも、ファイナンスとしてはあり得ると思います。懸念は、補正でそれをやると、分かりにくい、財政民主主義の観点からどうかと感じます。

 このパッケージによる、GDPの押し上げ効果は年率0・7%と内閣府が公表。これは、日本のGDPは年間500兆円で、政府支出が3・5兆円追加すれば、名目で年率0・7%GDPが上がるのは当たり前の話です。それよりも、消費が6割を占めるGDP計算(SNA)に引きずられ過ぎているような気もします。

 真水以外では、日本政策投資銀行などの円安対策融資枠の拡大が盛り込まれるようです。これも、政府系金融機関が1階で、そのうえでに、民間銀行が乗って融資できるようなかたちで、経済の好循環をつくってくれないと、莫大なツケのかわりに進んでいるアベノミクス第1の矢、異次元の金融緩和の意味がないように感じます。

 テレビでは帰省ラッシュはきょうがピークだ、と報じられています。いずれにせよ、この日程感は、総選挙が12月14日である以上、しかたがないのですが、あまりにも情報公開姿勢が自民党政府には無さすぎます。

政府、3.5兆円の経済対策決定=消費喚起へ新交付金―GDP0.7%押し上げ(時事通信) - goo ニュース


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