【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

2007年10月1日、郵政民営化!

2007年10月01日 19時05分45秒 | 経済

「民営郵政」、いよいよスタート 4事業会社に(朝日新聞) - goo ニュース

 2007年10月1日(月)、明治4年(1971年)以来の大改革。郵政民営化です! 

 国債残高が671兆円、現金での借入と政府短期証券を含めて、836兆円(2007年6月末)と聞くと誰でも不安になります。国民一人当たり650万円なんですから、当然です。でも、将来が不安だからと郵便局に貯金するともっと国の将来が不安になるでしょう。この仕組み、お分かりになりますか?

 その仕組みを理解するには政府の借金の最大の引受先は郵便局(日本郵政だという事実を知ることが大事です。

 小泉純一郎首相が「郵政民営化は改革の本丸」と言っていました。その通りだと思います。郵政民営化は国鉄民営化とはまるっきり、違います。私は郵政民営化は国鉄民営化や電電公社民営化のおそらく百倍難しい大改革だったと認識しています。

 郵便配達のサービスが良くなるの? そんなことはハッキリ言って、どうでもいいことなのです(あくまでも比較論での話です)。これは金融大改革なのです。
 日本政府の借金の3割を引き受けてくださっている日本郵政(株)。同社が国債を売りに出したら(現金化したら)、大変です!

 でも、経済アナリストの大多数が日本郵政は所有する国債を自由に市場に出せないだろうと見ており、私もそう考えます。日本郵政の金庫にしまってある国債の1%を市場に出しただけで、一気に日本国債は値崩れ(表面利率は上昇)します。不人気商品になります。日本郵政は大事な財産を自ら不良資産にしてしまうのです。だから売りに出せないと見られています。

 とはいえ、懸念はあります。もしも日本郵政社長が、総理大臣に「おい、コラッ!国債を売るぞ!」と脅したらどうなるでしょう? 日本郵政社長が日本の大ボスになるかもしれませんよね(冗談ですよ、冗談)。

 政府は当面、日本郵政の大株主ですが、早ければ3年後には株式を上場(公開)する予定です。外資に乗っ取られたらどうしましょう? そうならないよう、しっかり見守っていきましょう。

 ゆうちょ銀行の資産は222兆円、かんぽ生命保険の資産は112兆円です。国民の共通財産です。このお金(money)をどう運用するのか?

 ゆうちょ銀行は、早速、住宅ローンとクレジット事業を始めるべく検討しています。が、企業などにお金(money)を貸し出すとしたら、その融資のノウハウはどうするんでしょうか?

 この点に関して、日本郵政の西川善文社長は1日夜、NHK総合テレヴィジョンの「NHKニュースウォッチ9」に出演し、「外部から人材を登用する考えがある」ことを認めました。

 西川ゼンブンさんは住友銀行頭取をやっていた人です。西川ゼンブンさんが日本郵政公社総裁に就任したとき、多くの人が予想した通り、住友銀行(三井住友銀行)から社員を受け入れる考えがあると認識して間違いないと私は思います。

 (ちなみに、東京都が出資した「新銀行東京」でも旧住友銀行出身者が融資部門で活躍しているそうです)。

 以上です。



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