【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

衆議院郵政改革に関する特別委員会を廃止

2012年05月09日 10時55分20秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]民主党選挙対策委員長として第45回衆院選公認候補予定者を発表する赤松広隆さん、2008年10月21日、民主党本部。
  
 「衆議院郵政改革に関する特別委員会」が廃止されました。

 連休明け最初の2012年5月8日(火)の衆議院本会議の冒頭で、横路孝弘議長が「お諮りいたします」と廃止を提案。「異議無し」との声で全会一致で廃止が決まりました。

  第180国会衆法6号「郵政見直し法案」(武正公一さんら提出)は4月27日、参院で可決・成立。この5月8日付で、「平成24年法律30号」正式には「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」となり、天皇陛下が広く全日本国民に公布しました。

 これにより、同委員会は使命を終えました。帝国議会の「法案審議」に加えて、国会は「法案審議」と「国政調査」がクルマの両輪です。その国政調査、すなわちお目付役は、衆院総務委員会、参院総務委員会に引き継がれました。なお、参院には特別委員会は初めから設けられず、総務委員会が法案審議にあたりました。

 これにより、郵便局関係者のみなさんは、2005年郵政国会以来の「政治の季節」が完全に終わりました!お疲れ様でした。

 郵便局のみなさんは政治にはもううんざりでしょう。しばらく本業に邁進してください。趣味を楽しんでください。でも、いずれ落ち着いたら、地域をこまめに歩いて、弁が立つので、外交でも農業でも、また国会に関心を持ってください。

 赤松広隆委員長(民主党、愛知5区)は、昨日付で特別委員長でなくなりました。これにより、赤松議員への議会雑費(委員長としての開会中の手当)の日額6000円支給と、運転手付き公用車の提供は同日をもって打ち切られました。ですから赤松さんの4月分の歳費は議会雑費として委員長手当18万円が上乗せされていたでしょうが、5月分は4・8万円ということになります。13・5万円の税金が浮きました。

 運転手は衆議院事務局職員なので、国家公務員法100条の守秘義務がかかります。なので、車の中では携帯電話で何でも気楽に話せます。これも今日からは乗れなくなります。ただし、会派に割り当てられた公用車があり、時間帯で予約して、ナンバーを控えて、乗ることはできます。閣僚はそれぞれの役所が所有する車をその役所の職員である運転手が運転します。例えば、総理の車も内閣官房職員が運転しています。たいていの人は警視庁護衛官が総理車を運転していると思うでしょうが、それは絶対にありません。民主党国会議員は自民党議員と比べて、東京で自家用車を所有者している人は少ないので、政権交代後は、電車、徒歩、自費でのタクシー使用が激増しています。ちなみに、議員特権に厳しかった河村たかしさんが衆議院の特別委員長時代に公用車に乗りまくっていたと批判する同僚がいました。しかし、これは河村さんが運転手さんの立場を考えて、乗っていたのでしょう。河村さんはそういう人です。早く岡田さんと仲直り欲しいです。

 特別委員会は法案が成立したら、必ず廃止しなければいけない、という決まりはありません。公布日にすばやく廃止したのは隠れたヒットであり、「税金の無駄づかい根絶」になります。

 議会政治とは、小さいことからコツコツと改革していくことだと感じます。憲法改正で一院制という話もありますが、両院制をめぐる諸問題も、小さいことの積み重ねが解決してくれるように感じます。要は、不満があれば声を挙げる。それが大事です。それと、忘れないこと。人間の頭にはどんな人でも容量があります。目先の政局に興味を持つと、大切なことを忘れやすくなります。


[写真]選対委員長として擁立に関わった福田衣里子・衆院議員(左)の結婚を知り声をかける赤松広隆・衆院議員(右)、2012年4月12日、民主党代議士会室、筆者撮影。

 人を想う気持ちで、この国はできています。

 郵便局のみなさん、ユニバーサル・サービス頑張ってください!

 明治4年以来、郵便局員の足腰の強さが必要とされている時代はないでしょう。頑張れ!

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