
2012年1月24日(火)に召集された第180常会も、会期末を木曜日に控えて、最終盤国会を迎えました。
ちなみに小選挙区導入後、
第41期衆議院では、4度目の通常国会135日目の6月2日に森首相が解散(神の国解散)。
第42期衆議院では、3度目の通常国会(190日間)を終えて、秋の臨時国会(15日目)の10月10日に小泉首相が解散(マニフェスト解散)。
第43期衆議院では、2度目の通常国会200日目の8月8日に小泉首相が解散(郵政解散)。
第44期衆議院では、4度目の通常国会198日目の7月21日に任期4人目の麻生首相が解散(政権選択解散)。
第45期衆議院は、3度目の通常国会の延長含みの会期末になっています。
民主党・新緑風会は参議院で第1会派で、自民党・公明党・たちあがれ日本の3党が束になっても、民主党が2議席上回っています。この構成は2013年7月まで続きます。平成になってからの参院選は野党第1党は6勝、与党第1党はわずか2勝です。野党第1党では、土井社会党、小沢新進党、結党3ヶ月の菅民主党、岡田民主党、小沢民主党、谷垣自民党が勝っています。与党第1党が勝ったのは、宮澤自民党(東京サミット開催中の参院選)と小泉首相就任3ヶ月目の自民党の2回だけです。この国会で解散し、野党として第23回参院選に臨むという選択肢があります。あるいは、第46期衆議院が宙ぶらりん議会(衆院で単独過半数を持つ政党がない議会構成)になったら、衆参含めて政権構想を提示した上で第23回参院選にのぞむという手もあります。
ですから、民主党は今年中に解散すれば、「2段構え」で闘えることになります。
さて、衆議院議員で、任期4年満了前に解散して欲しい人など実は一人もいません。例えば、前回比例復活だった自民党議員が「早く解散して与党に戻りたい」「次は小選挙区で通りたい」と言っていても、来年の7月にやればいいわけで、1年前倒しすれば歳費は2000万円減るし、政治資金管理団体に繰り越してきた政治資金も1年前倒して使わなければなりません。例えば、9月に総裁改選を迎える自民党の谷垣禎一・衆議院議員は極めて稀に早く解散してほしいかもしれません。でも地元福知山の谷垣事務所の中心スタッフのなかにも、例えば、来年4月に子ども2人が進学するので入学金がいるという人は口には出さなくても、任期満了をのぞんでいるでしょう。
そのようななか、会期末というのは人間が見られます。人間の本性がでます。
私たちは第46回衆院選で、人を選ばなければなりません。マニフェストも大事です。が、参院の構成を横目に見ながら、安定した政権をつくらなければなりません。世界的な通貨・国債危機は10年から15年続きます。
仕分けが必要です。その前に会期末、燻り出すことが必要です。
「燻り出す」ーー「いぶして中にいる虫・獣などを外に追い出す」という意味です(大辞林)。
金曜日(6月15日)の参議院本会議は、連休前の4月27日以来の法案採決のための委員長報告がありました。日程第一です。ここで参議院議員立法の「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律案」(第180国会参法21号)の委員長報告がありました。このとき、前の国会から参議院議長になっている平田健二さんが「文部科学委員長、野上浩太郎君」と発言する場面がありました。参議院事務局職員トップの橋本雅史事務総長が平田さんに訂正を求めますが、平田さんは何を間違えたか気付かなかったようで、時間がかかりました。「参議院文部科学委員長」というのはいません。「参議院文教科学委員長」です。事務総長は将来的にも、「元参議院事務総長」の肩書きが最重要ですから、「参議院」の看板にこだわります。それは当然です。
しかし、平田さんは、「参議院文教科学委員長」を「参議院文部科学委員長」と言い間違えて、それを事務総長に指摘されて、しばらく気付きませんでした。いったい、参議院とは何なのか。4月27日以来1ヶ月半ぶりに法案を採決する「日程第一」でなぜ、議長が委員長の名前すら言えないのか。休みがたっぷりあったのに。このようなことなら、「参議院文教科学委員長」ではなく「第二衆議院文部科学委員長」に改めるべし。こんな話を242人の参議院議員に話したって、9割以上は他人事。当事者意識がないんですよ。つまり、国を背負い込んで政治家になっていない。ところが、やはり国を背負い込んでいないと、会期末のような正念場(性根場)で、どう行動すればいいか悩んでしまうことになります。国を背負い込んだ志がある人は強いです。
翻って、野党15年、1000兆円の政府債務のうち、一分以下の責任しかないと思われるのに、弱音を吐かずに責任を背負い込んでいる野田佳彦という男は大したものだと思います。一ミリもぶれずに信念を貫き通すべきです。偽者を燻り出せ、突き飛ばせ、息の根を止めろ。ポスターの笑顔にだまされないストイックな厳しさで、次の政権作りの材料を集める1週間です。
[お知らせ1]
会員制ブログで今後の政治日程とそのポイントを解説しています。
今後の政治日程 by 下町の太陽
最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。取材資金にもなりますので、ぜひご協力下さい。
[お知らせ2]
「国会傍聴取材支援基金」を設けました。他メディアにはない国会審議を中心とした政治の流れをこのブログで伝えていきます。質素倹約に努めていますが、交通費などがかかります。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
ご協力いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
[お知らせおわり]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます