【2008-6-3 参院厚生労働委員会】
後期高齢者医療制度廃止法案の質疑の午後の部です。
午後は
自民党が質問→民主党が答弁
のパターンになります。
主な答弁者は、福山哲郎さん、大塚耕平さん、桜井充さん(以上民主党)、小池晃さん(日本共産党)、福島みずほさん(社民党)、自見庄三郎さん(国民新党)らでした。
で、自民党は尾辻秀久参議院議員会長が質問者として登場。
自民党五役である議員会長の登板は異例です。厚労相経験者とはいえ、自民党の人材難を感じさせました。
[画像]質問に立った尾辻自民党参院議員会長(参議院インターネット審議中継)
尾辻さんは老人保健制度の問題点を解決するために、「後期高齢者」を制定したとの経緯を説明。
「この法案は緊急避難だが、緊急避難するなら安全なところに避難すべきだ」として、老健制度にいったん戻す民主党案を批判しました。
また、「健保は(法案に)書いてあるが、国保のことは書いていないのはなぜか」と質問。大塚さんが「4月1日以前に戻す、という法案なので、国保について法制面で検討の余地がある」と認めました。
国民新党副代表で、元郵政相の自見庄三郎さんの発言はいつもながら説得力がありました。自見さんは小児科医。
年齢によって区分する保険組合が、先進国では米国のメディケア・公的医療制度(65歳以上)しかないとして、制度自体が許せないとの認識を強調。
「年齢によって差別することは公的医療になじまない」としたうえで、
「カネより命が大事だ!!」
【質疑には合計5人の医師が登場】
自民党2人目の質問。
ここでは質問者、答弁者あわせて5人の医師が登場しました。
答弁者では民主党の桜井充さん、日本共産党の小池晃さん、国民新党副代表の自見庄三郎さん。
質問者では自民党の西島英利さん、公明党の渡辺孝男さん。
[写真は西島参院議員]
日本医師会出身の自民党比例代表、西島英利さん。
質疑中に「私は日本医師会の常任理事として後期高齢者医療制度をつくった」と自己紹介しました。
西島さんは終始、日本医師会の立場から質問を続けました。
コワモテの西島さんのことを良く存じませんが、少なくとも小児科ではないでしょう。
西島さんはまず、きょうの委員会が職権で設定されたことが遺憾だとして、岩本司委員長(民主党)に質問。岩本さんは「委員長への質問はふつうはないんですが・・・」としながらも、理事会などで話し合った経緯などを説明。
西島さんはさらに参院政審会長である福山さんに今後の審議日程を質問。
福山さんは「審議をいそぐつもりはないが、6月15日という会期末が決まっています」として理解を求めました。
[日本共産党政策委員長の小池さんも医師]
日本共産党の小池晃さんも「しっかり審議する考えに変わりない」としながら、法案の早期成立の意義を強調。
社民党党首の福島みずほ参院議員も同様の考えを示しました。
[答弁する福島さん]
一方、民主党は答弁の中で攻勢。
「(日本医師会の構成員である)近畿医師会は後期高齢者廃止の決議をしている」
「4月の導入からわずか2ヶ月間で見直しを迫られたのに、ここまでの質問で自民党の両先生からひとことも謝罪の言葉がないとは残念だ」と反撃しました。
今も仙台市の病院で月2回診療を受け持っているという民主党の桜井充さんは「私も日本医師会員ですが、西島先生のように選挙の応援をもらっていません」と笑わせながらも、ピシャリと答弁。
このあと磯崎陽輔さん(自民党)、山本博司さん(公明党)、渡辺孝男さん(同)が質問。
午前中の民主党に続き、井上哲士さん(日本共産党)、近藤正道さん(社民党)が質問し、一般質疑は終了しました。
この後、参考人質疑の日程を決めて、散会しました。
前編はこちらをクリック【後期高齢者】廃止法案、参院委で質疑(午前の部) してご覧ください
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