
[写真]米国立公文書館のホームページにある"Democracy Starts Here."
共同通信が大きなスクープを配信していたんですね。朝、ラジオで聞いて驚きました。先日退役した米空母「キティホーク」が外洋で活動した後、事実上の母港である米海軍横須賀基地に帰る際に、核兵器をいちいち外していないと言われていました。たぶんライシャワーさんだと思いますが、駐日米大使が認めていたと思います。私はこれは日米安全保障条約の「なし崩し」だと思っていましたが、1960年の岸内閣の安保条約の改定の際の「密約」だったそうです。
歴代4人の外務事務次官が認めたそうです。この密約の存在を知らされていたのは、橋本龍太郎さん、小渕恵三さんら一部の首相・外相に限られていたそうです。橋本さんということは歴代4人の事務次官のうち、1人は国連海洋法裁判所裁判官の柳井俊二さんだと思います。
そうすると、1997年時点の橋本龍太郎さんは知っていたのでしょう。1998年の2月14日のバレンタインデーに記者団からのチョコレートのお返しに、旧首相官邸(いまの首相公邸)の総理執務室に入れてもらったことがあります。これは歴代の総理番としても貴重な体験だそうです。岐阜5区総支部長の阿知波吉信さんも研修で総理番をやっていて、このとき総理執務室に入っていると思います。記者団との貸し借りをすぐにチャラにする橋本さんらしい合理主義です。この時、執務机の隣の棚に佐藤栄作元首相の写真プレートがあり、田中角栄さんの写真がなかったことを不思議に思いました。佐藤栄作さんは1970年の日米安保更新のときの首相で、米国から沖縄返還に成功したことで、ノーベル平和賞を受賞しました。
1997年11月の沖縄返還25周年記念式典には政府チャーター機で首相に同行しましたが、橋本首相によると、たしか42回目ぐらいの沖縄訪問だと聞いて、驚きました。小渕さんもそうですが、1990年代後半は自民党平成研に沖縄に関心の高い政治家が多いようでした。
さて、衆院内閣委員会では閣法「公文書管理法案」が審議中です。外務事務次官が外務大臣や首相に上げる情報とその対象を選別していたというのは問題だと思います。私は「なし崩し」だと思っていたのが、「約束が存在することを隠していた=密約」だったわけです。
米公文書館のホームページには"Democracy Starts Here."=「デモクラシーはここから始まる」と書いてあります。
情報とはすなわち権力です。正直、私も持っている情報を出し惜しみすることで、当ブログへの関心を呼ぼうとしています。それがどう不信感を招こうがかまいません。それが情報の世界というものです。これほどの情報を官僚が独占していたら、首相・外相→外務事務次官の主従関係が逆転すると思います。
衆院内閣委員会での参考人質疑が必要です。
核持ち込み密約、外務次官ら管理 首相、外相の一部に伝達(共同通信) - goo ニュース
60年の日米安全保障条約改定に際し、核兵器を積んだ米軍の艦船や航空機の日本立ち寄りを黙認することで合意した「核持ち込み」に関する密約は、外務事務次官ら外務省の中枢官僚が引き継いで管理し、官僚側の判断で橋本龍太郎氏、小渕恵三氏ら一部の首相、外相だけに伝えていたことが31日分かった。4人の次官経験者が共同通信に明らかにした。政府の長年の説明を覆す事実で、真相の説明が迫られそうだ。
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