
民主党代表選の小沢一郎、菅直人両候補が5日のNHK日曜討論で対談。
小沢さんは菅総理は役人に取り込まれているとの趣旨の発言で攻めたところ、菅総理は役人に取り込まれないように政務三役という鎧を作りそれを党政策調査会を復活させて全議員参加でガードしているとの趣旨の発言で応戦しました。
この後、9時10分過ぎ、小沢さんは
「鳩山内閣では、政策会議というのをつくってあったんです。そこでは誰でも参加して、政府の政務三役と(衆参の)委員会の人たちを中心とした党の人たちと議論をする、という場にしていたわけです。そこが上手く機能しないで、単に形骸化しているというところが、みんなの不満のところだったと思いますが、それがきちんと運用されていればそういう弊害はなかったと思う」と述べました。
この「政策会議」。2009年9月18日付で、就任直後の小沢一郎幹事長(当時)が民主党全議員に配った「議員必携 政府・与党一元化における政策の決定について」というA4判2枚のペーパーで、党内議論・意思決定プロセスなしに、(おそらく)鳩山由紀夫代表・総理(当時)の了解もなく突然通告されたものです。
小沢さんは、政策会議の企画者が自身だということには触れませんでしたが、政策会議が上手く行かなかったことを認めました。小沢氏が公の場で自らの非を認めることは極めて異例です。日に日に厳しくなる情勢のなかで、自身の政治生命に影響する可能性が出てきたことから、心が弱くなったのかもしれない、と私は感じました。
できれば新進党を解党したことについて、この選挙戦で詫びてほしいですね。まあ、詫びても、私の判断は変わりませんが(このブログは菅さんの続投を応援しています)。
なお、9時45分頃、菅さんは、参院選での消費税発言について、「言い方がまずかったかもしれません」と非を認めました。
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ところで、話は変わりますが、政権公約を実現する会(鳩山グループ)の会長は大畠章宏さんです。日立製作所社員・労組出身で、日立市など茨城5区から出ています。
菅直人内閣・直嶋正行経産大臣が8月24日、日立製作所の中西宏明社長らと一緒にベトナムのズン総理大臣と会い、日立などがつくる官民出資の「国際原子力開発株式会社」に原子炉を発注してください、とトップセールスをし、この返事を来月の日越首脳会談で受け取ることになっています。
きょうは日曜日なので、大畠議員に直接確認をとれていないことをお詫びします。あくまでも、うわさ話・憶測であることをお含み置き下さい。確認済みの事実は大畠さんが小沢陣営の総決起集会に欠席したことだけです。大畠さんは7回連続で日立のはたらく仲間に支えられて、野党時代も保守王国・茨城県で民主党唯一のテッパン議席を守り続けてきました。しかし、与党になったのに、倒閣(小沢支持)に走り、原子炉トップセールスに失敗した場合、日立労組の仲間の働き場を奪うことになります。その場合は、重電各社・各労組が「もうきみには頼まない」と、第46回衆院選出馬が厳しい状況になることもありえます。しかもこの人、年齢からして、同期入社が一斉に定年退職を迎えているはずです。鳩山グループ(政見公約を実現する会)会長までが小沢陣営から離れることになるかもしれません。今週にはこの件の確認をめざしますが、現時点では未確定の情報です。
それにしても、政権という重荷を背負うなかで、倒閣運動(小沢候補支援)に走る、というのは、これはちょっと吐き気がするほどのすさまじいものだな、という気がしてきます。自民党では、総理大臣が総裁選で負けた例が1回しかない、という理由がようやく分かってきました。
なお、日教組、自治労が支持候補を集約できない状況になっているほか、情報労連が衆参とも菅さん支援に回ったようで、小沢さんが強いとされていた旧総評系が舵を取りだしたようです。
ちょっとこのエントリーでは、小沢さんへの批判めいたことを書きましたが、この選挙戦で、私は小沢さんへのネガティブ・キャンペーンをしないことを宣言します。というか、その必要はない、というのが現時点での私の情勢分析です。もちろん手を抜いたら逆転されるかもしれません。小沢さんの政策については、物申すかもしれませんが、僕は早く「小沢卒業」をしたいので、前に進むうえで大事なことを書いていこうと思っています。
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