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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

小沢グループが議事録改竄 ホームページで「小沢信者」を騙す

2012年04月23日 05時00分00秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]小沢グループで会長挨拶をする小沢一郎氏、筆者撮影。

 新進党を解党した小沢一郎さんが会長を務める小沢グループが議事録を改竄してホームページに載せ、「小沢信者」と呼ばれる少数ながらも熱狂的なコアな支持者を騙していたことが分かりました。

 議事録の改竄が判明したのは、以下の部分です。

 現在、小沢グループのホームーページに載っているのは次の議事録です。

[小沢グループのホームページの議事要旨から引用はじめ]

新しい政策研究会(議事要旨)

2012年2月2日12:00

第2議員会館多目的会議室

(進行福嶋健一郎衆議院議員)

○小沢一郎会長挨拶

・国会が始まったばかりで税と社会保障制度、沖縄の問題等、難問が出ている。

・様々なところで「日米同盟」という言葉を聞くが、沖縄の問題に関してなど今の日米同盟はその状態にあるのか。本当に対等なのか。

・当会は「自立と共生」という理念を掲げているが、日本が国としてきちんと自立していないところに問題がある。

・自立した国家では国民の代表である政治家が見識と気概を持たねばならない。

・役人に全てを任せるとなれば、それは政治家の責任逃れ。政府が海保の船に漁船をぶつけてきた船長を釈放したことがある。釈放については賛否両論あるが、中国と日本の領土問題であるにも関わらず、政府でも担当大臣でも政治家でもない沖縄地方刑事局が決定するというのはあり得ない。

・沖縄の人は日米関係、米軍の駐留、安保、基地経済等を理解している。だが、何らかトラブルになっても政府は主張せず交渉にもならないという事に対し不満を感じている。

・今年は世界の大変革、大変動になりそうな年。国家、国民を預かる政治家の責任は大きい。

・それぞれの国益を代表して外交は行われる。それをしっかり認識して高い見識を持って臨まねばならない。

○政策調査会報告(中村哲治参議院議員)

・年金の試算は1月29日の政府・民主三役会議で議論。党内に示すことが確認された。

・東電電力改革プロジェクトチームが経済財政・社会調査会PTの元で置かれ、仙谷由人座長、大塚耕平事務局長で設置。

・原子力安全関係法案では「原子力安全庁」から「原子力規制庁」に名称が変わる。

○新政研常任幹事会報告(鈴木克昌衆議院議員)

・2月10日~13日に日本青年館で小沢塾を開催。

○新政研事務局報告(岡島一正衆議院議員)

・参議院の先生方が「自立と共生」小沢会長の理念に基づいた基本的な理論の勉強会を開催する予定。

・今後、具体的な政策について取り組んでいくものについては小委員会を作る。

○東祥三事務総長挨拶

・国会が始まりありとあらゆる問題が惹起している。中でも議事録の欠如は重大な問題。阪神大震災の防災会議の議事録もない。あのような天災があった際に政治家がどういう判断をしたのか全く判らない。

・民主党政権が出来たときに問題がどのように議論されてきたのか、マニフェストをどういう根拠で決めてきたのか、それが途中で何を根拠に変わってしまったのかも判らない。

・決めたことをその場で発表出来ること、仮に出来ない場合でも20年、30年後にはこういう根拠に基づき、こういう決断をしたということがわかるようにすべき。

・きちんとした政治を我々が鍛えていかなければならない。

以上

編集責任者:岡島一正

[引用おわり] 

 これに対して、当ブログが入手している議事要旨は以下の通り。この議事要旨を意図的に部分的に削除して、ホームページに載せていることが分かります。

 注1 色付け部分はホームページに載っている議事録の欠落部分。
 注2 当ブログの取材の都合から、合計3人の議員名を■■で抹消させていただきました。ご了承ください。
 注3 小沢グループに情報源を特定されないように万全を期すため、句読点や漢字・仮名遣いでわずかな修正を入れさせていたただきました。ご了承ください。

[正式な議事要旨から全文引用はじめ]

新しい政策研究会(議事要旨)

 

2012年2月2日 12:00

第2議員会館多目的会議室

(進行 福嶋健一郎 衆議院議員)

 ○小沢 一郎 会長挨拶

・国会が始まったばかりで税と社会保障制度、沖縄の問題等、難問が出ている。

・様々なところで「日米同盟」という言葉を聞くが、沖縄の問題に関してなど今の日米同盟はその状態にあるのか。本当に対等なのか。

・当会は「自立と共生」という理念を掲げているが、日本が国としてきちんと自立していないところに問題がある。

・自立した国家では国民の代表である政治家が見識と気概を持たねばならない。

・役人に全てを任せるとなれば、それは政治家の責任逃れ。政府が海保の船に漁船をぶつけてきた船長を釈放したことがある。釈放については賛否両論あるが、中国と日本の領土問題であるにも関わらず、政府でも担当大臣でも政治家でもない沖縄地方刑事局が決定するというのはあり得ない。

・沖縄の人は日米関係、米軍の駐留、安保、基地経済等を理解している。だが、何らかトラブルになっても政府は主張せず交渉にもならないという事に対し不満を感じている。

・今年は世界の大変革、大変動になりそうな年。国家、国民を預かる政治家の責任は大きい。

・それぞれの国益を代表して外交は行われる。それをしっかり認識して高い見識を持って臨まねばならない。

○幹事長室報告(■■ ■ 副幹事長)

・総務省所管の特別交付税交付金の3月分、国交省の昨年実績126億円の社会資本整備総合交付金、昨年実績41億円の市町村の臨時特例措置交付金等がある。陳情対策本部で受けるので持ち込んで欲しい。

・総務省の特別交付金については各都道府県連を通じて行っている。要望は県連に。

・幹事長室では相談を受付けている。鈴木克昌幹事長代理もいるので、何でも言って欲しい。

 ○議院運営委員会・国対報告(■■ ■■ 議運理事)

・2月9日に本予算の衆議院予算委員会。3月2日までに成立すれば年度内に自然成立できるので、3月2日までに衆議院を通過させ、参議院へ送りたい。

・その後各委員会、郵政特、社会保障特が入り乱れて開催される。それぞれ担当の委員会、法案をよく見て、成立のしかたを考えて欲しい。

 ○政策調査会報告(中村 哲治 参議院議員)

・年金の試算は1月29日の政府・民主三役会議で議論。党内に示すことが確認された。

・公務員給与制度について合意した、との報道があるが、まだ合意されたとは言えない状況。

・東電電力改革プロジェクトチームが経済財政・社会調査会PTの元で置かれ、仙谷由人座長、大塚耕平事務局長で設置。

・原子力安全関係法案では「原子力安全庁」から「原子力規制庁」に名称が変わる。

 ○新政研常任幹事会報告(鈴木 克昌 衆議院議員)

・2月10日~13日に日本青年館で小沢塾を開催。10日開校式、12日塾生・OB懇親会、13日に小沢塾長による講演会・閉校式・記念撮影がある。是非参加を。別途案内有り。

 ○新政研事務局報告(岡島 一正 衆議院議員)

・参議院の先生方が「自立と共生」小沢先生の理念に基づいた基本的な理論の勉強会を開催する予定。

・今後、具体的な政策について取り組んでいくものについては小委員会を作る。

階猛、行田、■■の各先生と岡島が事務局の中心になるが、皆で取り組んでいきたい。

○東 祥三 事務総長挨拶

・国会が始まりありとあらゆる問題が惹起している。中でも議事録の欠如は重大な問題。阪神大震災の防災会議の議事録もない。あのような天災があった際に政治家がどういう判断をしたのか全く判らない。

・民主党政権が出来たときに問題がどのように議論されてきたのか、マニフェストをどういう根拠で決めてきたのか、それが途中で何を根拠に変わってしまったのかも判らない。

・決めたことをその場で発表出来ること、仮に出来ない場合でも20年、30年後にはこういう根拠に基づき、こういう決断をしたということがわかるようにすべき。

・きちんとした政治を我々が鍛えていかなければならない。

以上

 編集責任者:岡島一正

[全文引用おわり]

 このように、幹事長室報告の「総務省所管や国交省所管の交付金があるので、陳情を持ち込め」、「小沢一郎政治塾が開かれるからお前らも参加しろ」との生臭い「利益の誘導と分配の政治」の部分はホームページでは丸ごと削除されています。衆議院議院運営委員会理事(兼)党国対委員会役員による、今後の国会運営に関する報告もそれ自体なかったことにホームページではなっています。ちなみに、民主党内各グループでは国対委員による国会の見通し報告はどこでもしており、記者に公開しているグループもあります。そのほか、党政調役員の報告、小沢グループ常任幹事会の報告、小沢グループ事務局の報告でも、ホームページでは微妙な削除があります。

 情報公開の基本として、幹事長室報告と議運・国対報告がなかったのようになっているのは大いに問題があります。これは、まずタイトルは入れて、そのうえで内容は吟味すべき。議事次第そのものを省略している小沢グループの姿勢は問題です。こんなことでは、木曜日、平成23年特(わ)第111号事件で小沢さんが仮に無罪になっても、誰も相手にしてくれないでしょう。

 それにしても、政府の各省の「交付金」を付けるので、党の正式組織に「陳情を持ち込め」とは。そもそも総務省も国交省も党幹事長室も党陳情対策本部も、小沢グループの組織ではありませんよ。公私混同が激しすぎます。とはいえ、議事録から削除している以上、問題になる可能性があるという認識はあるのでしょうか。貧すれば鈍する。能力と集票力がないと、こんなに惨めな議員活動をしないといけなくなるんですね。

 LPGの輸入増により貿易収支がギリギリの状態になっています。自動車輸出の回復ぶりを見ても、相変わらずアメリカ頼みですし、経常収支の構造を見ていると深刻な体質になりつつあることもうかがえます。我が国経済は今夏に向けて、厳しさを増しつつあります。しかし、どんなに苦しくても小沢グループのようになったら人間おしまいです。新進党を返せ! 武士は食わねど高楊枝。小沢グループを反面教師にして、今週も頑張っていきましょう。今週は「衆院一体改革特別委員会」が24日にも設けられ、趣旨説明ができると感じます。消費増税反対ではなく、「社会保障をもっと充実させろ」と具体的提案を民自公修正実務者に寄せるのが賢い有権者のあり方です。それでは、最後にひと言。小沢一郎さん、新進党を返せ!

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[お知らせおわり] 


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