(このエントリーの初投稿日時は2011年2月26日(土)11時50分)
[画像]2011年2月24日の代議士会で発言する岡田幹事長=NHK「ニュースウォッチ9」の映像をお借りしました。
久しぶりに痛快な一事がありました。
衆院会派「民主党・無所属クラブ」の代議士会が2月24日(木)の衆・本会議前に開かれました。国会開会中ですが、2月は衆・予算委員会での予算審議が突貫工事のように進んでいますので、本会議や代議士会の開催は、9日ぶりでした。
この間に、比例単独選出の小沢系議員(渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎ら)16人が「自称・新会派」を宣言し、小沢系「一新会」の事実上の創設者である、松木謙公・農水政務官が鹿野道彦農相に辞表を出すなど、党内に混乱があり、国民の間でも4月からの生活に不安が広がっています。
その中での代議士会で、岡田幹事長は、当面の国会運営に「予算案採決を(来週に)控えて、非常に重要な局面なので、緊張感を持ち対応してもらいたい」と気を引き締めるよう呼びかけました。
この後、小沢一郎政治塾出身の1期生議員が、党本部作成のビラについて、「これでは誰も配る人がいない」などと批判しました。岡田さんはこの後の定例記者会見で「ああやってマイクを持ってしゃべるのはいい」とこの言動は評価しています。
そして、党本部で広報委員長代理を務める、3期生議員が釈明。ただ、代議士会をやっている本会議場の議長とは後ろの出入り口付近にある第4控室は、身内なのに、ヤジがとびかいました。議員のストレスに加えて、与野党が出席する本会議との勘違いもあったかもしれません。たまらず岡田幹事長が執行部席から立ち上がり、マイクを握って発言しました。
岡田幹事長は、マイクをつかむと、「
ちょっと、そこで・・・ちょっと立ってください。
今しゃべった奴、立ってください。
今しゃべった人立って。
もう少し、言い方を気を付けたらどうかね。
仲間の議員が説明しているときにその言い方があるのかね。
」と発言しました。私はこれを見て爆笑してしまいました。久しぶりに気分爽快。原理主義ときどきブラフの岡田さんらしいシーンでした。
ちなみに岡田さん、「気を付けたらどうかね」「その言い方があるのかね」とおじいちゃん口調になっていますが、実際には岡田さんが1953年にこの世に生を受けたときには、両方のおじいさんは天寿を全うされており、一緒に過ごした経験はありません。また、実父は、ワーカホリックで、四日市時代は自宅にいる時間が短く、あまり話したことはないようです。15歳~18歳のころ、大阪で2人ぐらししていた3年間にはけっこう話したようです。おばあちゃんの高田ちゑさんの口調なのか。あるいは通産省のキャリアはみんなそうですが、財界の大物、例えば瀬島龍三さんらの口調が57歳の与党幹事長という重い責任を負う立場になって、出てきたのかも知れません。いずれにしろ、「三つ子の魂、百まで」という感じがしました。
代議士会で、立たされた2人の議員のうち1人は、一新会所属の当選3回生で、衆・議運委理事の要職にあり、国会の円滑運営が国家国民から与えられた使命でありながら、ホントウに情けないと思います。また、もう一人は、発言した議員と同じ大阪府連所属の1期生で、これまた小沢一郎政治塾出身者。そして、実は、広報委員長代理も、一新会会員です。さらにこの場をしきる山岡賢次・党副代表(兼)代議士会長が、小沢グループであることはみなさん良くご存じでしょう。
ちなみ蛇足ですが、この中の一人は、国会議員でありながら、秘書飲み会(独身者にとっては合コン)がに出席し、もう一人は、トイレから出るときに手を洗いません。ホントウに蛇足ですいません。
ということは、この幕の登場人物、合計5人はみんな小沢グループですし、さらに自称・新会派16人も欠席という格好で代議会を混乱させています。実は岡田さんは怒ったふりをして、実はある程度計算づくで引き締めた可能性が高いと思います。「仲間の議員」の「仲間」というのも、複数の意味を持たせているのかも。もちろん岡田さんはロボットではありませんから、とっさに「今しゃべった奴」と「奴」と言っていますが、テレビカメラを意識して、「今しゃべった人」と言い直しています。だいたいが、岡田さんは世襲議員ではないので、とっさに「奴」と感情が先に出て、後から理性が追いつく性格でなければ、そもそも選挙に出て、日本の政治を変えようなどと思うわけがありません。そういうところも垣間見えた名シーンでした。
「人間マックス・ウェーバー」の岡田さんは、民主党権力が崩壊しかけているという危機感の前提に立って、小沢グループの内部統治が崩れかかっているという現状認識を持っている可能性があります。
「一丁かましてやった」というしたり顔を岡田さんはしているように、私には見て取れるのですが。岡田、怒らせたら恐いで~。
さて、ビックリ情報でしょうが、小沢グループの中核組織である「一新会」会長を務める3期生で総務副大臣の鈴木克昌さんが「一新会を退会したい」という周囲に漏らし、慰留を受けている、という情報(鈴木さんから確認はとっていませんが)があります。鈴木さんは愛知県ですが、地元の市議が民主党公認を返上し、大村秀章知事が代表を務める政治団体(地域政党)の公認を受けて統一選にのぞむ、という報道があります。私は地域の事情はまったく分かりませんが、鈴木さんが民主党を出たら、総務副大臣を辞めないと行けないし、次期衆院選も微妙になる。そこで、会長辞任どころか、退会したい意向という情報があります。この情報は、反小沢系が流しているのかも知れないけど、小沢グループが空中分解する方向性を示唆していると思います。
一新会の代表者は鈴木克昌さんで、会計責任者を他の衆院議員(その後、離党、不出馬)が務めていたころも、政治資金収支報告書の「事務担当者」には、松木議員の政策秘書の名前があり、一新会は、発足そのものの発案から、運営まで、事実上、松木さんがもっとも関与していました。このような経緯から、小沢一郎議員の秘書出身の政治家は、一新会の活動にはあまり熱心でない傾向が政権交代の前も、後も見て取れます。
すっきり爽快だ、と書き始めながら、最後の方には、さわやかな土曜の朝にふさわしくない情報を書いてしまいましたが、内憂外患、敵は外か、身内か分からない状況になっていますが、とにもかくにも、「予算関連法案」の行方に、不安を持っている国民が多いと思います。これは与党も野党も共有しないといけない。というわけで、私はもう政権交代の直前から、「政権交代」のその先にあるもっと大事なことは「政治を国民の手に取り戻すことだ」と書いてきました。そして、それはハッキリ目に見える形で言えば、小沢一郎さんの政治的影響力を根絶すること。これも表現に気を付けて「小沢卒業」を国会議員にも有権者にも求めてきました。ぜひ小沢被害者の仲間である公明党執行部、自民党執行部の一部(石破政調会長、小池総務会長)も協力してくれないものでしょうか。
国会の見える化が進めば、選挙のつまらない化が進みます。日常の中で、国益に資する政党、議員を選択できますから、選挙になってから熱くなる必要はありません。そういう安定した日常生活の中で、日常のささやかな喜びに生きている喜びを感じる。そういう国のかたちをつくっていく。それが予算案が衆院を28日ないし3月1日に通過した後の、後半国会の論点になってきます。変化の時こそ、国民の声の影響力は増します。チャンスです。まずは、両院協議会のネット中継とそれに関する国会法や規約の改定に向けて、ちょっと僕もいろいろ勉強しているところです。気を引き締めて、前に進みましょう。
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